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平成19年12月7日 環境委員会 第6号
「日中韓三カ国環境大臣会合、環境と経済の両立、再生可能エネルギーの促進」について
平成十九年十二月七日(金曜日)
午前九時三十分開議
出席委員
委員長
小島敏男君
理 事
小野晋也君
理 事
大前繁雄君
理 事
木村隆秀君
理 事
北川知克君
理 事
西野あきら君
理 事
岩國哲人君
理 事
伴野豊君
理 事
江田康幸君
あかま二郎君
大塚高司君
亀岡偉民君
小杉隆君
木挽司君
近藤三津枝君
坂井学君
清水清一朗君
鈴木俊一君
土屋品子君
とかしきなおみ君
冨岡勉君
並木正芳君
広津素子君
藤野真紀子君
安井潤一郎君
山本ともひろ君
川内博史君
末松義規君
田島一成君
田名部匡代君
松野頼久君
村井宗明君
高木美智代君
江田憲司君
…………………………………
環境大臣
鴨下一郎君
厚生労働副大臣
岸宏一君
環境副大臣
桜井郁三君
環境大臣政務官
並木正芳君
政府参考人(人事院事務総局人材局長)
鈴木明裕君
政府参考人
(厚生労働省労働基準局労災補償部長)
石井淳子君
政府参考人(農林水産省総合食料局次長)
中尾昭弘君
政府参考人(林野庁林政部長)
島田泰助君
政府参考人(経済産業省大臣官房審議官)
伊藤元君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)
上田隆之君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)
西山英彦君
政府参考人(環境省大臣官房長)
小林光君
政府参考人(環境省大臣官房審議官)
白石順一君
政府参考人
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)
由田秀人君
政府参考人
(環境省総合環境政策局環境保健部長)
石塚正敏君
政府参考人(環境省地球環境局長)
南川秀樹君
政府参考人(環境省自然環境局長)
櫻井康好君
環境委員会専門員
齊藤正君
○小島委員長
これより会議を開きます。
環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、第九回日中韓三カ国環境大臣会合の結果について政府から報告を聴取いたします。鴨下環境大臣。
○鴨下国務大臣
おはようございます。
私は、十二月四日から六日まで富山県を訪れ、第九回日中韓三カ国環境大臣会合に出席してまいりました。
本会合は、北東アジアの中核である日本、中国、韓国の三カ国の環境大臣が一堂に会し、本地域及び地球規模の環境問題に関する対話を行い、協力関係を強化するため、平成十一年から毎年各国持ち回りで開催しているもので、日本での開催となった今回、初めて地方都市で開催しました。
会議では、北東アジア地域の環境協力における本会合の重要性について再確認するとともに、本会合がASEANを含めた東アジア地域の環境保全にも貢献していくことで一致しました。
個別分野では、地球温暖化対策について活発な意見交換を行ったほか、さまざまな分野の環境協力について議論を行いました。
特に、近年我が国でも問題となっている黄砂については、特別セッションを設けて議論し、黄砂のモニタリングと早期警報ネットワークを確立し黄砂の影響低減策を推進するため、共同研究を開始することに合意しました。
また、光化学スモッグの問題について、発生メカニズムの解明に向けて、三カ国が協力して研究を進めることに合意しました。
その他、化学物質管理やEウエーストに関する一層の協力の実施、生物多様性やラムサール条約に関する協力などについても合意しました。
そして、これらの結果を共同コミュニケとして取りまとめました。
また、韓国の環境部長官及び中国の国家環境保護総局副局長と、それぞれ個別に会談を行い、両国との協力を一層進展させることで一致しました。
最終日には、富山市内の環境関連施設を視察し、地方における環境保全の取り組みの重要性について、三大臣で再確認しました。
今回の会合を通じて、私は、隣国である中国及び韓国との環境分野での協力が非常に重要であると改めて認識したところであり、引き続き、両国との対話を推進してまいりたいと考えております。
○小島委員長
これにて報告の聴取は終了いたしました。
―――――――――――――
○小島委員長
