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平成18年5月9日 環境委員会
「フロン法改正」について


第10号 平成18年5月9日(火曜日)
平成十八年五月九日(火曜日)
    午後二時八分開議

出席委員
委員長
木村隆秀君
理  事
石崎岳君
理  事
岩永峯一君
理  事
加藤勝信君
理  事
松浪健太君
理  事
山本公一君
理  事
田島一成君
理  事
長浜博行君
理  事
富田茂之君
井脇ノブ子君
岩屋毅君
宇野治君
小杉隆君
木挽司君
近藤三津枝君
坂井学君
篠田陽介君
竹下亘君
とかしきなおみ君
並木正芳君
根本匠君
馬渡龍治君
近藤昭一君
篠原孝君
高井美穂君
村井宗明君
吉田泉君
高木美智代君
江田憲司君
野田聖子君
…………………………………
環境大臣
小池百合子君
環境副大臣
江田康幸君
環境大臣政務官 竹下亘君
政府参考人(消防庁次長)  大石利雄君
政府参考人(外務省大臣官房参事官)  深田博史君
政府参考人(経済産業省製造産業局次長)  塚本修君
政府参考人(国土交通省大臣官房官庁営繕部長)  奥田修一君
政府参考人
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)
由田秀人君
政府参考人(環境省地球環境局長) 小林光君
環境委員会専門員 齊藤正君
   


○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
 本日は、お元気な小池大臣のもとで、しっかりと審議をさせていただきたいと思います。

 それで、このフロン法の改正につきましては、これは一九七〇年代後半から、オゾン層が破壊されつつある、このことによりまして、世界じゅうの人々が真剣に地球環境問題に取り組む上で端緒を開いたテーマであると思っております。

 そこで、モントリオール議定書が八七年に採択され、そして翌年の八八年にオゾン層保護法が制定をされました。これを受けまして、公明党も独自で、田端議員等が中心になりまして、二〇〇〇年十一月、フロン回収・破壊法を提案いたしました。先ほど山本先生より、その当時の模様をふつふつと教えていただきました。

 私も、先輩たちから、最大のフロン消費国である日本がこの問題に取り組まなければ国際的な信用は失墜をしてしまう、諸外国では既に回収・破壊法に取り組んでいる、日本は、特に環境立国を目指すわけだから、どの国よりも率先して取り組もうと。そしてまた、二〇〇〇年には循環型社会形成推進基本法が制定をされました。このように、環境重視の連立政権の真価を発揮しよう、こういう熱い思いで取り組まれたと先輩たちから伺っております。

 地球規模で広がります環境問題の解決に向けまして、モントリオール議定書では、先進国でCFCの消費について、一九九六年以降全廃、HCFCについても二〇二〇年以降全廃、また、開発途上国につきましても、CFCの生産、消費は二〇一〇年以降全廃、HCFCの消費については二〇四〇年以降全廃、このような方法がとられまして、これからいよいよ本格的な削減期間に突入をするわけでございます。やはりこうした開発途上国が確実にモントリオール議定書を遵守し、オゾン層破壊から全世界の人類を守るという、このような共通した責任を担うという大事な法案であると思っております。

 先ほど来、我が国が発展途上国に対しましてどのような支援を行っているか、このことについてはるる伺いました。そこで、私はひとつ確認をさせていただきたいのですが、まず経済産業省にお伺いしたいと思います。

 日本は、フロン類の出荷につきましては、国内につきましては、HCFC、これはまだ二〇二〇年までは可能なわけですが、今、毎年約二万トン、そしてHFCについては約二・七万トン、このように認識をしております。そこで、CFCとHCFCの輸出と輸入が行われているのかどうか、この現状について伺わせていただきたいと思います。

○塚本政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、CFCにつきましては輸出入はございません。それから、HCFCにつきましては、御案内のように、今、削減段階途上にあるわけですけれども、平成十六年の輸出入実績といたしまして、オゾン層破壊係数で換算した値で、輸入が百四十八トン、それから輸出が五百九十六トンとなっております。

○高木(美)委員 重ねてお伺いしますが、輸出の主な相手国というのは、どのような地域になりますでしょうか。

○塚本政府参考人 ほとんどアジアが中心でございまして、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン等ということになっております。

