「障害者雇用促進法」について

2008.6.4

○高木(美)委員 おはようございます。公明党の高木美智代でございます。

  大臣には、毎日積極的に、そしてまたスピーディーにさまざまな課題に対しまして御努力をされているお姿をいつも拝見しながら、大変だな、でも大変頑張っていらっしゃるなと、いつもエールを送らせていただいております。

  まず私は、質問に先立ちまして、大臣にお礼を申し上げたい点が一つございます。

  それは、フェニルケトン尿症、そしてまたメープルシロップ尿症、こうした小児慢性特定疾患に指定されております疾病がございます。これは、恐らく委員の方も、御承知の方も、またない方もいらっしゃるかと思いますので少し説明させていただきますが、必須アミノ酸の一つであるフェニルアラニン、これを代謝する酵素が生まれつき欠損をしている、こうした先天性代謝異常でございます。これがフェニルケトン尿症。そして一方、メープルシロップ尿症の方は、このアミノ酸の物質といいますのは、ロイシン、イソロイシン、バリンという名称だそうでございます。

  いずれにしましても、これを放置しますと、知能の発達障害であるとか、またけいれん、そして最後は命に及ぶ、こうした病気でございまして、新生児のマススクリーニングによります早期発見で、このフェニルケトン尿症の方は約四百八十人、そしてまたメープルシロップ尿症の方は七十六人がこの約二十年間で発見されている、そういう状況でございます。

  この治療法といいますのは当然まだ発見されておりません。低たんぱく質の食事、そしてまた、もう一つはそれぞれに応じた治療用ミルク、この二つが必要でございます。フェニルケトン尿症の方は二十まで飲み続ける、そのことによって少しそうした症状は抑えることができる。しかし一方で、メープルシロップ尿症におきましては、さらに重篤な状況がありまして、この成分を除去したミルクを生涯続けなければやがて死に至る、こうした大変深刻な病気でございます。こうしたことから小慢に指定をされておりまして、さまざまな助成措置が講じられております。

  ところが、今回、四月一日からの薬価の改定によりまして、このミルク代が突然急騰するという事態がございました。伺えば、それぞれオーファンドラッグのような、こうしたミルクでございますので、製造ラインがやはり一社に限られている。その製造ラインが古くなってしまったために、それをこのミルク代に上乗せしてお支払いいただかなければいけない、こういう背景もあったようでございますけれども。

  いかんせん、このフェニルケトン尿症の方のミルクについては、今まで、千二百グラム入りで一万一千四十円であったものが、一万七千六百四十円に突然値上がりをしてしまった。また、もう一方のメープルシロップ尿症の方は、一缶九千五百円であったものが、六・五倍の六万二千百六十円に値上がりをしてしまったということから、患者の方たちから私どもに陳情がございまして、地方議員の方を通し御紹介をいただきまして、厚生労働部会におきましてさまざまお話を伺いました。

  やはり、その席上おっしゃっていたことですけれども、特にこのメープルシロップ尿症の代表の方は母親でもあられます。そのお嬢さんが半年後に二十になられる。でも、二十になったらこの助成措置が切れてしまう。普通であれば、成人式を迎えるというのは、御一家にとっても、またそのお嬢様にとっても、最も喜びに包まれる、これがその日ではないかと思うのですが、この方たちはその日を境に助成が受けられなくなってしまう。そのミルク代を自分で負担できればいいけれども、そのミルク代をどこまで我が家は負担することができるのか。それが払えなくなるということは、私はもう死を選ぶしかないと。

  このお嬢さんがおっしゃっていたのは、お金がかかる私たちに、ミルク代が払えないなら死んでくれ、そういうふうに政治が言っていることに等しいことね、そう言って泣いていらしたそうです。そのことをまた、お母様はお話をされながら、娘はどんな気持ちで二十を迎えるのでしょうか、このようにお母様も涙ぐみながらおっしゃっていらっしゃいました。

  この改定につきまして、早速、厚生労働省、御対応いただきまして、六月二日だったかと思います、この薬価を本当に異例のこととして大幅に引き下げていただきまして、要望を実現していただいたということ、これはまさに、私は、この方たちの安心、そしてまた命を守ることであると大変心から御礼を申し上げますとともに、評価をさせていただきたいと思っております。

