「児童手当法」

2006.3.17

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

私は、民主党提出の児童手当法の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきたいと思っております。

その前に、まず、赤松副大臣に質問をさせていただきます。
今回の児童手当法の改正につきましては、近年では四回目の拡充となるわけでございます。政治家としての先輩として、ずっと長く取り組んでこられた経緯もあられると思います。一言感想をいただければと思います。

○赤松副大臣 この問題は中野副大臣の所掌でありますにもかかわらず、私を御指名いただいたということは、今、高木委員が言っていただいたように、昭和四十四年から公明党にかかわっておりまして、今配っていただいた児童手当の主な沿革、高木委員の資料でありますが、この一番左端の昭和四十六年よりもっと前から公明党の人間としてやってまいりましたので、その辺の感想を述べろということで、ちょっと時間をいただきまして、少しだけ感想を述べさせていただきます。

公明党が結党されたのは昭和三十九年ですが、初めて児童手当がこの世に誕生したというか、創設されたのがこの昭和四十六年度で、第三子以降、義務教育終了前、月額三千円、この数字を改めてここで見させていただいて、そして、この右の端、平成十八年、小学校修了時まで拡大予定、所得制限も緩和をされて八五%から九〇%の人たちが対象になる、こういうふうな沿革を見させていただいて、はるけくも来たな、そういうふうな実感を持つ次第でございます。

先ほど来といいますか、先日来、川崎大臣も、皆さん方からの御質問に答えられて、自民党の中にもいろいろな意見があるんだということをしきりにおっしゃっておりますが、今日まで、ここに来るまでの間、なかなか児童手当というのは市民権を得られなかった、平成十二年以降、かなり急激な変化をしてきているわけですけれども、そして今日を見たときに、ようやくこの日本の国の中に児童手当というものが市民権を得たというか、しっかりと皆さんの支持を得てきたんだなということを私は実感として感じます。

特に、これから高木委員が民主党の皆さんに対して質問されるわけですけれども、野党第一党、巨大な存在の民主党の方から、かくも立派な児童手当に関する法案が出てくるということ自体、大変力強く感じる次第でございまして、大臣からもありましたように、単に経済的側面の児童手当という側面だけではなくて、あらゆる手だてを講じて少子化に対応するための、これからの施策は必要だと思いますけれども、その重要な柱としての児童手当ということについてしっかりとした議論をしてまいりたい、そんなふうに思っているところでございます。
以上です。

○高木(美)委員 はるけくも来たなと、本当にすばらしい感慨を述べていただきました。

そこで、まず、民主党さんのこの法案そのものに入ります前に、提案理由の説明を先日伺わせていただきました。この中に、この二段落目の一行目になりますが、「どの党よりも早くから」という一言がございます。

これは、今の赤松副大臣の感想もあられ、そしてまた、我が党の主張、これはもう事実でございますので、また後ほど申し上げさせていただきますが、感慨を深くされている方も、また応援をしてくださった方、それは当然他党の方も全部含めてでございます、ここまで進んできたという感慨をお持ちかと思っております。

そこで、この民主党さんがどの党よりも早くからとおっしゃる、その根拠といいますか、それをまず簡潔に御説明いただきたいと思います。

○小宮山(洋)議員 どの党よりも早くからと申し上げたのは、この子ども手当のことだけではなくて、総合的な子育て支援ということをほかのことよりも優先をして、党全体として、子ども第一、チルドレンファーストという言い方でやり始めましたのは私どもが一番最初ということを申し上げました。

○高木(美)委員 それは何年から取り組まれたということでしょうか。何年からお取り組みになられたということでしょうか。

○小宮山(洋)議員 私が当選いたしましたのが一九九八年でございますので、チルドレンファーストという形で子ども第一を全体として取り組んだのが最初という言い方をさせていただいております。

○高木(美)委員 私も民主党さんのホームページで、一九九九年、子ども手当とおっしゃっているのを拝見いたしました。しかしながら、その後、二〇〇三年のマニフェストには、子ども手当という言葉は発見することはできませんでした。これについては、また後日説明をお願いしたいと思っております。

