「ハーグ条約」について

2011.5.20

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 きょうは、福山副長官にお越しいただきました。ありがとうございます。  私は、PFI法の審議に入ります前に、まず、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約、いわゆるハーグ条約につきまして伺わせていただきたいと思います。

 実は、このハーグ条約を懸念する声は強いものがあります。政府は、ハーグ条約を締結する方針を固めて、本日、閣議了解の手続を終えられたと聞いております。この中では、これから国内法を整備する、その上で条約を締結するという、一見手順を踏んでいるような話でございますけれども、私は、順番が逆ではないかと思っております。

 本来であれば、国内法をまず整備し、特に連れ去り親と言われる日本人女性につきましては、ほとんどがDV被害者という状況がありますので、その当事者の方たちがきちんと守られるのか。日本と諸外国と、共同親権であるとか、かなりの制度の違いもあります。その中で日本はどのようにしていくのか。そうしたことを提示した上で、もしくは方向性をはっきりさせた上で締結に向けての方針を決めるべきではないかと考えております。

 報道の中でも、米国等の諸外国の外圧に屈して政府がハーグ条約を締結する方針を決めるのはおかしい、こういう話もあり、また、そうした声明も私のところにも多く届いております。

 G8でアピールするために、特にフランス、アメリカにつきましては、日本に早期の締結を求めて、強い圧力といいますか要請をされていたということは周知の事実でございまして、日本における十分な国民的議論を尽くすことなく早急に条約の締結を決めるというのは問題ではないかと思っております。慎重な議論を求める声が大きかったのではないかと思います。副長官の答弁を求めます。

○福山内閣官房副長官 高木委員にお答えをさせていただきます。

 御指摘のとおり、いろいろな声があることは私も承知をいたしております。また、私もいろいろな方から、この議論を始める前からお話を承っておりました。もちろん、反対の方、それから賛成の方、子供をやむなく、いろいろな事情で、国際結婚したけれども国内に一緒に帰国をされた方、逆に言えば、日本で結婚していたけれども、自分の子供を海外に連れ去られた方、多くの方々がいらっしゃるので、課題は多いと思っております。

 そういった面でいえば、やはり一番重要に考えなければいけないのは子の福祉だというふうに私は思っておりますので、子の福祉を最優先するという考え方のもとで、七回にわたって副大臣会議を開催し、真剣に検討させていただきました。基本的には、もともと加盟ありきとか、もともと加盟をしないとかということではなくて、ニュートラルな状況で今の国内の情勢や実態を把握したいと思って副大臣会議を開催させていただきました。

 その結果、賛成の方、反対の方、それから日弁連の皆さん等のお話も承りながら、政府としては、ハーグ条約を締結していこうという方針のもとで必要な法案作成作業を進めることで意思統一が図られたところでございます。

 本件については、国内でも大きな関心が寄せられているところでございますし、これまでの検討を踏まえて、この段階では、政府としては、方向性を閣議了解という形で示させていただくことになりました。アメリカの外圧に屈したとかということではございません。しっかりと我々自身の判断として考えさせていただいた、きょうの閣議了解に至ったということでございます。

○高木(美)委員 私が条約締結ありきと申し上げましたが、国内担保法に関する十分な検討が国民に公開されていません。副大臣会合で検討されたとおっしゃいますが、それについては非公開です。どのような検討が行われたのか、どういう方向性を政府が考えているのか。特に民主党政権になってからは、そうした、政治主導という名のもと、本来であれば公開されるべき内容が、経緯が全く見えない。ですから、十分な検討は経ていないというふうに判断せざるを得ません。その上で条約を締結する方針を閣議了解するというのはおかしいと私は思います。

