「校庭の芝生化」について質問

2004.3.1

○高木(美)分科員 公明党の高木美智代でございます。
本日は、文部科学省が屋外教育環境整備事業で支援されております校庭の芝生化について質問をさせていただきます。
公明党は、マニフェストでも提示しましたとおり、緑化保全また環境教育、エコスクール事業などを積極的に推進しております中でも、校庭の芝生化につきましては、砂じんの飛散防止、また児童生徒のけ防止、運動の誘発や景観の改善など、さまざまなメリットが予測をされております。特に、太陽熱を吸収し、ヒートアイランド現象を緩和するなど、環境負荷の低減に対応した施設づくりの点からも大いに期待をされるものでございます。
例えば、千葉県の市川市では、学校緑化推進事業の一環として、緑豊かな学校づくりを目指し、小学校校庭の芝生化を八校、また屋上緑化を五校実施し、その結果、児童が積極的に外遊びをするようになり、また校庭でのけがも減少、校庭の砂じん防止、防音効果も上がるなど、大変メリットが多く、保護者また地域社会にも大変喜ばれていると伺っております。
さて、これは国庫補助の対象事業として平成七年度よりスタートをしまして、平成十八年までの期限で、対象は公立の小中高等学校、盲・聾・養護学校、幼稚園などとなっております。この補助金につきましては、屋外運動場については二千万から九千万円、運動体験広場については五百万円から一千万円の範囲と伺っております。
そこで、これまでにこの補助金によりまして、全国で何校の芝生化が進んだのでしょうか。また、新年度の予算は幾らでしょうか。また、過去からの予算の推移と申請件数につきましてお伺いをいたします。

○近藤政府参考人 お答えをいたします。
屋外教育環境整備事業によりまして、校庭に一定の規模、三百平米以上でございますが、芝張りを行っている学校数は、平成九年度から調べてみたわけでございますけれども、十四年度までの間に二百四十三校でございます。
屋外教育環境整備事業におきます校庭芝生化の国庫補助申請の件数は、今申し上げました平成九年から十四年度間では実施校の数と同じでございまして、これまでの間は市町村等の御要望にこたえることができた、こういう状況でございます。
予算でございますが、屋外教育環境整備事業のうち、校庭の芝生化に資する屋外運動場の予算でございますが、平成十五年度の予算額は三億三千万円でございまして、平成十六年度予算案におきましても前年度と同額の三億三千万円を計上させていただいているところでございます。

○高木(美)分科員 それでは、屋外運動場と運動体験広場の違いについてお伺いをいたします。

○近藤政府参考人 私どもは、たくましく、心豊かな子供たちを育成するために、屋外教育環境の充実を図る屋外教育環境整備事業を実施しておるわけでございます。この事業には、今申し上げましたような校庭の芝生化の事業も入っているわけでございますが、それ以外にも、例えば自然体験できる観察の森ですとか学校ビオトープ等を整備する屋外学習施設、あるいは災害時の避難場所としての防災緑地、防火水槽等を整備する防災広場、こういったものを国庫補助の対象として実施しているところでございます。

○高木(美)分科員 運動体験広場といいますのは、これは学校の中庭等のことでしょうか。お願いいたします。

○近藤政府参考人 学校の中庭でございます。

○高木(美)分科員 そこで、屋外運動場の補助基準でございますが、先ほど答弁の中で、三百平米以上という御発言がございました。私は、補助基準は事業費のみで決めている、整備面積につきましては特に制限が設けられていないというふうに伺っております。
そこで、屋外運動場につきまして、二千万から九千万、このように決められた理由につきまして、あわせてお伺いをいたします。

○近藤政府参考人 お答えをいたします。
補助基準として、事業費ベースでの下限額を決めておりまして、今先生御指摘のように、屋外運動場は一件当たり二千万円以上、上限は九千万円、こういうふうにしておるわけでございます。これは、私どもの考え方といたしましては、小規模な小学校、例えば六学級、この標準的な屋外運動場面積が大体四千五百平米、これを前提といたしまして、その場合に、舗装や排水にかかる工事費が大体二千万円相当、こういうことから、こういった状況を踏まえまして、下限額を事業費ベースで二千万円以上、こういうふうに定めた経緯がございます。

