「サイバー攻撃対策」「義援金受給による生活保護中止」「国家戦略会議」「公務員制度改革」について

2011.10.26 ,

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

私は、まず、今、衆議院また参議院の議員におきまして大きな衝撃が走っておりますサイバー攻撃対策につきまして質問をさせていただきたいと思います。

既に皆様御承知のとおり、衆院のネットサーバー、また議員の公務用パソコン等がサイバー攻撃にさらされたというお話でございます。これはことしの八月からもう既にわかっていたという話で、三カ月間そのまま放置をされていたということに対して何ら説明もなかったということに、衆議院の事務局に対する怒りとさまざまな話が今込み上げてきているところでございます。

まず、官房長官はこの問題につきましてどのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。

○藤村国務大臣 私も衆議院議員の一人として驚きました。みずからのID等が盗まれている、こういうことを聞きました。

サイバー攻撃につきましては、国境を越えた攻撃が増加するとともに、複雑巧妙化しているということだと思います。

政府においては、平成十七年に情報セキュリティ政策会議及び内閣官房情報セキュリティセンターを創設いたしました。情報セキュリティー政策の立案、推進体制を確立して、総合的な情報セキュリティー政策を推進してきたところでございます。

このサイバー攻撃につきまして、攻撃に強いシステム構築など平素の対策が重要であるとともに、一たん事象が発生した場合には、速やかに認知し対策を講じることによって被害の拡大を最小限に抑えることが極めて重要と認識しております。

このような観点から、先般、十月七日に、私が議長を務める情報セキュリティ政策会議を開催しまして、全府省庁の最高情報セキュリティー責任者等から構成される情報セキュリティ対策推進会議に官民の連携のための分科会を設置し、政府と企業等との連絡、連携のあり方について検討を始めたところであります。

そしてまた、この種の攻撃の潜在的な被害者となり得る企業、国民の皆様に対しても、私からは情報セキュリティー対策の強化について注意を喚起したところであり、我が国の情報セキュリティーの向上に向けて、サイバー攻撃の対処に万全を期していきたいと思っております。

なお、衆議院に対するサイバー攻撃につきましては、衆議院事務局の今後の取り組みに対しまして、政府の側としても、衆議院では対策本部をつくられたと聞いておりますが、我々としては、内閣官房と警察庁の職員を参加させるなど必要な協力を今後してまいりたいと存じます。

○高木(美)委員 この衆議院の、また参議院の今回のサイバー攻撃の問題につきましては、議院運営委員会を中心にさまざまな対処がとられると思っておりますので、そちらを注視してまいりたいと思っております。

いずれにしても、もうアメリカはこうしたサイバー空間の攻撃につきまして新たな戦場と位置づけておりますし、また我が国でもかねてから治安上の大きな脅威というふうに位置づけてはきておりますが、まだまだそれは取り組みにおきましては、高度化、複雑化、そしてまたさらなる高速化ということが今取り上げられておりますので、それに対する対応というのを急がなければならないと思っております。

官房長官、今、三菱重工の被害の問題ももう一方で取りざたをされております。政府が三菱重工の被害を把握したのは九月十九日付の新聞報道というふうに言われておりますけれども、官房長官が最初に聞かれたのはいつでしょうか。

○藤村国務大臣 民間企業のことで、我々も直接的に三菱さんから連絡を受けたということではなく、私も最初に知ったのは新聞報道でございました。

○高木(美)委員 先ほど官房長官から、情報セキュリティ政策会議等で政府と、また官民の連携のあり方等を協議するというお話がありましたけれども、こうした報告体制また連絡体制、そうしたものにつきましてもぜひ整備をしていただきたいと申し上げさせていただきます。

また、あわせまして、これは警察庁にお伺いいたしますが、一方で、消費者に対しますインターネットバンキングの不正アクセスの問題、こうしたことも含めまして多くの被害が報じられております。それに対する被害の状況、それから対策につきまして、簡潔に答弁をお願いしたいと思います。

○山岡国務大臣 先生御指摘のとおり、サイバー攻撃というのは国家の安全保障、危機管理上の重要な問題でございますし、民間においてもこれは大きな問題。また、今日は私どもまでそういう被害に遭っている、こういうところでございます。

警察といたしましては、それを直接取り締まりを請け負う当局であるわけでございまして、そういう点で、具体的にどれだけの攻撃を受けたかということはまた担当がおりますが、いずれにしても、この四月から九月の間に八百九十件を私たちは把握しているわけでございます。これは把握をしている数字でございますから。

そういうところで、当然、今官房長官のお話のように、政府や関係機関と緊密に連絡をしていることが一つ。特に、省庁間の連携が非常に重要でございまして、これは三菱になると防衛省が絡んできますし、その他の重要インフラというのは経産省の管轄でございますし、直接届けを受けて進んでいるのが警察、こういうふうになっているわけでございます。

そういう点では、政府とはそういう連携をとりながら、また一般の、標的となる全国約四千の事業者の皆様と、サイバーインテリジェンス情報共有ネットワーク、名前はこういう名前ですが、構築して、今、サイバー攻撃事案に対する情報の収集や分析や注意喚起というのを極めて積極的に始めたところでございます。