 こうした前例があるのかどうか、伺いたいと思います。

○福山内閣官房副長官 高木委員にお答えをさせていただきます。

 きょうは、あくまでも、条約を締結し、そのための国内担保法に対する骨子というか、こういった考え方で法案を策定しようということの閣議了解をさせていただきました。当然、これから条約の審議や、我々がこれから策定をさせていただく国内の担保法について各界各層からの御議論をいただきますし、何よりも国会で審議をいただくことになるというふうに思いますので、その中で皆さんには御理解をいただきたいというふうに思っております。

 先ほども申し上げましたように、やはりこの問題は当事者の方の意見が重要だというふうに思っておりましたので、賛成、反対の立場からも、専門家の立場からもお話を承りました。先ほど申し上げましたように、これから法案の策定作業を進めることをきょう確認したということでございます。

 そして、先例の問題でございますが、条約の国会提出に先立って閣議了解を行った先例としては、一つの例を申し上げますと、例えば、国連海洋法条約締結及び海洋法制整備についてというのを平成八年の二月の二十日に閣議了解されたという例があるというふうに承知をしております。

○高木(美)委員 このことはG8で総理がおっしゃるという予定ですか。

○福山内閣官房副長官 G8での総理の発言については、今検討中でございますので、まだ政府としては決めておりません。

○高木(美)委員 先ほど来申し上げていますように、国内担保法の中身が見えない。恐らく、当事者の方たちにとっては寝耳に水という状況ではないかと思います。どのような配慮を現政権がされたのか、また、何が課題として残っているのか、その整理の状況も、情報が全く見えないという中で、G8で総理がもし締結するというお話をされれば、それはまさに国民の不安を払拭することなく、ともすれば、国内の担保法につきまして、条約の範囲を超える内容も必要かと思います。

 これは、もしそういう条約の趣旨の範囲を超える内容であれば、諸外国からバッシングを受けるのは当然のことでありますし、そうしたことが全く見えない中で締結するということをもし総理が宣言されることがあれば、DV被害者の方たちは犠牲になるということをあえて私は申し上げさせていただきたいと思います。  副長官、どう思いますか。

    〔大島(敦)委員長代理退席、委員長着席〕

○福山内閣官房副長官 高木委員にお答えを申し上げます。

 御指摘の課題、懸念というのは、先ほども申し上げましたように、当事者の方にとっては大変重要な問題だと思っております。だからこそ、きょうは、我々、骨子案ということで、了解事項ということで、法律案の策定に当たって、法制上の問題について、こういったことを観点にやりたいという了解事項を発表させていただきました。

 恐らく高木委員もお持ちだと思いますが、そこには、委員御懸念の子の返還拒否事由について、いわゆるDV等で国内に子供と一緒に御帰国をされた方々が無理やり、何もなく、条件もなくその国に戻されるのではないかという御懸念については、我々は、返還の拒否事由として考慮に入れるべきものを今回の考え方の中に入れ込ませていただきましたし、一方で、先ほども申し上げましたように、日本国内で国際結婚をして、子供を連れ去られて非常に苦しい環境、悲しい環境にある親御さんもたくさんいらっしゃって、そういった方々のお話も承りました。

 我々としては、そういったことを含めて、子の福祉を優先するという立場で、中央当局の任務、それから、子の返還命令にかかわる手続について、委員御指摘のようなことを踏まえた上で、きょう、一定の閣議了解に至ったということでございます。

○高木(美)委員 私がなぜこのように申し上げるかといいますと、私は、やはり政治は手順が大事であると思っております。合意をどのようにとっていくか、特にこうした当事者の方たち、DV被害者の方たちがこれで守られる、そのように安心できる見通しが必要ではないかと思います。

 私も、障がい者福祉委員会の委員長を務めているという党内の経緯もありまして、二年前、二〇〇九年の三月、このときに、当時の外務省が国連の障害者権利条約を批准する、その方向を打ち出し、準備をずっと進めてきました。当然、障害者団体の方たちに根回しもされたわけですが、当事者の方たちはそれは正式な根回しとは受けとめていない等々のさまざまな経緯があったようで、最終的に、今、制度改革推進会議、JDFの方たちが中心になっていらっしゃいますが、その方たちから、自分たちは聞いていない、了承もしていない、国内法がきちんと整備をされていない中で批准するということは自分たちはとても容認しがたいという強いお声がありました。