  本来であれば、こうした内容を、患者の皆様とともに大臣のもとに申し入れに伺わせていただきまして、こうした疾病の存在、また患者の皆様の思いを知ってほしいと思っていたところ、このような質問の機会を与えていただきましたので、この場をおかりしまして御報告をさせていただきたいと思います。

  しかし、一生涯このミルクを飲み続けなければならないといった難病でございますので、やはりこれは国としての難病指定にきちっと入れてもらいたい、こうした運動につきましては今後ともしっかりとやらせていただきたい、また、ぜひ大臣にもその点を御理解いただきたい、このような患者の方たちからのお話でございました。

  大臣、大変に恐縮でございますが、この際、この患者の皆様に、何か大臣の御所感を含めましてメッセージをいただければありがたいと思います。

     〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

○舛添国務大臣 特定疾患、これは本当に、御本人たち、いろいろな原因があり、御本人の責任じゃない、そういうことで、しかも数が少ないということで十分な手当てが受けられない、何とかこれをしたい、もうほとんど毎日のように特定疾患のさまざまなケースの方がお見えになります。できるだけ私もお会いして直接お話を聞くようにしております。

  今のような形で、ささやかでもあれ手当てができればいいのですが、委員御承知のように、特定疾患のための予算は二十四億円なんです。だから、その研究をするだけでも光が見えてくる。先ほどの冨岡委員との質疑でありましたけれども、再生医療を使えば、スティーブンス・ジョンソン症候群で目の見えない方が見えるようになる。私はやはりこういうところにお金を使うべきだと思っておりますので、来年度には、この二十四億円を倍にしたって五十でしょう、ですから、ぜひ皆さんの御支援を賜って予算獲得をやりたいと思います。

  私は、やはりこういう難病、特定疾患にしっかり対応できるという国が本当の先進国だと思っておりますので、ぜひ頑張りたいと思います。(拍手)

○高木(美)委員 今委員の皆様からも大変力強い拍手がございました。まさにこうしたことこそ、超党派でしっかりと取り組むべき課題であると思っております。倍でも五十億。もう少し大臣、もう一息、大きくいきませんと、最後また小さくなってしまいますので。私どももしっかりと、難病指定をさらに拡大できますように頑張ってまいりたいと思っておりますので、お取り組みをよろしくお願いいたします。

  それでは、雇用促進法につきまして質問をさせていただきたいと思います。

  既に五月二十九日の本会議におきまして、大事なポイントにつきましてはほぼ大臣から御答弁をちょうだいいたしました。私は、そのときに時間の関係で触れられなかった御質問、そしてまた障害者の皆様から寄せられている御意見等々含めまして、本日、質問をさせていただきたいと思います。

  まず、今回の雇用促進法の中で、派遣労働につきまして、これは労働政策審議会の意見書におきましては、「派遣労働については、現在、派遣労働者として働く障害者は少数であるが、派遣労働で働くことを希望する障害者もいることから、働き方の選択肢の一つとして、適切に派遣労働により働くことができるようにすることが必要」、このような意見書が出ております。しかしながら、今回は見送ることとなりました。

  当然、派遣労働に対する障害者の理解とかニーズの動向を慎重に見きわめる必要がある。この派遣労働自体も、今、しっかりと足元固めをしていかなければならない段階でございますので、そうした点が勘案されるかと思っておりますが、一方で、紹介予定派遣、これはかえって派遣先で直接雇用に進む可能性もありまして、これが上手に活用されれば雇用の機会もふえるのではないかと考えます。

  障害者の方は、職場定着に時間もかかりますし、適切な配慮もさらに必要でございますし、そうした点も含めて、今回は見送ったにしましても、派遣労働という形において安心して働けるように、やはりこの雇用促進法の審議の機会に、派遣元と派遣先と両方が配慮する事項につきまして、これはぜひ厚生労働省でお取りまとめいただきまして、何かしら公表をいただくということも必要ではないかと考えております。

  このような御提案もさせていただきますが、見送った理由と今後の対応をどのようにお考えか、答弁をお願いいたします。

○岡崎政府参考人 働き方がいろいろ多様化する中で、短時間労働とともに派遣労働がふえてきている、一つの選択肢になっているというのは事実だろうというふうに思います。

  そういう中で、障害者の雇用という観点からどういうふうにこれを位置づけていくかということ、これが労働政策審議会で、今回、法改正に先立ちまして議論した際に、一つの論点として議論されたということでございます。

