「子育て支援・幼保一体化・社会的養護体制の拡充」について

2010.5.20

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 私は、四月二十二日の本委員会におきます参考人質疑、それから五月十七日、今週の月曜日ですが、視察に行かせていただきまして、そのことを踏まえて質問をさせていただきたいと思います。

 まず、「こうのとりのゆりかご」につきまして、ただいま小林委員からも質問がございました。私も同感でございます。

 四月二十二日、前回の青少年特におきまして、柏女先生から、妊娠中あるいは周産期の問題への対応が急務である、早目に見つけられれば虐待死は防げる、このようなお話がありました。

 そのとき、私は柏女先生に、そのためにも妊娠中の相談、特に望まない妊娠についての相談窓口、特に二十四時間の電話相談事業が有効ではないかと伺いましたところ、先生は、母子保健法は妊娠、出産を基本的には喜ぶ人たちのための仕組みなんだ、児童福祉法は子どもが虐待されていれば介入する仕組みになっているが、妊娠中の方に対して介入する仕組みはない、この母子保健法と児童福祉法をしっかりとつないでいくことが大事なんだという貴重なお話をいただきました。

 「こうのとりのゆりかご」につきましては、そうした電話相談、また相談事業、そしてまた緊急保護、こうしたことが一貫して慈恵病院で行われている、まさに慈恵病院でしっかりとつながれているというケースではないかと思います。この「こうのとりのゆりかご」の検証をされました提言のまとめにも、一時的に母子を匿名のまま緊急保護し、短期の入所も可能な施設が一定程度全国に配備される、医療機関に併設されることが望ましい、特に民間機関で整備され、それを公が支援していく、そうしたことが望ましい、このような提言でございます。

 相談事業を医療機関に委託して、今、西に慈恵病院、そして、まず東日本に一カ所というように、順次、設置に向けまして、実施へ検討すべきと考えておりますが、山井政務官、いかがでしょうか。

○山井大臣政務官 高木委員にお答えを申し上げます。

 これは非常に重たい質問でございます。まず何よりも、妊娠、出産、育児について、安心できる支援体制というものを私たちはつくっていっていきたいと思っておりますし、必要な回数、十四回程度、妊婦健診が受けられるよう、公費負担の拡充というものも行っております。

 また、全国三十七カ所で、女性の健康支援センター事業、保健所や助産師会、病院などに委託しているケースもありますが、そういう形で都道府県等が、女性の方々が妊娠、出産について相談しやすい、そういうセンター事業もしております。

 ただ、高木委員のおっしゃった、匿名のまま出産等のため入院できる施設を国の制度としてつくるということは、これは難しいところがございまして、それを国としてつくることがどうなるかということなんですね。来られる、それで産んで、もしかしたら、そのままおられなくなってしまうお母さんもおられるかもしれない。そういうふうなことを、波及効果、その子の将来にとってプラス、マイナスということを考えたときには、まさに、民間は別でありますけれども、国がそのような制度を国としてつくるべきなのかどうかということはさまざまな賛否両論もあろうかと思いますので、現時点においては、そのような匿名のまま出産するとか、望まぬ出産をするということができるだけ起こりづらいような状況をつくっていくことに力を入れてまいりたいということでございます。

○高木(美)委員 政務官としての苦しい心中もお察しいたしますが、反面、今までの山井政務官であれば、相当踏み込んで、なぜやらないんですかというふうにおっしゃっていただろうと拝察をしております。

 恐らく、提言にある匿名のままといいますのは、何も氏名の秘匿というだけではなく、育った環境であるとか、また親御さんに言いにくいとか、さまざまそうした状況を勘案するということをこういう表現にされたかと思います。私は、これは国がというのももちろんありますが、例えば独法とか、また、さまざまな中間的な医療機関等もあります。まず、そういうところとよく相談をしていただきながら、何ができるかという勉強会とか検討会とか、そうしたことをしっかり受けとめて進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○山井大臣政務官 御質問をありがとうございます。

 これにつきましては、繰り返しになりますが、これはやはり賛否両論、非常に多いと思うんですね。

 私も最初にこの「こうのとりのゆりかご」の報道を数年前に聞いたときは、正直言って非常にショックを受けました。そういう事実があってほしくないという願い、しかし、高木委員がおっしゃるように、とはいっても実際あるんだという、そういう現実もあるわけでございます。