そこで、お配りしました「児童手当の主な沿革」、このプリントをごらんいただきたいと思います。

今、総合的な子育て支援というお話でございました。当然、児童手当だけを進めてきたわけではございません。ただ、この「どの党よりも早くから」という文言は、これは本来であれば全党挙げてこの子育て支援をこれからどのようにしていくか、こういう論議のその中にあって、わざわざこの文言を出されるということは、これは大変に大きな影響を与えている、私はそのように認識をしている一人でございます。

今、赤松副大臣からもいみじくもこの資料を使ってお話がございましたとおり、これは昭和四十六年というふうになっておりますけれども、一番最初に日本で児童手当を実現しましたのは千葉の市川市でございます。当時の市会議員の方が、四十二年十二月の定例市議会で訴えました。子供たちの健全な育成は、保護者ばかりでなく市としても何らかの援助を行うべきだ、この見地から児童手当制度を早急に実施すべきである、この質問こそ、恐らく初めての児童手当制度の創設を提唱する発言であったと認識をしております。

当時、高度成長時代に入っておりましたけれども、子供たちの養育は家計の生計費を圧迫しておりまして、決していい環境にはなかったと思っております。当時、各国を見ますと、イタリア、西ドイツ、イギリス、デンマーク、フランス、スウェーデン、世界の六十二カ国が既に実施をしているという状況がございました。

東京都は四十四年十二月から実現をいたしました。そして、これが引き金となりまして、当然このときも我が党先輩たちが多くかかわらせていただいたわけですが、国会でも矢のような質問攻勢を行ったと語り継がれております。そして、四十七年一月、多くの議員の方たちの賛同を得ましてこの児童手当法が施行になった、これが、昭和四十六年のスタート、そして四十七年から施行という、まず第三子以降、始まったわけです。

そして、平成二年、書いてございませんが、一・五七ショックがありました。そして、平成四年、ここから本格的にスタートをするわけでございますけれども、その後平成十二年、ここまで、なかなか伸びないという状況がございました。我が党が、平成十一年、一九九九年、連立政権に入りましたときに、連立合意としてここで、児童手当及び奨学金の拡充等、等でございます、少子化対策を進める、既に政党の連立合意としてこのような形でスタートをしたわけでございます。そこから一気に、自民党さん、そしてまた当時の保守党等々御協力をいただきまして、力を合わせて、平成十二年、十三年、そしてまた十六年、十八年、こうした拡充につながっていくわけでございます。

今回は、小学校六年までということで、九百四十万人が千三百十万人まで拡大をされる。当然、今、ここに至るまでにはいろいろなことを言われまして、選挙目当てのばらまきであるとか、このことは毎回毎回言われたわけでございます。

そこで、民主党さんにもう一つお伺いをしたいのは、政策の一貫性といいますか、制度の趣旨、位置づけにつきまして、どのようにこの児童手当をとらえていらっしゃるか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

○小宮山(洋)議員 この法案は、先ほどから申し上げておりますように、私どもが子ども第一、チルドレンファーストという方針のもとに、この児童手当につきましても子どもに着目をし、子どもがまず安心して育つことができるよう、そして保護者が安心して子どもを育てられるように、子育てに係る経済的負担を社会全体で負担すべきだという考え方に立ってつくっております。児童を養育している者に子ども手当を支給することによりまして、児童の養育に係る経済的負担の軽減を図るとともに、次代の社会を担う子どもたちが健やかに育つことができるためにも資することとしております。

民主党は、昨年の衆議院選のマニフェストにおきましても、月額一万六千円の子ども手当の創設を初め、幼保一体化の推進、小児医療体制の充実、仕事と家庭の両立支援策など、子どもが安心して育つことができる社会の実現のための政策を打ち出しております。本法案は、民主党の子育て支援策の大きな柱の一つである子ども手当制度を内容とするものでございまして、政府の児童手当法等改正案への対案として提出させていただいたものでございます。

もちろん、公明党さんが児童手当のためにずっと努力をされてきたことはよく承知をしております。先ほど赤松副大臣も、野党第一党から立派な法案を提出してもらってと言っていただきましたように、子どものことにつきましては、これはある意味で党派を超えてしっかりとやっていければいいというふうに考えております。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

