「児童虐待」について

2010.4.8

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 本日、総務省そしてまた文科省、厚労省から各政務官にお越しいただいております。私は、児童虐待につきまして質問をさせていただきます。

 児童虐待が後を絶ちません。一月には江戸川区で小学校一年生の男児の死亡事件、また二月には奈良県で五歳の男児の死亡事件と、続いております。また、三月には江戸川から検証の報告書が出ました。

 こうした虐待の実態が明らかになるにつれ、なぜもっと対応できなかったのか、手を差し伸べることができなかったのか、まさに、救えるべき命を落としてしまうという、大変悔しい思いに私も駆られます。

 福島大臣は、この江戸川からの報告書をお読みになられたのでしょうか。また、前後して、こうした事例をどのように受けとめ、具体的にどのように行動されているのか。児童虐待を担当される大臣としての所見を伺いたいと思います。

○福島国務大臣 済みません。江戸川区のケースは、いろいろ話は聞いておりますが、報告書本体は、申しわけないですが、まだ読んでおりません。

 ただ、児童虐待が極めて重大な問題であるということは認識しておりまして、とりわけ江戸川区の場合は、歯医者さんが児童虐待があるんじゃないかと気づき、児童相談所、学校もそのことを知りながら、休んでいてもついついフォローしなかったという点で、大人の間におけるネットワークが、そこの点検が十分であったらという面があれば、もう少し違う形の展開がとれたのではないかというふうに思っております。

 子ども・子育てビジョンにおいても、児童虐待の防止に取り組むとしておりますが、今度の子ども・若者育成支援推進法に基づく大綱として作成する子ども・若者ビジョンにおいても、児童虐待防止対策については、積極的に検討し、盛り込もうとしている状況です。

○高木(美)委員 私は、この児童虐待の問題について、与党、野党関係なく、むしろ超党派で、子どもの命をどう救うかということで取り組ませていただきたいと思っております。

 やはり、大臣は担当でいらっしゃいますから。しかも、報告書、そんなに長いものではありません。氏名を入れても十一ページという内容です。これは事務方もしっかりと支えていただかなければいけませんが、政治主導ということでございますので、大臣、お忙しいとは思いますけれども、また、先ほども普天間等のお話もございましたが、命にかかわる話、しかも、新政権になって、この児童虐待に対する抜本的な方向性はまだ示されていないと私は思っております。そういう中で、二例も続いたという、これを大臣が本当に重く受けとめていただいて、先頭に立って取り組んでいただかなければいけないのではないか。

 江戸川区を呼んだりとかさまざまな対応を、やはり現場から声を聞かなければ、また、それがもしできないのであれば、こうした報告書を通して、その中から、現場がどのような痛恨な思いでいるのか、また、これから、そこにどのような課題が残っているのか、この対処に頑張っていただかなければいけないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○福島国務大臣 報告書も早速読みますし、できればヒアリングも行って、しっかり児童虐待について、これは衆議院で主につくられた議員立法ですが、社民党の中でも、児童虐待防止法の作成のときには関与しておりますし、改正にも関与しておりますので、新しい政権の中でも、今、現に法務省の法制審議会で親権の制限など議論があることは承知しておりますが、何ができるか、厚生労働省、他の省庁とともに、連携して一歩進めたいと考えています。

○高木(美)委員 私は、大臣にきょう申し上げたいのは、児童虐待死の撲滅、これをぜひ政府の最重要課題としてしっかりと位置づけをして、大臣がそれに向けて先頭に立って頑張る、このような方向性を明確に示していただきたい。

 やはり、これを国民の皆様にメッセージとして伝えていくことが、これはそのまま現場の取り組みを強化することになりますし、また、さまざま現場で、児相、子ども家庭支援センターもそうですが、もうバーンアウト寸前で、乳児院、児童養護施設もそうです、もうバーンアウト寸前の中で頑張っていらっしゃる、その方たちに対してどれほど激励になるかと思いますが、最重要課題として位置づけるというこの考えについて、大臣、いかがでしょうか。