 そういうことで、高木委員から宿題をいただいたとは受けとめますが、検討会をつくるとか、そこまでのことは答弁できないことをお許しいただければと思います。

○高木(美)委員 大変弱気な答弁をいただきました。

 ぜひ勉強していただく、検討していただく、前向きにこれは受けとめていただきまして、進めていただきたいと私は思います。その上で、ここまではできる。この先は国としてはできない。国としてできること、行政にお願いすること、まさにあとは民間にお願いすること、まずその考え方の整理というものも必要かと思いますので、その点も含めて、お取り組みを政務官に心よりお願い申し上げます。

 続きまして、福島大臣に伺いたいのですが、今、幼保一体化ということで、新聞報道でも、「幼保一体化 かすむ公約」とか、いろいろ取りざたをされております。幼保一体化に対する大臣のお考えがどのようなことなのか、また検討状況と、今後どのようなロードマップを描いておられるのか、答弁を求めます。

○福島国務大臣 ありがとうございます。

 幼稚園あるいは保育園という形で子どもの養育にかかわっていた、かかわってこられたものは、これは有効な社会資源であり、これをきちっと生かした形で考えていきたいと思っています。

 四月二十七日に開催された子ども・子育て新システム検討会議において、子ども・子育て新システムの基本的方向がまとめられたところです。

 その中において、幼保一体化については、すべての子どもに質の高い幼児教育、保育を保障するため、幼稚園教育要領と保育所保育指針を統合し、新たな指針、例えばこども指針を創設する、幼児教育と保育をともに提供するこども園に、これは仮称ですが、一体化、それから、新システムのもとで幼児教育、保育を一体化した幼保一体給付の、これも仮称ですが、創設を考えております。

 子ども・子育て新システムについては、平成二十三年の通常国会に法案を提出し、平成二十五年度の施行を目指しており、今後さらに制度の具体的な内容の詰めを行ってまいります。

○高木(美)委員 きょうはほかにも質問させていただきたいことがありますので、承っておきます。

 あわせまして、そうした動きから、先般も、例えば幼稚園教諭資格と保育士資格について、保育士は、児童の幼児期だけではなくて十八歳までを援助するということになります。情短、情緒障害児短期治療施設、また児童自立支援施設、児童養護施設など社会的養護施設を支えてくれているのも保育士です。幼保一体化によりまして幼稚園教諭と保育士の資格の併用化が進みますと、保育士の専門性が幼児期に特化されてしまうということになれば、このもっと先の年代、社会的養護の分野が手薄になってしまうという懸念も伝えられております。これは先般の参考人質疑でおっしゃっていたことです。

 その際、やはり別の資格が必要ではないか。それを柏女先生は、養育福祉士というような提案をされました。私は大事な問題だと受けとめております。大臣の見解はいかがでしょうか。

○泉大臣政務官 今、新システムの事務局長ということをさせていただいていますので、私の方から答えさせていただきたいと思います。

 これは幼保一体化、今進めているものにより幼稚園教諭と保育士の資格の併用化が進むということではありませんでして、現在の時点でもう既に八割方、学校の段階でいいますともう九割方、資格を併用で両方取られているという方々がほとんどであります。現職の中でいうと、幼稚園で七四%、保育所で七九%の方が両方の資格を持っておられるという現状でありまして、恐らく今後も、資格を一本化していくに当たっても、今の学生さんたちが受けている教育の環境というものは大半変わらないのかなというふうに思っておりますし、委員御指摘の点というのは非常に大事なことですので、その一体化の過程の中で弱いところができないように、しっかりと全般を見られるような人材を育成していきたいというふうに考えています。

○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 続きまして、社会的養護体制の拡充につきまして、家庭的な環境での社会的養護の推進を図るために、里親制度の普及とあわせまして、ファミリーホームそれから既存の児童養護施設等の小規模化を推進するべきと考えております。その際には、当然、必要な人員配置も拡充しなければなりませんし、財源措置というのはさらに求められると思います。

 したがいまして、必要な財源措置の確保に対するお考え、またさらに、定員に対しまして、満杯状態の児童養護施設等を抱える地方自治体があります。そうした都道府県を精査いたしまして、地方自治体に対して必要な財政上の措置をするべきと考えております。

 ちなみに、例えば児童養護施設の施設数、定員等でございますが、宮城県におきましては入所率が一〇〇%という状況でございます。そのほかも平均的に九一%、全国平均です。突出しているのが宮城県、さらには九〇を超えているところも、東京都も九六%、群馬県でも九四%、さいたま市では九五%等々ございます。