  そういう中で、一つには、派遣会社におきます雇用率が非常に低迷しているという事実があるということも含めた上で議論が行われたわけでございます。

  そういう中で、派遣会社あるいは派遣という形で障害者が働く場合に、今御指摘になりましたような紹介予定派遣等で将来的には安定した職場につながるというようなメリットもあるではないかというようなことでありますとか、一方では、派遣会社が障害者雇用のノウハウを蓄積して、派遣先にそれを提供しながら働くというような形で、むしろ派遣という形でいろいろな支援を受けながら働く形ができるではないか、こういう意見が一方にあったのは事実でございますが、一方では、現下、いろいろ派遣労働につきましての議論が行われている中で、やはり障害者団体の中から、積極的に進めていくということにつきましては、派遣労働そのものにつきましての議論の推移でありますとか、あるいは、今御指摘ありましたように、派遣労働につきましての障害者の理解、ニーズ等々、もう少し動向を見きわめながら慎重に議論すべきだ、こういうような御意見がありまして、今回、法改正の中で派遣労働については対象としない、こういうことにしたわけでございます。

  ただ、一方では、派遣という形で働いている障害者の方も、率としては少ない面もありますけれども、やはりおられるのは事実でございます。そういう方々が、派遣会社と派遣先との間で、むしろはざまに入るような形になればこれは適切ではない、こういうふうに認識しておりますので、派遣で働く場合におきます派遣元、派遣先で、障害を持っている方々に、元、先がそれぞれどういう形で配慮するのが適切か、これにつきましては、きちんと整理して、派遣会社及び派遣先に示して、派遣で働く場合におきます適切な雇用管理を進める、これはきちんとやっていきたい、こういうふうに考えております。

○茂木委員長 岡崎部長、答弁をしていただきましたが、恐らく一、二分でできる答弁を相当長くしましたので、次から簡潔にお願いします。

○高木(美)委員 それでは、今、岡崎部長からお話がございました派遣先とそれから派遣元と両方に配慮する事項につきまして、ぜひおまとめいただきまして、お取り組みをお願いいたします。

  続きまして、精神障害者の方の雇用につきましてお伺いをいたします。

  これは、平成十八年から障害者雇用率制度におきまして、実雇用率の算定に当たってカウントすることができるというふうになりました。しかしながら、雇用義務は課せられておりません。実雇用率のカウントや、また雇い入れ計画の対象も手帳所持者に限るというふうになっております。

  今、精神障害者の方は約百七十四万人、そのうち手帳交付者は三十八万人、約四分の一に満たないという数字でございます。それに対しまして雇用数はどうかといいますと、五人以上の規模の企業におきまして一万三千人という状況でございまして、決して企業において精神障害者の雇用が進んでいるとは言えないという状況でございます。発達障害につきましても同様の現状があると認識しております。

  精神障害者も雇用義務の対象とすべきではないかと思います。現在もさまざまな支援策がとられておりますけれども、予算措置など、障害者の雇用義務化の環境が整いますように、一層の支援充実が図られるべきと考えます。厚生労働省の答弁をお願いいたします。

○岡崎政府参考人 前回の障対法の改正におきまして、実雇用率への算定は行う、こういうことにしたわけでありますが、その際に、手帳の対象者だけにした、これは精神障害者の団体等からも、どういう形で把握するかということにつきまして、いわゆる掘り起こしみたいなことへの危惧等々もありまして、確認方法としては、その時点では手帳所持者ということが適当ではないか、こういう御意見があって現行制度になったわけでございます。

  今後、精神障害者を義務化の対象にしていく場合に、手帳制度でいいのか、あるいはもう少し広くとるのか、そういったことを含めた議論が必要ではないか、こういうふうに考えております。

  いずれにしましても、御指摘のように、まだ精神障害者の雇用が進んでいない状況でありますので、今回の審議会の議論の中でも、もう少し現実に精神障害者の方の雇用を進める中で将来の制度のあり方を検討すべきだ、こういう御指摘があったわけであります。

  したがいまして、精神障害者に対しますいろいろな支援、助成を進めながらそういう環境の整備を図っていきたい、こういうふうに考えております。

○高木(美)委員 私も、精神障害の方たちの、どちらかというと生活の場ですが、グループホームであるとか、またピアサポートを推進している事業者の現場であるとか、何カ所か視察もさせていただきました。