また、都道府県警においては、その地域の重要インフラ、関係事業体で一緒に構成しているサイバーテロ対策協議会、こういう名前でございますけれども、中身は、そういうことで情報セキュリティーに関する情報提供や意見交換などを行って、官民一体となってこのことに取り組んでいく。

そういうことで、特に警察においても、直接的な当事者として全力を挙げてこれに取り組んでまいっておりますし、特に私が申し上げているのは、これは追っかけてきたものを対処しようとしているともう間に合わないですから、先に待ち伏せをして押さえるぐらいの、そういう対応をしないとこの問題には対処できない、こういうふうに庁内でも申し上げて、全力を挙げて対処していくつもりでおります。

○高木(美)委員 それでは、少し角度は違うんですが、今、スマートフォン、八百八十五万台というのが二〇一〇年の数字だそうですが、今では恐らく、携帯電話、スマートフォン全部合わせますと約半数がスマートフォンになっているのではないか、そのような試算もあります。ところが、利用者のセキュリティー意識は大変に低いものがあります。今もう全くパソコンと同じような機能を持っているにもかかわらず、そうした危機意識が低い。

また一方で、私もそうですが、私の事務所はスケジュール管理のためにいわゆるパソコン端末を使っております、ちょっと商品名は申し上げませんが。そういう状況の中で、では、果たしてそれはいわゆるセキュリティーがちゃんとできているかといいますと、ほとんどその意識は薄いというのが現状ではないかと思っております。

したがいまして、スマートフォンの問題、そしてまたパソコンの端末の問題、こうしたことを含めまして、総務省もさまざま取り組んでいらっしゃるかと思います、そのお取り組み。

そしてまた、あわせまして、今、こうした端末等につきましては、クラウドコンピューティング化ということをさらに進める我が国の状況もあります。例えば災害でも、それぞれの個人情報について、台帳が流されたらわからないではなく、やはりこのクラウドコンピューティングを使って、そこに情報が管理される。そして、そこに必要な医療情報とか介護の情報であるとかそうしたものが登録をされ、そうすればどこからでもそこにアクセスできる、必要な事業者がそれにとりに行くことができるというような、そうしたことも今求められておりますが、一方で、クラウドコンピューティング化に伴いますセキュリティーのあり方につきましては、まだまだ我が国におきましても確立できていないのではないかと思っております。

そうしたことにつきまして、総務省の見解を伺いたいと思います。

○森田大臣政務官 お答え申し上げます。

ただいま委員から御指摘がありましたように、昨年度で八百五十五万台、二二%という状況で、ことしは恐らく三〇%は軽く超えてくるだろうというふうに想像されております。

このように急速に普及が進んでいるスマートフォンですから、近年、情報漏えい等を引き起こすウイルスが次々に発見されるなど、今までの携帯電話とは全く違ったアーキテクチャーを有する、本当にPCそのものと言ってもいいような電話でございますので、それが今問題になっているわけでございます。

そして、御指摘のように、利用者と攻撃者の意識の乖離というものがあるだろうと思いますし、機種や使っているOS、あるいはサービスプロバイダーの中でもやはり相当の防御力格差があるだろうというふうに認識しております。

そういった脅威が実際に被害をこれ以上出さないというためにも、私ども総務省におきましても、スマートフォンのセキュリティーに関する研究会を十月以降立ち上げておりまして、年内を目途にしっかりした取りまとめを行いたいと思っております。

そしてもう一点、PCも含めてということですが、サイバー攻撃に対して我が省は、所管しておりますNICT、独立行政法人の情報通信機構の中で、ウイルスに感染したコンピューターが、例えばバックドアとかトロイとか、そういったものが入ったときに出ていく情報流出に対処する、即応できるような技術開発に努めているところでございます。  そして、先ほど来お話がありますように、サイバー攻撃は国境を越えてやってまいりますので、NICTでも、常時不断の監視ができるようなシステムを構築したいということで今技術開発をやっておりますし、あるいは諸外国と連携できるような基盤の構築というものにも努めているところでございます。

いずれにしましても、今後、国際会議の場を活用する、そして技術開発にも努めるということで、もちろん総務省だけでできる問題ではありませんが、内閣官房その他の省と連携して努めてまいりたいと思っております。

○高木(美)委員 今、国際連携もというお話がございました。

まず、我が国におきまして、一つは、情報セキュリティ政策会議、これは先ほど官房長官からお話ありましたように二〇〇五年に設置をされまして、当時、対策も含めて年六回ぐらい精力的に協議がされました。ところが、政権交代後、八カ月間これが放置されたという話も聞いております。また、今は震災対応のために持ち回りが主になっているという話もあります。

私は、やはりちょっとこれでは対応が甘いのではないか、すきがあればそこから幾らでもこうした攻撃につきましては入ってくるというのもありますので、重要インフラ、所管省庁との連携も含めまして、再度、総理をトップといたしますIT戦略本部、ここの主導のところでしっかりと、各省庁のさまざまな情報であるとかセキュリティー対策であるとか、そうしたものを一元化していただきまして取り組むべきであると思っております。

