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平成17年3月22日 本会議
「介護保険法等の一部を改正する法律案」について質問

第14号 平成17年3月22日(火曜日)
平成十七年三月二十二日(火曜日)
    ―――――――――――――
議事日程 第八号
  平成十七年三月二十二日
    午後一時開議

第一 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
日程第一 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑



○高木美智代君 公明党の高木美智代でございます。(拍手)
 初めに、一昨日に発生した福岡県西方沖地震において被害を受けた方々に対して、心よりお見舞い申し上げます。

 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました介護保険法等の一部を改正する法律案について、総理並びに厚生労働大臣に質問いたします。

 平成十二年四月からスタートした介護保険制度は、制度導入当初、要介護認定者が二百十八万人であったものが、現在は四百万人を超え、これに伴い、介護総費用も、平成十二年の三兆六千億円から十七年度には六兆八千億円へと増加の一途をたどっております。
 将来にわたり給付と負担のバランスのとれた持続可能な制度へと改革することが必要ですが、その改革に当たっては、高齢者の生活機能の低下を防ぎ、自立と生活の質の向上を図るという制度本来の趣旨を踏まえた予防重視の考え方が極めて重要です。
 こうした認識のもと、介護保険法附則第二条に基づき、法施行後五年をめどとした見直し作業が進められ、本改正案では、予防重視型システムへの転換、施設における居住費、食費の利用者負担の導入、地域密着型サービスを初めとする新たなサービス体系の確立など、柱とする内容が盛り込まれております。
 これは、増大する給付費と、それに伴う将来の保険料の過度の上昇を抑えるために必要な改革と考えます。その上で、今回の改正が、単なる財政対策としてではなく、サービスの質の向上や利用者の生活改善につながるものでなくてはなりません。
 その意味から、一貫性、連続性ある総合的な介護予防システムを盛り込んだ本改正案は、制度本来の趣旨にのっとったものであると評価しておりますが、小泉総理はどのように御認識か、改めて、法改正の趣旨について伺います。
 また、今回、この法律の目的として要介護状態となった高齢者等の尊厳の保持が明確化されたことは、高齢者介護のあり方において極めて重要であると思いますが、総理の御見解をお伺いします。

 次に、改正の具体的内容について、厚生労働大臣に伺います。
 まず、改正の第一の柱として予防重視型システムへの転換が挙げられておりますが、その内容は、制度導入以来、軽度の要介護者が大幅に増加し、軽度者が重度化している現状を踏まえ、要介護状態の軽減や悪化防止に効果的な新予防給付を創設する一方、要支援、要介護になるおそれのある方に対しても効果的な予防サービスを提供する地域支援事業を導入するというものです。
 これらは、公明党が発表した介護予防十カ年戦略における、高齢者の生活機能の維持改善を図るための地域予防拠点の整備等が盛り込まれ、また、与党の健康フロンティア戦略における、高齢期だけではなく現役時代からの取り組みとあわせ、健康寿命の延伸を目指す内容に沿ったもので、評価できるものであります。

 実際の介護予防マネジメントのあり方や対象者の選定方法、また、家事援助サービス等のこれまでのサービス利用や利用者の選択権についてどこまで認められるものなのか、具体的にお答えください。
 また、地域生活支援事業の事業規模は、政令で一定の限度額が定められるとともに、利用者には市町村が利用料を請求できることとなっております。
 これらについて、地域ニーズに合ったサービス量が確保されるよう、また利用者負担にはね返らないよう、限度額について十分配慮を行うべきと思いますが、いかがお考えか、お答えください。
 あわせて、これらの取り組みを進める上で重要となる効果的な予防メニューの選定や、予防拠点の整備計画についての具体的な進め方を伺います。

 続いて、改正の第二の柱である施設給付の見直しについて伺います。
 在宅と施設の利用者負担の公平性を確保するとともに、介護保険と年金給付の重複を是正する観点から、施設入所者の居住費と食費を原則、介護保険の対象外とするとしておりますが、この改正により施設利用が困難とならないように、公明党としても低所得者への配慮を強く求めてきたところであります。(拍手)
 具体的に、年金・所得水準など、利用者の負担能力に応じたきめ細かな負担軽減措置についてどのようにお考えか、また、これ以外にも、本改正案において利用者のトータルな負担軽減策を盛り込んでいるのかどうか、あわせて伺います。

 続いて、改正の第三の柱である新たなサービス体系の創設について質問いたします。
 独居高齢者や認知症高齢者の増加、在宅支援の強化、高齢者虐待の防止といった観点から、地域密着型サービスや地域包括支援センターを創設することは極めて重要であり、こうした取り組みは、介護保険の基本理念の一つである地方分権の強化にもつながると考えます。
 特に、地域密着型サービスは、市町村が事業者の指定や指導監督を行うこととなっておりますが、その際、各種の基準や介護報酬について、市町村の創意工夫が十分反映できる仕組みになっているのかどうか。
 また、今回、独居高齢者や認知症高齢者が住みなれた地域での生活が継続できるよう、地域の特性を踏まえた介護福祉基盤や介護予防拠点の整備を推進するための地域介護・福祉空間整備等交付金が新たに創設されることになります。この交付金についても、地域ニーズに合った弾力的な運用がどこまで確保されているのか、具体的にお答えください。

 次に、被保険者、受給者の見直しについては見送られましたが、今後どのように検討していくおつもりか、お伺いします。
 特に、四十歳以上の末期がん患者については、介護保険でサービスを受けられるようにすべきだとの声が多く、いち早く介護保険の対象に加えるべきと考えますが、お伺いします。