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局人材局長鈴木明裕君、厚生労働省労働基準局労災補償部長石井淳子君、農林水産省総合食料局次長中尾昭弘君、林野庁林政部長島田泰助君、経済産業省大臣官房審議官伊藤元君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長上田隆之君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長西山英彦君、環境省大臣官房長小林光君、環境省大臣官房審議官白石順一君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君、環境省総合環境政策局環境保健部長石塚正敏君、環境省地球環境局長南川秀樹君及び環境省自然環境局長櫻井康好君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○小島委員長
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
高木美智代君。
○高木(美)委員
おはようございます。公明党の高木美智代でございます。
本日は、先ほど大臣から御報告ございました日中韓三カ国環境大臣会合につきまして質疑と、そしてまた環境と経済の両立につきまして、さらには再生可能エネルギーの促進につきまして質問をさせていただきたいと思います。
その前に、きょうは時間変更をお願いいたしました。御配慮いただきました諸先輩の皆様に感謝をさせていただきたいと思っております。
まず、今回、第九回日中韓三カ国環境大臣会合、TEMMを終わられまして、先ほど大臣より多大な成果につきまして御報告をちょうだいいたしました。大臣、本当にお疲れさまでございました。
また、この成果、課題につきましても報告があったわけでございますが、私も、先般佐賀県に伺いましたときに、佐賀県はやはり光化学スモッグが多い、また黄砂も昔よりずっと多い。私も北九州出身でございますので、こうした黄砂の実感につきましては、小学校のころからずっと持っている一人でございます。そういう意味でも、国民の皆様も今後の取り組みを注目されております。
こういうことにつきまして、大臣の今回の会合につきましての御感想及び今後の決意を伺いたいと思います。
また、重ねまして、福田総理は、日米同盟を強化しつつ、積極的アジア外交ということを所信表明でも明確に打ち出しておられます。
当然、地域連携から見ましても、例えばアフリカといえばEUが長い歴史の上から責任を持っているというのもありますし、南アメリカはアメリカとかEUが責任を持っております。長い歴史を踏まえたそうした支援する主体があるわけですが、日本はどうしましてもやはりアジアを重視して、アジア諸国とともに発展をし、またアジアの課題も日本がリーダーシップをとって解決をしていくべきと考えております。
こうしたアジアの中におきまして、先進国と言えます日中韓の重要性があるわけでございますが、この重要性を踏まえまして、環境問題において今後果たすべき役割につきまして、大臣の御認識をお伺いさせていただきます。
○鴨下国務大臣
先生おっしゃるように、昨日まで富山で開催されました日中韓三カ国環境大臣会合、TEMMといいますが、それにおいて、韓国の環境部の李長官及び中国国家環境保護総局の李副局長と、初めての会合でありましたけれども、大変忌憚のない意見交換ができまして、信頼関係を醸成できたというふうに確信をしております。
また、初めて地方都市で開催する、こういうようなことでありましたので、富山県も、北東アジア環境パートナーシップとやま宣言を採択なさったわけでありまして、それに基づきまして、北東アジア地域の地方自治体間の協力形成など、国、地方それぞれが連携しまして、北東アジアの環境保全を進展させる、こういうような機運が非常に高まったということでございます。
またさらに、今先生おっしゃるように、ASEAN諸国を含む東アジア地域において、先月福田総理が出席されました東アジア・サミットでも、気候変動、エネルギー及び環境に関するシンガポール宣言がまとめられたわけでありますが、それを受けまして、TEMMでは、日中韓が中心となって、このシンガポール宣言のフォローアップなど東アジア地域の環境問題に取り組んでいく、こういうようなことが合意をされました。
また加えまして、黄砂の問題、今おっしゃっていましたけれども、黄砂あるいは光化学オキシダント、こういうような問題に関しての協力事業、あるいはシンガポール宣言に盛り込まれた東アジアにおけるコベネフィットアプローチにつきまして取り組もう、こういうようなことになりました。
ある意味で、第九回で富山という地方都市でさせていただいた、初めての試みでございますけれども、この三カ国の協議が確実に成果が上がっている、こういうようなことを認識して帰ってまいりました。
○高木(美)委員
ありがとうございました。大変重要なステップを着実に踏まれているということに心強い思いがいたします。