あわせまして、先ほど総務省からお話ありましたとおり、国際協力を強化していくということも大事かと思います。

そこで、これは我が国だけが頑張って、先進諸国だけが協力してといいましても、そうでない国から幾らでもまた入ってきてしまうという、それもまた今のグローバル化の状況でございます。したがって、日本が主導して各国に、何か条約のような、それをやはり義務づけていく枠組み、単なる協力の会議とかそうしたファジーなものではなくて、むしろ各国のこうした情報管理のための整備を義務づけるような、そうした条約というところまで本来高めていかなければサイバー攻撃については対応できないのではないか、そんな思いがあります。  官房長官、いかがでしょうか。

○藤村国務大臣 サイバー空間における脅威が高度化、多様化する中で、国境を越えて自由な情報の流通を可能とするサイバー空間の便益を享受、これはメリットでありますが、とともに、国家の安全保障や危機管理上の問題でもあるこのサイバー攻撃に対応するため、今、米国を初めとする関係各国との効果的な国際連携が不可欠だと認識しております。

単なる会議ではなしにと今おっしゃったんですが、ちょっと申し上げますと、具体的に今、日米サイバーセキュリティー戦略政策対話という、これは二国間でございます。それから、サイバー空間に関するロンドン国際会議というのがございます。さらに、日・ASEAN情報セキュリティ政策会議を日本が主催しているということを通して、国際連携強化を積極的に行っております。

また、必要に応じ、具体的な事態に関しては関係各国で情報交換も行っているところでございますが、政府としましては、関係省庁間、民間企業との緊密な連携をとりつつ、さらに関係各国との連携をより一層深めていきたいと考えておりますし、さらに、そういう会議等の中で何か国際的なそういうものが必要だとなってくれば、それを検討していくということになろうと思います。

○高木(美)委員 それからもう一点、提案ですが、スマートフォン等の販売につきましては、例えば、販売業者の方たちは大変熱心に勧めてくださいます。今、どこのそうした量販店等、またショップに行きましても、高齢者の方も若い方たちも多くの方がいらっしゃる。そこにあわせて、こうしたリスク管理をどのようにするかということにつきましても、利用者に対して普及啓発を図っていくということも必要ではないかと思います。

ここは、警察庁の、先ほど山岡国家公安委員長からお話がありましたとおり、そういう不正アクセスとかいろいろな課題がありますよ、だから、こういうふうに対処しなければなりませんと。また、総務省さんも、スマートフォン等々の対策につきまして、クラウドコンピューティング、こういうリスクもありますというような、やはりリスクがあるということも、それの対応策とあわせまして説明を、また何らかの普及啓発を図っていくことが必要ではないかと思います。

販売業者にその協力を求めるという方向性で進めていただければと思いますが、お考えはいかがでしょうか。

○山岡国務大臣 販売業者さんに我々も話しておるんですが、そういうことにならないようなものを開発していっていただきたいという思いは非常に強く持っておりまして、今、そういうことをいろいろと協議している最中でございます。

と同時に、今の段階では、そういうものの被害を受けないということの認識を持つことが何よりも重要でございまして、スマートフォンは、委員のおっしゃるとおり、今全く、そういう言葉が適当かわかりませんけれども、ノーズロ状態になっている、こういうことでございますので、学校の教育機関とか企業、団体はもちろんですが、そういう皆さんに情報セキュリティー対策の重要性を周知するとともに、こういう対応をしてくださいということを警察庁を督励して行ってまいりたいと思っております。

また、自主的に防止をするということは、もうこれは専門家には当たり前ですが、我々には今さらながら、そうなのか、こう思います。添付ファイルを簡単にあけないことだ、こうなっているわけですが、これがまたあけるような仕掛けになっているわけですから、そこのところをまず第一に十分注意していかなきゃなりません。

そして、あけちゃった場合には、これもそうですが、システム管理者にとにかく早く届けていただく。警察ももちろんそうですが、その前にシステム管理者に届けていただいて、さらに、そうなっていることも気づかないということも今あるわけでございますから、先ほど三カ月の話もありましたが、やはりこれからは、平素から通信記録を保存しておくとともに常時監視体制を強化していく。

こういうことをみんなが認識していきませんと、向こうの方が先行しているわけで、警察では、こういうことをきちっとその効果を高めていくように、発生の状況や手口やそういうものに関する情報提供をどんどんとさせていただき、社会全体でのセキュリティーを確立していくように努力をしてまいります。

○森田大臣政務官 委員の御指摘、全く同感でございます。

個人、販売業者、そして無線通信事業者、それぞれにやはり相当の危機感が必要でございます。例えば、今、流通しておりますセキュリティー対策をアプリで提供できる状態ですね、携帯電話でも。しかし、プリインストールされておりません。ですから、販売業者にはしっかりプリインストールをすると。そういうことも、利用者に督促するとか、あるいは事業者の方であらかじめインストールするということも含めて、今後行われていきますセキュリティ研究会の中でも、答申を受けて見守ってまいりたいというふうに思っております。

○高木(美)委員 最後に官房長官の御決意をお伺いしたいのですが、こうしたことを含めまして、警察庁は警察庁の取り組み、総務省は総務省の取り組み、経産省は事業者を抱える取り組みという、またばらばらになりますとややこしい話になりますので、こうしたことを消費者目線で一元化していただきまして、事業者の協力も得ながら普及啓発を図っていただきたいと思いますが、御決意はいかがでしょうか。

○藤村国務大臣 今、お話の後半は一般の皆さんのことというのと、それから特に企業や官庁の情報ということと、それからさらに防衛や外交機密にかかわる、少しランクを設けて、今おっしゃっていただいたように、それぞれのランクでしっかりとこれは内閣挙げて調整機能を果たしてまいりたいと存じます。

