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平成19年10月30日 環境委員会 第4号
「温泉法の一部を改正する法律案」について


平成十九年十月三十日(火曜日)
午前九時一分開議

出席委員
委員長
小島敏男君
理  事
小野晋也君
理  事
大前繁雄君
理  事
木村隆秀君
理  事
北川知克君
理  事
西野あきら君
理  事
岩國哲人君
理  事
伴野豊君
理  事
江田康幸君
あかま二郎君
小杉隆君
木挽司君
近藤三津枝君
坂井学君
鈴木俊一君
土屋品子君
とかしきなおみ君
冨岡勉君
中川泰宏君
並木正芳君
西本勝子君
広津素子君
藤野真紀子君
牧原秀樹君
山本ともひろ君
渡部篤君
末松義規君
田島一成君
田名部匡代君
村井宗明君
吉田泉君
高木美智代君
江田憲司君
…………………………………
環境大臣
鴨下一郎君
環境副大臣
桜井郁三君
環境大臣政務官 並木正芳君
政府参考人(警察庁長官官房審議官) 小野正博君
政府参考人(消防庁審議官) 寺村映君
政府参考人
(国土交通省大臣官房官庁営繕部長)
藤田伊織君
政府参考人(環境省大臣官房審議官) 白石順一君
政府参考人
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)
由田秀人君
政府参考人(環境省自然環境局長) 櫻井康好君
環境委員会専門員 齊藤正君




○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 一年ぶりに環境委員会に戻ってまいりました。かつては、環境と経済は両立するのかとか論議もございましたけれども、今地球環境問題、国民の大きな意識の高まりにもなっております。国際的なイニシアチブを目指す当委員会の委員の一員といたしまして、責任ある働きをしっかりとさせていただきたいと思っております。

 本日は、温泉法の一部を改正する法律案ということで、これはいつも最後の質問者の宿命的なものでございますが、ほとんど、細かいことも含めまして質問は終わっているようでございますので、私は、我が党におきましても、この法改正、後押ししながら、またあるときはリードさせていただきながら、大変スピード感のある対応をさせていただいたつもりでございます。これをまた御紹介申し上げながら、何点か質問をさせていただければと思っております。

 御存じのとおり、六月十九日、私も東京の議員でございますので、渋谷区の温泉施設シエスパにおきまして、温泉施設に隣接する、別棟の従業員更衣室、地上一階、地下一階におきまして爆発事故が発生をしたことは大変残念に思っております。三人の方が亡くなられ、八人の方が負傷されるという事故でございました。

 生命の安全、安心を守るという、これこそ政治家である私どもの第一義の課題であると思っております。

 この日、地元の渋谷区議、私どもの地元の議員でございますが、もう全員、現場に駆けつけまして、救援活動に遅くまで当たったと聞いております。

 そして翌々日、二十一日、すぐに公明党の太田代表、また山口那津男参議院議員、東京都本部代表でございます、現場を訪れまして、犠牲者の冥福を祈り、献花するとともに、現地を視察、調査いたしました。その足で、直後、総理に要請をいたしまして、再発防止策を検討することで意見の一致を見たわけでございます。

 さらに翌日、正式に申し入れを総理に対して行わせていただきました。一つは、都市型温泉の開発や利用に関する緊急安全対策の早期策定と全国への周知、また二つ目に、同種の温泉施設の実態調査、総点検の実施、また三点目に、天然ガス対策として、新規立法を含め関連法制度の整備、検討の着手など申し入れたわけでございます。

 特に、関連法制度の整備に関しましては、先ほど来、各省庁にまたがるというお話もございましたとおり、消防法、鉱業法、温泉法など、また国土交通の所管も含めまして、省庁横断的な対応を要請いたしました。総理からは、法改正を含めて政府として取り組みたいとの御意向を伺ったわけでございます。

 私も、海外出張で不在でございましたので、翌二十三日、献花、また視察をさせていただきました。

 早速、一週間後の二十九日、党といたしまして、都市型温泉施設の安全対策プロジェクトチームを設置いたしまして、第一回の会合を持ったわけでございます。何よりも、施設の利用者、事業者、また従業員、近隣住民に配慮した安全対策につきまして、協議することを申し合わせたわけでございます。