  やはり、そこで実感することは、今回の雇用促進法の中でも、就業と生活と一体となった支援、このことがうたわれております、精神障害の方ほどこの就業と生活と一体となった支援というものが必要なものはないと認識しております。やはり、グループホーム等、そうした生活基盤、それがしっかりと充実できれば、またさらにそこから安心して企業に通勤することができる、また、帰ってきて、そのグループホームでいやされながら、またしっかりと受けとめてもらいながら、また自分の次の生活に進むことができる、このような地域における基盤整備も急務であると思っております。

  恐縮ですが、これは質疑に入れておりませんが、このような精神障害の方たちが、もちろん就業・生活支援センターなんですけれども、就業と生活と一体となった支援がどのように価値的に行われているのか、こうした成功事例につきましても今後御検討いただきまして、広く紹介をするなど、推進をお願いしたいと思っております。これはお願いでございますが、もし答弁いただければありがたいのですが。

○岡崎政府参考人 障害者就業・生活支援センターにおきましては、知的障害者の方、精神障害者の方々、いろいろな支援を行っております。そういう中でいろいろな蓄積ができてきておりますので、厚生労働省としましても、そのいい事例を集めて、それをフィードバックする形で、より適切な支援が行われるように努力していきたい、こういうふうに考えております。

○高木(美)委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

  続きまして、除外率につきまして伺わせていただきます。

  これはノーマライゼーションという理念から平成十六年四月に廃止されたと伺っております。一応、廃止とうたわれてはおりますけれども、この法の附則におきまして、当然すぐには無理でございますので、経過措置として、除外率設定業種での雇用状況を考慮しつつ段階的に縮小するとしております。

  そうした流れから考えますと、これが附則に規定されている以上、当然、段階的に引き下げ、廃止を着実に目指すべきと考えます。前回の引き下げにおきましては、幼稚園、小学校、また船舶運航業、道路旅客運送、また金属鉱業等々、一〇%引き下げたと聞いております。例えば、単純計算で、千人の企業の場合、除外率四〇%、こういう業種が一〇%引き下げられることになりますと、法定雇用率は十・八人であったものが十二人ということになりまして、二人プラスできるわけでございます。

  ただ、一方で、これまでの法定雇用率を達成している企業数自体がほぼ予定の半数に満たない、こういう状況を考えますと、引き下げればいいというものではない、こうした意見にもうなずけるものがあります。しかし、やはりこれは進めると決めた以上は進めるべきではないか。あらゆる業種にどのような形で障害者が雇用され、そこで能力を発揮することができるのか、そのような理解と普及を進めることも必要と考えます。

  今回、この除外率の引き下げをどのようにお考えか、私は検討を当然進めるべきではないかと考えますが、伊藤政務官の答弁を求めます。

○伊藤大臣政務官 除外率の引き下げについては、今御指摘のとおり、昨年の十二月の労働政策審議会意見書におきまして、一つは、法律の規定等に沿って、段階的に引き下げ、廃止を目指すという基本的方向に基づき、今回、一定の引き下げを行うこと、また、この際、社会連帯の責任の理念のもと、前回、平成十六年の一律一〇%ポイントの引き下げを参考にすること、こういったことが指摘をされているところでございます。

  こうした指摘を踏まえつつ、具体的な引き下げの方法について、受け入れ側の状況にも配慮しつつ、着実に除外率の引き下げを図ってまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 重ねてこれは岡崎部長にお伺いいたしますが、小学校、幼稚園、そしてまた高等教育の場ですね、私は、こういうところでこんなに高い除外率になっているということを、本当に申しわけないことに、今回、この質疑に当たりまして知った次第です。

  ここのところは当然、教育委員会の中におきましても、大学教育を受けなければ教員になれない、そういう資格の問題から、そもそも大学に進学するという障害者が少ない、そのような事態をどのように変えていくか、そうした教育の問題から出発をしているとも思いますが、ただ、こうした教育の場におきましても、障害者が参入する仕事というのは私は探せば多くあるのではないかと考えます。

  したがいまして、こうしたところにつきまして、先ほども既にこれは質問にあったかと思いますけれども、もう一歩、この教育の世界でもどのように進めていくのか、これを強く推進していただくことは、これは子供たちにとりましても、早い時期からそうした障害者の方に触れ合って育つ、配慮しなければいけない、人には差異がある、その差や違いを認め合えるという、ここが今一番日本の教育に欠けているところと私は思っております。