今、小宮山議員より説明がございました。
実は、前回、前々回と二回にわたって、この児童手当の拡充に対しまして民主党さんは反対をしていらっしゃいます。今お話がありましたように、確かに、財源を見つけながら一つずつ世論の理解を得ながらまさに地をはうようにしながら、皆様のお声をまとめながら、そしてまた、多くの議員の方たちの論議をいただきながら、ここまでまとめてきた児童手当でございます。それに対しまして、前回の平成十六年、そして前々回の平成十三年、二回にわたってこの児童手当法案に反対をされたわけでございます。

そして、実は前回のときだったと思いますけれども、同じくこの委員会で、ある議員の方が、選挙目当てのばらまきであるということを明快におっしゃいました。きょうはあえて議事録は引用しませんけれども、そのような御発言、これは参議院でも何度もあった事実でございます。

また、現実、二〇〇〇年の本会議におきましては、小宮山議員は、本会議の席上、「何度も申し上げましたように、児童手当は子育て支援の一つの柱にすぎません。」本当にこれは、議事録を見ますと何度もおっしゃっていらっしゃいます。そして、前回十五日のときでしたけれども、その委員会におきましても、そのときは、私は大事な柱だというふうに思っています、このようにおっしゃっていらっしゃいます。

恐らく、このように児童手当ということに対する認識が大きく変わってきた、そのように私は大きくとらえさせていただいておりますけれども、果たして民主党さんは、児童手当はあくまで子育て支援の一つの柱にすぎない、こういうふうにおっしゃっていらっしゃるのか、大事な柱である、経済的支援は重要である、このように認識なのか。まず、その点をお伺いさせていただきます。

○小宮山(洋)議員 先ほど、二〇〇〇年の私の参議院での本会議のことを取り上げておっしゃいましたけれども、おとといでしたか、質問の中で私も申し上げたように、私どもが反対しているのは、額を上げることに反対しているのではありません。そこのやり方が、例えば二〇〇〇年の場合は、その一年前に子どもたちへの税の控除、そこの減税を十万円しておきながら、今度は、財源ということで、それをまた十万円下げて財源に充てたというやり方に反対をいたしましたので、それぞれのときにその反対の理由がございます。

それで、先日の参考人質疑でも、公明党さんが推薦をされました参考人の方も、もちろん経済的支援も大事だけれども、そのほかにも、ワークライフバランス、その大きな全体の働き方の問題ですとか、いろいろなことが必要だとおっしゃっていましたよね。そういう意味で、私どもはいろいろなことが必要だと思っております。ただ、別に大きな柱と言うか柱の一つと言うかというのは、そんな大きな、そうやって取り上げて言葉じりをとらえられるような問題ではないと思っております。

現在は、経済的な支援が足りないから持ちたい数の子どもが持てないという方が一番多くいらっしゃいますので、大きな柱という表現をいたしましたが、一つこれだけでできるわけではありませんから、それこそ、やはり働き方の問題とか、さまざまに総合的なことでやっていく中の柱、その中の大きな柱ということを申し上げましたので、以前に柱と申し上げたこととそんなに中身が変わっているとは思っておりません。

○高木(美)委員 それでは、前回のときに多くの議員の方がおっしゃっていた選挙目当てのばらまき発言でございますけれども、そういうことをおっしゃるのであれば、私は、この提案理由説明の中の「どの党よりも早くから」、やはりこの一言といいますのは、これは当然削除してしかるべきではないかと思いますが、御見解はどうでしょうか。

○小宮山(洋)議員 私が「どの党よりも早く」と申し上げましたのは、チルドレンファースト、子ども第一ということを党全体の政策の柱にしたのが最初という言い方をいたしましたので、児童手当のことを最初にやったというふうに言っているわけではございません。

○高木(美)委員 余りこういうことを、先ほど申し上げましたように、本来は全党を挙げて子育て支援をどうするか、それが一番大事な話でございまして、それを「どの党よりも早くから」、こうしたことは見識が疑われる、こうしたことにつながっていくわけでございます。