○福島国務大臣 児童虐待を最重要課題の一つとして位置づけて、頑張っていきたいと思っております。

 児童相談所や子どもにかかわる職員の皆さんたち、おっしゃるとおり、バーンアウト寸前で、児童相談所もどこも、東京都なども含めてもう満杯状態で、費用の面も、人員の面も、施設の面も、もっともっと改善しなければならないというふうに思っております。

○高木(美)委員 どうぞよろしくお願いいたします。

 なぜそのように申し上げるかといいますと、先ほど来、きょうも朝から、ほかの特別委員会は余りやっていない中で、この委員会だけは熱心に質疑応答をされております。この児童虐待という中に今の社会のまさに影が投影をされている、そこから子どもたちを守れるかどうかという一番ぎりぎりのところ、そこに政治の光をどのように当てていくかということが、子どもの命を救うことにもなり、また、ひいては今の社会の課題を解決することになる、そのように私も認識しますし、恐らく、今まで質問に立たれた議員、また、きょうも朝からずっと質疑をお聞きいただいた議員も、同じ気持ちでいらっしゃるのではないかと思います。どうか、その思いをしっかりと受けていただきまして、大臣の明快なリーダーシップをお願いするものでございます。

 続きまして、児童虐待の中で、私は、この新政権、新しい公共のあり方というものを位置づけてはどうかと考えております。

 先ほどもお話がございましたが、民生委員、また児童委員、保健師の活用や、地域での市民参加のあり方について、児童虐待の電話相談等を行っているNPO法人とか、また、その当事者の民生委員、児童委員、保健師など、幅広い方たちに参加をしていただいて、今現場でどのような課題があるのか、そうしたことについて検討の場を設けてはいかがかと思っております。

 今、既に着手もされているようでございますので、厚生労働の山井政務官にお伺いいたします。

○山井大臣政務官 高木委員にお答え申し上げます。

 御指摘のように、児童虐待については、社会全体の大きな問題であり、今までの公的機関だけではなく、NPOなど、子どもに関係するさまざまな機関が連携しなければならないと思っております。

 そこで、子どもを守る地域ネットワーク、いわゆる要保護児童対策地域協議会の設置を進めておりまして、全市町村の九二・五%、その市町村のネットワークのうち、民生児童委員協議会が九一・九%、社会福祉協議会が五四・五%、医師会が六二・四%、NPO団体が一〇・九%と、それぞれ民間団体等にも積極的に御参加をいただいております。

 今後とも、こうしたネットワーク等を活用しながら、NPOの皆さん方のお声を聞きながら、しっかり連携して虐待防止対策に取り組んでまいりたいと思います。

○高木(美)委員 検討の場を設けてはいかがかと思いますが、政務官、どのようにお考えになりますでしょうか。

○山井大臣政務官 新しい公共ということを、鳩山政権の一つの大きな目玉でもございますので、こういうNPO法人の方々の声とかもぜひ聞いていきたいと思っております。

○高木(美)委員 これは、政務官中心の検討会でも勉強会でも構いませんし、また、それを福島大臣がなさるということであれば、それでも私はすばらしいと思うのです。  いずれにしても、今、何が課題なのか。当然、この児童虐待、先ほど来お話ありましたように、市民参加をどのようにしていくか。あと、もう一つは、やはり専門家の目から、どのように一つ一つの事例をチェックし、分析をし、危険信号を受けとめていくか。今、その二つが大きな課題ではないかと私は認識をしております。

 その認識も、もう少し伺わせていただきたいと思っているのです。

 そうした点は現場の方たちはもう既に十分御認識で、もっとこうしてほしい、こうであれば解決できる、こうしたスキルをお持ちであるかと思います。その方たちにお集まりいただくなりして検討の場をつくっていただき、その中から、新しい公共、その中に当然、結論を盛り込んでいくというような考え方をとっていただければと、児童虐待の分野におきましても、この新しい公共という考え方を活用すべきではないかと思います。政務官並びに福島大臣の御見解を伺いたいと思います。

○山井大臣政務官 このような児童虐待にかかわらず、やはり、現場で一番機敏に、そしてきめ細かく相談に乗っておられるNPOというのも私も存じ上げておりますので、そういうところも含めてお声を聞いていきたいというふうに思っております。