○高木(美)委員 恐らく、こうした国々に対しまして、今度はHCFCをどのように破壊していくか、また次の責任を担っていると思っております。その点も長期展望で、ぜひ今後の取り組みをお願いしたいと思います。

 そこで、CFCやHCFCの代替といたしまして、今、HFC、お話ありましたとおり、またPFC、そしてSF6等々、代替フロンでございますけれども、こうしたものが使われるようになりました。オゾン破壊係数はゼロでございますけれども、二酸化炭素に対しまして、地球温暖化係数と言われておりますが、これはいずれも千倍から数千倍と言われております。

 この三つのガスにつきましては、京都議定書の抑制対象となっております。我が国はもう既に八%、一九九〇年比で見ますと増加しておりますので、二〇一二年までの六%目標達成については、一四%をクリアしなければいけない、こういう状況がございます。今回のこの法改正が京都議定書の約束達成のためにどの程度貢献をするものか、このことにつきまして江田副大臣にお伺いいたします。

○江田副大臣 京都議定書におけます温室効果ガス削減の目標は、先生もおっしゃいましたように、九〇年比マイナス六%でございますけれども、二〇一〇年度時点において、この温室効果ガスの総排出量の見通しは、現行の対策を引き続き実施するとした場合、基準年、九〇年比で、逆に約六%の増加になると見込まれております。

 こうした排出量の増加を抑えるために、昨年四月に閣議決定されました京都議定書目標達成計画におきまして、国内における排出抑制対策、また、森林吸収源の増大及び京都メカニズム等の追加的対策の実施によりまして、基準年比一二%の排出量削減を行わなければならないこととされました。

 この一二%のうち、国内排出抑制対策によります削減分は六・五%でございます。この五分の一に当たる一・三%分の削減を代替フロン等三ガス対策で見込んでおりまして、さらに、その四分の一弱に当たる〇・三%分をこのハイドロフルオロカーボンを対象とする本法案の効果によって削減する予定です。申しわけございません、複雑で。

○高木(美)委員 よくわかりました。ありがとうございます。

 三ガス対策につきまして約一・三%分の削減というお話、そのうち〇・三%というお話ですが、この残りの差額の一%、これも恐らく三ガス対策に今後どのように取り組むかということにかかってくると思いますが、この三ガス対策、どのような取り組みが必要と思われますか。重ねてお伺いいたします。

○江田副大臣 京都議定書の対象となっております代替フロン等三ガスのうち、パーフルオロカーボン、PFC、それと六弗化硫黄、SF6につきましては、使用業種が比較的限られております。したがって、京都議定書目標達成計画に基づいて、産業界の自主的取り組みや代替物質の開発、利用促進等によりまして、排出抑制を図っていくことが可能と考えております。

 これらの対策を通じまして、PFCの排出量は、二〇〇三年におきまして基準年に比べて約三〇%減少しております。また、SF6の排出量は約七〇%減少しておりまして、順調に排出削減が進んでいるところでございますが、政府としましては、京都議定書目標達成計画に掲げられました施策の進捗状況の点検を通じまして、これらの取り組みの確実な実施、施策の強化を図ってまいりたいと思っております。

○高木(美)委員 これだけフロン対策を行いまして〇・三%、今後残り一%、どう考えましても残り一%の取り組みが必要なわけで、ぜひその点も今後推進をお願いしたいと思います。

 抜本的に、既に生産された空調機器、冷凍機器に含まれるフロン類につきまして回収することが重要でございます。もちろん、そうでございます。そのための法でございますが、やはり技術的にも一〇〇%の回収が望めないというのは、先ほど来、断熱材等に使われております発泡関係は空中に気化をしてしまうと。抜本的な対策のためには、脱HFCを含めたノンフロン化をどのように進めていくか、これが大事ではないかと思います。

 現在残されている分野の、HFCを使わざるを得ないと言われる分野の冷媒用途であるとか発泡用途の一部、またダストブロアの問題、この分野につきまして、ノンフロン化に向けて、環境省はどのような取り組みを行っていらっしゃるのか、この点につきまして伺います。

