「障害者自立支援法」について質問

2005.7.13

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
当委員会におきまして、この障害者自立支援法案、四月末より三十時間を超える審議をしてまいりました。本日、私からは、与党といたしまして先般要望してまいりました事項につきまして、ただいまの自民党に引き続き、公明党として確認質問をさせていただきます。

まず初めに、福祉サービスの利用手続についてお伺いをいたします。
まず、この福祉サービスの利用手続につきましては、障害者の実情やサービス利用の意向が適切に反映されることが重要であります。障害者自立支援法案におきましても、市町村が支給決定の際、障害程度区分や障害者のサービス利用意向を勘案することとされておりますが、障害程度区分を審査、判定するのは市町村に置かれます審査会の委員でございます。

この審査会の委員は、障害保健福祉の有識者から市町村長が任命するものでございますが、障害者の実情をよりよく反映した審査を行うという観点から、障害保健福祉の有識者であって中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいということを市町村に周知徹底すべきと考えますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

○尾辻国務大臣 市町村の審査会の委員は、障害者の心身の状態に関し専門的な見地から客観的な判定を行いますとともに、市町村が作成した支給決定案の合理性、公平性について意見を述べることを業務とするものでございまして、その委員につきましては、障害者の保健福祉に関する専門的な知見を有し、中立公正な立場であることが求められます。これに加えまして、審査会の委員につきましては、障害者の実情に理解のある方が委員となることが望ましいことから、御指摘のとおり、障害保健福祉の有識者であって中立かつ公正な立場で審査が行える者であれば、障害者を委員に加えることが望ましいことを市町村に助言してまいりたいと存じます。

○高木(美)委員 続きまして、福祉サービス体系の基準のあり方についてお伺いをいたします。

今回、グループホームのほかに、介護の必要な障害者を対象にケアホームが新たに設けられますが、地域におきましては、既に障害の程度の異なる障害者がグループホームに同居しているという実態がございます。

法案の第二条にありますように、障害者がみずから選択した場所に住めるようにしていくという観点からは、グループホームの対象者とケアホームの対象者につきまして、それぞれに適切なサービスが提供される体制が確保されること、これを前提にいたしまして同居を可能とすべきと考えますが、大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

○尾辻国務大臣 障害者自立支援法案におきましては、支援が必要な方に対し、それぞれの状態にふさわしい支援を行っていくという観点から、現在のグループホームを、介護が必要な方を対象とするケアホームと、就労をしている方等を対象とするグループホームに分けることといたしております。

現在の知的障害者グループホームにつきましては、重度の障害のある方が入居していることに着目した単価が設けられておりますものの、人員配置が義務づけられておりませんことから、グループホーム以外の外部の事業者から責任関係があいまいなままサービスが提供されるといったケースも見られており、今回の改正で見直しが必要であると考えておるところでございます。

他方、御指摘のように、現にさまざまな障害の程度の方々が同居している実態がありますことから、事業者が責任を持って利用される方それぞれの状態にふさわしいサービスを提供するということを前提に、グループホームの対象者とケアホームの対象者が一つの住宅等に同居できることとし、その具体的な条件については、関係者の意見も聞きながら検討をしてまいります。

○高木(美)委員 続きまして、障害者の地域生活支援を考える場合におきましては、重度の障害者の方が地域で暮らせるような環境を整備していくことが重要でございます。障害者の完全参加と平等をうたいました昭和五十六年の国際障害者年以降、障害者の方たちが地域で普通に暮らすことが重要なテーマとなっておりまして、支援費によりまして道が開かれました。しかしながら、まだ一部の地域に限られたものにとどまっております。

こうした地域生活支援の流れを障害者自立支援法案によって全国的に展開をしていくためには、ひとり暮らしの重度の障害者であっても必要なサービスが確保されるよう、重度障害者等包括支援などのサービスの内容や国庫負担基準を適切に設定する必要があると考えます。大臣の御見解はいかがでしょうか、お伺いいたします。