○福島国務大臣 家庭の養育力の低下や、地域社会における人と人とのつながりが切れてしまっている、希薄化が児童虐待とつながっていますので、おっしゃるとおり、新しい公共、そして当事者の皆さんが問題点を一番知っているというのは、それは、ほかのテーマに関係なくそれがあると思います。

 ですから、今までも、児童相談所やいろいろなところに見学に行きましたけれども、改めて、児童虐待を最重要課題の一つとして取り組むという中で、新しい公共、そして当事者の皆さんたちと十分議論しながら、これはまた「新しい公共」円卓会議の議論もありますので、厚生労働省と連携をしながら、しっかり取り組んで、方針を出してまいります。

○高木(美)委員 最重要課題とおっしゃりながら、恐らくその取り組みは、お声を聞きますというお話でございます。やはり、何かの形で明快にまとめていただいて、それをはっきりと示していただくということも私は必要なのではないかなというふうに思います。余りここで申し上げても時間がなくなりますので、重ねて検討をお願いしたいと思います。

 私は、きょうは、江戸川の虐待死の事例を踏まえまして少し質問をさせていただきたいのです。

 まず、文科省の高井政務官、そしてまた厚労省の山井政務官、恐らくこの検証報告書をごらんになっていると思いますが、これをどうお読みになられて、また各省としてどのようにお取り組みになられたのか、その上で、それぞれの政務官御自身が現在の児童虐待防止のための課題はどこにあるとお考えなのか、答弁を求めます。

○高井大臣政務官 この江戸川区の虐待事件の報告書、私も丁寧に読ませていただきました。痛恨のきわみであるということが本当に文面から感じられるように、もうこのような事件を二度と起こさないようにしなければならないという強い気持ちと悔恨の気持ちも、その文書から読み取れました。それ以降も、この間ニュースにも虐待の死亡例も出ておりますし、裁判等も今行われていて、日々、虐待の事例が本当にひどいということが皆さんの目にも明らかになってきていると思います。

 一義的には、もちろん、その犯罪を犯した、児童の人権をじゅうりんした保護者の責任ではありますが、やはり、関係各者がなぜ防げなかったかという、犯人捜しの部分ではなくて、検証という形で、御指摘あったとおり、きっちりやっていかなくてはならないと思っています。

 その中にも、児童相談所と学校との間の連携がちょっと甘かったのではないかということが書かれておりますが、それを踏まえて、先般、山井政務官とともに、児童虐待防止のための連携強化に関する検討会議というのをいたしまして、学校と児童相談所の間の情報共有の仕組みについて検討を行って、三月二十四日に周知をいたしました。

 児童虐待の早期発見、または定期的に報告をするなど、要保護児童として認定されていて進行管理台帳に載っている子どもの情報をきちんと児童相談所と連絡をとり合いましょうと、例えば学校の出席日数であったり状況等を連絡し合おうということを確認し合って、それを再度周知しているところであります。

 先ほど来御指摘あった会議の件ですけれども、実は、子どもを見守り育てるネットワーク推進会議ということで、文部科学省が事務局をやっておりますが、こうした会議を設けました。児童虐待はもちろんですが、いじめとか、あらゆる子どもを取り巻く問題、それについて対応していこうと。

 これは、内閣府、警察庁、法務省、文科省、厚労省、それから、各中学校長会であったり教育研究の関連団体、社団法人のチャイルドラインであったり臨床心理士会、スクールカウンセリング推進協議会、それから、NPOも含め、フリースクール全国ネットワークやインターネット協会など、いろいろな団体が連携をして、この件もまさにこの会議でもしっかり取り組んでいきますので、政府として取り組んでいくという強い姿勢でこうした会議も設けておりますので、ぜひ御理解をいただければと思います。

○山井大臣政務官 高木委員にお答え申し上げます。

 今回の江戸川の本当に痛ましいこの事例そして報告から、私たちは反省をいたしまして、今、文部科学政務官からもお話がありましたが、今回の最大の教訓は、児童相談所や市区町村に虐待の登録というか、その信号が来ていたにもかかわらず、その後、お子さんが学校で、きょうきのう欠席をされていて、親子関係も非常にうまくいっていなかったにもかかわらず、その情報が行っていなかったことであります。