 そうした中にありまして、私も党内に働きかけを行い、そごがあった、また行き違いもあった、いろいろなことがあったとは思いますけれども、結果として、当事者の方たちが認めないまま批准するというのはいかがなものかと強く要請をいたしまして、我が党の議員のお力をいただき、そしてまた当時の自民党もそれを了承してくださり、その上でこれをとめたという経緯があります。閣議決定が翌日という、その前日だったと記憶をしております。

 そういうことを考えますと、今回のこの事例についても、私は、政治の姿勢として、私の手元には確かに、先ほど外務省に要請しておりましたので、閣議了解の紙はいただきましたけれども、当事者の方たちがこれをごらんになって、そうですねという、やはりそうしたある程度の了解を得た上で、もしくは、今までヒアリングもしていらしたという先ほどのお話ですから、そうした手順を踏んだ上で、しかるべき、こうした条約を締結する方針ということをおっしゃるべきではないかと考えます。副長官、いかがでしょうか。

○福山内閣官房副長官 一定の方向性として、我々は条約を締結したいということが閣内で一致を見ました。そのときに、まさに委員が御指摘のように、いろいろな当事者の皆さんが御懸念をしていることについて政府はしっかりと検討しています、考慮していますということをお知らせしたいと思ったので、逆に言うと、これは法律ではありません、まだ、法律をつくるに当たってのいわゆる検討事項としてこういうことが必要だということで表に出させていただきました。

 そして、これから法律の制定そして批准の手続が始まるわけですが、その中で、我々としては、この骨子というか了解事項をしっかりと検討した上で対応していきたいというふうに思いますし、一方で、ハーグ条約を締結してもらって自分たちの子供たちと何とか会いたいんだというような方々もいらっしゃることも事実です。そして、一方で、DVによって、もともといた国、結婚された国に子供と戻ることは非常に自分らにとってよくないんだ、子の福祉にとってよくないんだと言われている方もいらっしゃることを十分に我々としては踏まえながら、きょうの閣議了解に至ったということでございます。

○高木(美)委員 G8を前にして締結する方針を決めたということは、明らかに、G8のお土産としてアピールをされるんだろうなということはもう容易に推察できる話です。

 それに当たってこういう骨子をお決めになったのであれば、それをきちんとその前に関係者に提示するべきではありませんか。その手順が違うというお話を申し上げているんです。閣議了解として、締結をする、中身はこうです、これを見てください、意見があったら言ってくださいと言われても、締結するという方針をお決めになったところは覆せない、そういう当事者の思いではないかと思います。

 私もこの内容をざっと読みましたけれども、DV被害を受けて子供を連れて日本に逃げ帰ってきた女性に対する救済措置は果たして与えられるのかどうか。要するに、ハーグ条約の中では、DV被害の母親に対して、女性に対しての配慮は全く行われていないという状況です。そこが一番、担保されるのかどうなのか。

 この方たちは、もうやむを得ず、最後の手段として、中には、ある国の大使館は、日本はハーグ条約に加盟していないのだからこれ以上DVをあなたは受けてはいけない、だから日本にとにかく帰りなさいと言ってパスポートさまざま用意をしてくれ、それも、まさに超法規的な措置で帰ってきたという女性が多くいるということも恐らく副長官は御存じかと思います。

 さまざまな課題があります。今内容までお話がありましたので、あえて申し上げさせていただきますが、ハーグ条約は、国境を越えた子の移動ないし子を国外に留置することを違法とし、残された親などが申し立てた場合、拘束時にその国に残された親のところに返還することを義務づけるという内容になっております。