TEMMにおきまして検討されました課題につきましては、恐らく今大臣が列挙された問題、東アジアに共通の課題であると思っております。既に、TEMMプロジェクトとかまた環境教育ネットワーク、そうしたことにつきましても情報交換を開始するなど、そうした環境意識の啓発のための意見交換もなされた、これも大変意義深いと思っております。
例えば、その中におきまして、東アジア酸性雨モニタリングネットワークが確立をされているとも聞いております。酸性雨とか黄砂また水環境など、多様な問題がこの東アジアにはございます。
現在はこうしたことをテーマごとに扱っているという状況でございますが、私は、将来的には、実態調査であるとかまた研究であるとかそのための対応策であるとか、当然各国とも取り組んでいる内容もあるかと思いますけれども、そうしたことを総合しながら、細かいジャンル別の縦割りではなくて、やはり、緊急の場合にはこうしたレベルでぱっと集まれるとか、また大臣級の会合を軸にしながらステップを重ねていくとか、その上に総合的な何かしら東アジアのネットワークを推進する仕組みづくりが必要なのではないかと思っております。
今、東アジアといいますと、先ほども経済とまたこうした環境の課題についてもお話がありましたけれども、やはり、緊急課題であります環境・エネルギー、こういう分野に特化いたしまして、例えば東アジア環境開発ネットワークとか、また東アジア開発機構というような、何かしらこういう地域連携を目指すシステムを考えていくべきではないかと思っております。この答弁をお願いいたします。
○南川政府参考人
お答えいたします。
まず、東アジア地域の環境問題、ネットワーク化が徐々に進んできております。先ほど申し上げました三カ国大臣会合、TEMM、もう九回目になりました。したがいまして、かなり議論が成熟してまいりまして、例えば、黄砂問題については事実上モンゴルも含めた四カ国で共同研究をしようとか、それから、酸性雨につきましては東アジア十三カ国全体でのモニタリングネットワークをさらに充実していこう、そういったことなども話し合われ合意されたところでございます。
また、御指摘のとおり、東アジア全体の問題でございますけれども、今お話し申し上げたものに加えまして、アジア全体の廃棄物のスリーRの研究・情報ネットワークをつくろうとか、あるいは環境分野での東アジアの大学院間のネットワークをつくろう、そういったことも先般の福田総理が出席された東アジア・サミットで合意をされたところでございます。
また、その中で、高木先生御指摘のとおり、シンガポール宣言が出まして、そして環境問題、エネルギー問題をしっかり環境大臣が中心になって話し合おうということで、東アジア環境大臣会合というものをつくるんだということも決まったわけでございます。
したがいまして、従来から個々に対応しておりました実務レベルの議論がどんどん発展しまして、大臣あるいは場合によれば首脳というレベルで東アジア地域の多様な環境問題に連携して当たっていく、そういった体制ができつつございますし、ぜひそのように努力をしていきたいと考えております。
○高木(美)委員
今、経済の上ではもう事実上の生産拠点ネットワークができ上がっていると認識をしております。ベトナムで物をつくって、そして違う部品はオーストラリアでつくって、タイで組み立てるとか、そうしたシステムができ上がっておりまして、それを踏まえて東アジア共同体という実態上のものができ上がっている。またそこを、今回シンガポール宣言でも総理がおっしゃっていらっしゃいましたが、日・ASEAN経済連携協定、ちょっと名称は申しわけありません、不備でございますが、そうしたところに向けまして大きく踏み出している。今回はこうした環境大臣の会合を積み重ねながらというお話でございました。
やはり、この東アジアにおきましてイニシアチブをとる、日本があくまでもリードをしていく、こういう観点から考えますと、どういうところを目指して、そして仕組みをつくっていくのか、これは大変重要なポイントであると思います。
今、南川局長から、推進をしていくという力強い答弁をいただきました。重ねまして恐縮でございますが、大臣におかれましては、政治家として、また大臣というお立場、両面からで結構でございますが、大臣の御決意を伺わせていただきたいと思います。
○鴨下国務大臣
今局長の方から答弁をさせましたが、この日中韓の連携というのはまことに重要だろうというふうに、今回のTEMMでもお互いにそういう認識を共有できたと思っております。
特に、これは日本海を中心にそれぞれが、海も、そして黄砂、あるいは光化学オキシダント、こういうような問題については、ある意味で大気も、すべて共通の問題でありますので、そういう中で、先生おっしゃるように個別の、例えば黄砂の問題、光化学オキシダントの問題、それから海洋の漂流物の問題、こういうような問題についてそれぞれのレベル、例えば閣僚級あるいは事務レベル、それぞれの部分でお互いに連携しよう、特に、加えて行政同士の連携ももっと深めようじゃないかということで、例えばそれぞれの職員の交流だとか、こういうようなことまで踏み込んで議論をさせていただきました。