○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

特に、いわゆる高いレベルの防衛等にかかわる話ではなく、利用者の、消費者側の話になりますが、そのときに、それをネットで配信して、それをメールで受け取って、それを読まなければリスクがよくわからないというような対応ではなく、やはりここは頑張って、紙ベースで、購入をするときには必ずパンフレットにわかりやすく書いたものをお渡しするとか、チラシを渡すとかというようなわかりやすい対策を、高齢者のらくらくホンを使用される方にもわかりやすいような、そういう対策をお願いしたいと思います。

続きまして、義援金受給による生活保護中止という報道が今なされております。これは、日弁連がずっと調査をしてまいりまして、義援金また仮払い補償金等を収入とみなすために被災者の生活保護が打ち切られた、こういう問題の調査でございます。四百五十八世帯が生活保護を中止になっているということですが、これに対する厚労省の認識をまず伺いたいと思います。

○津田大臣政務官 お答え申し上げます。

生活保護は、法律上、利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用することを前提としております。義援金や東京電力の仮払い補償金についても、最低限度の生活の維持のために活用していただく必要があるわけでございます。

しかしながら、生活保護法では生活保護受給者の方の自立を助長することも目的としていることから、原則収入として認定すべき金銭であっても、生活用品や家電の購入費、あるいは教育費、住宅の補修費など、自立更生に充てられる部分については収入として取り扱わないということとしているわけでございます。

さらに、被災者の実情に照らし、自治体の判断により、一定額を、使途の確認をすることなく、自立更生に充てられる費用として包括的に認めることを可能とするなど、柔軟な対応をしているわけでございます。

義援金や仮払い補償金は当座の生活基盤の回復に充てられるという趣旨を踏まえつつも、今後とも自治体が被災者の方の被災状況や意向に十分配慮した対応をとるよう指導してまいりたい、そのように考えております。

○高木(美)委員 済みません、津田政務官はこの日弁連の分析結果というのをごらんになられましたか。

○津田大臣政務官 新聞の記事は承知をいたしております。

○高木(美)委員 大変申しわけありませんが、どういう理由なのか。そしてまた、ある市に偏っているという報道もありました。その中身はどうなのか、では、なぜそうなっているのか。ここは私は通告をたしかさせていただいていたと思いますので、せめてこの日弁連の調査結果をお読みになるなり、また、その市に対してどういう理由なのかお問い合わせをされるなり、やはり敏速な行動というのも必要ではないかと思っております。

特に、この生活保護中止という、確かに、今お話ありましたとおり、義援金、仮払い補償金を一時期受け取るわけです。ただ、この仮払い補償金という中には、何度かずっと避難をされて、そしてその精神的な賠償というのもこれから入ってくるわけです。そうしたことに対してはどういうふうに見ていくのかとか、かなり細かい、本当に細かい話ですけれども、そうした議論というのも必要になってくるかと思います。

市によっては、第一次義援金等につきましては、五十万とか五十五万とか一括計上を既に認めて、これはもう計上しなくていいですよと最初からそれを引いた上で計算をしてくれている、そういう市もあります。ただ、これが徹底されていないところも実はあるんです。

そしてまた、もう一つは、自立更生計画書というのを出すことになっておりますけれども、ここの中には、教育とか介護とか、そしてまた生業とか、さまざまな障害サービスを受けるとかというようなメニューについて知らなかったというところも、そういう行政も中にはあるわけです。

こういうきめ細かなところを、やはりこの四百五十八件につきまして私は対応をぜひしていただきたいと思いますが、政務官、いかがでしょうか。

○津田大臣政務官 お答え申し上げます。

南相馬市が特に件数が多いということで、南相馬市で義援金を受給したことにより生活保護を停廃止されたケースについて、厚生労働省として、まだ一部でございますが、事案の中身を丁寧に今チェックをさせていただいている最中でございます。

御指摘いただいたように、生活を立て直すために必要な、自立更生のために充てられる費目というのはたくさんあるわけでございます。いわゆる生活用品とか家具とか家電のほかに、新たに学校に通うために必要な費用であるとか、技能習得に係る費用でありますとか、極端に言えば墓石、仏壇等々まで含まれているわけでございます。

先ほど五十万円くらいというお話がございましたけれども、南相馬市の事例の中では、こうした自立更生費用として百万円近くの費用が計上されておりますケースも含まれておりますので、本当に問題があったかどうか一件ずつ丁寧にチェックをして、問題があれば正してまいりたい、そのように考えております。

○高木(美)委員 いずれにしても、これは災害の混乱時期の話でございますので、行政が本当に細かくこのことに時間を割いてやることと、それからまたもう一方で困っている方に手を差し伸べること、やはりどうしてもこれは、価値をどう見ていくかということになるのではないかと思います。私は、むしろこうした義援金、仮払い補償金はもう収入とみなさない、こういう本当に政府の太っ腹な、大きな判断があっていいのではないかと思います。

これは大変つらい話で、それを細かく計算されて受け取って、恐らく受け取った方はもうそれを自分の生活設計の中に組み入れてお考えなんだと思います。一たんそういうことがもとで生活保護が中止になりますと、また再度申請をしなければいけないというさまざまな労力等を考えましても、やはりこれは一括して収入とはみなさないという本来の考え方でいかがかと私は思いますが、いかがでしょうか。