 以来、随時、環境省を初め各省から御報告を受けながら、また、要請そしてまた協議を重ねながら、この法改正に至ったわけでございます。

 今、温泉ブームを背景に、都内ではこうした温泉施設が毎年十カ所近く新設をされております。若い女性も多く利用しております。

 しかしながら、東京、千葉など南関東一帯の地下千メートルから二千メートルには、南関東ガス田が広がっております。近年、掘削技術の進歩によりまして、大体千メーターから千五百メートルぐらいまで掘削するようになりました。そのために、温泉水と一緒にくみ上げられるガスの危険性はどの施設も抱える問題だと言えます。

 しかしながら、渋谷の温泉施設におきましては、近隣住民に対して十分な説明もないまま繁華街に建設されたこの施設は、狭い土地のために、温泉くみ上げ設備も密閉されたつくりになっておりまして、かねてより、事故を懸念する声が周辺住民から上がっていたと伺います。

 そこで、大臣にお伺いいたしますが、今回の法改正によりまして、施設の利用者、また従業員、近隣住民の安全対策に対しまして万全を期すという当初の目的が達成されているのかどうか、その御不安を払拭できる内容となっているのかどうか、大臣の御所感を伺いたいと思います。

○鴨下国務大臣 先生おっしゃるように、犠牲になられた方には本当に御冥福をお祈りしたいというふうに思いますし、加えて、あの周辺の方々には多分大変な迷惑とある意味での不安を与えたんだろうというふうに、私も現場に伺いまして、つくづく思いました。

 そういうような意味において、今回の改正によりまして、温泉の採取を許可制として、許可基準として、可燃性天然ガスの分離及び屋外への放出、そしてガス検知器の設置及び十分な換気の実施等を定めまして、温泉の採取事業者に義務づける、こういうようなことを一番の目的とさせていただいております。

 事業者にこの技術基準を遵守させる、こういうようなことによりまして、可燃性天然ガスの爆発事故は防止できるものと考えております。温泉の利用者あるいは従業員の方々、そして近隣の住民の皆さんの安全、安心をしっかりと確保する、こういうような方向に向けまして、法律の施行に万全を期してまいりたいというふうに思っております。

○高木(美)委員 この改正法が成立した場合の施行までのスケジュールがどのようになるのか、伺いたいと思います。

○櫻井政府参考人 この改正法の施行についてでございますが、施行日につきましては、改正法の公布の日から一年以内で政令で定めることとされておるところでございます。その間に、技術基準などの必要な規定を早急に定めまして、その後、事業者及び都道府県が対応できる範囲内で、これもできる限り早期に施行することといたしたいと考えておるところでございます。

 なお、既存の事業者さんにつきましては、安全対策の実施に相当の期間を要する場合があることから、施行日から六カ月以内は許可を受ける必要がない、つまり、許可を受ける前も営業は継続できるということなどの経過措置を設けることによりまして、規制に十分に対応できるように配慮をしてまいりたいというふうに考えております。

○高木(美)委員 恐らく、この改正法が施行されるまでの間、また次々と新たに温泉施設が建設されることが十分に考えられます。今とっていただいています暫定対策につきまして、その間も確実に実施するなど、安全対策を徹底することが必要であると思います。このことにつきまして答弁をお願いいたします。

○桜井副大臣 可燃性天然ガスによる災害防止に関する仕組みを温泉法に導入することでありますが、温泉の安全性を十分カバーできることになると考えております。施行までの間に、今お話がありましたように、再度事故が生じれば、我が国の温泉の信頼を大変損なうということでございますので、しっかりした対応をしたいということでございます。

 このために、法が施行されるまでの間において、新法の趣旨を十分事業者に周知して安全対策の意識を高めることや、七月に暫定対策が引き続き確実に実施されるよう都道府県を通じ事業者に促すことなどにより、温泉に対する安全、安心の確保に努めてまいりたいと思います。

○高木(美)委員 実効性ある安全対策をお願いいたします。

 この渋谷の事故におきましては、温泉くみ上げ施設内の配管につきまして、先ほど来お話がございましたとおり、設計図どおりに設置されていなかったということがほぼ明らかになっております。換気扇が正常に稼働していながらも、構造上の欠陥によりまして換気が不十分であった、このことも指摘されているわけでございます。