その点につきましては、ぜひとも、きょうはあえてこれ以上このことにつきましては論議申し上げませんけれども、これはやはり、私は訂正をしてしかるべきではないか。チルドレンファーストを先に言わないといいましても、これはそもそもイギリスにある言葉でございます。そういう意味では、今後とも、この文言につきまして削除されることを希望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。

今、前回のときの財源論の話が問題になりました。今回、民主党さんの財源につきましては、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除、もちろん、その中に特定扶養控除の廃止が入っております。こうした控除を廃止して、そしてその財源に充てるとされているわけでございます。当然、もらえる側に、受け取る側にとりましては、一万六千円、義務教育終了まで、大変これはうれしい話でございます。

しかしながら、反面、こうした控除を切ってそこに充てていく、これでは、先ほど来お話がありました教育費等の負担の大きい高校生、大学生、このお子さんを持つ家庭の負担を重くすることになると思います。その点につきましてどのようにお考えでしょうか。

○郡議員 お答えさせていただきます。

子ども手当を何歳までにするのかということにつきましては……(高木(美)委員「そのようには聞いておりません、財源です」と呼ぶ)はい。いろいろ議論があるところですけれども、私どもは、さまざまな手当額の水準ですとか、それから所要財源、財源措置あるいは欧州におきます子供手当の状況など総合的に勘案した結果、中学生以下の子供を持つ御家庭を対象とすることとさせていただきました。政府案よりも大幅にふえているということでございます。

御質問の高校生以上のお子さんを持つ家庭への対応につきましてですけれども、これは、希望者全員に対する奨学金の無利子貸与、それから私学学校通学者に対する授業料の直接補助、そのほかの措置によって別途支援していく考えでございます。

それでは、政府案につきまして一言つけ加えさせていただきますれば、児童扶養控除を初めとする扶養控除と、それから児童手当を併存させて、なおかつ児童手当の所得制限を設けておりますために、サラリーマン世帯では児童手当と扶養控除を合算した額が所得制限額を超えると落ち込むという逆転現象が生じる、こういう問題もございます。今回の政府案でもまた、所得が八百六十万円からの逆転が起こるということが見込まれるわけでございます。

私どもは、控除を改廃することによりましてその財源を見込み、そしてまた、これまでの歳入歳出をしっかりと見据えた上でこの財源を確保していくということでございます。

○高木(美)委員 もう一度重ねて伺います。

それでは、大学生、高校生のお子さんの家庭で今回の特定扶養控除が廃止になった場合、増税はどれだけになるか、数を言ってください、数字を言ってください。

○小宮山(洋)議員 私どもの試算によりますと、中学生以下はどこの御家庭でもこれは負担が減ることになります。そして、高校生以上のところでは、高校生、大学生のいる御家庭では年間十万円余りの負担がふえると思いますが、そこにつきましては、今、郡委員がお答えいたしましたように、希望する者全員に奨学金の無利子貸与を可能にする仕組みなどを設けまして、教育環境の整備を図るなどの対応をとっていきたいというふうに思っております。

○高木(美)委員 こうした特定扶養控除を切るという場合、当然、どの程度の負担になるのか、正確な数を押さえるのがまず私どもの責任ではないかと思います。お一人これがなくなりますと、六万三千円ふえるわけでございます。例えば、大学生、高校生いらっしゃれば、年間十二万六千円の増税につながるわけです。

子育ての経済的負担というふうにおっしゃいますけれども、教育費の占める割合が大きいというのが現状でございます。小さいころにかかる、そしてまた教育費にかかる、これは何度もそのようにおっしゃっている話でございます。要するに、最も教育費がかかる高校生、大学生の家庭の負担をふやして、その分を中学生以下に回す、こういう案にすぎないととられてもやむを得ないと私は思っております。

重ねましてもう一つ申し上げます。

奨学金でつなぐというお話がございました。例えば奨学金、どのような試算になるのか。これはそれぞれ状況が違います。ですので、あえてこれは先ほどの例も踏まえまして、もう時間もありませんので私の方で申し上げますが、例えば高校で第一種月額一万八千円を借ります。三年間で合計額六十四万八千円。大学に行きまして、きぼう21プランを借ります。月額五万円、四年間で二百四十万円。合計しますと、卒業するころには三百五万円。これを返済するに当たりましては、返済月額一万五千円を十七年間払い続ける、こういう試算になるわけでございます。

