「子ども手当」について

2011.2.23

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

本日は、子ども手当につきまして質問をさせていただきます。

まず、片山大臣に伺います。

昨日の総務委員会で、我が党の稲津議員の質問に対しまして、大臣は、全額国庫負担の定義について、決してマニフェストには書いていない、当時の政権の幹部の方が全額国庫ということを言われた経緯がある、地方負担分を全部取っ払って全額国庫にする、地方で自由にしてくださいという意味では決してなかったと思う、全額国庫というのは、子ども手当として新たにふえた分について地方負担を求めないということ、二十二年、二十三年度分においてはこのシステム設計が守られているという趣旨の答弁をされております。

二十三年度も地方負担が残ったままということに地方は怒っているんです。負担拒否の声明や訴訟も辞さないという声もあります。

確かに、マニフェストにはありません。しかし、この民主党の工程表にはあるんです。この工程表の中には、国の財政二百七兆円を見直して十六・八兆円つくる、そのうち、二十二年度は半額の二・七兆円、二十三年度からは五・五兆円。この数字は、全額国庫としてしか読めないではありませんか。そして、二十二年度は、半額とし、二・七兆円が捻出できずに、児童手当の仕組みを残したのではありませんか。

工程表にあるんです。御存じないのは大臣お一人ではありませんか。昨日の答弁をここで撤回されたらどうですか。

○片山国務大臣 昨日の総務委員会で議論がありまして、それで、子ども手当をめぐる自治体の混乱というものについてどう考えるかということがありまして、そのとき私が申し上げましたのは、一つは、確かに、二十二年度分の設計を考えるときに自治体と十分話し合ったかどうかということになりますと、やはり批判を受けるということはあり得るんだろうと私は思います。であればこそ、二十三年度は、細川厚労相を中心にして、かなり自治体の代表の皆さん方と意見交換をしたということがあります。あわせて、二十四年度以降の設計については、もっと早いうちから相談をしたいということを一つ申し上げました。

もう一つは、混乱の一つの要因としては、全額国庫というもの、その用語をめぐってやはり議論があるということ、これも確かであります。その際に、きのう申し上げましたのは、新しく子ども手当で負担となる財源については地方に求めない、こういう考え方が私としてはリーズナブルではないかということを申し上げました。

確かに、全額国庫というだけで政策論議をされていた向きもあるんですけれども、国と地方の財政の構造を考えてみますと、実は、まるっきり全額国庫とした場合どうなるかといいますと、例えば児童手当の地方負担分、仮に四千億円としますと、それは余剰になるわけです。そうしますと、ほっておいても、実はその分だけ地方財政対策の中では交付税が減るということになりまして、結局は同じことになるわけです。

ですから、自治体が児童手当の財源として出さなくても、実は今、国は交付税を財源不足分を補てんしていますから、その補てんが国としては要らなくなるということで、回り回って国庫の財源になるということを、そういう趣旨のことをきのう申し上げたわけです。

○高木(美)委員 今の大臣の御答弁は全くごまかしであると思っております。

私たちは、マニフェストの工程表にあるこの考えをどうするのか、地方との協議が調っていない、誤解が生じている、このことについて申し上げているのです。大臣と地方に関するその信頼関係にも関する話です。大臣の今回のこの大事な御発言、私ども、これからも追及をさせていただきたいと思います。

さて、報道によりますと、二月二十日、岡田幹事長は、できないことをいつまでもできると言い張るのは有権者に正直ではないとした上で、衆院選マニフェストで掲げた高速料金無料化や子ども手当の満額支給を断念する方向で調整する意向を表明した、子ども手当は必要だが、月二万六千円と言われると、もう少し保育所をつくったり、学童保育の現物支給を厚目にすべきだ、このように述べたと報道されております。

党としては満額支給を断念するとおっしゃっていますが、菅総理はどうされるんですか。この予算委員会、あしたから始まる厚労委員会の審議は、今は三歳未満に七千円の上乗せ、しかし将来は二万六千円を目指す、このような方針で行われているのではありませんか。その整合性がないではありませんか。満額を目指すという方針は変えるのか変えないのか、総理、どうされるんですか。

○菅内閣総理大臣 もともとのマニフェストが、最終的に月二万六千円ということをマニフェストに盛り込んでいることは、おっしゃるとおりであります。そういう中で、昨年といいましょうか、今年度は月一万三千円からスタートいたしました。

大分議論いたしました。これの上乗せをする、一万三千円からの上乗せをするということをまず決め、その上乗せについては、それを現金で上乗せをするのか、場合によっては現物給付で上乗せをするのか、そのことはそのこととしてさらに検討しようということを、ある段階でそういう方向性を出しました。

来年度については、まず三歳児までの上乗せとして七千円を上乗せして二万円といたして、来年度の予算として提案をさせていただいたところであります。

○高木(美)委員 今の総理の御答弁は、二万六千円を目指したけれどもとても足りない、したがって、現物支給の分を回さなければいけないから方針も考える。要するに、方針を変えるという御発言ではありませんか。