○高木(美)分科員 この事業費でございますが、国が三分の一負担、また地方で三分の二負担となっておりまして、地方にとってみましたら、大規模な事業費は、今財政状況も大変厳しくなってきております自治体からは、負担が大きいという声もございます。しかも、今芝生が大変改良され、安くなっているという話も聞いております。
特に、校庭が一カ所しかないという学校の場合は、工事期間中の体育の授業が制限をされるために、単年度ですべてを施行するのは大変難しい、複数年事業としなければならない、こうしたものも中にございます。これが単年度で区切られていましては、補助対象基準額、今お話ありました最低二千万という、ここを満たすことができない、そのために補助金が受けられない、こういう、断念をしているという学校もあるようです。
これをもう少し使い勝手をよくするために、例えば、下限になっております二千万を一千万円以下にまで引き下げるということはできないのでしょうか。そうすれば、例えば、今年度はこの半分をします、また来年度は次のここの半分をします、そのように何年かかけて実施することも可能だと思っております。
ヨーロッパではほとんどが芝生化されているとも伺っております。こうした補助の対象を広げていきましたらば、もっと多くの学校に芝生化を実現することができるのではないかと思いますが、御見解を伺います。

○近藤政府参考人 お答えをいたします。
公立学校の補助整備に当たりましては、国と地方の適切な役割分担の観点から、一定以上の規模を擁する事業について国庫負担あるいは国庫補助を行うこととしておるわけでございまして、委員御指摘のように二千万円の下限額を引き下げるということ、やはり少しいろいろと難しい課題はあるんだろうと思っております。ただ、委員御指摘の点も踏まえまして、私ども、市町村等、関係者からの御要望をお聞きしながら、少し研究をしてみたいと思います。

○高木(美)分科員 ぜひ推進する方向でお願いをしたいと思います。
そこで、お伺いしますが、文部科学省としましては、こうした学校の芝生化、全部で約四万五千校あるとも伺っております。その中で、先ほどお話ありましたように、二百四十三校が今既に実施をされている。何校ぐらいを、大体、例えば、ことしは何校ぐらい、また来年度は何校ぐらい、何年か先にはどのくらいというような、そのような目標はお持ちなのでしょうか。お伺いいたします。

○近藤政府参考人 実はほかの委員会でも、耐震化施設の整備について、年次計画を立てるべきではないかというような御質問もいただきました。この校庭の芝生化の実施、これもまた学校やその設置者である地方自治体がさまざまな点を考慮して判断をする事柄だろうかと思っておりまして、国としてなかなか、年次計画を定めまして、その整備を図っていくというのは難しい問題があるんだろうと思っております。いずれにいたしましても、私ども、地方自治体からの要望を踏まえながらこの問題について対応してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