 今後は、そのような、児相や市区町村が虐待が疑われるケースということで把握しているケースに関しては、おおむね一カ月に一回、出欠状況を、児相や市区町村の方に保育園、幼稚園、小学校等から報告をして、欠席の日数、その欠席の理由、また、その欠席の理由等が保護者から連絡があったか、そういうことを連絡しながら、漏れのないようにしていきたいと思っております。

 また、高木委員から、根本的な問題は何かということですが、私は、二点あると思います。

 一点目は、やはり児童福祉司、この現場の人手が非常に不足をしているということ、その悲鳴を私も聞かされておりますし、もう一つ重要なのは、残念ながら、そのような被害に遭われたお子さんをその後ケアしていく、児童養護施設や里親さんであるとか、そういう社会的養護のマンパワー、専門性、そのバックアップ、アフターケアというんですか、そういう体制がまだまだ脆弱であるというふうに思っております。

 子ども手当、保育園整備とあわせて、三つ目のやはり大きな柱として、社会的養護、虐待防止に取り組まねばならないと思っております。

○高木(美)委員 私は東京が地元でございますので、江戸川の虐待事例、新聞報道で御承知の委員の方もいらっしゃるかと思いますので、少しお話をさせていただきたいのです。

 この報告書、江戸川区、また江戸川区教育委員会が三月にまとめました。岡本海渡さんという小学校一年生の男の子です。死亡事件検証報告、「児童虐待死ゼロをめざして」というサブタイトルになっております。

 ここでは、昨年の九月四日、児童が歯医者さんを受診しまして、そこで歯科医があざに気づくわけです。ここは本当に大きなメッセージで、まず、太ももにあざがあったと。太ももにあざがつくというのは、専門家の話では、けり上げるとか、正座をして上から強い圧力をかけるとか、そういう場合でなければ太ももにあざがつくということはなかなかないと。また、顔などにも複数のあざがあって、そのために、歯科医が子どもに聞くわけです。そうすると、お父さんが殴る、お母さんはそれに対して何も言わない、そういうことを、ここで既にこの児童は、最後のSOSのつもりで発信をするわけです。

 十日後、歯科医が子ども家庭支援センターに通報します。市区町村に通報するという義務がありますので通報するわけですが、そのときにこの子ども家庭支援センターがどうしたかというと、小学校の校長に連絡をします。その児童の、ちょうどそのときは登校していて、その状況を担任が確認して、外傷はないという確認をした。しかし、このときに既にセンターはハイリスク家庭という家庭状況を認識しなければいけなかったというのも、この報告書に出てまいります。

 そして、翌日、児童欠席。自転車でけがという連絡が家庭から来ます。そこで、翌日、担任が家庭訪問をします。その様子に異変を感じて、学校に戻って学校長に報告し、状況を把握するために、今度は、校長、副校長、担任が再度家庭訪問をします。そこで父親が暴力を認めるわけです。二度と殴りません、男の約束だという発言があり、そこで、翌日、この状況を学校はセンターに報告をする。また、センターは児相に文書で情報提供をした。

 その後、最終的に、長期欠席等々さまざま続くわけですけれども、一月二十四日にお子さんが亡くなる。こういう状況でございました。

 途中、連絡がとれなくなるとか、そういうことも何度かあったわけですけれども、ここで本来踏み込んで確認ができるはずであったのが、やはり、学校がずっと責任を持ってやっていた、また、センターも、熱心な学校だ、本当に熱心な先生たちだという認識でここまで来てしまったということから、ここで問題点、課題ということで、何度も甘さということが出てくるのです。

 例えば、子ども家庭支援センターは、リスクの適切な把握と初期対応について受けとめの甘さがあったと、「本人が虐待について訴えていること、母親が虐待を黙認していることから、ハイリスク家庭と認識すべきであった。」と。状況把握の甘さ。また、学校も、同じく状況把握の甘さ、担任に任せてしまったと。また、情報提供の不足等々、甘いという言葉が十カ所近くずっと続くわけです。

