「障害者の司法アクセス」について

2006.6.6

○斉藤主査 昨日に引き続き法務省所管について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高木美智代君。

○高木(美)分科員 公明党の高木美智代でございます。
 公明党の障害者福祉委員会の委員長を務めております。本来であれば法務委員会の中で、差しかえていただき、一般質疑の中で質問をさせていただくところでございますが、そのめどがなかなか立たないようでございますので、この場をおかりしまして質問させていただきたいと思います。法務大臣には初めての質問でございます。

 御存じのとおり、障害者自立支援法が昨年成立をいたしまして、これで初めて、精神、知的、身体とも同等に支援の対象となりまして、地域で障害者がともに暮らすという道が開かれたわけでございます。中でも精神障害者は、一九〇〇年の精神病者監護法、また一九一九年の精神病院法、一九五〇年の精神衛生法を初めとしまして、どちらかというと、隔離そしてまた措置入院という名前の強制入院が行われてきたわけでございます。今回、こうして三障害とも道が開かれ、またさらに発達障害等、今大きく社会に認識を広げているところでございます。

 私は、障害を個性と認め、障害者の持つ温かさ、懸命に生きる力を社会に広げていかなければならない、そのような責任感を持っております。また、そのような大事なときを迎えていると認識しております。しかしながら、現実は、事件のたびに耳にします特性に対する社会の無理解、そしてまた一部マスコミの無認識なセンセーショナルな報道等、変えていかなければならないと思っております。

 そのためには、やはり権利が守られる最後のとりでであります司法の場におきまして障害者の特性が理解され、真に権利が守られる法制度へと進めていかなければならない、この思いも熱くございます。当然、その事件に至るまでの福祉との連携も必要ですし、虐待防止の具体的な施策も必要でございます。

 そうしたことも踏まえまして、限られた時間でございますが、質問をさせていただきたいと思います。

 まず、最高裁に、裁判員制度についてお伺いをさせていただきます。

 特に選任資格につきましては、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の第十四条第三号におきまして、欠格事由として「心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障がある者」とされております。障害者が裁判員になる場合の選任資格の基準と考え方をお伺いいたします。

○園尾最高裁判所長官代理者 障害がある方につきまして、どのような基準ないし考え方で裁判員の選定を行うかという点についてでございますが、裁判員制度は、多様な国民の感覚を裁判に反映させるということを趣旨とする制度でございますので、障害がある方につきましてもできるだけ裁判員として参加していただくという基本姿勢で臨むことが重要であるというように考えております。

 ただ、裁判員は、裁判官と同等の権限で、口頭主義、直接主義という原則で運営されております公判手続に参加いたしまして、事実を認定し刑を定めるという重大な職責を負っております。そのために、ただいま御指摘の裁判員法第十四条第三号のように、「心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障がある」と認められる場合には裁判員となることができないというように定められているわけでございます。

 これがどのような場合かということでございますが、これは、心身の障害の内容、程度、事案の内容等に応じて個々の裁判体によって決められるということでございますので、一概に申し上げることはできないわけでございますが、心身に障害のある方についても特段の支障がない限り裁判員になっていただくというのが基本でございまして、この観点をしっかりと押さえて対処がされるというように考えております。

○高木(美)分科員 続きまして最高裁にお伺いいたします。

 それでは、障害者また高齢者配慮の裁判所建物内のスロープ、エレベーター等のバリアフリー化の状況と、現在行われております障害者への配慮につきまして具体的にお伺いいたします。

○園尾最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 裁判所の庁舎は全国に四百六十施設ございます。これらの施設につきまして、従来から、新築、増改築の機会をとらえまして、鋭意庁舎のバリアフリー化ということを進めてきたわけでございます。

 これまでのところ、すべての庁舎において玄関スロープ等の段差解消の措置を講じておりまして、また、身障者用トイレもほぼすべての庁に整備済みでございます。また、エレベーターは三階建て以上の庁舎の約九割に整備済みでございまして、玄関自動扉それから点字ブロックにつきましては、約八割の庁に整備済みというところでございます。
 今後とも引き続き、障害者あるいは高齢者の方に配慮した施設の整備を図っていきたいというように考えております。

○高木(美)分科員 具体的に裁判員制度が始まりました場合、各障害に応じました配慮が必要であると思っております。

 例えば、身体障害者につきましては、自宅から裁判所までの移動に支障がある場合は、移送サービスは国から提供されるのかどうか。また、介助者の入廷、入室の配慮というのは行われるのか。