○津田大臣政務官 お答え申し上げます。

例えば、仮に百万円の貯金がある基礎年金だけで生活をされていらっしゃる方がいるとしますと、満額で六万六千円でございます。この方々は、生活保護はもちろん受けられません。しかし一方で、百万円の義援金や賠償金をもらいつつ、生活保護費を満額受け取るということについてどう考えるかということも、我々は公平性という点で考えていかなければいけないということもございまして、御指摘は十分、被害に遭われた方について配慮をせいということは当然のことでございますが、そういう公平性も考えながら、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。

○高木(美)委員 さまざまなこうした実践例を広く共有していただきまして、再度、調査を踏まえての対応をお願いいたします。

次に、国家戦略会議についてお伺いしたいと思います。

国家戦略会議、今さまざまな報道がされておりまして、二十八日に初会合であるとか、首相が議長で閣僚六人と日銀総裁ら六人の民間議員で構成するとか、司令塔の位置づけ等々、さまざま報道がありますが、この概要につきましてまずお伺いをさせていただきます。

○藤村国務大臣 国家戦略会議は、総理が所信表明演説で述べましたとおり、税財政の骨格や経済運営の基本方針等の国家の内外にわたる重要な政策を統括する司令塔並びに政策推進の原動力としての役割を担い、重要基本方針の取りまとめや中長期的な国家ビジョンの構想を行うこととしております。

先日、十月二十一日付で閣議決定をして、会議の構成員というのは、議長が内閣総理大臣、副議長が内閣官房長官及び国家戦略担当大臣、そして構成員に総務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣並びに内閣総理大臣が指名する者としておりまして、これは民間の方でございますが、今民間の方については六人の方をお願いして、第一回会合を今週末にでも開催したい。ここで全体の枠組みなどを決定した上で、今後の進め方も決めていきたいと存じます。

○高木(美)委員 官房長官、重ねてお伺いしますが、この国家戦略会議の法的な根拠はどのようにお考えでしょうか。

○藤村国務大臣 現時点では、閣議決定による会議ということでございます。

今、国家戦略担当大臣も来ておりますが、国家戦略室というのが今ございます。今後それを局に上げていくという方向は古川大臣の方からまた述べていただきたいと思いますが、そういう形で今後法的な位置づけもしていきたいという方向ではございます。

○高木(美)委員 速やかにお願いしたいと思います。

今回の原発に関する事故検証委員会もそうでしたけれども、やはり法的根拠がなければ、どうしても恣意的なもので終わってしまうという懸念があります。

また、かつて、これは私も先輩から伺った話ですけれども、一九六二年、第一次臨調、臨時行政調査会ですが、ここを明確に法的に位置づけをして、このための法律をつくって、そして二年半かけまして、一九六四年に意見書が出されております。この中身が、行政手続法であるとか内閣府の設置など、後の行革の流れをつくる実に基本的な提案が盛り込まれているわけです。やはり法的な位置づけがあるからこうした明確な意見書も出すことができ、そしてまた、それがそのままその後の内閣の、各省の縛りにもつながっていくわけです。したがって、政府として踏まえて、厳格にそれを実施に移すこともできます。

先ほど、こうした中長期の展望、そしてまたあわせて、政策に関する税財政の骨格、経済運営の基本方針等、さらに、その実施にも向けてという答弁のお話ございましたけれども、そうしたことを考えましても、やはり法的根拠がなければ、幾らそこから答申が出ても各省は動かない。これはもう二年間、いろいろな会議を見ながら私も痛感をしてきたその実感でございます。

したがいまして、民主党政権発足からもう二年たったわけでございますし、三人目の総理になるわけです。国家を運営するノウハウにつきまして基本の部分でまだわかっていないんじゃないか、そういうそしりを私はこれでは受けかねないと思います。ぜひともこの法的根拠を明確に定めた上で、日本は法治国家でございますので、そのルールにのっとった政権運営をすべきと考えております。

官房長官、いかがでしょうか。

○藤村国務大臣 先般、政治主導確立法案というのを出しておりまして、実はここでは国家戦略局ということでの設置を書いておりましたが、これは震災対応等に伴って取り下げさせていただきました。しかし、今後さらに、これは改めて国家戦略局設置に向けて担当大臣と検討してまいりたいと思います。

今おっしゃるとおり、しっかりとした位置づけが必要だということ、ごもっともだと思います。

○古川国務大臣 今官房長官がお答えしたのに尽きておりますけれども、この国家戦略局を初めとする政治主導確立法案、私どもとしてはぜひということであったんですが、残念ながら、今の国会状況の中、与野党間で合意のできなかったものでございます。ただ、御党などは国家戦略局の考え方には御理解を示していただいておりました。そういう意味では、どの党が政権を担うにしても、やはり官邸主導で、総理のリーダーシップを強めるための機能というものは大事だというふうに思っております。

そういった意味では、国家戦略会議も含めて、改めて法案の形で提案をさせていただく方向を今目指しておりますので、ぜひまた御協力をいただければというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