先生おっしゃるように、この地域における環境問題、これはもう三カ国で連携をするということが不可欠でございますので、ぜひそういう方向で我々もさらに深めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○高木(美)委員
ぜひそのネットワークを東アジアに大きく広げていただきまして、リーダーシップの上でお願いをしたいと思います。やはり、これは宣言をしたところがリーダーシップをとることができる、こういう政治的な面もあるかと思いますので、ぜひ強いリーダーシップを期待するものでございます。
先ほど大臣の御報告にもありましたコベネフィットアプローチ、アジアは、先ほど申し上げましたように、実に多様でございます。先進国もあれば、途上国、そして最貧国もある、また、インド、中国のような新興国も抱えている。そういう中で、経済成長とともに深刻な環境問題に直面している、そういう国々もございます。
途上国、最貧国での環境問題に対応するためにも、またポスト京都議定書の参加を呼びかけるためにも、これらの途上国、最貧国の国々にコベネフィットアプローチが大変重要である、こういう御認識であると思っております。
総理も、また大臣も、かねてより、ポスト京都議定書は全員参加が望ましいと何度も答弁されていることを伺っております。このコベネフィットアプローチの重要性につきまして、大臣の御認識を伺いたいと思います。
○鴨下国務大臣
先生から、コベネフィットアプローチについて注目をしていただいて、本当にありがたいというふうに思います。
特に、途上国における優先課題というのは、経済発展を実現することがある意味で第一の眼目であるわけでありますけれども、近年、中国あるいはインドなどの新興国においては、我々が数十年前に経験したような開発に伴って生じるさまざまな公害問題、こういうようなことが深刻化しているわけでありまして、経済発展と環境保護の両立が喫緊の課題になっていることは事実でございます。
その一方で、私たちは、バリでもそうですが、すべての国が参加をしていただく次期枠組みについても日本はリーダーシップをとりたい、こういうふうに考えているわけでありますけれども、この温暖化対策ということと、新興国の経済発展あるいは公害問題、こういうようなものをさまざまな部分で結びつけて、そして取り組むためには、公害問題に対応することと同時に、気候変動対策も進められる、このいわば一石二鳥のアプローチ、これをコベネフィットアプローチというふうに言っているわけでありますけれども、途上国において、さまざまな気候変動についての問題を、いわば世界の中に参画してもらうというようなことにおいては、足元の公害問題とともにそれをやるということが極めて重要な視点だろうと思っておりまして、そういうようなことから、我々は、途上国あるいは新興国に、コベネフィットアプローチというものがございます、こういうことを申し上げてきたわけであります。
なお、コベネフィットアプローチや、それに協力していく重要性につきましては、これは折々に日本は申し上げているんですが、本年九月のAPECの首脳宣言や十一月の東アジア・サミットのシンガポール宣言にも盛り込まれたということで、国際的にも認識が高まっているところでありまして、こういうアプローチで、世界の途上国あるいは新興国の皆さんにも、ぜひ地球温暖化にもこういうような形から参画していただきたい、こういうふうに申し上げているわけであります。
○高木(美)委員
ありがとうございます。
ともすれば、ただいま大臣から答弁がございました気候変動対策、先進国が勝手にCO2を大量に排出して今の地球温暖化をもたらしたのではないか、途上国は犠牲者であるというような、こういう論が多く見受けられるわけでございますが、今大臣のお話がございましたとおり、コベネフィットアプローチは大変重要である、このように私も認識をさせていただいております。
また、重ねまして、このコベネフィットアプローチにつきまして、具体的な取り組みを環境省としてどのようにお考えか、具体的な内容につきましてお示しをいただきたいと思います。
○南川政府参考人
コベネアプローチでございますけれども、例えば、大気汚染で申しますと、燃焼の改善によって硫黄酸化物などを減らすということによってCO2の排出が減るわけでございます。また、水でございますと、河川のヘドロなどを掃除することによって水質改善しますけれども、それによってメタンが大幅に減るということもできます。それから、廃棄物につきましても、生ごみの埋め立ての改善などによりましてメタンが減るということで、公害対策をねらってやるわけですけれども、その際の手法に注意すれば十分温暖化対策としても意味があるということでございます。