 こうした点を含めて、最終的に、「対応策」として、学校は、「「子どもの命は自分が守るんだ」という使命感をもち、子どもや保護者の理解を深める」、また、「校内体制の再構築」「多くの目で子どもを見るためのネットワークを深める」ということが書かれております。

 そして、最後に、「再発防止に向けて」というところで、「本事件の検証において、事実経過をたどればたどるほど、命を救えなかった「子ども家庭支援センター」と「学校」の対応に、深い悔恨の念が湧きあがってくる。 子ども家庭支援センターは、歯科医からの通報を受け、学校に安否確認や事実確認を依頼しているが、区における専門機関としての役割を発揮せず、結果として、学校任せの対応になってしまったこと、及びセンターを中心に学校、民生・児童委員などとの具体的連携体制を構築し、ケースマネジメントをしていくことができなかった。」さまざままだ続くわけですが、「痛切な反省に立ち、今後の再発防止に向け」ということで何点か挙げていらっしゃいます。

 こうしたことを踏まえて、今後、私が思いますことは、一つは、こういう発信される情報の意味が読み取れるという、この専門家が大事であると思っております。危険な状態にある、こうしたシグナルが続いたときに、それをしっかりと受けとめることができる、危ないと直感することができる、そういう専門家。もちろん、研修等によって養成することはできるかとは思いますけれども、ただ、どうしてもそこには限界というものがあります。

 例えば、学校の先生が行く。行けば、学校の先生ですから、親御さんたちがどういう思いで迎えるかというと、先生が来る、やはりそこで何となく、気持ちを打ち明けようというよりも、先生方の説得しようという、どうしても教師の目線というのはそういう目線も強いものがありますので、本来であれば、打ち明けて、その悩みを吸い取ってもらわなければいけないわけですが、それが、この場合はできなかったということがあります。

 そこで、提案でございますが、今、スクールソーシャルワーカー、この配置について、私どもも提案をさせていただき、今、多く配置を開始されているとも聞いております。このスクールソーシャルワーカーの配置状況等につきまして、高井政務官にお伺いをいたします。

○高井大臣政務官 スクールソーシャルワーカーの活用事業について、社会福祉士の専門的な知識や技術を用いて、社会福祉の関係機関と連携を深めながら家庭へ働きかけるという大事な役割を担ってくださっていまして、適切に、まさに御指摘あったとおり、いろいろな相談を受ける、また、広く子どもに関するいろいろな対応ができる人として、これからもっともっと充実させていかなくてはならないと私どもも思っているところです。

 現在、平成二十一年度においては、全国で五百七十三人が学校、教育委員会等に配置されているのが現状でございますが、本当に、もっと充実させていかなければならないというのは、私も同じ気持ちでおります。

○高木(美)委員 今後の拡充の目標ですが、また、必要な財源措置をどのようにされるのか、恐縮ですが、重ねて高井政務官にお伺いいたします。

○高井大臣政務官 先般通りました二十二年度予算におきまして、学校・家庭・地域連携協力推進事業という中で、スクールソーシャルワーカーの活用事業として、地方自治体が主体的に地域の事情に応じて配置することができるように、必要な経費を計上しているところであります。

 これは、三分の一補助ではありますが、一億三千万で補助しているところでありまして、これからも、連携したりしながら強化体制を図ってまいりたいと思います。

 申しわけございません、間違えました、数字を。千五十六人の人数を予定しておりまして、百三十億でございます。失礼しました。

○高木(美)委員 そうですね。補助金といいますか、学校・家庭・地域連携協力推進事業費補助金ということで、その内数としてスクールソーシャルワーカーということですね。これは、三分の一の国の負担で、残り三分の二は自治体ということになりますと、その前のモデル事業のときはもっと多い人数の方がスクールソーシャルワーカーとして働いていらしたわけですが、これが三分の一になって、今五百七十三人、来年度の予算で千五十六人という状況でございます。