○高木(美)委員 いろいろなものとリンクをさせないで、すっきりとやっていただきたいと思います。

経済財政諮問会議は、これは廃止はしないんでしょうか。

○古川国務大臣 前に提案をさせていただいておりました政治主導確立法の中では、諮問会議を廃止して、戦略室を局に格上げするということにいたしておりました。

したがいまして、今度法案を出すとすれば、当然その中で、戦略会議を法定すると同時に、諮問会議については廃止をするということになろうかと思います。

○高木(美)委員 経済財政諮問会議の議員のメンバーにつきまして、今、議員報酬というのは支払われているんでしょうか。

○古川国務大臣 今、諮問会議につきましては開催をいたしておりません。したがいまして、有識者につきましては、政権交代のときに全員辞職をしておりまして、現在有識者議員はおりません。したがいまして、そうした有識者議員への給与の支払いというものはなされておりません。

○高木(美)委員 事務局はいかがですか。

○古川国務大臣 この事務局というのは、別に経済財政諮問会議のための事務局があったわけじゃなくて、経済財政部局がやっておりました。経済財政部局は、今私のもとで、さまざまな経済財政に関する行政の事務について仕事をしていただいております。

○高木(美)委員 それでは、一日も早く法案の提出を求めたいと思います。

続きまして、国家公務員制度改革につきまして、これは、昨年この委員会におきまして、四十六時間だったでしょうか、長い長い議論をさせていただきました。その中で一番大きな点が、先ほど塩川委員からも御指摘ありました天下りの禁止ということでございます。

まず、蓮舫大臣に御認識を伺いたいんですが、なぜ天下りがだめなのか。蓮舫大臣はどのようにお考えでしょうか。

○蓮舫国務大臣 お答え申し上げます。

先生御案内のとおり、まさに憲法では職業選択の自由というものが保障されております。その中で、国家公務員であった者が退職をして、その後自由に自分の裁量で努力をして再就職をするということにおいては、国民の間にも御理解はいただけると思います。

ただ、そこにおいて、例えば行政から権限が付与されている、あるいは補助金やさまざまなお金が流れている、あるいはそれ以外にも、もしかしたらここは内々に口を合わせて、就職が適正に、競争性のない形で行われているのではないかという部分に関しては国民の理解が得られないということがありまして、そうした天下りは、特に各府省のあっせんがあるものについては、政権交代をさせて以降禁止をさせていただいているところでございます。

○高木(美)委員 今、政権交代以降禁止というのは、ちょっとそれは違う認識ではないかと思います。やはり何といいましても、国民から付与された権限を恣意的に行使するということ、そしてまた、国民の税金がそこに使われるということ、ここは許せないことであると私も認識しております。

自民党さんが昨年予備的調査を要請されまして、天下り根絶どころか、天下りの自由化が明らかになりました。その元凶の第一が、私は、二年前に政府が定めた天下りの定義、ここにあると思っております。野田内閣はこの天下りの定義を見直すんでしょうか、見直さないんでしょうか。

○蓮舫国務大臣 お答えいたします。

基本的に、現段階で見直すという行動はとっておりません。

○高木(美)委員 では、これにつきましては、また後日議論をさせていただきたいと思います。

幾ら事業仕分けをされ、また官僚出身者がいる法人につきまして予算の投入を制限しても、後から後から新たな天下りは続いているわけでございます。

再就職等監視委員会を動かしたいという政府の御要望を以前私も承りました。しかし、事後チェックにはどうしても限界というものがあります。私は、事前規制を復活させるしかないと考えております。先ほどの塩川委員の一覧表を拝見いたしましても、在職中に関係した業界には二年間、我が党は五年間という案を出しておりますけれども、そこに再就職はできない、むしろこれをはっきりと見える形で提示するしかないと考えておりますが、蓮舫大臣のお考えを伺います。

○蓮舫国務大臣 お答えいたします。

御党の提案している内容を私も承知しております。

ただ、現段階で政府として考えさせていただいているのは、平成十九年の国家公務員法改正によって、いわゆる事前規制から行為規制に基本的な考え方を変えました。この行為規制が本当に厳正に行われているのかを、やはりしっかり政府として各省の任免権者が行っていく。その上で、違反行為の監視に万全を期すために再就職等監視委員会を立ち上げ、しっかりとそこはチェックをしていく。

あるいは、現段階で私ども法案を提出させていただいておりますが、さらに適正化委員会というのを新たに設けて、お認めをいただきましたら、天下りを事前に防ぐという観点から、各任免権者に対してしっかりと助言をしていくという考え方をとっておりますので、今国会においてこれは同意人事案も出させていただきたいと思っております。

○高木(美)委員 公務員制度改革につきまして、平成二十年の公務員制度改革基本法が全会ほぼ一致でできました。ここのところからもう既に三年たちまして、あの改革案は本当にあれで正しかったのかどうか、それも私は検証が必要ではないかと思います。その一番一つは、この事前規制のあり方なんです。これを取っ払ったところから、どうしてもいろいろな抜け道ができてしまった。ここのところはまた改めて議論をさせていただきたいと思いますが、そういう目でぜひ大臣も、今提出されているからということもあるかもしれませんが、再度チェックをしていただきたいと思います。