  という観点から、この教育の分野もさらに進めるべきということで、先般、文部科学大臣にも答弁を求めまして、そのような答弁をいただいたところでございますが、大変お話ししにくいでしょうけれども、これをどのようにお考えか、率直なお考えを伺いたいと思います。

○岡崎政府参考人 除外率につきましては、昭和五十一年当時のさまざまな状況を踏まえて率が設定されました。そういう中で、小学校につきましては、学級担任制であるというようないろいろな要素を考えて、非常に高い除外率が設定されたということでありますが、いろいろな形で障害者の雇用はできるのではないか、御指摘は、それはもっともだろうというふうに思っております。

  ただ、そういう高い除外率の中でも、現在、教育委員会の達成状況が非常に悪いというもう一つの問題もある中で、私ども、文部科学省とも協力しながら、いろいろな形で学校現場での障害者雇用を進めていく、こういう立場に立って頑張っていきたい、こういうふうに考えております。

○高木(美)委員 恐らく、大学に障害者が進学をしてそこで教育を受けるというこの機会自体、環境自体を整えるところから始まるのだと思います。またそれは、こうした障害者の雇用の世界におきましても、私たちの先輩があんなふうに立派になっているじゃないか、私たちにも可能性があるじゃないか、こうしたことを発信する意味でも大事なことだと思いますので、これは私も積極的に引き続き取り組ませていただきたいと思います。

  次の質問でございますが、障害者自立支援法との関係につきまして、少し御質問させていただきたいと思います。

  実は最近、養護学校にお子さんが通っていらっしゃる保護者の方から何件か質問が寄せられる中で、我が子の場合は、企業や特例子会社などの一般就労はとても考えられる状況にない、これまでも在学中に実習があったけれども、もう二、三日でできないということがよくわかった、しかも大変落ち込んでいると。

  卒業した後に就労継続支援B型を利用するには、まず、一般就労に向けた訓練機関である就労移行支援事業所で二年間の訓練が必要とされております。御本人や保護者が希望すれば、訓練機関を経由することなく、最初から就労継続支援B型を選択させてもらいたいと。

  子供は今の作業所が一番向いていると思うのです、企業就労は無理とわかっていて、二年間も講習に行ったり面接に行ったり、本人が落ち込んで、その都度家族が支えて、そういうことを考えると大変つらいものがある、しかし新卒はB型には行けないというふうに区の役所からも言われました、この点についてどうなんでしょうかという質問でございます。

  まず、この点につきまして答弁をお願いいたします。

○中村政府参考人 お答えいたします。

  特別支援学校の卒業生の進路状況を見ますと、一般企業に就職された方は約二五%にとどまっております。また、授産施設等を利用した場合には、その後、一般就労に結びつく割合は約一%と大変少ない状況にございます。

  障害者の自立のためには、可能な限り一般就労していただくことが適当であり、このため、特別支援学校の卒業生につきましては、まずは、一般就労への訓練を行う就労移行支援事業を利用していただくこととしたものでございます。

  就労継続支援B型事業につきましては、通常の事業所に雇用されることが困難な方を対象として訓練を行う事業でございまして、その対象者といたしましては、就労経験がある方で、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった方、あるいは、就労移行支援事業を利用した結果、本事業の利用が適当と判断された方などを対象としておるところでございます。

  一般就労の体験や訓練を行わず、就労継続支援B型事業を利用できるようにすることにつきましては、結果といたしまして、一般就労につながる可能性が低くなるおそれもありますので、まずは就労移行支援事業での訓練をお願いしておるところでございます。

○高木(美)委員 ありがとうございます。

  私は、こういう質問を受けながら、この中に大変深刻な問題があるというふうに思いました。

  やはり障害者の一般就労を進めるには、まず障害者本人の意思、それから保護者の方の決意、そしてまた学校、企業、さらには受け入れる企業の、ともに働く人々の理解が必要であると思います。特に保護者の方におきましては、うちの子は無理だと。精神障害の方、知的障害の方、その方たちの親御さんといいますのは、無理して働かなくていい、そうでなくて、むしろ福祉でしっかりと守ってもらいたい、こういう御要望が強い、そういうデータも以前ございました。