 問題点として今までも挙げてまいりましたので十分御承知かと思いますが、一つは、要するに、残された親の同意のない移動また留置は原則として違法。移動、留置の理由を問題とすることはできない。また、DVや子の虐待による移動も違法。これらは例外事由とはされていないというのがあります。また二つ目に、子の福祉をと先ほどおっしゃっていらっしゃいましたが、移動した親と残された親、そのどちらがより子の監護にふさわしいのか、福祉に適合するか、これを審査することはできないというのがこの条約の一番の問題点だと考えております。また、返還後の子の福祉が確保できない。

 ここから、スイスは、二件にわたって大きな反省事項があり、そこで、国内法を整備し、昨年施行となったと聞いておりますけれども、条約の範囲内ですので、やはりどうしてもそれを超えるものはできず、やむを得ず条約にのっとった形の厳しい内容にせざるを得なかったというような話もあり、現実、スイスの連邦法に詳しい学者からは、日本は加盟すべきではない、そうした警告も受けております。

 こうした問題点に対して、果たして政府が検討している担保法がこのような懸念にこたえる内容になっているのかどうか。それは、詳細をこれから詰めなければ、締結する、しないというのは言えないのではありませんか。いかがですか。

○山花大臣政務官 今るる御指摘をいただきましたが、まず、先ほど副長官からもお話があった点について少し、外務省の立場からもお話をさせていただきたいことがございます。  政治主導ということについては、御意見をいただきましたが、その一つの理解は、セクショナリズムによることなく、政治家の視点から役所を指導するということもあろうかと思います。

 ハーグ条約については、先ほど副長官からもありましたように、外務省としては、もちろん、外交当局ですので、外交上のことを一切無視せよという指示はできませんけれども、子の福祉の観点から検討せよという指示をこれまでもしてきたところでございます。また、今るる御指摘いただいた点につきましても、そうした観点からもやはり懸念があるということについて、それをいかに払拭するかということでこれまでも検討してまいりました。

 これから法制上の作業にということですので、現段階で今御指摘があったことについてすべてこうですとお答えすることにはなりませんけれども、ただ、一例を挙げますと、ハーグ条約が成立した時点というのは三十年ほど前のことですので、当時、DVであるとか、あるいは子供の虐待ということがそれほど深刻に、違法であるという認識がなかった時代の条約であると承知をいたしております。ただ、その後、各国でこうしたことについて違法化され、あるいは犯罪化される中で、ハーグの条約事務局というところがございまして、そこで、例えば各国で返還拒否が認められた事例などについてもこれまで検討をしてまいりました。

 個別、このケースがということはちょっと今の時点ではお答えを差し控えさせていただきますけれども、DVがあった、あるいは、それが子の福祉に反するということで返還拒否が認められたというケースも存在していると承知をいたしておりまして、今後、国内担保法の制定におきましては、特に法務省にも御協力いただいてということが必要になってまいりますけれども、そうした点も留意をして議論してまいりたいと思っております。

○高木(美)委員 ただいま、さまざまな事例のお話もありましたが、要するに、各国における運用実態、また返還後に子が置かれる状況、政府は十分な実態調査を行ってきたのかどうか。実態について十分把握せず、またそのことを公開せず、国民のことを考えずに締結するという結論を出したのではないか、こういう問いにつきましてはどのようにお答えになるんでしょうか。

○山花大臣政務官 ハーグ条約の締約国における運用状況については、今、条約事務局のお話をさせていただきましたけれども、実際に赴いての調査を行ったりとか、あるいは外務省としてということになりますと、在外公館や在京大使館を通じての調査、また条約事務局が公表しているデータの分析などを通じまして、締約国における状況についての情報収集に努めてまいりました。

 また、昨年五月から十一月にかけて、これはプレスにも発表したことですけれども、当事者となった経験のある方々のアンケート調査を実施いたしまして、返還後に子が置かれる状況であるとか子を連れ去るに至った事情について、実態の把握に努めました。ただ、申し上げるまでもなく、これは答えていただいた方だけですので、氷山の一角ではないかと思っています。