 そこで、我が党といたしまして申し上げたことでございますが、許可申請の図面と異なった工事を行っていないかどうか、実際に現場で確認することが大事なポイントではないかと申し上げさせていただきました。やはり、図面それから実際にでき上がった配管、そしてまたさまざまな安全設備等々、これをきちんと現場で点検しませんと改正法が空洞化してしまう、このように強く申し上げたところでございます。

 こうした点がこの法改正におきましてどのように盛り込まれたのか、許可の判断材料となります災害防止に関する技術基準への適合性をどのように今後確保される御決意なのか、その点につきまして答弁をお願いいたします。

○並木大臣政務官 先生御指摘のとおり、シエスパの事故原因については、調査中ということで、予断をすべきではないわけですけれども、確かに、当初、直接外に放出するという構造が、中で一回換気扇によって換気するような、そういうことに変えられたということが原因ではないかという指摘もあったということで、いろいろ調査しているわけです。
 そのようなことにおきまして、まさに先生おっしゃるとおり、温泉の採取の許可に当たりましては、書類申請のそういう審査だけでなくて、必要な場合には工事完了後に実地の検査を行う旨の許可条件を付して、そして検査の結果、基準に適合していなかった場合は、許可の取り消しや措置命令を行うことによって、施設の構造等が技術基準に適合することを確認することが重要であると考えております。

 これらの手続が確実に行われることは、環境省としても、十分必要であり、重要であると考えております。技術基準への適合が確保されるよう、省令において必要な規定を設けることにさせていただきたいと思っております。

○高木(美)委員 恐れ入ります、再度確認でございますが、現場で確認というのが必ず行われる、これをいわば義務的な措置というふうに考えてよろしいのでしょうか。

○並木大臣政務官 先生はもう御存じのとおりなので、構造によってさまざまに違うというか、特に屋内の場合、そうした条件が必要かと思います。

○高木(美)委員 ありがとうございます。

 こうした温泉施設におきます事故防止対策をより強化するためには、各施設におきまして、一定の資格、経験等を有する安全管理担当者といいますか、そういう人物を配置することを義務づけるべきではないかと考えております。

 今回の渋谷の事故におきましても、管理会社は、委託されたけれどもそこまでは自分たちの範囲ではない等々の、こうした責任転嫁といいますか、すき間が多くあったと思っております。

 そういう点から考えますと、安全管理担当者が果たしてその施設においてだれなのか、これもあわせて、現場でこうした条件を確認する際に、許可をするための現場確認の際にあわせて確認すべきではないかと思いますが、この点につきまして答弁を求めます。

○櫻井政府参考人 安全対策の担当者をあらかじめ定めておくということは、御指摘のように、温泉施設の経営主体あるいは設備の管理委託を受けた者など、その温泉の安全対策にかかわる複数の事業者間での責任の所在を明確にする、あるいは事業者の中での責任者を明らかにするということから重要なことであろうと考えております。したがいまして、温泉の採取等の許可申請に当たって安全対策の担当者を明らかにするということを事業者に義務づけることを考えております。

 なお、一定の資格とか経験を要求するかどうかということでございますが、今回の安全対策は施設の構造に関するものが中心でございまして、運転段階で特別の技能が必要なものではないということ、さらには、大規模な温泉施設から個人所有の温泉に至るまで事業形態が非常にさまざまであるということから、一律の資格あるいは経験というものを要求するということはなかなか難しいのではないかということで、責任者を明らかにするという形で対応したいというふうに考えておるところでございます。

○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 実は、この渋谷の事故の二年前、平成十七年二月、東京北区におきまして、これも温泉の掘削現場でございますが、可燃性ガスが噴出をいたしまして、高さ二十メートルに上る火柱が上がりまして、二十四時間以上にわたって燃え続けるという事故がございました。

 それを受けまして、東京都は独自の安全対策ガイドラインをつくりまして、深度五百メートル以上掘削する場合には、天然ガス噴出を防止する装置をつける、また、ガス検知器で常時ガスを測定する等の指導を行うようになりました。

 実は、この背景といたしまして、この北区の事故のとき、我が党の都議会議員も駆けつけまして、この後、都ともさまざま申し入れをしたり検討いたしましたが、やはり法の規制というものが、各省庁横断、なかなかそこが成り立たず、各省庁の壁の中でここが法がないような状態に置かれていた、むしろ、法がない状態の中で東京都に対して温泉の許可が求められ、また、ほとんどそれを通していた、そういう現実もここで浮かび上がったわけでございます。