 また、聴覚障害者の場合は、法廷や合議における手話通訳者の配置や要約筆記、またパソコン通訳であるとかOHP、オーバーヘッドプロジェクターでございます、そうしたものが使用できるのかどうか。

 また、視覚障害者の場合は、訴訟記録の点訳または録音、点字、音声サービス等必要になるかと思います。またさらに、写真、図面、その他の視覚による検証を必要とします証拠に対する対応の配慮が必要かと思います。アシスタントによる説明でよろしいのかどうか。

 またさらに、内部障害者、これは、心臓機能のためにペースメーカーをつけていらっしゃるとか、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸等、そこに機能障害があり、またヒト免疫不全ウイルス等をお持ちであるとか、こうした内部障害者につきましては、やはり裁判所というところは大変緊張する場所でございますので、気分が悪くなった場合の医学的サポートも必要であるかと思います。

 こうした具体的な配慮につきまして必要であるかと思いますが、最高裁の御見解を伺います。

○園尾最高裁判所長官代理者 障害者が裁判員に選任された場合に、具体的にどのようなサポートが適切であるかということにつきましては、障害の内容、程度等によって異なるものでございまして、一概に申し上げるということはできませんが、障害者の方が裁判員に選任された場合には、障害の内容、程度等につきましてあらかじめ御本人に事情を伺うというようなことをしまして、裁判員としての職務の遂行に支障が生じないように最大限の配慮を行うことになるという考えでございます。

 例えば、今たくさんの例示がございましたが、一つ、身体に障害のある方を例にとってみますと、裁判所においでいただくのにタクシーやハイヤーの手配の必要があるのかどうか、必要があればそのような措置もとることができるということでございます。介護者の手配の必要の有無、これも、手配の必要があるということであればそのような対処を検討するということでございます。

 また、聴覚障害者の場合には、手話通訳者の手配の必要性の有無、あるいは、ただいま御指摘のような要約筆記の手配の検討が必要なのかどうか、このようなもろもろの事柄につきまして、障害の内容、程度に応じた補助の手段を用意するということを検討しておるわけでございます。

 個別の事例についてはさまざまなことが起こり得るということを予想しておりますが、できる限りのサポート体制をとっていきたいというように考えております。

○高木(美)分科員 よろしくお願いをいたします。そして、ぜひとも、あなたが裁判員制度の裁判員に選任をされておりますという通知が行きましたときに、そうした障害があられる場合は、このようなサポートの準備がありますという、先にそのことを明快にお伝えいただきまして、後は、御本人が障害を理由に辞退をされたり、またそれでもやってみようと一歩前へ進まれたり、そこはまた御配慮をぜひお願いしたいと思います。

 次に、法務省にお伺いをいたします。

 日本司法支援センターにつきましては、五月に既に法人登記が終わられまして、十月からの稼働に向けて準備がされていると伺っております。新任の金平理事長が、身近な駆け込み寺のような存在になること、司法が力になってもらえることを一人でも多くの国民に知ってもらいたい、このような希望を述べていらっしゃいます。

 障害者につきましては、知的、精神、身体とも弁護士へのアクセスが困難と言われております。そういう中で、私は、この法テラスといいます日本司法支援センターに期待をするものでございます。日本司法支援センターの運営に当たりまして、障害者配慮を明確に位置づけた運営をお願いいたします。

 そこで、この準備に当たりまして、高齢者、障害者に対する配慮はどのように考えていらっしゃるのか。例えば、そこに行くということはかなり大変な労力もかかります。出張相談などは準備をしておられるのか。それには当然予算化も必要であると思います。御見解をお伺いいたします。

○倉吉政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、支援センターにおきましては、現在、本年秋に予定されております業務開始に向けて鋭意準備がなされているところでございます。

 御指摘の、障害者の方々に対する特別の配慮ということですが、この点につきましては、支援センター、特に注目すべきところは、法律にその規定があるということでございます。総合法律支援法は、日本司法支援センターは、障害者等法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供を求めることに困難がある方々に対し、その業務が利用しやすいものとなるように特別の配慮をしなければならない、こういう規定を置いているわけでございます。

 現在、これからどのような配慮をしていくのかということについては、具体的には支援センターにおいて検討されることではありますが、例えば、ただいま出張相談という御指摘ございましたけれども、民事法律扶助、資力の要件がございますけれども、ああいった要件に該当する方に対しては出張による扶助相談を行うということが、このたび法務大臣が認可いたしました業務方法書にも明記されております。また、全国の弁護士会等でこういう方々のためにいわゆる出張相談を実施しておりますが、新しく情報提供という仕事をする上で、そういう弁護士会を御紹介していくということも考えられると思います。