 こうした情報収集や調査結果について、先ほど出ておりました副大臣会議等の場で関係省庁と情報を共有して検討を行ってまいりまして、今後、締結に向けた作業に当たっても、引き続き実態把握に努めてまいりたいというのが一般的な話であります。

 それと、条約事務局のことですけれども、条約事務局の事務局長さんに私自身がお会いをして実態などについても聞いてまいったということもございますのと、あと、先ほど紹介があった、政府の副大臣会議の中でヒアリングを行いましたという話とはまた別に、私が、外務省でこの問題を担当しているものですので、当事者の方々とも直接お話を伺う機会というのを何度かつくりました。

 また、弁護士の方、これもいろいろで、連れ去ってきてしまった側の弁護をされている方、あるいは逆の立場の方、さらには、外国で離婚訴訟をしているんだけれども、ハーグ条約に日本が加盟していないということによって、なかなかそれで大変な思いをしているというような方のお話も伺ったりしてまいりまして、まだ十分でないという御指摘かもしれませんけれども、また御指摘いただければ、直接そういった方々からもお話は伺ってまいりたいと思っております。

○高木(美)委員 今、実態調査を行ったという答弁でございました。その実態調査の提出を求めたいと思います。

 外務省がどういった実態調査に基づいてそのような判断をされたのか、実態調査の提出を求めたいと思います。いかがでしょうか。

○山花大臣政務官 ちょっと検討をさせていただきたいと思うんですけれども、多少プライバシーにかかわるところであるとか、あと、実際に同意を得てでないとというところもございますので、そこは工夫をさせていただければと思います。

 ちょっとそこは留保させていただきたいと思います。努力はいたします。

○高木(美)委員 この条約にのっとって、要するに、残る親のもとに帰った子供がその後どういう処遇を受けているのか。中には、DVに遭っているとか、連絡がとれないとか、さまざまな事例があります。そうしたことにつきましても、しっかりと調査を、また把握をしていただきまして、この実態調査の提出を重ねて要請させていただきます。これは政府がどのように認識しているかという一番の大もとの話ですので、お願いをいたします。

 あわせて、本来であれば、こうした閣議了解、また、いつもは閣議決定で行われる内容ですので、和訳、それから仮訳が必ず発表されるわけですけれども、今、和訳も仮訳もないという状況と聞いています。締結に向けて決定をするといいましても、それではとても当事者の方たちの理解が得られるものではないと思いますが、この訳文については、どのようにお考えでしょうか。

○山花大臣政務官 これなんですけれども、ちょっと技術的というか、難しいところがあって、今までのケースですと、大体、国会に提出をしますという閣議決定をするに際しての訳文をつけるということになっております。

 と申しますのも、例えば、外務省ということで一度公式に訳文を出しますと、それが、ある程度、仮ですといっても、公的なものとなってしまうというところもございますので、これも、御指摘を受けまして、従来の形で出すのはいささか困難かとは思いますけれども、何らかの、サマリーなりなんなりという形は工夫ができるのかなと思っておりますので、そこも努力をさせていただきたいと思います。

○高木(美)委員 方針をお決めになったわけですから、そうであれば、当事者の方たちにもすべて公開をしていただいて、ここからスタートしていただきたいと思います。

 そういう意味では、先ほど来、副長官また政務官からお話ありましたように、これを締結してほしいという強い要請、また、それでは自分たちの命が危ないというDV被害者の女性の方たち、まさに真っ二つというこの状況の中で、やはり両方の折り合いをちゃんとつけて、納得できる形で最終的な締結という方向に持っていくのが、私は、政治家としての当然の責務であると思っております。そうでなければ、国民を犠牲にしてG8で発表する、こういうそしりを免れないということになるのではないかと思います。今後さらに、双方しっかりと説得をしていただきまして、また、その内容が、これならばという、そのような形で進めていただければと思います。