○尾辻国務大臣 障害者自立支援法案におきましては、支援の必要度を総合的にあらわす障害程度区分を設定いたしますとともに、特に重度の障害のある方につきましては、地域で暮らしていくことができるよう、重度障害者等包括支援や重度訪問介護といった新たな給付類型を創設することといたしております。

現在、地域で暮らす重度の障害のある方の状況は、地域によって、また、家族がいるかどうかなどによってサービス利用に大きなばらつきがあると認識をいたしております。こうした状況も踏まえまして、御指摘のように、重度障害者等包括支援などのサービスの内容や国庫負担基準につきましては、重度の障害のある方の心身の状況、他の制度のサービスも含めたサービスの利用の実態等を把握した上で、適切な水準となるよう十分検討してまいりたいと考えます。

○高木(美)委員 続きまして、基盤整備など、十八年度予算に対応すべき点についてお伺いをいたします。

ホームヘルプサービスなどの個別給付に加えまして、障害者を支える重要な事業が地域生活支援事業でございます。この地域生活支援事業には、障害者にとって、サービス利用の手続について便宜を図ったり、権利擁護の中核となる相談支援事業、そしてまた、障害者の社会参加を進めていく上で柔軟な利用が認められることが期待されております移動支援事業、そして手話通訳や要約筆記などのコミュニケーション支援、さらに、小規模作業所を含めさまざまな日中活動の拠点となる地域活動支援センターなど、障害者の生活を支える上で不可欠な数々の重要な事業が含まれております。

これらの事業は市町村が必ず取り組むべき事業とされておりますが、こうした地域生活支援事業に盛り込まれた事業が、地域のニーズを踏まえ市町村が確実に実施できるよう、必要な財源の確保を図ることが極めて重要と考えますが、大臣の御見解を承りたいと思います。

○尾辻国務大臣 障害者自立支援法案におきましては、地理的条件や社会資源の状況といった地域の特性や利用者の状況に応じて柔軟に実施されることが好ましい事業を地域生活支援事業として法定化したところでございます。

この地域生活支援事業に盛り込まれました、相談支援、手話通訳等のコミュニケーション支援、日常生活用具、移動支援、地域活動支援センターといった事業につきましては、御指摘のように障害者の地域生活支援のために必要不可欠なものと考えておりまして、法案におきましても、市町村が必ず実施しなければならない義務的な事業としたところでございます。

また、地域生活支援事業が地域の実情に応じて確実に実施できるよう、これらの事業の実施に関する事項を市町村等の障害福祉計画に盛り込むこととし、その費用について国、都道府県が補助することができることとしております。このため、地域生活支援事業の実施に必要な予算の確保につきましては、平成十八年度の予算編成における最重点事項の一つとして、最大限努力をしてまいります。

○高木(美)委員 さらに御質問させていただきます。

こうした障害者の地域生活支援を進めるためには、各地にサービス基盤を整備することが重要でございますが、現時点では不十分と言わざるを得ません。今後、障害者が身近なところで福祉サービスを利用できますように、福祉サービスの基盤を早急に整備しなければならないと考えておりますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

○尾辻国務大臣 障害者の方々が地域で暮らすためには、さまざまな障害福祉サービスの基盤整備を進めていくことが必要であると考えております。

そのため、今般の障害者自立支援法案におきましては、市町村等に必要なサービス量の見込み量を定めた障害福祉計画の策定を義務づけ、計画的なサービス提供体制の整備を図ることとしております。国といたしましても、基盤整備の推進を図る観点から、既存の社会資源を有効に活用できるよう必要な規制緩和を行い、より身近な場所でサービスが提供できる仕組みを構築するとともに、市町村等の障害福祉計画を踏まえ、障害者プランの見直しを行いたいと考えております。

さきに閣議決定されました骨太方針二〇〇五においては、「地域における就労・生活支援のためのハード・ソフトの基盤を速やかかつ計画的に充実強化する。」としたところでございまして、地域生活支援事業とともに、必要な予算の確保に向けて最大限努力をしてまいります。