 こうしたことも踏まえまして、関係する機関、団体と適切に連携しつつ、適切な情報提供業務を初めとする各般の業務に努めていただけるもの、こう考えております。

○高木(美)分科員 先ほど申し上げましたように、弁護士へのアクセスが困難と言われる障害者にとりまして大きな希望になりますように、ぜひとも実効性ある取り組みを重ねてお願い申し上げます。

 続きまして、民事訴訟また刑事訴訟上の課題につきまして質問をさせていただきます。

 これから申し上げます質問につきましては、民事においては、訴え提起段階また審理段階、判決段階を含みます。また、刑事におきましては、捜査段階等も含ませていただいた上での質問と御承知をいただければと思います。

 まず一つは、取り調べの可視化につきましては、我が党も漆原法務部会長を中心に強く要請をしておりまして、もう既に準備が始まっていると承知をしております。この可視化につきまして、必要性をどのように認識しておられるのか、あわせまして、今の進捗状況と今後の展望につきましてお伺いをいたします。

○大林政府参考人 お答え申し上げます。

 一般国民が参加する裁判員制度のもとでは、審理を裁判員にわかりやすく迅速なものとすることが不可欠であり、自白の任意性の立証についても、効果的、効率的な立証がなされる必要があります。

 そこで、検察庁において、裁判員裁判対象事件に関し、自白の任意性の効果的、効率的な立証に必要かつ相当と判断される部分の録音、録画を試行することにしたものと承知しております。この試行は本年七月から開始される予定であり、検察庁において、現在、試行の実施方法等につき検討を進めているものと聞いております。

 なお、取り調べの録音、録画を義務づける制度の導入につきましては、刑事手続全体における被疑者の取り調べの役割との関係で慎重な配慮が必要であることなどから、刑事司法制度のあり方全体の中で慎重に検討すべきであると考えているところでございます。

○高木(美)分科員 同じ質問を警察庁にさせていただきます。特に警察での取り調べの段階でも可視化が求められているところでございます。警察庁の見解を求めます。

○和田政府参考人 取り調べの可視化についてでございますが、警察は、第一次捜査機関として事案の真相を明らかにする、こういう責務がございます。取り調べもその目的のために行っておるものでございますが、取り調べを行う際には、時間をかけて被疑者とコミュニケーションをとり、人間関係、一定の信頼関係を構築して行わなければならないわけです。そういった中で真実の供述というものが引き出されていくわけです。

 仮に録音、録画を行うといった場合には、被疑者にとってはその一言一句というものが第三者に知られてしまう、そういう状況のもとではこういう信頼関係の構築はなかなか難しいのではないかというふうに考えております。

 そういたしますと、ひいては事案の真相解明も困難になるということから、警察といたしましては、この録音、録画については極めて慎重な検討が必要であるというふうに考えております。

○高木(美)分科員 慎重でありましても、先ほど法務省から、相当また必要と思われる場合はというお話もございました、ぜひとも準ずる形で今後検討をお願いしたいと思います。

 続きまして、これは先日、新聞でも報道されておりましたけれども、例えばわいせつ被害を訴えてきた障害者の少女の事例がございます。

 こうした事例は探せば多くあるわけでございますけれども、これは、千葉県の市立小学校に通っていた知的障害を持つ少女と両親が、五月に、担任だった男性教諭と県、市を相手取りまして、千葉地裁に損害賠償請求訴訟を起こしました。強制わいせつ罪に問われた教諭には、既に地裁と高裁で無罪判決が出ております。それでも家族が民事訴訟に踏み切ったわけです。

 この事件は二〇〇三年の七月に発覚をいたしました。小学校六年生だった少女は、校内で教諭にたびたび服を脱がされ、わいせつ行為を受けました。しゃべったら家族を殺すなどとおどされ、我慢をしていたけれども、ついに母親に告白をし、教諭は逮捕となりました。

 しかしながら、千葉地裁の公判で少女は証言台に立ちました。被害場所を教室内のカーテンスペースの中と証言しましたが、その際、地裁は、関係者により記憶化された可能性を否定できないとこの証言の信用性を認めず、教諭を無罪といたしました。

 さらに、控訴審に進みまして、東京高裁で母親は、そのあいまいとされた証言に触れまして、場所を確認した別の教諭が娘の発言に否定的なことを言ったため、娘が混乱して違う場所を指したと主張をいたしました。