 こういうところにもう少し財源措置をいたしまして、児童養護施設の拡充等々、また、そこからさらに、入っていらっしゃるお子さんをもう少しほかの施設にも振り向けていくということもやはり必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○山井大臣政務官 高木委員にお答え申し上げます。

 このような社会的養護というのは人が中心でありますから、その拡充、そして、いかにそういういい人材の方々に続いて働いていただけるかが一番重要だと思っております。

 まず、養育里親の研修の義務化とあわせて、里親手当の引き上げを、一人目三万六千円から、児童福祉法の改正に基づきまして、七万二千円に引き上げました。また、ファミリーホームに関しましては、ことしの一月末に、子ども・子育てビジョンの中で書かせていただきまして、直近の状況で五十三カ所なものを平成二十六年には百四十カ所にふやしていきたい。

 また、小規模グループケア、やはり大規模よりも小規模の方が家庭的で、特に虐待を受けたお子さんや障害のあるお子さんは落ちつきますので、小規模グループケアを四百四十六カ所から平成二十六年には八百カ所にふやしていきたい。こういうふうな社会的養護を入れたのが子ども・子育てビジョンの大きな重要点の一つだと思っております。

 また、平成二十年の児童福祉法等の改正により、次世代育成推進法に基づく都道府県行動計画に社会的養護に関する体制について記載することとされまして、平成二十二年度より、都道府県において、平成二十二年度から二十六年度までを計画期間とする後期行動計画が策定されております。

 また、ことしの子ども・子育てビジョンにおいても、情緒障害児短期治療施設については、都道府県に一カ所ずつ設置することも入れさせていただきました。

 このような整備が進むように、地方自治体に対しても、これからは応援をさせていただきたいというふうに思っております。

○高木(美)委員 例えば、情緒障害児短期治療施設の拡充等々でございますが、応援をというお話でしたが、具体的にどのような形で応援をされるのでしょうか。

○山井大臣政務官 このことに関しましては、今も子ども・子育てシステム会議をやっておりますが、御存じのように、子ども手当の問題、現物給付の問題も含め、トータルで議論をしていくということになっておりますので、今ここでどういう形でということは、特に財政的なことは言いづらい部分はございますが、とにかく、子ども・子育てビジョンに入れ込んだ話でありますので、それが実現できるように支援をしてきたいと考えております。

○高木(美)委員 たしか、子ども・子育てビジョンにつきましては、予算の後に策定でしたでしょうか。しっかりと予算に反映されることを望みたいと思いますし、決して経済的支援だけに偏るのではなく、我が党も強く主張させていただきましたが、車の両輪として、経済的支援、そしてさらにはこうした子どもに対する総合的な支援、やはりこれは両方が必要だと思いますので、そこの配分等もお願いをしたいと思います。

 あわせまして、済みません、これは通告をしていないんですが、政務官に私は指摘をさせていただきたいと思います。

 月曜日に、情緒障害児短期治療施設、ここの視察に参りまして、すばらしい施設でございました。恐らくここは、ゆったりと時間が流れる、しかも福祉と医療、それから教育、この三つが三セットで行われているのが情緒障害児短期治療施設、長いので情短と言わせていただきます。しかも、医師、心理士の設置が義務づけをされているというところで、ここに入るお子さんは、定員が千五百四十一名、今、千百八十名、充足率は七六・六%という状況です。

 私はこれを拝見しまして、もったいないと思いまして、このデータ自体が二十年度末という状況ですので、恐らくここまで、失礼しました、十月一日、ですから、ちょうど年度の半ばの報告で七六・六%という状況ですので、本来もう少し、児童養護施設ではありませんが、九割近くまで収容率があってもいいのではないかと思います。

 伺うところによりますと、地域で適切な措置に困る、また難しいお子さんがふえている、発達障害もありますし、さらにはそういう虐待を受けて当然医療的なケアが必要なお子さんたち、この方たちがここに入りますと、例えば、教育で特別支援教育も受けられるようですが、普通であれば、児童養護施設は、朝、学校に行って児童養護施設に帰ってくる、まさに教育の方に行くという流れで施設から一たん出ます。ところが、情短の方は中で全部解決しますので、例えば、どうしても調子が悪くて一日一時間しか学校に行けないというような場合は、よく一時間行ってきたねというのがこの情短なんですね。一方で、児童養護施設で一時間で帰ってくると、恐らく、なぜ一時間で帰ってきたの、こういうふうになる。