 こうした北区の事故、また東京都のこうした安全対策ガイドラインへの取り組み、こういうことを踏まえまして、今回の法改正におきましては、掘削中の事故を防止するために多くの内容も盛り込まれております。実際にどのような安全対策を義務づけることとしたのか、答弁をお願いいたします。

○櫻井政府参考人 温泉の掘削時の事故及び安全対策でございます。

 御指摘のように、平成十七年二月に、東京都北区で温泉の掘削中に火柱が上がるという事故がございました。幸いにして、あのときは死傷者はございませんでしたけれども、この問題の重要性にかんがみ、東京都におきましては、御指摘の安全対策のガイドラインというものを設けたところでございまして、また、環境省におきましても、そのガイドラインを各公共団体に参考にするように配付したところでございます。

 今回、法改正を行うに当たりまして、掘削時においても安全対策を行うということを、採取だけではなくて掘削の時点でもそういった安全対策を義務づけるということを導入したいというふうに考えております。具体的には、ガス噴出防止装置を設置すること、あるいは周辺での火気の使用を禁止するというようなことを義務づけることを予定しておるところでございまして、その詳細な内容につきましては、今後さらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

○高木(美)委員 これは大変苦言を呈するようでございますが、やはり北区でこれだけの大きな事故が発生をしたわけで、当然、先ほど来論議がありましたとおり、それぞれ、これほど多岐にわたる、しかも、この労働者というふうになりますと厚生労働も絡んでくるという、大変多岐にわたる省庁の内容になっておりますので、それをつないでいくのも私たち政治家の役割でもあるとは認識しておりますが、やはりもう一歩、環境省の皆様におかれましても、そこの足を踏み込んでいただいて、未然に事故を防ぐためにどうしたらいいかという、この安全、安心の対策のためにもう一段の御努力をお願いするものでございます。

 ちょっと時間は早いのですが、最後の質問にさせていただきたいと思います。

 ただいまの各省にまたがる、これにつきましても、今後とも、環境省がかなめとなりまして、こうした都市型温泉施設または全国各地にあります温泉施設につきまして、取り組みを期待するものでございます。

 今、温泉につきましては、日本人だけではなくて、特に台湾とか香港とか、また中国系の方たちもそうでございますが、海外からの観光客を呼び込む我が国の重要な資源でございまして、おとといでしたか、私も青森に行かせていただきました。ここは、農水産物と温泉、こういう地域資源しかないんだ、なかなか企業誘致が進まないんだと大変悩みの声を多く受けとめたところでございますが、温泉があるということは大変大事な地域の力でございますし、これをまた活用する、また、そこに例えば外国人の観光客の方が来やすいような通訳の方を配置するとか、まだまだ日本では活用できる範囲が広がっていると思っております。今回の法改正によりまして、そうした世界の方たちも含めて、安心して温泉が利用できるような安全対策を望むところでございます。

 この安全対策に対します大臣の御決意を伺わせていただきたいと思います。

○鴨下国務大臣 今お話しになっていましたように、温泉は、ある意味で、国民の皆様みんなが温泉に入ることを好まれますし、具体的には、例えば療養、湯治、こういうようなものも古来からあるわけでありまして、そういう意味では、いわば我が国の文化にすっかり浸透しているわけであります。

 加えて、先生おっしゃっているように、今はむしろ外国からも観光資源の一つとして温泉を目的においでになってくれる、こういうような方々もいるわけでありますから、そういう意味で、全体的なインフラを整えて、安全でしかも楽しく入っていただく、こういうような施設を整えていくというのはまさにそのとおりだというふうに思います。

 ただ、先ほどからお話がありましたように、温泉に関する、特にこの南関東のガス田の上にあるような温泉掘削に際しては、可燃性の天然ガス、こういうようなことで、実際に渋谷区のシエスパでは悲惨な事故が起こったわけでありますので、こういうようなことを二度と繰り返さないということで、先ほど来ずっと議論になっております、例えば建築の問題あるいは消防の問題、そしてこの温泉法、こういうことを総合的にいわば連携して、そしてその安全対策に関する規制をしっかりとしていく、こういうことなんだろうというふうに思っておりまして、ぜひ国民の皆さんが温泉に対して信頼あるいは安心をして利用いただける、こういうようなことのために全力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。

○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。




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