  という点も含めまして、やはり、このような環境を整えています、先ほどの就業・生活支援センターであるとか、またハローワークの方たちがこういうふうに面倒を見ます、学校もこうやって押し出します、そのようなあるスキームをきちんと説明を申し上げて、その中で、どういう経路をたどればいいのか、ここでだめだったらどう戻ればいいのか、厚生労働省がおつくりになったような図の説明とか普及啓発もあわせまして、ぜひとも周知徹底をお願いしたいところでございます。

  この理解の促進、周知徹底につきましてどのようにお考えか、伊藤政務官に伺います。

○伊藤大臣政務官 障害者の一般就労についての企業や国民の理解を進めていくこと、これは御指摘のとおり非常に重要でございまして、今年度から、本人や保護者、福祉施設や学校などの関係者から国民全般に至るまで、さらに幅広い層の意識改革を図るために、障害者も可能な限り大人になったら働いていただくという意識の醸成を図るために、インターネットによる情報の発信やセミナーの開催、地域の事業主団体を活用した意識改革セミナーを開催するなどの事業を実施することとしております。

  また、都道府県労働局においては、福祉施設や特別支援学校などと連携をしまして、一般雇用や雇用支援策に関する理解の促進を図るセミナーや事業所の見学会等を実施し、一般就労に向けて理解の促進を図っているところでございます。

  こうした取り組みを通じて、今後ともさらに障害者の一般就労に対する理解の促進を図ってまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 次に、小規模作業所への対応につきましてお伺いいたします。

  小規模作業所につきましては、与党PTは、先般、昨年の十二月に抜本的見直しということで報告書を発表させていただきました。その中に、「円滑に法定事業に移行できるよう、コンサルタントの活用など「特別対策」を一層有効に活用するとともに、法定事業に移行する際の基準の見直しなど、更なる移行促進策を講ずる。また、小規模作業所の移行のための新たな受け皿の在り方についても検討」する、このように書かせていただいております。

  現在、こうした報告書を踏まえまして、どのようなことを行っていらっしゃるのか、また、今後行う御予定なのか、特に、新体系に移行できない、利用者が十人に満たないような小規模作業所に対しましてどのような対策をお考えなのか、答弁を求めます。

○中村政府参考人 お答えいたします。

  小規模作業所につきましては、それぞれの地域において、障害者の働く場、創作活動の場、社会参加の場として重要な役割を果たしておると認識しております。

  そういうことでございますので、小規模作業所につきましては、障害者自立支援法による新体系の事業に移行することによりまして、障害者の働く場や日中活動の場として経営基盤がより安定したものとなり、障害者の自立した生活の実現に向け、前進するということになろうかと思っております。このため、規制緩和などの取り組みを通じまして、地域活動支援センターなどへの新たな事業への移行を促進しているところでございます。

  現況を申し上げますと、昨年十月一日の時点では、新体系への移行率は四三・四%となっております。

  お話がございましたように、利用者が十人未満の小規模作業所の移行が困難であるというような御意見もございますし、また、御指摘がありましたように、与党プロジェクトチームの報告書の指摘もございますので、現在は、一つは、少人数の小規模作業所同士が統合するまでの間に必要となる小規模作業所間の調整、連携や、情報交換、意見交換についての支援を行っております。

  それから、二つ目といたしまして、地域活動支援センターにつきまして、主たる事業所とは別の場所で、一体的な運営管理のもとでサービス提供を行う事業所、これは従たる作業所と言っておりますけれども、設置する場合には、それぞれの定員を六名以上とすることができるようにする、そういうような措置を講じておるところでございます。

  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、小規模作業所の経営基盤の安定という面からいたしますと、新体系への移行というのが大変重要でございますので、いろいろな措置を講じて支援をしていきたいというふうに思っております。

○高木(美)委員 私が伺いましたある小規模作業所では、当然、十人がやっとであると。移行するに当たっては、確たる法人がしっかりとバックアップをしなければ移行はできない、そのようにある県の担当課から言われたという話もございました。こうしたことが大変大事な点でございますので、今部長からお話ありました点につきましても、さらなる県また自治体への徹底をぜひお願いするものでございます。

  一方で、小規模作業所の利用料につきましても、利用者負担等の大幅な軽減であるとか、また個人単位での所得段階区分への見直し等も行われまして、七月からその緊急措置がスタートいたしますので、それを障害者の方は待ち望んでいらっしゃるという状況でございます。しかし、先が見えませんと、またこれが不安でございますので、ぜひとも積極的なお取り組みをお願いいたします。