 当然、児童養護施設で不適応というふうに言われ、措置変更で情短に入るというお子さんも多くいらっしゃるようですが、もう少しそこの決定のあり方、また、こうした施設をさらに活用していく方向性、こうしたことをスムーズにできないか、御検討をお願いしたいと思います。

 恐らく、人数の枠が少ないから、よほど重篤なお子さんしか入れないのかというふうに児相もお思いなのかもしれませんが、ここの平均在所年数といいますのは大体三年ぐらいとも伺っております。そういう間に、家庭で今までできなかったケアをきちっとする、療育をする、そして児童養護施設なり御家庭に戻っていく、こういうシステムになっておりますので、ここが円滑に動きますようにぜひとも政務官にお取り計らいをお願いしたいと思います。

○山井大臣政務官 お答え申し上げます。

 充足率というか、すばらしい施設でありながらまだあきがあるというのは、御指摘のように、非常にもったいない話であると思いますので、必要な人がその情短で必要なケアを受けられるように、しっかり取り組んでまいりたいと思います。御指摘ありがとうございます。

○高木(美)委員 続きまして、政務官にお尋ねいたします。

 さらに、児童自立支援施設にも伺いました。横浜家庭学園、政務官はよく御存じかと思います。私立の施設でございます。そこで、職員の方から、施設の最低基準につきまして、これまでの居室面積は一人当たり三・三平方メートル以上であった、これがどうも変更されると聞いていると。今八畳ぐらいの部屋に三人入室をしています。そこで、私立ですので、変更に伴い、当然経営への影響も考えられると思うと懸念するお声が伝えられました。

 今後どのようにお考えなのかを伺います。

○山井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 居室については、創設、改築等の施設整備に際して最低基準を上回る面積で実施されていますが、老朽化している施設等については、非常に狭いところもあるというふうに承知をしております。

 平成十九年十一月の社会的養護専門委員会報告書において、子どもの状態に応じたケアを実施するための施設機能の見直しを進めること、そのための詳細な調査、分析が必要であるということが指摘をされております。そのために、今、設備の実態調査を実施し、現在、その結果を取りまとめている最中であります。

 そういう意味では、いまだこの三・三平米というものを変える変えないということはこの場では答弁できませんが、とにかく、子どもたちにとってのよい環境ということを含めて、今検討の最中でございます。

○高木(美)委員 ここの施設は、先ほど委員長からも御報告ございましたとおり、二十四時間、子どもたちと時間を共有しながら献身的に働いていらっしゃるという職員の方たちです。当然、子どもにとって必要なケアの質の確保も必要ですし、人員配置基準とか面積基準等に改善が図られなければならないと私は考えます。しかし一方で、真剣にこうして働いていらっしゃる職員の方たち、特に自立支援施設におきましては高いスキルが求められますので、その方たちが経営逼迫のために離職せざるを得ないというようなことになってはならないとも思います。

 改善に当たりましては、必要な財源もしくは必要な措置等が求められると思いますが、政務官の見解を伺います。

○山井大臣政務官 御指摘のように、そのようにいろいろ基準を変えていきますと経営に影響を及ぼしますので、その点も踏まえて判断をさせていただきたいと思います。

○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 続きまして、参考人にお越しいただきました須藤全国児童自立支援施設協議会会長から、地方分権改革推進委員会第三次勧告並びに地方分権改革推進計画に盛り込まれた、児童自立支援施設の公設民営化について懸念が寄せられました。

 厚労省としてのお考えはいかがでしょうか。

○山井大臣政務官 この話については、児童自立支援施設の職員基準、これまでも、構造改革特区の仕組みの中で、都道府県職員でなければならないとの規定の例外を認めてきたところであります。ただ、実例はございませんでした。

 そして、今回の見直しについては、法制的な観点から地方自治体の自主性を強化し、地方自治体がみずからの責任において行政を展開できる仕組みを構築するという第三次勧告の趣旨を最大限尊重したものでありまして、一律に今まで児童自立支援施設の運営の民間委託を禁止していたものを改めまして、地方自治体がみずからの責任において民間委託の選択をすることが可能としたものであります。

 しかし、御存じのように、自立支援施設は家庭裁判所の保護処分により入所してくる子どもや自傷他害の行為のある方々など、処遇の難しいケースを取り扱うことが多い施設であります。