 今、文科省で、教育についての一括交付金みたいなこともいろいろ検討されているとも伺っておりますけれども、ここがもう少し、費用負担のところまで、教育という分野でどこまでできるか。当然、義務教育費の国庫負担割合というのもありますので、ハードルは高いかと思いますが、ただ、やはり、こういう専門家がいることによって守られる命があるという、ここのところをどう切り分けていくかというところを私はもう少し検討する余地をお持ちいただければと思っております。重ねて、今後、取り組みをお願いしたいと思います。

 また、このスクールソーシャルワーカーの県の分布を私はいただきました。きょうは、済みません、これは資料で出しておりませんが、まだまだ県によっても取り組みがさまざまで、これは二十一年度です、東京都のような場合は六十六人、しかし、山口県、新潟市、また福島県では二名というところもございます。

 それぞれ、都道府県に置く、そしてさらに市に置く等々、取り組みは違うかと思いますけれども、こうした余りにばらつきがある内容につきまして、私はもう一歩、今後、専門的なスクールソーシャルワーカーの配置の推進、具体的にお取り組みをお願いできればと思っております。手法につきましてはさまざまあろうかと思いますので、きょうこの場では申し上げませんが、重ねてのお取り組みをお願い申し上げます。

 次に、児童福祉司、先ほど来多くございました。きょう資料も用意させていただきましたが、この児童福祉司また児童心理司、これが児童相談所に配置をされております。その中でも、今、児相における児童虐待相談対応件数、平成十一年のスタートしたときから比べまして約三・七倍増加しております。それに比べて児童福祉司の数は約二・〇倍の増加というのが具体的な数字でございます。これは、平成二十年で終わっている四万二千六百六十四名という数字でございますので、恐らく、平成二十一年になりますと、もう少しふえているのではないかなということを感じます。

 これだけの伸び率に対応しまして、さらに児童福祉司の配置が求められるわけです。今、配置の現状、そしてまた配置基準につきましても、たしか五年前に、おおむね十万人から十三万人に対して一人、それを、五万人から八万人に一人というように改正がされました。しかし、データで見ましても、平成十七年のときから、またさらにぐんと約一万人ふえている。こういう現状を考えますと、この配置基準につきましても、さらに検討を進めるべきではないかと思います。

 特に、昨今、児相、被虐待児等を含めまして、親子分離ということをずっと進めてまいりましたけれども、どちらかというと家庭的環境で育てるとか家庭的な養護を進める、こういう考え方に立ちますと、では、この児童をだれが見守っていくのかということを考えると、当然、児童福祉司の果たす役割はさらに広がっていると思わざるを得ません。

 そしてまた、先ほど、不登校児、長期欠席の児童について報告を求めるということになっておりますが、その膨大なデータを恐らく今度は児相で処理しなければいけない。そこに例えばハイリスク家庭が潜り込んでいるとか、そこのところをだれがどのようにするかということを考えますと、当然、この児童福祉司の配置につきましても、もう少しふやしていきませんと成り立たないのではないかと思っております。

 この再検討につきまして、厚生労働の山井政務官に答弁を求めます。

○山井大臣政務官 高木委員にお答えを申し上げます。

 今御指摘いただきましたように、今回の江戸川区の事例をもとに、教育現場と児相や市区町村の連携の情報交換を密にすることにしましたが、密にすればするほど、それに対して対応する人手が必要になるということでありまして、今のままの人員で本当にここはやっていけるのかどうか、ただでさえ非常に人手が足らなくて困っているのが現状であります。

 そういう意味では、もちろん、今御指摘いただきましたように、人口おおむね五万人から八万人に一人という基準の強化を図ったところでありますが、これも自治体間の格差が非常に多いわけでありますし、その意味では、さらにこれから、専門性を高める研究と同時に、やはりこの体制の整備、人員をふやしていくということに取り組む必要があるというふうに考えております。

 また、平成二十一年では、児童福祉司は二千四百二十八人となりまして、平成十一年四月の千二百三十人に比べて約二倍、そして、児童心理司については、平成二十一年の四月では千六十五人、平成十一年の五月の八百十六人からは一・三倍となっておりますが、虐待の数がとにかくふえておりますので、これでは追いついていかないと思いますので、とにかくふやす必要があるというふうに考えております。