 以上、改正案の幾つかの柱について質問させていただきましたが、公明党は、制度発足当時から、すべての国民で、すべての国民の介護の負担を分かち合う制度とすべきとの理念を示しております。
 今回の見直しに当たっては、施行後五年間の実情を踏まえ、より普遍的な制度へと近づけることについて、国民の理解を得るよう努力していくべきと考えます。
 高齢者やその家族が生涯の生活設計を行う上で、重要な柱の一つとして安定的に存在し、機能し続けるものでなければなりません。
 ホイットマンの言葉に、「若い者は美しい。しかし、老いたる者は若者よりもさらに美しい」とあります。人生の達人としてさらに輝きを増しながら、元気で長生きという、明るく活力ある健康長寿社会を築く、安心の基盤となる法改正を求めて、私の質問を終わります。(拍手)

〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 高木議員に答弁いたします。
 総合的な介護予防システムでございますが、介護保険制度の基本理念は、高齢者の方々の自立した生活を支援することであり、この理念に照らせば、できるだけ高齢者を要介護状態にしないこと、また、軽度の方々を重度にしないことが重要であります。
 このため、今回の制度改正においては、要介護状態となる前の段階から、軽度の方まで一体的に介護予防サービスを提供する予防重視型システムの構築を進めるなど、高齢者の自立を目指して改革に取り組むこととしております。
 介護保険法の目的規定の見直しでございますが、人生の最期まで個人として尊重され暮らしていくことは、だれもが望むものであります。介護を必要とする状態になっても、尊厳を持って生活を送ることができる社会の実現が必要であります。
 今回の介護保険制度の見直しにおいては、尊厳の保持を高齢者介護の基本に置かれるべき大切な理念と位置づけ、その旨を介護保険法の目的に明確に規定したところでございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)     

〔国務大臣尾辻秀久君登壇〕

○国務大臣(尾辻秀久君) 介護予防マネジメントのあり方等についてのお尋ねがございました。
 今回提案しております予防重視型システムへの転換につきましては、改善の可能性が高い軽度の方々を介護認定審査会において選定いたしまして、地域包括支援センターにおいて公正中立な立場から介護予防マネジメントを行い、介護予防の観点から既存のサービスの内容等を見直すとともに、効果が確認された新たなサービスの導入を図ることとしております。
 なお、サービス提供に当たりましては、さまざまな専門家が利用者の自立を支援する観点から、その内容について検証し、利用者の同意を得ながら、最適なサービスを選択することとしております。

 地域支援事業の規模についてお尋ねがありました。
 地域支援事業は、市町村の行う介護予防事業と住民に対する相談事業等をその内容とするものであります。
 この事業が効率的かつ効果的に行われ、介護保険財政の負担とならないよう、一定規模の限度を定めることとしておりますが、その水準については、市町村の事業が的確に実施できるよう、十分配慮してまいります。

 地域支援事業の予防メニューや介護予防拠点についてのお尋ねがありました。  地域支援事業につきましては、要支援、要介護状態となることを防止する観点から、現在、市町村において実施されている各種の介護予防事業を評価、検証し、効果的事業を取り入れていくこととしております。
 また、介護予防拠点につきましては、地域の高齢者が通いやすいよう、既存の民家等の既存資源を活用する形で整備を進めることとしておりまして、地域介護・福祉空間整備等交付金で支援していくこととしております。

 施設給付の見直しについてお尋ねがございました。
 施設における居住費、食費の見直しに当たりましては、低所得者の方へのきめ細かな配慮が必要と考えておりまして、過度な負担とならないよう、所得に応じた低額の負担の上限額を設けて、その負担の軽減を図ることとしております。
 こうした措置に加えまして、特に低所得の方については、月々のサービスの利用料についても、その負担上限額をより低くすることとしており、これにより、居住費、食費を含めた利用者負担の合計額が従前よりも低くなるよう配慮を行っております。
 地域密着型サービスは、介護が必要となっても住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、日常生活圏域で提供されるべきサービス類型として創設するものでございます。その指定基準や介護報酬につきましては、全国共通のものを定めた上で、地域の実情に応じたサービス提供を可能とする観点から、市町村が一定の範囲で変更できることとしており、市町村の創意工夫が反映できる仕組みとなっております。

 地域介護・福祉空間整備等交付金についてのお尋ねがございました。
 地方の創意工夫と自主性を生かすことができるよう、平成十七年度から、施設ごとの補助金を改めまして、各自治体が作成する整備計画に対し、一括して交付する交付金制度を創設することとしたところであります。
 本交付金により、各自治体は、地域におけるサービス基盤の整備の状況などを踏まえて、事業者への助成の程度を変更したり、交付金総額の範囲の中で整備量をふやすなど、弾力的な基盤整備を行うことが可能になると考えております。

 被保険者、受給者の範囲についてのお尋ねがございました。
 先ほどお答え申し上げましたとおり、この問題については、国民の合意形成が大変重要であると考えておりまして、今後、検討規定の趣旨も踏まえ、給付と負担のあり方など社会保障全体についての議論を行う中で、被保険者、受給者の範囲についても精力的に検討を行いまして、平成二十一年度を目途として所要の措置を講じてまいります。

 末期がん患者の方々に対する介護保険の適用についてのお尋ねもございました。
 がんは我が国の死因の第一位となっていますが、多くのがん患者の方々が病院で最期を迎えておられる現状にあります。
 しかしながら、適切な在宅医療と介護サービスがあれば、住みなれた自宅で最期を迎えることが可能でございまして、現にそのような希望をお持ちの方々も少なくない状況にあります。
 こうした方々のニーズに対応する観点から、現行の介護保険制度の中での対応方策について今後検討してまいります。(拍手)





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