まず、この二万六千円の数字につきましても根拠がないということは、二月十日の我が党の富田議員の質問で明白になっております。積算根拠がはっきりしているのは一万六千円、あとの一万円は、財源があるだろうという予測のもとで加算された数字でございます。その一万三千円すら恒久財源がないということがはっきりした中で、二万六千円は到底無理と素直にお認めになったらいかがですか。

○玄葉国務大臣 高木先生、現時点では、先ほど御指摘のあったような方針は民主党としては変えていないんです。同時に、参議院選挙のマニフェストで、我々は、そこの部分は一定の信任を得たと思っているんです。

つまりは、一万三千円に上積みをする、そのときには、公明党さんの提案もこれありで、現物、現金のベストミックスをできる限り満たしていくようにするということで今制度設計をしておりますので、その点は御理解をいただきたいのと、もう一つは、恒久財源という意味では、恒久法には確かになっていません、これはもうおっしゃるとおりなんですが、我々は恒久財源にはなっているという認識なんですね。つまりは、公明党さんの提案もあって、いわゆる税制改正と歳出削減で恒久財源は確保して我々は今回の制度設計をしているということは申し上げたいというふうに思います。

○高木(美)委員 足りないじゃないですか。しかも、公明党がこれありでと先ほど賛同したような話をされましたけれども、去年は、国民生活を守るために三つの条件をつけて我が党は譲ったんですよ。国民本位に考えたんですよ。それで、ことしはどうなのか、二万六千円を目指すのか、それを私は総理に伺っているんです。二万六千円は到底無理、ここからすべてが始まります。

総理、お認めになったらいかがですか。

○菅内閣総理大臣 先ほども申し上げましたけれども、このマニフェストは、〇九年総選挙における国民の皆さんとの約束であります。その上で、できるもの、さらに、着手しているもの、しかし、なかなか難しいものも確かにあります。そこで、九月ごろをめどにして全体の検証を行おうということにいたしております。

そういう中で、御指摘のあります子ども手当についても、そういう現物あるいは現金ということもありますし、全体としてどこまで当初の目標どおりやれるかどうかについては、そういう検証の中で改めて検討をしてまいりたい、このように考えております。

○高木(美)委員 私は、二万六千円をどうするんですかと聞いているんですよ。それにプラスして現物支給するんですか、どうなんですか。イエス、ノーではっきりおっしゃってください。

○菅内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、一万三千円の上乗せの中に、現金でいくのか現物でいくのか、現物ということになれば、二万六千円という現金ではなくて、ある割合を現金で、ある割合は現物でということになることも十分あり得るということであります。

○高木(美)委員 総理の詭弁がよくわかりました。

続きまして、今、控除から手当へとおっしゃっていますが、そうなっていません。高所得の子育て家庭はプラスマイナス変わらない、中低所得者にむしろ負担増となっているというのが今の状況です。

マニフェスト二〇〇五以降、配偶者控除と配偶者特別控除、老人控除以外の扶養控除を廃止するとおっしゃってきました。マニフェスト二〇〇九では、配偶者控除、扶養控除の住民税はやらない、所得税だけ廃止するとおっしゃっています。

その中にありまして、ここまで細かく言いながら、配偶者控除の廃止を去年もことしもなぜやらないのか。いつやるのか、来年なのか、財務大臣、明快にお答えください。

○野田国務大臣 高木委員にお答えをいたします。

控除から手当へというのが私どもの税制改正の一つの理念で、その中で着々と進めてきているというふうに思いますが、配偶者控除については、働き方の選択に対してできる限り中立的で公正なものとなるように制度を見直すべきだというそういう積極推進論と、一方で、夫婦が生活の基本単位である点を重視する考え方から、その見直しに慎重な意見がございます。  そういう議論を今している最中でございまして、ただし、この配偶者控除の見直しの結論も、四年間の間で結論を出すことになっていますので、平成二十三年度の税制改正大綱の中でも、配偶者控除をめぐるさまざまな議論、課税単位の議論、社会経済状況の変化等を踏まえながら、引き続き検討することとしています。

○高木(美)委員 結局、国民の声を恐れているのでしょう。

そのかわり、成年扶養控除を廃止、さらに年少扶養控除の住民税分まで廃止をしました。流れが変質しているではありませんか。その結果、受給世帯の課税所得が上がり、二〇一二年度から四十一の負担軽減制度に大きな影響が出ます。保育所利用料、公営住宅費を初め、未熟児、障害児の医療費の自己負担まで、こうした四十一にわたる対応を今検討しているという話もありますが、そういう対応は不可能です。実際できません。その矛盾を国民に押しつけるもの以外の何物でもありません。

税のあり方、構造的なものが路線として破綻をしています。財源なし、穴だらけの稚拙な制度設計、昨年の増税は見込み違いだったのではありませんか。路線として破綻していることを認めるべきと思いますが、総理、いかがですか。