これが普通の御家庭にとって、しかも、今の団塊の世代のような高所得の望めない、そういう若い世代にとって、これを国の方針として押しつける、セーフティーネットではなくて、これをそのような方向に誘導する、こうしたことに対しては、私は大変怒りを覚えている一人でございます。

このことにつきまして、どうぞ、一言。

○小宮山(洋)議員 私どもは、奨学金につきましてはさまざまな方法を考えておりまして、例えば平成十八年度の民主党予算案では、希望者全員への奨学金貸与を可能にする、貸与額の五〇%程度の引き上げ、例えば自宅外の私学生の場合は、現行六万四千円を九万六千円にすること、保護者の所得要件の撤廃などの条件緩和、こういうことをするために、政府予算に六百億円ほどを上乗せするとできるというふうに考えております。

先ほど申し上げたさまざまな方法で、高校生、大学生につきましては奨学金の方をしっかりと手当てする予算もつけておりますので、全体として、そちらの御家庭の負担が大きくなるということにはならないと考えております。

○高木(美)委員 借りたら返さなきゃいけないんです。また、そういうことをきちんと国は教えなければいけないわけです。恐らく今のお話を聞いていらっしゃらなかったと思うんですが、借りたら返さなきゃいけない。それをどのようにその金額を引き上げる、金額を引き上げたとしても、その分は本人が返さなければいけないわけです。

今私が例を申し上げましたのは、恐らく高校から借り始めて大学卒業するまでに、普通合計三百五万円、返済額月一万五千円、十七年間返し続ける、このお子さんのことに対してどうなのかということでございます。

セーフティーネットとして、それは御両親の経済的な状況が厳しくなった、それは一時期奨学金で、このためにありとあらゆる措置をするのが奨学金でございます。どうぞ、一言。

○小宮山(洋)議員 それは、今おっしゃったようなセーフティーネットの話とはちょっと違うのではないかというふうに思います。学びたい人がその家庭のいろいろな状況の中で、学びたいときには、今の大学生の学ぶ状況などにいたしましても、自分で奨学金を借りて、行けばそれだけ一生懸命勉強もいたしますし、このことだけでセーフティーネットというのは違うというふうに考えております。

私たちは総合的な施策の中で、先日から申し上げておりますように、税制と社会保障の制度全体を抜本的な見直しをする中で、継ぎはぎの小手先ではないようなことをするために、どこに集中化をし、どこの部分は違う方法でカバーをするかということを、セーフティーネットというのは落ちたときに張るネットですが、そうではなくて、私たちは落ちる前に包み込むような政策をとりたいというふうに考えております。

○高木(美)委員 わかりました。今私が申し上げたセーフティーネットという意味は、これは一人のお子さんにとって、例えば自分のお子さんと考えてください。大体初任給二十万ぐらいですよ。それで、返済月額一万五千円、これを十七年間払い続けるわけです。そして、その途中、結婚もある。こういう負担を高校生、大学生に強いるような方策をとっていいのかという意味で私は申し上げているんです。特定扶養控除を廃止するというのはそういう意味です。

私の申し上げたセーフティーネットといいますのは、それはあえて、そういう状況のときは奨学金でつなぐのは、それは一番必要なことですし、それはそれです。ただ、国の方針として、特定扶養控除を切る、切って奨学金でつなぎなさい、あなた、これだけ負担しなさい、そういう方向に誘導するのはいかがなものかと申し上げているわけです。先ほど特定扶養控除が切られた場合どのぐらい増税になるか御存じなかったので、恐らくそこまで計算していらっしゃらないことですから、議論がかみ合わないのだと思います。

ただ、こうした奨学金、滞納率につきましては、これは平成十六年末ですけれども、今約二千二百九十七億支払っていただかなければいけない中で、五百七億滞っているわけです。四分の一が滞納となっております。明らかにこうした、奨学金でつなぐという民主党さんがとられる方向というのは、なかなか、将来、支払えないという、そのような結果につながっていくのではないかと思います。