それでは、続きまして、人事院の勧告につきまして伺わせていただきたいと思います。

これは、公務員法の中でも、給与カーブのあり方、また給与のあり方等々、さまざまな議論をさせていただいた経緯があります。

まず、官房長官にお伺いいたしますが、今提出をされている臨時特例法案と、それからまた今内閣委員会に付託をされております公務員制度のいわゆる労働基本権の付与の問題、この法案二つをセットにしてという、そのような認識を私は伺っておりました。どのようにお考えでしょうか。

○藤村国務大臣 二つ一緒に出したことは事実でございますが、我々は、まずは、この法案はそれぞれ別な委員会で審議をされるわけで、それがセットであるとか一体的にとかということは全く考えておりませんで、それぞれに慎重に審議をいただいて可決、成立させていただきたいという姿勢でございます。

○高木(美)委員 人事院の勧告につきましては大変重いものがあると思っております。

昨日、官房長官は記者会見で、臨時特例法案の早期提出を期すこととし、人事院勧告の実施は見送るという方向で検討を進めるとおっしゃっていたと聞いております。

人事院勧告を実施しないで臨時特例法案を実施するということは、憲法上の問題があるのではないかと考えます。どのように整理されているんでしょうか。

○藤村国務大臣 内閣法制局とも相当細かく今詰めております。

それから、きのうの、方向という意味ではそのとおりで正しいんですが、これは今精査中でございます。今週中に、事実上、今月中にというのは今週中にということになると思いますが、そこの範囲で給与関係閣僚会議において最終決定をさせていただきますが、方向ということではそういうことでございます。

今の段階で、中途段階で申し上げますと、〇・二三%という引き下げ勧告というものを今回特別措置法は内包している、そういう大きな考え方のもとにその方向を考えているところでございます。

○高木(美)委員 それでは、きょうは人事院の江利川総裁にお越しいただいております。この点につきまして人事院はどうお考えか、伺いたいと思います。

○江利川政府特別補佐人 まず、この問題についての人事院の基本的な考え方でございますが、国家公務員につきましては、その地位の特殊性、職務の公共性にかんがみまして、憲法で保障された労働基本権の一部が制約されております。それの代償措置として人事院勧告があるわけでございます。憲法にかかわる仕組みとしまして、内閣あるいは国会におかれましては人事院勧告を尊重していただきたい、これが基本でございます。

あわせまして、人事院勧告の際に人事院総裁談話というのを発表いたしましたが、今回の東日本大震災、未曾有の国難というふうに言われておりますが、それに対処するに当たりまして、その復旧復興のための財源確保の一環として公務員人件費の見直しが議論されております。こうした課題の重要性につきましては、人事院としても十分認識をしておりますし、未曾有の国難のときは、平時を前提とする一般論だけでは通用しないというふうに考えております。

そういう両方の面を踏まえまして、人事院としましては、人事院勧告は人事院勧告として実施していただき、未曾有の国難に対処するための財源論は財源論で議論していただきたい、そういうことでございます。

また、内包されるかされないかという話につきましてでございますが、今回の人事院勧告は、大きく二つの柱があるわけでございます。一つは、民間の給与の実態に合わせまして、〇・二三%給与を引き下げるということでございます。それからもう一つは、五年前、十八年からになりますが、給与構造改革を行いましたときに、現給を保障するという経過措置をやっております。これが五年もたちましてもなおたくさん残っているわけでございまして、この給与構造上の不公正を是正するということを考えているわけでございます。  〇・二三%引き下げといいますのは、額の大きさで物の判断はできませんが、国庫ベースで百二十億円という推計を財務省から発表されていますが、人事院勧告の対象とする二十七万人ベースで考えますと、四十億円ぐらいの規模のものでございます。

一方、給与構造改革による経過措置の是正は、百三十億円ぐらいありまして、本来の給与からたくさんもらっている人、これを落としてきまして、その百三十億円を捻出するために昇給を抑制してきていましたので、抑制した人の回復を図る、そういう意味で給与構造の不公正の是正を図るわけでございますが、こういう不公正の是正というのは、実は〇・二三%の勧告よりも大きく財源を動かすものでございます。

こういう形にして公務員の給与を適正化させたいということが人勧の趣旨でございますので、こういう趣旨を踏まえて、私どもとしましては、人勧をきちんと実施してもらいたいというのが立場でございます。

○高木(美)委員 人事院からも憲法違反ではないかとおっしゃっているという声が聞こえますが、その点についてはいかがでしょうか。

○江利川政府特別補佐人 国家公務員にも、憲法上、憲法二十八条の労働基本権、これは本来認められるわけでございますが、一方、国家公務員は、十五条で全体の奉仕者ということになっています。その職務、職責の関係から、労働基本権の一部が制限されているわけであります。これだけでは憲法違反になるわけでありますので、その制限の代償措置として人事院勧告があるわけでございます。

この全体の構造が憲法に適合する、合憲であるとなるわけでございまして、人事院勧告が尊重されないということになりますと、その全体の構造に抵触するのではないかという問題が出てくるように思います。

○高木(美)委員 今お話を伺いまして、私は、本来は、給与法を改正しまして、まず俸給表を勧告どおり〇・二三%下げる。それはきちんとやる。その上で、震災復興に協力を求めるという観点から、さらに今度は政府が政治判断に基づいて下げる数字をこの附則の中に書き込むというのが、これが本来の、憲法にのっとった政府の筋ではないかと考えております。  官房長官、いかがでしょうか。