これにつきまして、私ども十二月一日付で、中国とは、鴨下大臣と中国の周大臣の間で協力の合意文書を結んだところでございます。
その文書の中で、協力の実施体制、これは具体的には、北京にございます日中友好環境センターを事務局に使うとかいうことも決めました。また、今後の進め方あるいは実施期間などを決めておりますけれども、私ども、早急に具体的なモデル事業の候補地というものの選定を急ぎたいということで、中国との間で準備を開始したところでございます。
また、これは中国のみならず、例えばインドネシアにつきましても、ぜひ具体的な協力を行いたいということで、これから働きかけをしてまいる所存でございます。
○高木(美)委員
ありがとうございました。
続きまして、環境と経済の両立につきましてお伺いをいたします。
この点につきましては、今、COP13におきまして大きなポイントとなっていると認識しております。昨日も、国連の潘基文事務総長が、新聞寄稿ですが、「バリ会議を超えて 新しい緑の経済を」、このようなテーマの論評を寄せていらっしゃいます。
中身的には、我が政府におかれましても既に経済と環境の両立についてということで進めていらしたわけでございますが、この潘基文総長の原稿の中でも、「温暖化に正しく対処できれば、各国指導者が恐れるように成長や発展を損なう事態にはならず、むしろ促進し、環境に優しい経済システムへと変化させていく第一歩となる可能性がある。」むしろ、「世界のビジネスマンは、」「気候変動についての明確な政策を求めている。」と、さまざまなデータを挙げられての論評でございます。「バリで、そしてバリ後において、私たちの仕事は「緑の経済」と「緑の開発」の時代への扉を開き、世界の転換を方向付けることにある。」「科学者は仕事をした。今は政治家が役目を果たす時だ。」という、大変強烈な私どもに対しましてのメッセージであるわけでございますが、我が国におきましても、さらにこの環境と経済の両立、むしろ表裏一体、どちらが表でどちらが裏というのではなく進める段階に入ったと認識しております。
東アジアにおきましても、総理が、さまざま外交等を含めた上でございますが、東アジアに安定と成長が根づくようにという文言もございました。
日本がリーダーシップをとりまして、気候変動を初めとする環境問題の解決に取り組むことが重要と考えておりますが、重ねて大臣のお考えを伺わせていただきます。
○鴨下国務大臣
潘基文国連事務総長の寄稿につきましては、これは、温暖化対策を行うことが成長や発展を損なうのではなくて、むしろ促進して、環境に優しい経済システムをつくるべき、こういうようなことの主張でありまして、COP13が行われているこの時期にこういう寄稿をしていただくということは、私たちにとっては極めてありがたいことであります。
日本においても、ことしの六月に閣議決定しました二十一世紀環境立国戦略においても、日本が有する高い環境・エネルギー技術、あるいは公害を克服した経験、知恵を経済発展の原動力としていく、こういうような考え方で方針が決定されたわけでありまして、まさに同じ方向を向いているなというふうに思うわけであります。
経済発展に伴う公害と温室ガスの排出増大、こういうようなことを両方抱えているアジアにおいても、このような社会経済システムを構築していくことがある意味で持続可能な発展につながっていくんだ、こういうようなことでありますので、先ほど先生からもコベネフィットアプローチについて御指摘をいただきましたが、足元の問題を克服していくと同時に、潘基文国連事務総長がおっしゃっているように、最終的には、環境に取り組むということは次のいわば経済を促進していくばねになるんだ、こういうような認識は我々共有して、これからCOP13に向けてもそういう姿勢で取り組みたい、こういうふうに考えているところであります。
○高木(美)委員
まさしく、環境問題を進めることは経済のばねとしてもまたさらにステップを高めることになる、全くそのとおりと認識をしております。
そこで、昨今の原油高騰の問題でございますが、これもまた化石燃料の商品におきまして多大な影響をもたらしております。国民生活等への影響は深刻なものがあります。
日本は、第一次、第二次オイルショックで省エネ技術が大変大きく進展をいたしました。そのおかげで、第三次ともいうべき今回でございますが、随分クッションの役割を果たしてくれたと思っております。しかしながら、その高騰ぶりといいますのは想像をはるかに超え、また、OPEC産油国等が、増産しない、据え置きである、これを発表した今日におきましては、これから年末に向けてどこまで高騰するかわからない、こういう事態もございます。