○高木(美)分科員 私は、この校庭の芝生化といいますのは、子供たちのためにも大変すばらしい施策であると思っております。実は、ある学校区で父兄に呼びかけたそうです。芝生の維持管理のために一家庭約二千五百円援助してもらえないか、このように呼びかけたところがございまして、そこのほぼ全家庭が喜んで賛同をしてくれた、特におうちに庭のない方、そういう方が真っ先に賛同の意をあらわしてくれたという、こういうような報告も聞いております。昔から、学校の校庭は児童の遊園、公園、こういう伝統から見ましても、まさに緑のじゅうたん、こういう皆さんの思いがございます。こうした地域の方たちの要望は予想以上のものがあると、このお話を聞いて思いました。
しかし、先ほどの答弁にもありましたように、この八年間で芝生化が進んだ学校が二百四十三校、恐らく全体の〇・五%という比率ではないかと思っております。それはなぜかということでございますけれども、その一つが、先ほど申し上げましたように、この屋外教育環境整備事業、これが単年度事業であるということでございます。そして、もう一つの理由が、維持管理に手間がかかるという、このことが挙げられると思います。かつて日本でも芝生化が試みられた期間がございました。しかし、維持管理が面倒である、また知識が浅いということもありまして、あっという間に消失をしてしまいました。
そこで、公明党女性委員会では、一月末、千葉大学大学院の浅野義人教授を講師にお招きしまして、校庭の芝生化、メリットと課題というテーマでセミナーを開催いたしました。
この専門家の教授がおっしゃっていらしたのは、やはり、芝生化を進めるためには、土壌基盤と利用する芝草の種類、また維持管理、この三点が大切になると。例えば、芝草の種類も、夏芝を中心にする、そしてそれが冬に枯れることを考えて少し冬芝をまぜる。芝の刈り高、高さも、普通二センチぐらいに低くしているところが多いわけですが、五センチぐらいの高目にしますと、児童たちの踏む圧力、踏圧に耐えられる、こういう具体的な工夫例を示していらっしゃいました。こうしたことで管理の労力もコストも驚くほど低くできます、また教員の負担感も軽減できるというお話も伺いました。
中には、学校の招きで行かれてみると、校長先生と教頭先生が真っ黒に日焼けをしていらして、どうしたのですかと質問をすると、芝生の維持管理が大変で、毎日、一日の三分の一ぐらいの仕事時間を水まきに費やしていらっしゃるという、こうした例も紹介されておりました。
そこで、質問でございますが、こういう、例えば成功例、そしてまた堅実に取り組んでいらっしゃる自治体の紹介をぜひ行っていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。

○近藤政府参考人 お答えをいたします。
先生今御指摘のように、校庭の芝生化に当たりましては、芝生についての専門的な知識や技術が求められるとともに、刈り込みでありますとか除草といった維持管理を適時適切に実施することが必要でございまして、そのことがまた学校やその設置者にとって負担となっている、こういうことも言われているわけでございます。
しかし、一方、こういった方に対しまして、学校の教職員や児童生徒だけでなく、PTAやボランティア等、地域の人々の協力のもとに取り組むことによりまして、学校と地域社会との連携を深める契機となった、こういう事例も私ども多く承知をしているわけでございます。
そこで、今手元に持ってまいりましたけれども、こういった「緑豊かな学校づくり 屋外運動場等の芝生化・植栽」、余り表紙はすばらしくはございませんけれども、こういったような資料もつくりまして、都道府県の教育委員会等にも配付をし、参考にさせていただいておるところでございます。
こういったものも活用していただきまして、こういったものがさらに進んでいくことを期待しているところでございます。

○高木(美)分科員 そこで提案でございますが、例えばアメリカでは、校庭の芝生専門の管理センターが学区内を巡回して管理作業を請け負っている、また、そこでさまざまアドバイスもしている、こうした定期巡回管理システムというような、このような仕組み、もしくはそうしたチーム、これを持っているようでございます。できましたら、日本でもこのようなシステムをぜひ取り入れたらいかがかと提案をいたします。研究、検討をしてみてはいかがかと思います。
少なくとも、やはり基幹的な維持管理作業につきましては、今お話ございましたように、専門機器、また技術を擁する専門家の組織、ここに委託できれば、校庭の芝生化も大きく進むと思われます。この点について、お伺いをいたします。

○近藤政府参考人 今ちょうど持っておりました資料の中に出てまいりましたが、東京都の板橋区の、これはある小学校の事例でございますが、ここでは板橋区が民間業者に委託をいたしまして、区内の学校を一括管理し、一年に一度剪定を中心に行っている、こういったようなことで、用務員さんの負担の軽減でありますとか、そういったいろいろな事例があるわけでございます。
こういったものも、一つの事例として各県にお配りをしておるところでございます。こういったものもまた参考にしていただけたらと思っておるところでございます。