そこで、もう一つ伺います。

実は、この財源につきましてそのようなお話がありました。私は試算をいたしました。子供が小学生二人いる場合は、確かに一万六千円、二倍になりまして、それは家計は潤います。ところが、そこに高校生、大学生、そこが入ってきた場合につきましては、例えばお子さんが小学生一人、高校生一人、そういう御家庭では、年収六百四十四万円まで、そこまでは児童手当といいますか、子ども手当ですね、そちらでおっしゃる、そちらの方が効果は大きいです。しかし、六百四十四万円を超えますと増税となるわけです。

まして、そこが大学生と高校生のお子さんの家庭では、子ども手当も届かない、年間十二万六千円の増税。子育ての経済的負担、先ほど来申し上げておりますように、この教育費の占める割合が大きいことを考えますと、高校生、大学生の負担をふやして、その分を中学生以下に回す案にすぎない、このように言わせていただきたいと思っております。

最後にお伺いしたいのは、当分の間という、暫定措置というお話でございますけれども、この所得財源もずっと見積もらせていただきましたが、今必要な金額といいますのは、民主党さんおっしゃるのは、約三・六兆円という所得財源の見積もり、もう少し違う数字が三兆三千何百億、数字の中で出ていたかと思います。この中で、将来、当分の間は国庫負担が百分の九十二というふうに考えていらっしゃいます。これを要するに三・三兆円必要であるというふうに考えましても、もう四月一日施行というふうにこの案ではなっております。組まれている今の来年度政府予算は〇・三兆円しかありません。当然三兆円が足りないわけです。このままでいきますと六月支給には間に合わない、こういう現実的な話でございます。

この点につきまして、どのようにされるか、お考えを伺います。

○小宮山(洋)議員 当分の間と申しましたのは、所得税のやはり抜本的な改正を行う際に、私どもはこの控除を廃止するという案をその以前から出しますけれども、そこの議論をぜひ政府の方でも、定率減税廃止の前になさるはずだったものを早くやっていただきたいと思います。その当分の間は、その事業主、都道府県及び市町村にこれまでと同様の負担をお願いすることとしております。

先ほどおっしゃいました奨学金につきまして、全く私どもの考え方と違うんですね。私たちは、全体の教育制度の改革の中で、今現に小学生などでも教育の扶助を受けなければならない御家庭が非常に多い。そのように今の格差が開いている中で、いろいろ教育の格差ということにも広がっていく中で、私たちは当然、子どもたちが学ぶ権利といたしまして、高校生、大学生には、いろいろな条件を整えた上で、自分たちで奨学金できちんとできるような体制をとりたいと思っておりますので、そこにしわ寄せをするということではございません。

先ほどおっしゃいましたように、私どももさまざま試算をしておりますが、それぞれ年収によって、また片働きか共働きかとか、いろいろケースがございますので、先ほどは丸めた数字で申し上げましたので、私どももしっかり試算はしております。

○高木(美)委員 奨学金の考え方というお話でございましたけれども、私は、やはりそのお子さんが大学を卒業したときに、果たして自分で返せる能力があるのかどうなのか、そこのところをしっかり見ていくべきではないかと思っております。当然、自分の意思で奨学金を受けていただくわけですけれども、ただ、余りの負担、要するに特定扶養控除、年間一人六万三千円切るということは、七年間では四十四万円になるわけです。極端な話、先ほど三百五万円借りてという話を私は申し上げました。半分聞いていらっしゃらなかったようですけれども、そこにこの特定扶養控除の四十四万円が残っていれば、お子さんの負担は二百六十万で大学まで出ることができるという、私はやはりこの教育費の負担をどのようにしていくか、これはまさに大事なことであると思っております。

これは教育の今後の方向性にもかかわってきますので、まさにこれこそ今後の大きな課題として、先般も大臣がこうした子育て支援、それは当然そこに文部科学省のこうした考え方も入れて、連携をとってというお話もございました。こうしたことを含めまして、論議をお願いしたいと思います。

ただ、こうした法案を出されるのであれば、四月一日施行というふうに書かれているわけでございますので、現実的な案をぜひ提案をいただきたいと思っております。それだけが大変残念であると思っております。

以上で質問を終了いたします。

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