○高木(美)委員 続きまして、自立支援医療の利用者負担についてお伺いをいたします。

精神障害者の社会復帰を支える精神通院公費負担医療制度でございますが、これにつきましては障害者自立支援法案におきまして自立支援医療として再編されることになっておりますが、その趣旨、目的が変わるわけではなく、低所得の方や医療費負担の重い方に重点化をしながら、しっかりと継続していくことが重要でございます。

障害により高額な医療費が継続的に発生し、家計に重い負担がかかる方につきましては、重度かつ継続としまして月ごとの負担上限が設定されますが、この重度かつ継続の範囲につきましてですが、現在示されている統合失調症など三つの疾病に限らず、早急に検討を進め、その結果に基づいて、可能な疾病につきましてはこの法施行までに対象範囲に含めるべきと考えますが、大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。

○尾辻国務大臣 御指摘の精神通院公費負担医療制度につきましては、精神障害の適正な医療を普及する役割を担ってきておりまして、この趣旨、目的は、自立支援医療に位置づけられても変わらないものでございます。

自立支援医療におきます重度かつ継続とは、医療上の必要性から継続的に相当額の医療費負担が発生する方について、一定の負担能力がある場合にも月の負担額に上限を設ける措置でございます。重度かつ継続の対象となります疾患につきましては、当面、精神通院医療につきましては、統合失調症、狭義の躁うつ病及び難治性てんかんを対象とすることといたしております。

この三疾患につきましては、重度かつ継続の範囲として狭過ぎる、または逆に広過ぎるという御意見もございまして、双方の御意見がございますので、その範囲を明確にするために、去る六月二十二日に自立支援医療制度運営調査検討会を発足させまして、検討を開始したところでございます。この検討会におきましては、重度かつ継続の範囲についてデータに基づいて御議論いただくこととしており、厚生労働省としては、結論を得たものから順次対応したいと考えております。

特に、精神通院医療の重度かつ継続に関する当面の結論につきましては、御指摘も踏まえまして、地方自治体の新制度施行における準備も考え、夏の間に結論を得て、適切に実施してまいります。

○高木(美)委員 さらに、育成医療につきまして、障害児の健全育成の観点からも必要な仕組みでございますし、しっかりと維持をする必要がございます。

今回の見直しにおきましては、経過措置があるとはいいましても、心臓病のお子さんのいらっしゃる家庭などにおいては負担の上がり幅が大きいというケースがございます。障害児の健全育成と激変緩和の観点からも一層の負担軽減措置を検討すべきと考えておりますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。

○尾辻国務大臣 育成医療は、障害のあるお子さんが健やかに育つよう、その障害の軽減等を図るために必要な医療を提供するものでありまして、他の障害に係る公費負担医療とのバランスも考えながら、その維持を図ることが必要と考えております。

特に、育成医療につきましては、対象となる方には若い世帯が多いことから、高額な医療を受けた場合でも医療機関窓口での支払い額が高額にならないよう激変緩和の経過措置を設けまして、健全育成の観点から、大人を対象とした更生医療以上の工夫を盛り込んだところでございます。

さらなる負担軽減につきましては、全体のバランスもあり難しい面もございますけれども、御指摘を踏まえまして、激変緩和の観点から何ができるか、さらに検討してまいります。

○高木(美)委員 さらにきめ細かくお願いをいたしたいと思います。

障害者の中には、福祉サービスと医療サービス双方を必要とする障害者も少なくないと考えております。このような障害者の負担が過大にならないように、医療保険改革におきまして、医療保険の給付と介護保険の給付の自己負担の合算額が著しく高額になる場合の負担の軽減を図る仕組みにつきまして実現を図った上で、別途幅広く必要な措置について検討すべきと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

○尾辻国務大臣 ただいまの御指摘につきましては、検討をしてまいります。

○高木(美)委員 確認質問でございますので、以上で終了させていただきますが、私自身も、こうした障害者自立支援につきまして全力でこれからも取り組ませていただきますことをお誓いいたしまして、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

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