○小林政府参考人 これは政府を挙げて推進していることでございますけれども、環境省といたしましては、例えば、これは一例でございますけれども、既に冷凍空調機器におきましては、特に家庭用のもの等でございますが、フロン類を使わない機器の実用化、製品化が進んでございますので、環境省では、こういった機器の普及を促進するためのパイロット的な補助事業といったようなものも実施をしてございます。

 また、普及啓発でございますけれども、今度は機器が実際にノンフロン型であるとかというようないろいろなマニュアル等をつくって配布をしているというようなことで、その使用促進を進めている、こういうことでございます。

 それから、もう一つ御指摘のありました断熱材の発泡剤ということでございます。
 これにつきましては、グリーン購入法の中で、そういった公共的な用途に用いますところの断熱材についてはノンフロン化をしていこう、それからダストブロアにつきましても、このグリーン購入法の中で、温室効果係数の少ない物質の購入を政府としては要は義務づけるといいますか、そういうものに限って買うというような形で、ノンフロン化の消費者としての推進ということを進めているところでございます。

 各省一体となって、こういった取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○高木(美)委員 やはりそこには何らかの経済的な補助が必要かと思いますので、ちょっと時間もきょうは限られておりますので詳しくは伺いませんが、そうした方が環境のためにも、また、それぞれの企業のためにもいいのだというような効率的な補助事業の展開をお願いいたします。

 同じ質問を経済産業省にさせていただきます。
 特に、ノンフロン機器を、また、そうした材質のものを普及するためには、また、開発するためには技術開発が一番重要であると思っております。既に、イソブタンなど地球温暖化にもオゾン層にも影響のない物質の使用も始まっていると伺っておりますが、脱HFCを含めまして、ノンフロン化に向けての経済産業省の取り組みを伺いたいと思います。

○塚本政府参考人 お答え申し上げます。
 ノンフロン化につきましては、経済産業省としても種々の技術開発等を進めております。とりわけフロン類の出荷量の約七割を占めます冷媒分野、ここのノンフロン化を進めるということが非常に重要じゃないかと思っておりますけれども、やはり、可燃性であるとか毒性があるとか冷却の効率性といった点で、すぐに全部冷媒分野でということもなかなか難しゅうございます。

 ただ、例えば家庭用の冷蔵庫につきましてはもう既にノンフロン製品が出ております。家庭用の冷蔵庫でございますので使用する冷媒量が非常に少ない、それから、冷蔵庫の中の機器で使用されるので冷媒の漏えいが少ない、可能性が低いといったことで、こういう家庭用冷蔵庫につきましては既にノンフロン化が進んでいて、二〇〇四年の新規の冷蔵庫の出荷の約八割はノンフロン化のものが製品として出されている。それから、一部、業務用に関係しますけれども、自動販売機でございますけれども、これも既に炭化水素や二酸化炭素を冷媒に利用したノンフロンのそういう自動販売機が出回っているということです。

 ただ、やはり、大量に使います業務用とか自動車用のエアコン、それからショーケース等の業務用の冷凍機器につきましては、使用される冷媒量が非常に多い。それから、配管で冷媒を循環させるということで、安全性や効率性の観点から、今のところ、最適なノンフロンの代替物が見つかっていないということでございまして、引き続き鋭意技術開発等を進めて対応したい。

 それから、冷媒以外の発泡用途やダストブロア等ということでございますけれども、これは特に一九八九年当時、我が国では冷媒分野以外では約十三・三万トンのフロンを使っていたわけですけれども、この冷媒以外の分野でかなりノンフロン化が進んでございます。二〇〇四年の足元でございますけれども、十三・三万トン出荷されていたものが一万四千トンまで減少してきているということでございます。例えば金属製品の洗浄分野、これはもう九四%削減されている、それからエアゾール分野が七八%、それから断熱材分野が八八%削減ということでございます。

 ただ、まだ完全に一〇〇%に至っておりませんので、最適なノンフロンの代替物の開発とか、それから、新しいそういうもののシステムの開発とか、そういうことで、こういう分野におけるノンフロンの推進を図ってまいりたいというふうに考えております。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