 その意味では、非常に高い専門性が必要でありますので、分権ということによって水準が損なわれることになってはならないと考えておりますので、もし民間に委託するに当たっても、専門性や子どもの処遇の水準を確保するための方策について、しっかり厚生労働省としても助言してまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 政務官はこの地方分権推進によりまして民営化が進むとお考えですか。児童自立支援施設の民間委託というのが進むとお考えでしょうか。

○山井大臣政務官 そこがポイントであると思いますが、もちろん、これは私が勝手に推測することはできませんが、そう簡単には進まないんじゃないかなと私は個人的には推測をしております。これは相当高いスキルが必要でありますから、一気に変わるという可能性は低いのではないかと思っております。

 ただ、趣旨は、今までは一律すべてを禁止していた、しかし、大きな地域主権改革の流れの中で、できるだけ国が決めることは減らしていこうという流れの中で、地方自治体を信じて、あくまでも子どものケアの水準が下がることがあってはならない、そういう認識のもと、こういう方針を決めさせていただいたところでございます。

○高木(美)委員 とても難しい判断だと思います。子どもたちにとりまして、特に早期に、青年期に不良行為をなすおそれのある児童、さらには家庭環境その他の環境上の理由によって生活指導等を要する児童、こういうことを考えますと、やはり一概に民間委託していいのかどうかというところから私は慎重な判断がそもそも求められるところなのだと思います。

 須藤先生も後で懇談をしていただいたときにおっしゃっていましたが、須藤先生の所属する施設から十九回北海道に逃げたという少年の話をしてくれまして、幾ら青森まで行って連れ戻そうとしても、毎回青函連絡船の乗り場のところに必ず彼はいるんだ。それを十九回行って連れ戻してきた。今どうされていますかとお話をしましたら、今は結婚して子どもを連れてきてくれたという話をしてくれております。

 そういう命を守る、またそうした心をはぐくむという本来の新政権の方向性からいきますと、まさに、そういう心で人を蘇生させるという流れを断ち切るべきではないと私は思っておりまして、ぜひとも、今ここでさらなる答弁はお立場上難しいかと思いますので、よくお含みいただきまして慎重な検討をお願いしたいと思います。

 私は、民営化に当たりましては、厚労省として何かしら条件をおつけになられてもよいのではないかと考えます。ぜひ、知恵をわかしていただきまして、よろしくお願いいたします。

 最後の質問でございますが、自立援助ホームなど、里親委託それから施設入所措置が解除された後、里親委託が終わった十八歳もしくは二十、そして施設入所につきましても十八歳もしくは二十、解除された後の子どもたちの進学、そしてまた就職などの自立支援に関する施策を拡充するために、私はここは子どもたちがちゃんと自立できるかどうか大事なところだと思います。必要な財源を確保すべきと思いますが、政務官の答弁を求めます。

○山井大臣政務官 高木委員にお答えを申し上げます。

 本当に最も社会的な養護を、支援を必要とする子どもたちだというふうに認識しておりますし、私も自立援助ホームに行かせていただいたことがあります。

 現状では、平成二十二年度予算においては、一人当たり、就職支度費も大学進学自立生活支援費も前年より二千円引き上げて七万七千円でありまして、さらに、保護者がいない場合や虐待等により保護者からの経済的支援が見込めない場合については、一人当たり十三万七千五百十円が上乗せされまして、二十一万四千五百十円というふうになっております。

 また、退所する子どもの自立支援の一環としての身元保証人確保対策事業というものも新たに行っております。これも子ども・子育てビジョンの中でも触れてございますし、また今回、子ども・子育ての新システムの議論でも、子育て支援に力を入れるという方向性を出しておりますので、財源のことになりますが、できるだけ子どもたちを、特に社会的養護を必要とする子どもたちについては、今まで以上に応援できるように頑張ってまいりたいと思います。

○高木(美)委員 それでは、今までさまざまこうした社会的養護施設につきまして、質問をさせていただきました。特に財源措置が求められるものが多く、今回、子ども・子育てビジョン、初めて予算の獲得に向かわれるわけですが、それに対する大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

○福島国務大臣 本当にありがとうございます。

 家庭の中で育つことができない、あるいは、そういう施設やさまざまなところで育つすべての子どもを応援することも政治が本当にやるべきことだと思っております。子ども・子育てビジョンにしっかり盛り込みましたし、これからつくる子ども・若者ビジョンにおいても、社会的養護の必要な子どもたちに対する支援をはっきり認識しております。

 その意味で、予算獲得に向けて頑張りますので、ぜひ、御協力というか御理解、御支援をよろしくお願いいたします。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

 以上で終わります。

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