○高木(美)委員 そこで、きょうはお忙しいところ申しわけありません、総務省の小川政務官にもお越しいただきました。

 地方交付税の積算根拠を見直しまして、都道府県、政令市、児童相談所設置市に対して必要な財政措置を講ずるべきと考えます。政務官の答弁を求めます。

○小川大臣政務官 大変痛ましい事件に対する委員の御心痛、また、それに基づく御質問に深く敬意を表したいと思います。

 交付税の算定でございますが、人口百七十万人の標準的な都道府県で児童福祉司がどれくらい必要かという観点から積算をいたしておりまして、これが、少しさかのぼりますと、平成十八年には二十五名で積算をいたしておりました。これを、十九年に二十八名、二十年に二十九名、二十一年に三十名という形で、大変限られた財源ではございますが、鋭意拡充を図ってきたところでございます。

 現在のこの三十名というのは、今の配置基準の実態とほぼ見合った状況でございまして、これで必ずしも十分ということではないかと思いますが、引き続き努力をいたしたいと思います。

○高木(美)委員 ここはぜひ大臣に頑張っていただきまして、総務省と連携の上で、必要な財政措置、やはり人数をふやして命が守られるのであれば、私は、そこは政策判断で、まさに政治主導で進めていただきたいところでございます。ぜひとも今後の取り組みを、また小川政務官にも、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。

 また、市区町村、児相におきまして、児童福祉司に対する社会福祉士の割合というのもあります。この割合がどのようになっているのか、また、社会福祉士の方たちの拡充をどう考えていくのか、答弁を求めます。

 要するに、児童福祉司といいますのは、もう皆様も既に御承知の内容でございますけれども、さまざまな方がこの児童福祉司の資格を取ることができます。例えば、大学で心理学、教育学もしくは社会学等を修めた者で、社会福祉施設等において一年以上子ども等の福祉に関する相談、援助等の業務に従事したもの。例えば、私は社会学出身ですので、一年間従事すればこれを取ることができる。しかし、では私が児童虐待の相談に乗れるかというと、大変心もとないものがございます。研修を受ける等々、もちろんそれもあるのでしょうが。

 ということから考えますと、そのほかの、この社会福祉士、まさにそうした専門的な免許を持つ人、専門性の高い方に、私は、この児童福祉司の中でやはり高いウエートを持って活躍をしていただきたいと思っております。お考えを伺います。

○山井大臣政務官 今、児童相談所の児童福祉司に関しましては、二千三百四十七名の方が厚生労働省に対して任用区分について報告がありまして、そのうち社会福祉士は三百八十一人、一六・二%であります。そして、市区町村の担当職員に関しては、二十一年四月一日現在、六千八百四十二人のうち二百七十一名、四・〇%が社会福祉士であります。

 しかし、高木委員の話を聞けば聞くほど、やはり児童福祉司が虐待を防ぐための命綱であるということをますます痛感しているところでありまして、研修等による専門性の向上とともに、さまざまな、詳しい方と経験が少ない方がおられますので、専門性を高めるとともに、やはり質の高い児童福祉司の方をふやしていかねばならないと考えております。

○高木(美)委員 実は、自治体はこうした児童福祉司等の専門職をなかなか採りたがらない、採用したがらないという現状があります。それは、一たん採れば、その方が、例えば児童相談所に三年間とか五年間とか固定化されてしまう、なかなかそのかわるポストが見つからないという理由のようですが、今、高齢者虐待、障害者虐待、またこの児童虐待も含めまして、権利擁護のこともそのようにありますし、またさらには、先ほど申し上げたような多くの児童に関するポストもあるかと思っております。

 こういう現状に対して、ぜひとも、厚生労働省山井政務官に働きかけていただきまして、頑張っていただきたいと思っておりますが、具体的にどのように働きかけていただけますでしょうか。

○山井大臣政務官 虐待を防ぐための児童福祉司には非常に高い専門性が求められるところでありまして、厚生労働省としては、全国厚生労働関係部局長会議において、児童福祉司の積極的な増員配置と、児童福祉司には、高い社会福祉援助技術を持った人材の確保や、現任職員に対する研修の実施等を通じた専門性の確保等の向上に努めることなどを各自治体に、直近でありますと平成二十二年一月十四日、十五日の関係部局長会議でも強く要請してきたところでありますし、これからも強く要請をし続けたいと思っております。