○高木(美)分科員 ありがとうございます。
やはり先ほどお話し申し上げました、何といいましてもやはり、コストもかかり、またこうした維持管理、手間暇ももちろんでございますが、やはりコストのかかることでございます。この後のまた維持管理のための費用等を考えますと、まずやはり、先ほど申し上げましたとおり、最初の、芝生化にする段階での補助金の基準額の引き下げ、ぜひここに焦点を当てていただきまして、工夫をしていただきまして、どこの校庭も、例えば半分ぐらいはそうした芝生化をしたい、残り半分はもっと子供たちが自由に遊べるような今のままにまたとっておきたい、いろいろな要望があるようでございます。
そうした自由な校庭づくり、そうしたことにも対応できますように、ぜひこの点につきまして、先ほど答弁をいただきましたが、また検討を重ねてお願いを申し上げます。
そこで、最後に大臣にお伺いをいたします。
文部科学省としましては、学校教育の一端としての校庭の芝生化を今後どのように推進をされるお考えか、また御決意をお伺いしたいと思います。

○河村国務大臣 私も、校庭の芝生化を進めて、子供たちができるだけ外に出て跳んだりはねたり寝っ転がったりしてくれる姿というのはすばらしいと思っています。各県あるいは市町村教育委員会でも、これにかなり今積極的に取り組もうとされておりますので、これをぜひ進めたいと思っておりますし、またこれは環境教育面からも意義がある、こう思っております。
ただ、残念なことに、政府全体として国庫補助金の削減、縮減がございまして、公立学校の施設整備費が平成十六年度においても総額百四十億円の減になっておりまして、しかし、校庭の芝生化に対する要望が多いものでありますから、昨年より下げないようにということで、同額を確保するのが精いっぱいであったという事情もございます。
しかし、芝生化には、先ほど言ったように、地域といいますか、保護者の皆さんとか、学区を全体で盛り上げる方々にも参加をしていただくということも必要であろうと思います。おっしゃったように、管理団体があって、そういうところへお願いするというのも一つの方法、それからPTAとかそういうところが一体となって、一緒になってやっていただくということも大事だろう、こう思っておりまして、地域の教育力を高めることにもなるのではないか、こう思っております。
子供たちの芝生をみんなで管理するという動きが出れば、それはそれでまた意義がある、こう思っておりまして、これからも教育上の効果とかあるいは環境保全上の効果、こういうものをしっかりPRしながらこの芝生化に努めていきたい、このように思っております。

○高木(美)分科員 大変ありがとうございます。
今大臣がお話ししてくださいましたとおり、私はやはり学区全体を盛り上げていくというこの効果ははかり知れないと思っております。特に今、児童虐待であるとか、また子供の連れ去りであるとか、やはりそうした陰に、地域で子供たちを育てていこうという意識が大変薄くなっているというこの懸念がございます。そうした点からも、やはり学校をみんなでつくり上げていく、また、自分たちの学校がこんなに整備をされていく、やはりそうしたものは地域の方たちにとっても大変これは安心と、またそこから、何か災害があっても、そこに行けばいいのだ、そういう信頼につながっていくと考えます。
私はかねてから思っておりましたが、今、高齢者に向けての施設の整備であるとか、こうした税金の使い方、大変手厚くございます。これはもちろん、今の方たちがこの日本をつくってきてくださった、ここへの恩恵として当然のことであると思いますが、一方、やはりこれから日本の未来を担って立つ大事な宝である子供たちにも、もっと税金の使い道を配分していくべきではないかと考えております。
そのような意味で、今大臣の答弁をお伺いをいたしまして、やはりさらに文部科学省、また頑張っていただきまして、予算をぜひたくさんまたおとりいただき、また私もそのように頑張ってまいりたいと思いますが、そうして、環境が守られ、また子供たちが安心して勉強できる、そうした学校づくりにさらに尽力をしてまいりたいと思っております。本日はありがとうございました。

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