 こうした知的障害の方たちは、他人に否定されると自信を失い、相手に合わせてしまう、これが特性でございます。そしてまた、強く言われると、そのように答えれば相手が喜ぶ、そう思ってそのとおりに答えてしまう、このような特性も持っていらっしゃいます。

 ここでも、当然日時と場所の証明が不十分とみなされまして、結局は無罪となってしまい、また、あえてこうした民事訴訟を起こしたにもかかわらず、最終的にはやはりこのことも受けとめられず、この少女はその後髪を抜くなどの自傷行為を繰り返すようになり、またも家族はそれぞれに痛みを受け、今、家族は引っ越しを余儀なくされている、こうした事例でございます。

 障害者の方の中には、私は障害があってみんなに迷惑をかけているから、こんなことをされても我慢しなければいけないと思っていた、大体このようにおっしゃる方が多いわけでございます。知的障害者の証言が認められなかったケースは大変多いというふうに承知をしております。

 そこで、質問をさせていただきたいのですが、例えば、障害者が今度は被疑者になった場合、知的障害者が黙秘権があるんですよと説明をされましても、黙秘権がどういうことなのか、どういうときにそれは使えるのか、一体何なのかという、言葉の内容が理解できません。また、取り調べにおきまして、強く言われますと、今申し上げたとおり、相手を喜ばせたいという思いでそれを答えてしまう、いわばうその供述をしてしまう。しかしながら、それが自白としてとらえられてしまう。当然そこには特別代理人であるとか弁護士等の立ち会いが必要と考えますが、このことにつきまして見解をお伺いしたいことが一つ。

 またもう一つは、今度は逆に被害者になった場合、今の事例でございます、いつ、どこで、だれからをはっきり記憶できませんし、言うことができません。そのために性的な犯罪の犠牲になった人たちも大変多くいると認識をしております。

 こうした特性を理解し、踏まえて、訴えを受理するあり方を考えるべきではないかと思います。事情聴取、また裁判所における尋問につきましても配慮すべきと思いますが、御見解を、これは警察庁にお伺いいたします。

○和田政府参考人 知的障害者の方の取り調べでありますとか、あるいは事情をお聞きするという場合には、委員御指摘のように、その障害者の方の特性というものを十分理解しておかなければならないというふうに考えております。

 したがって、取り調べ、事情聴取に当たって、言葉を平易な形でやるとか、あるいは否定的な形で言わないとか強い口調で言わないとか、あるいは暗示を与えるような形でしないとか、それからまた、供述が得られた場合についても、その信用性を十分吟味して裏づけを十分とる、こういったような形で進めております。

 先ほど、障害者である被疑者の取り調べについて、弁護人等を付き添わせてはどうかということでございましたが、先ほどの取り調べのいろいろな機能の問題から、これを一律に付き添いをするということはなかなか困難であろうと思いますが、個別具体的な状況の中で、必要により福祉関係者の方を付き添いとして取り調べに当たるということはあり得るというふうに思います。

 また、被害者の方につきましても、その障害の程度等に応じて、親族の方あるいは福祉関係者の方を付添人としてその場で事情聴取をするということはこれまでも行ってきておるところでございます。

○高木(美)分科員 ただいま、取り調べの際の付き添いに福祉関係者という配慮もいただきました。

 重ねまして、福祉、またこうした障害者の特性を理解している専門家ですと、例えば被疑者となった障害者の方が面識がなくても、コミュニケーションを結ぶスキルをちゃんと持っております。そこも視野に入れていただき、今後の御検討をお願いしたいと思います。

 今、障害者は十人に一人という比率でいらっしゃると伺っております。そういう観点から考えましたら、やはり警察関係また司法関係者の研修の中に障害者の特性を理解するためのプログラムを導入していただきたいと思います。それも、机上の勉強だけではなくて、独学で勉強されたりいろいろな努力をされているとも伺っておりますけれども、やはり直接障害者と触れ合っていく、そこでその反応の仕方、また意思の発し方、その一つ一つを考慮、また肌で知っていただきたいと思います。

 障害者を弁護する方もまた裁く方も、そして取り調べる方も、その場で初めて障害者の特性に触れるのではなくて、やはりその以前、当然司法修習の準備段階になるかと思いますけれども、総合的なこうした理解するためのプログラムの御検討をお願いしたいと思います。