○野田国務大臣 控除から手当へという考え方は、基本的には、所得課税が、これまで累次の税率の緩和であるとか、さまざまな控除拡大によって所得再分配機能が低下をしてきている、あわせて財源調達機能も低下をしている、その手直しをしていくという、いわゆる格差是正の観点から取り組んでいるということで、そこは御承知をいただきたいと思います。

○高木(美)委員 しかし、そうした理念が、制度設計が甘かったために、結局、一番守られなければならないところにしわ寄せが来るというのが今の状況ではありませんか。

そして、総理にお伺いしますが、子ども手当の予算の方は今、予算委員会で審議しています。法案はこれから厚労委員会で扱うわけですが、成立のめどはありません。現場の受け取る方々は不安になり、地方自治体では、もし児童手当に戻ったらシステム改修、周知徹底をどうするのか、今から準備をするのか、混乱が始まっているというのが今の状況です。  予算案が成立しても子ども手当は受け取れない、野党の賛成が得られないんですから、この法案は永遠に通らないわけです。通らなかったら、その責任を野党に転嫁するおつもりですか。総理、どういう方針でこれから臨むのですか。

○菅内閣総理大臣 現実に衆参でねじれという状況にあるということは、私たちも十分に認識をいたしております。しかし同時に、内閣としては、予算を提案し、あるいは必要と考える法案を提案するというのも内閣としてのやはり責任であろうと思っております。

その上で、それらの予算さらには関連する法案、今御指摘の子ども手当についても、まさにこの国会の場で与野党大いに議論をしていただいて、私たちとしては原案どおり成立をさせたいと願っておりますけれども、国会の中で、議論の中で何らかの合意が得られるならば、当然ですが、法律は国会で決めるわけでありますから、その決まった法律に従わなければならない、このように思っております。

○高木(美)委員 私は、一から制度設計を見直すべきと提案をいたします。

総理は、一月の民主党大会で、子ども手当について、従来の政権が何もしてこなかったのに対し、新たに子ども手当という制度を導入したのは、私は歴史的に画期的な制度と胸を張って構わないと考えているところであります、このように発言をされたそうですね。

一方で、総理はマニフェストを見直すとおっしゃっていますが、どこを見直すんでしょうか。財源だけなのでしょうか、政策の問題なのでしょうか。民主党の十六人の方は見直してはいけないとおっしゃっています。総理は見直しをやるとおっしゃっています。十六人の主張のどこに問題があるとごらんになっているのか、具体的に説明を求めます。

○菅内閣総理大臣 まず、子ども手当、確かに御党が児童手当で大変努力をされてきたことは、それはそれとして敬意をあらわしたいと思います。

それを含めて、一般的に言えば、高齢者に対するいろいろな社会保障制度はだんだんと充実してきた中で、子供あるいは若者に対するいろいろな社会保障的な手当てがやや相対的に少なかったという中で、この子ども手当を少子化対策の意味も含めて前面に出したという意味で、私はそれは大きな意味があったと思っております。

また、このマニフェスト、小沢代表の時代、そして鳩山代表がそれを受けて、私たちももちろん一体となって二〇〇九年の選挙戦を戦いました。それからことしの九月で二年が経過するわけでありますが、このマニフェストは、こういうものを実行したいということと、それに対して今の無駄を中心として削減をしてその財源を充てるという、こういう二つの、コインの裏表の構造になっております。そういう両面を見ながら、やはりできるだけ優先度の高いものを実現し、どうしても難しいものについては、その理由を国民の皆さんに申し上げて御理解をいただきたい、こう思っております。

○高木(美)委員 十六人の主張につきましてはどのようにお考えですか。

○菅内閣総理大臣 これは、こういう場で申し上げるのが適切かどうかわかりませんけれども、マニフェストをぜひ実行したいという思いは、私自身を含めて民主党の全議員が考えている、思っていることだと思います。それを実現したいという最大限の努力の中で、それが実際に、例えば財源の問題等で実現が難しいもの、既に初年度の段階でも、ガソリン税については、当時の小沢幹事長が中心になって、その軽減措置することを、そのまま税率としては維持したという経緯もありますので、できること、できないことについては、やはり検証の中でしっかりとまさに検証していきたいと思っております。

○高木(美)委員 鳩山元総理は、辺野古に落ちつかせるために、抑止力を方便とおっしゃいました。そして、マスコミから批判を受けて、方便とは真理に導くための手段のことだとおっしゃっています。仏教では、正直に方便を捨てなさいと言っております。

二年前の衆院選のマニフェストは、実現不可能なばらまきマニフェストで、いわば政権をとるための方便ではありませんか。マニフェストを見直しする以上、まず国民におわびをすべきです。その上で、もう一度国民に信を問うのが正しい道筋ではありませんか。間違ったマニフェストで民主党に票を入れてしまったのですから、もう一度戻ることが必要と申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。

ページ上部へ戻る