○高木(美)委員 だんだん時間が迫ってまいりました。それでは、福島大臣に最後にお伺いしたいのですが、子ども・若者ビジョンの中で、子ども・若者の健康と安心の確保、児童虐待から少し話は離れますが、その中に、学校における相談体制の充実という項目がございます。

 私たちは熊本の「こうのとりのゆりかご」で視察をいたしまして、判明した三十七件のうち、実は自宅での出産というのは十四件ありました。三十七件のうち十四件です。二七・四%。

 その意味では、性行為がそのまま命の問題にかかわるんだ、自分の体をもっと大切にする、またそのための知識、そのような自宅での出産がどれほど自分にとって命の危機に及ぶようなことなのかというような本来教えるべき知識、先ほど性教育という話もありましたが、そういう次元ではなくて、自分の体に対する知識でございます。それがそのままリスクを取り除くことになるのではないかと思っております。そうしたこともこの相談体制の充実の中に盛り込んでいただきたいと思います。

 私は、実は若い方たちの健康教育ということに当選以来ずっと静かに取り組んでおりまして、学校で相談するというのは、恐らく、友人関係のことであるとか、御自分の不登校、そしてまたひきこもり等々、そうしたことは学校で相談できると思いますが、こうした課題については恐らく電話相談が一番有効であるというのが、どの専門家の方に伺ってもその結論でございます。

 この「こうのとりのゆりかご」では、二十四時間、電話相談を行っておりました。電話相談を受けることによって、しかもそれは、いわゆる看護師さんとかという方たちではなく、婦長さんみずから、看護師長さんみずからが行っている二十四時間体制。

 こういう相談体制の充実をどのように考えていくのか。私は、国として、委託して二十四時間体制で実施をしていただくということも踏み出していただいていいのではないかと思います。ほかに二十四時間実施しているところはほとんどないと言ってもいいと思います。大臣の見解を求めます。

○福島国務大臣 おっしゃるとおり、私もその「こうのとり」の報告書を見て、自宅で子どもを産んだり、強姦によって妊娠したり、必要な知識が本当に得られていなくて、しかも助けをなかなか求められない状況に、取り組む必要があることを非常に思いました。

 子ども・若者が、自分の体のことをよく知って、健やかに成長、発達していくことは大変必要です。発達段階に応じた教育も必要ですし、今まで出ましたスクールソーシャルワーカーも、スクールカウンセラーもさることながら、ソーシャルワーク的な機能をもっと重要視すべきだということも、子ども・若者ビジョンをつくる過程の中で議論をしております。  それから、相談体制、とりわけ二十四時間なんですが、これは二十四時間になるかどうかわかりませんが、もう一つ、子ども・若者ビジョンで議論しているのと同時に、第三次男女共同参画基本計画の中で、女性に対する性暴力や暴力などに対する相談窓口や相談体制の充実、とりわけ、女の人の生まれてから死ぬまでの健康についての一つのケアが必要だということを痛感しておりまして、子ども・若者ビジョンと男女共同参画基本計画にしっかり盛り込んでいきたいと思っております。

○高木(美)委員 今最後に大臣がおっしゃった女性のトータルのサポート、まさに私は、それを健康パスポートということで提案をさせていただいております。自分の体に対する知識を含めて、またそのためのサポートをどのように周りでできるシステムが整っているのか、その情報発信も含めて進めていきたいと思います。

 最後に、先ほど来、子どもの貧困、また若者の雇用の問題がありました。

 私は、これは、一番最後、突き詰めるものは景気対策だと思っております。それをやはりきちっと底上げをしながら両面でやりませんと、今景気対策がないという、ここに帰結をするのではないかと思っております。ぜひとも、その点も含めて、抜本的な解決のためにも、ぜひこれは政治の責任として取り組ませていただきたいし、また、ぜひ取り組んでいただきたいことをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

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