  今部長がおっしゃいました地域活動支援センターでございますが、小規模作業所から移行した事業所につきましては、移行前に比べて補助水準が下がっているところが多いと聞いております。自治体の事業となっているために経費が回っていないのではないか、むしろ国としてきちんと支えていかなければいけないのではないかという声も寄せられております。厚生労働省としての対策をお伺いいたします。

○中村政府参考人 お答えいたします。

  地域活動支援センターの運営費補助につきましては、障害者自立支援法の施行後につきましては、市町村の事業といたしまして、地方交付税において措置がされておるところでございます。

  具体的に申し上げてみますと、市町村の標準団体、行政規模が十万人では約二千万円の措置がされておるところでございます。そういう中でございますけれども、従来からの運営費が確保されていない事例も見受けられますことから、私どもといたしましては、各市町村に対しまして、全国会議などの場を通じまして、必要な運営費を確保するように指導を行っておるところでございます。

  また、基幹的な事業につきましては、地方交付税で措置をされておるわけでございますけれども、機能強化を図る場合には、地域活動支援センター機能強化事業として国庫補助を行っておるところでございます。

○高木(美)委員 地方に相当ばらつきがございますので、これもまた次の大きな課題であろうかと認識しております。また、今後とも御検討をお願いしたいと思います。

  最後に、大臣にお伺いをさせていただきますが、実は今、障害者の方たちまた保護者の方たちから寄せられているお声といいますのは、むしろ働ける方はどんどん働く、これは雇用促進法等で推進をしていただくところでございます、しかし、全員がこうした高速道路に乗れるわけではない、むしろ、働けない方たちについては、安心して生活できるようにやはり年金など所得保障をきちんとすべきではないか。

  特に、それがなされませんと、今の小規模作業所の問題もそうでございますけれども、働けない場合に、こういうきちっとした居場所がある、そしてまた生きがいを持って働ける場所がある、こういう手当てをやはり何段階にもしていただくことが必要ではないかと思います。そうでないと、手のかからない人を相手にしているのではないかといった批判も出始めているというのも現実でございます。手のかからない人が優遇されるのではないか、そういうふうになってしまったら、何のためかわからなくなってしまうと思います。

  こうしたことにつきまして、障害者の雇用促進に対します考え方、また働けない方たちへの配慮につきまして、大臣の御決意を伺いたいと思います。

○舛添国務大臣 一般の企業に就労できれば、これは一番いいわけですね。先ほどの委員の御質問にありましたけれども、とにかくB型の作業所がいいんだ、それはもうお子さんたちの気持ちはよくわかるんですね。新しい環境に入るというのは本当に精神的にもストレスがあります。そうすると、親御さんの立場から見ると、それでいいじゃないかとなるけれども、そこは心を鬼にしてというか、何とかそれでも一般企業に、できるような訓練はする、非常にその兼ね合いが難しいんですね。

  ですから、障害者自立支援法の理想はいいとしても、今おっしゃったように、働けない方々をどうするか、これに対する手当てもやはり細かくやっていかないといけないというふうに思っております。

  それで、与党の皆さん方が、昨年の十二月七日に、障害者自立支援法の抜本的見直しについての御提言を下さいました。その最後のところに、所得保障のあり方ということで、幅広い観点から検討を行うこととし、社会保障制度全般の一体的見直しに関する議論との整合性や財源の確保を図った上で、障害基礎年金の引き上げ、これは例えば二級の金額を一級並みにする、一級の金額をさらに引き上げる、それから、住宅手当の創設、この検討ということも御提言をいただいております。

  これを受けまして、もうこれは抜本的見直しの時期が来ますから、障害者自立支援法について、この四月二十三日から、社会保障審議会の障害者部会におきまして、今の御提言を受けた形での検討を開始いたしました。

  あらゆる観点から検討して、本当にこの法律で、いろいろな形の障害者の方がおられるわけですから、きめの細かい形での対応ができる、それが政府の責任であるというふうに思っていますので、与党としっかりとスクラムを組んで、そういう方向でのさらなる努力を続けていきたいと思っております。

○高木(美)委員 大変力強い御決意、ありがとうございました。

  以上で質問を終わらせていただきます。

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