 そこで、そのような先駆的な技術の取り組みと、それからまたあわせまして、この回収と、この両面が円滑に進むことが大事かと思います。

 先ほど地域協議会というお話が少しございました。中環審の答申にも、地域の協議会の活性化ということが提案をされております。回収に携わる設備業者や回収業者を中心とした協議会が設立をされて、自主的なフロン類の回収また破壊や講習会、普及啓発活動等が実施をされてきました。ただ、途中で、家電リサイクル法等の整備によりまして、中止したり廃止したところもあるというふうに伺っております。一方で、順調に回収が進んでいる地域では、協議会を活発に取り組んでいる事例が見受けられるとも聞いております。この成功例とまた成功している地域につきまして教えていただきたいと思います。今後、都道府県が指導、助言を行うといいましても、そのような地域のベースがあれば強いというふうに思われます。よろしくお願いいたします。

○小林政府参考人 地域の取り組みは大変大事だ、大切だというふうに思ってございます。御指摘の点は、どんなところが大変活発な活動をしているのかということでございます。

 私ども承知しておりますのは、地域の協議会、今三十ほど活動をしているというふうに考えてございますが、特に活発なものとして有名なものは、群馬県そして東京都、静岡県、兵庫県といったようなところが有名でございます。

 しからば、どういった取り組みが、成功的な取り組みといいますか、よい取り組みか、こういうことでございますが、そういった先進的な協議会の例を見てみますと、一つといたしましては、フロン類の回収業者さんだけではなくて、機器の設置者、廃棄者になる方々、そして建設業者の方々、それからもっと広く冷凍空調機器のユーザー、それから製造者、こういったステークホルダー、関係業者の方の連携が図られている、大変多様な方の参加が図られている。そしてまた、現在別に法律事項ではありませんけれども、フロン類の回収証明書といったようなものを発行してみる、あるいは、フロン類を回収した機器には回収済みのシールを張って識別をして、後の廃棄等が容易になるようにするというようなこと。それから、これも今回新しく法律で入れるわけでございますが、整備時を含めた回収量の取りまとめ、統計の発表といったようなこともしているというようなところが非常に成功に結びついた取り組みとして知られております。

 私どもも、こういった成功に結びつく取り組みを各地に普及をしていく、こういったお手伝いをしてまいりたいというふうに考えてございます。

○高木(美)委員 今普及をというお話がございましたが、そのような地域ベースの取り組みの推進をぜひともお願いいたします。

 かつて、一年半ぐらい前だったと思いますけれども、新聞報道によりますと、環境省が、企業の自主参加による温室効果ガス国内排出権取引制度を創設したいという、このような案をつくられたというのを大臣は覚えていらっしゃいますでしょうか。恐らく、いろいろ業界等の反対もあったというふうに伺っております。その対象としてはCO2だけではなくてフロンも含まれるという、このような案をお立てになっていたと思います。今後、こうしたことも実施に向けて検討する方向がおありなのかどうか。私は、個人的には、ぜひ日本の中でこうした制度も進めるべきと思っております。今ならできるのではないかという思いもございます。

 こうしたこととあわせまして、最後に、環境大臣のこのフロンに対する御決意を伺いまして、終わらせていただきたいと思います。

○小池国務大臣 地球温暖化防止、そして地球環境の保全という観点からは、チーム・マイナス六%ではありませんけれども、国民、そして国、地方自治体、NGO、事業者、ある意味で総動員してやっていかなければならないと思います。また、その方策につきましても、今御指摘ございましたように、例えば経済界における自主的な排出権取引の取り組み等々、あらゆる角度から、そしてあらゆるツールを総動員してやっていかなければなりません。

 今回のフロンのこの破壊・回収につきましても、先ほど副大臣からるる説明がございましたように、京都議定書の目標達成計画の中にも組み込める一つのアドバンテージもございます。と同時に、オゾン層の破壊の防止という大きな観点に資するものでございます。

 いずれにいたしましても、本法案の改正に伴いまして、これから周知徹底を図ると同時に、冷媒、断熱材、ダストブロアなどのノンフロン化のための技術開発、製品の普及など総合的なフロン対策も進めてまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 では、この排出権取引は引き続き宿題という形で、私もしっかりと勉強をさせていただきたいと思います。

 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。




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