 ですから、いずれにしても、私は、これをG8のお土産にすることには反対を強く要請するものでございます。いかがでしょうか。

○福山内閣官房副長官 高木委員にお答えを申し上げます。

 先ほどおっしゃられましたDV等については、きょうの閣議了解の事項に、考慮した上でとした上で、子に対する暴力、これはもちろんです。それから、子供だけではありません。片方の相手方、これは男性か女性かわかりませんから相手方といいますが、相手方に対する暴力の問題、それから、相手方と子とともに帰国することができない事情等があるような事案、さらには包括条項みたいなものを、我々としては、きょうの了解事項の中に入れさせていただいて、先生の御指摘をいただいているものについては、十分に配慮、検討していきたいと思います。

 しかし、先生の御指摘にあるように、条約の範囲内というのがどこかというのも非常に重要な論点でございますので、条約の範囲内で、外務省から先ほど御紹介がありましたように、判例や調査、そして各国の運用の状況について、実は、返還拒否のパーセンテージも各国によってまちまちでございます。それぞれの各国の運用があるということも踏まえた上で、我々としては、当事者の皆さんの御意見も聞きながら対応していきたいというふうに思います。

 また、G8について、総理がどう言うかという話については、まだ政府としては決めておりませんので、この場ではコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

○高木(美)委員 蓮舫大臣には、PFI法の質問でありながら、あと一分になりましたので、申しわけありません。恐縮でございます。また改めてお願いをさせていただきます。

 最後に、今の要請の続きでございますが、国内担保法を作成する担当省庁、それから制定のスケジュール、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○山花大臣政務官 担当するいわゆる中央当局でございますけれども、これについては、外務省ということできょう閣議了解をいただいたと承知をいたしております。

 この中央当局につきましては、恐らく、いろいろな選択肢はあり得たんだと思うんですけれども、ハーグ条約が第七条で中央当局の任務について規定しておりまして、具体的には、子の所在の特定であるとか、子に対するさらなる害の防止、子の任意の返還または当事者間の問題解決の促進、司法上の手続のための便宜の供与、子の安全な返還の確保等について定めております。

 いずれにしても、恐らく、大体、法務省がやるか外務省がやるかというようなことなんですけれども、それだけではなくて、いろいろな省庁と協力をしてやらなければなりません。そういった関係各省庁、特に法務省ということになりましょうけれども、協力をまちながら体制整備を図ってまいりたいと思っております。

 スケジュールについては、現時点では、報道ではいろいろ出ていますけれども、いつまでということについてはまだ正式には決まっておりませんので、我々としては、できるだけ早く努力をしたいと思っております。

○團藤政府参考人 ただいまお尋ねの国内担保法の制定につきましての担当省庁について、私の方から補足的に御説明を申し上げます。

 国内担保法につきましては、子の返還等を援助いたします中央当局の任務等を定めるほか、子の返還手続を定めるということになろうかと思っております。この中央当局の任務等を定める部分につきましては、先ほど来お話がございますように、中央当局を担う外務省において立案作業が進められるものと承知しております。

 子の返還手続等を定める部分につきましては、私ども法務省におきまして立案作業を進める予定にしておりまして、その上で、法案全体の取りまとめにつきましては法務省の方で担当をするということとされてございます。

 今お話がございましたように、スケジュールは未定でございますが、私ども法務省において立案作業を進める予定となっております子の返還手続等を定める部分につきましては、法制審議会に諮問をする方向で現在検討を進めておるところでございます。

○高木(美)委員 もう時間が来ております。

 外務省が作成されるということですが、児童虐待防止法それからDV防止法、我が国におきますスキームもまたしっかりと踏まえていただきまして、さまざまな当事者の方たちの御意見も、またお声も聞かれたということですから、涙ながらのその女性たちの訴えがきちんと守られますように、今後の適正な手順を踏んだ政権運営を心からお願いするものでございます。

 以上です。

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