 そこで、最高裁また法務省、警察庁、それぞれに御見解を求めます。

○園尾最高裁判所長官代理者 それでは、まず裁判所から御説明をいたします。

 法曹にとって、あるいは法曹になることを前提に研修を受けているという立場にある司法修習生にとって、障害者について理解を深めるということは、法曹が国民の基本的人権を擁護する職責を負っているということからも極めて重要なことであるというように考えております。

 まず、司法修習生について言いますと、司法修習生につきましては、修習期間中に、さまざまな機会をとらえて、障害者についての知見や理解を深めるためのプログラムを実施しておるところでございます。

 実際に行われた事例について御紹介いたしますと、実務修習の中の一つのプログラムに社会修習というのがございます。この社会修習の中で、重度の心身障害児の施設あるいは知的障害者授産施設等の見学を行った上、入園者との共同作業などを通じた体験、座談会等が実施されたという事例がございます。この結果は社会修習レポートとして報告されまして、それをもとにした意見交換会が後期の集合研修のカリキュラムに組まれまして、修習生相互の情報として共有されるというような工夫が行われていっております。

 一方、裁判官につきましては、実務の現場で障害者の事件の審理を担当することによって理解を一層深めていくというのが基本でございまして、その場合の双方当事者との協議やあるいは打ち合わせの場を通じて障害者について事前に十分な知見を得た上で裁判の場で障害者と接することによりまして一層の理解を深めていっておるという状況にございます。

 これに加えまして、裁判官につきましては、司法研修所において障害者の人権問題を含む人権問題一般に関する講演会を実施するなどいたしまして、一般的な知見や理解を深める努力を行っているというところでございます。

○大林政府参考人 検察官につきましては、例えば知的障害者の方々につきましては、その特性を十分考慮し、適切な発問を行うとともに、その供述の裏づけ捜査を十分に行うなど、被疑者、参考人等の年齢、境遇等の特性に応じた適正な捜査、公判活動を行うよう、上司による部下検察官への事件指導や各種研修の際などに徹底した指導がなされているものと承知しております。

 これに加えて、障害者の特性を理解することに特化した研修を実施する必要があるか否かにつきましては、状況に応じて検討していきたいと思っております。

○和田政府参考人 警察におきましては、警察活動のさまざまな場面で障害者の方と接する機会は数多くございます。したがいまして、警察官に対しましては、一つには、こういった方々との接遇をするための要領というものをハンドブックとして教育に活用しておりますし、また、職場研修の中では部外の専門家の方に来ていただいてお話を聞くとか、あるいは、県によりまして、警察学校で、ちょうど警察官として採用になったばかりの警察官の卵たちが近くのそういう障害者の施設に赴きまして、実際にそういった介護の実習をやっておるというところもございます。

 引き続き、こういった障害者の方々への適切な対応について、都道府県警察を指導してまいりたいというふうに考えております。

○高木(美)分科員 最後の法務省そして警察庁の方たちにおかれましては、ぜひ特化した研修、さらに検討を重ねていただきたいことをお願いいたします。

 最後に、大臣の御決意を伺わせていただきたいと思いますが、やはりどうしても冤罪、そしてまた重科等が障害者に対して後を絶たない、このようなことが今言われております。さまざま今質問させていただきまして、ここからさらにまた進めていただかなければいけない点、そしてまた障害者に対する理解を社会に対しても大きく広げていかなければいけない点、社会を挙げて取り組まなければいけない課題であると私も改めて決意をさせていただいた次第でございます。

 最後に、この障害者の司法アクセスの問題につきまして、また、権利が守られる法制度への大臣の御決意をお伺いさせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○杉浦国務大臣 先生におかれましては、障害者問題にお取り組みいただきまして、敬意を表する次第でございます。

 司法制度におきましても、障害者の方々の権利は十分に保障されなければならない、当然のことでございます。

 障害者の司法アクセスでございますが、先ほど司法法制部長が御答弁申し上げましたように、司法支援センターを活用するということも一つでございます。出張相談なんというのはぜひやってもらいたいと思っております。金平理事長初め役員の方々が就任のあいさつにお見えになったときに、ともかくお役所仕事では困る、国民のニーズにこたえて、親切、丁寧に応対するようにしていただきたいということを申し上げました。

 健常者に比して不平等が生じることのないように十分に配慮をいたしまして、すべての国民にとりまして身近で頼りがいのある司法制度を実現していくというふうに取り組んでまいりたい、こう思っている次第でございます。

○高木(美)分科員 ありがとうございました。以上で質問を終了させていただきます。

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