私は、今このときに、もう一段、地球温暖化対策に資する再生可能エネルギーに転換するときではないか、その強いメッセージを出していくときではないか、このように認識をしております。
新エネルギーの導入目標等も経産省ではございますけれども、大きく進んでいるかといいますと、目標達成も危ぶまれているという状況も伺っております。例えば、京都議定書の目標達成のためにも、また、これは次期枠組みに向けての内容になるかもしれませんが、再生可能エネルギー促進の十年とか、何かしらもう一段強いメッセージを発することが必要なのではないか。
当然、経産省とも協議されることも必要かと思いますが、ぜひともこうしたことにつきまして大臣のもとで進めていただければと考えますが、お考えを伺わせていただきます。
○鴨下国務大臣
先生おっしゃるように、今まさに、原油が高騰してレギュラーガソリンが一リッター百五十円を超える、こういうような事態になっているわけでありまして、それは一般の経済にとっては大変大きな問題でありますけれども、他方、環境というようなことで考えると、こういう時期に、エネルギー効率を上げ、なおかつ再生可能エネルギーのより積極的な導入、こういうようなことのいわば一つのきっかけにもなるということでもあるんだろうというふうに思っております。
再生可能エネルギーの導入につきましては、京都議定書目標達成計画においては、二〇一〇年度までに、原油換算で千九百十万キロリットルの削減を行う、こういうことに向けまして今全力で取り組んでいるところでありますが、現状のペースでは、二〇一〇年に約千五百万キロリットルの導入が見込まれる、こういうようなことが試算されておりまして、なかなか厳しい状況であることは間違いないわけであります。
このため、第一約束期間終了までの今後数年間で目標を達成する、こういうことのために、今般の原油高騰対策を緊急に進める上でも、本格的な再生可能エネルギーの導入拡大、こういうようなことは不可欠な問題だろうというふうに思っております。
したがいまして、再生可能エネルギーの一層の普及拡大に向けまして、新たな技術開発、設備整備、こういうようなものに対する支援あるいは税制改正要望ということも今行っているところでありますけれども、先生が今御指摘いただきましたように、もう一度作戦を組み直せ、こういうようなことでございますので、御指摘を受けまして、今の状況、特に原油高騰という状況を受けまして、さらに我々は何ができるのかということをもう一度しっかりと見直してまいりたいというふうに思います。
○高木(美)委員
ありがとうございます。
ぜひ、ピンチをチャンスに変える積極的なお取り組みを心よりお願いいたします。
最後に、農水省に伺わせていただきます。
再生可能エネルギーの中におきましても、特に、バイオマス利用の原料といたしまして林地残材がほとんど利用されていない、こういう現状を伺っております。この利用促進のための課題と解決の道筋につきまして、最後で恐縮でございますが、御答弁をお願いいたします。
○島田政府参考人
木質資源のバイオマスとしての利活用につきましては、化石燃料への依存を減らしまして、地球温暖化防止に寄与するとともに、地域の活性化ですとか雇用の場の確保にも役立つものというふうにして考えているところでございます。
しかしながら、木質バイオマスのうち林地残材につきましては、収集運搬コストが高いためにほとんど利用されておらず、いかにこのコストの縮減を図るかということが課題となっていると考えております。
このため、これまでも、路網の整備と高性能林業機械の導入の促進を図るとともに、素材生産現場で発生した枝ですとか小さな丸太といったようなものをその現場で粉砕して活用できるようにする移動式のチッパーの試作などの技術開発に取り組んできたところでございます。
平成十九年度からは、さらに、傾斜地が多いなどの森林の条件に対応した低コスト、効率的なバイオマス収集運搬システム、またそれに必要な収集運搬機の開発等にも取り組んでいるところでございます。
今後とも、関係府省の皆様方とも連携を図りながら、川上から川下まで一体となった取り組みによりまして木質バイオマスの利用を積極的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○高木(美)委員
ありがとうございました。
木質バイオマスをバイオエタノール製造新技術、そこまで開発できますまで、またぜひともお願いをしたいと思います。
以上をもちまして終了させていただきます。ありがとうございました。
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