○藤村国務大臣 つまり、我々は、今内閣法制局と詰めておりますが、今回の勧告の趣旨を、二つの点でと今おっしゃったので、二つの点で内包していると。大枠の中でそれは認めた上でのこの特別措置法であるというとらえ方をしておりますので、既に出している法律を通していただきたいということが政府の姿勢でございます。

○高木(美)委員 私が人事院から説明を受けましたときに、中には、例えば五十歳からの給与カーブを引き下げる、これは昨年の公務員制度改革の中で私たちも大変強く主張いたしました。民間に比べて、民間は五十歳過ぎたら給与は頭打ちにどんどん下がっていく、しかし国家公務員は上がっていく、違うじゃないか、これは給与カーブを変えればもっと人件費の削減につながっていく、こういう話を多くの議員がされたということを記憶しております。これが一つ。

それからもう一つは、定年を年金の受給年齢にすり合わせていかなければいけません、これは必要ですよね、こういう議論もたしかさせていただいたと思います。これもたしか今回の人事院の勧告の中に含まれていると私は認識しておりますが、人事院、江利川総裁、間違いありませんか。

○江利川政府特別補佐人 二点、お話がございました。

一つは、五十歳以上の人たちの給与を引き下げるという話でございますが、確かに民間と比較をしますと、五十歳あたりから、さらに六十歳近くなると拡大するんですが、公務員の方が給与が高くなっておりますので、係長であろうと課長補佐であろうと課長であろうと、そういう年齢の高い人の給与を下げていく、これが官民較差を是正するための一つの方法だというふうに思います。

臨時特例法案では、課長以上が一〇%、課長補佐、係長が八%、係員が五%という下げ方でございます。これは、震災対策の財源のためにお金を負担してもらうという考え方に立ちますと、高い給与の人から一定の割合で給与を高く取るというのは、私は、そういう財源対策の考え方としてはあり得るのではないかと思うんです。

ですから、人事院勧告の趣旨、制度の目的と、今度の臨時特例法の制度の趣旨、目的は全然違うわけでありまして、違うものの中に本当に含まれるのかという議論があり得るのではないかという気がしております。

それから、年金との関係でございますが、平成二十五年度から年金の支給開始年齢が三年に一歳ずつ繰り下がっていく、六十から六十一になっていく。一方、公務員の定年年齢は六十歳でございます。年金の支給開始年齢に合わせて三年に一歳ずつ公務員の定年年齢を引き上げてもらいたいということを今度の意見の申し出の中で言っております。その際には、やはりこれは民間との関係でございますが、民間の方は六十を過ぎますとかなり給与は下がっている、それを踏まえまして、六十歳を過ぎましたら六十歳前の給与の七割を支給してもらう。

そしてまた、これを実施するためにも、先ほど申し上げました現在の給与構造の不公正、先ほど申し上げましたが、経過措置を受けている人たちの、五十歳代の六割ぐらいが受けているわけでありますが、その不公正が六十過ぎてからも残ってしまうというのはなお問題だと思いますので、この機会にその経過措置を是正すべきだと考えている次第でございます。

○高木(美)委員 私も、これにつきましては、まず人勧を今の憲法にのっとって下げる、そしてまた改めて震災復興のための協力を求めるという観点から深掘りをするという、これが恐らく憲法にありますさまざまな解釈につきましてもそういう方向になるのではないかと思います。特に、内閣の職務権限、憲法第七十三条ですが、内閣は「法律を誠実に執行し、国務を総理すること。」こういう点から考えますと、やはり今の法律にのっとって、まだ人事院もあるわけですし、労働基本権といいましても、まだその法律すら審議されていないわけでございますので、そこのところはしっかりとそれらの方向で進めるべきではないかと思います。

こうした考え方につきまして、きょうは内閣法制局長官にもお越しをいただきました。憲法違反ではないかという、そのようなことにつきまして答弁を求めたいと思います。

○梶田政府参考人 お答えいたします。

ただいまのお尋ねは、今回の人事院勧告を実施しない場合に憲法上問題があるのではないか、こういう御趣旨だろうと思います。

今官房長官の方からお答えがございましたように、今回の人事院勧告の扱いにつきましては、さきの通常国会に国家公務員の給与の臨時特例法案を提出しておるところでございまして、このことを踏まえながら、現在、関係閣僚の間で検討が行われているところでございますので、私どもとして、今ここで人事院勧告を実施しないということを前提にお答えするというのは、ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。

その上で、一般論として申し上げたいと思いますが、人事院勧告の給与勧告の制度、これは、先ほど来お話ございましたように、公務員の労働基本権を制約する、これに対する代償措置の一つとして憲法上の評価が与えられておるということでございまして、この制度が存在するだけではなくて、本来の機能を営むことが必要である、こういうふうに考えております。

したがいまして、勧告を受ける立場であります国会及び内閣におきまして、この制度が実効が上げられるように最大限の努力をしなければならない、これは基本だと思います。

それでは、人事院勧告の勧告どおりに給与改定が行われなかった場合に、既に代償措置が本来の機能を営んでいない、したがって憲法違反になるかという問題でございます。

この点につきましては、最高裁まで争われた判決がございます。それは、昭和五十七年に人事院勧告を実施しなかったという点が裁判で争われました。その判決をちょっと御紹介しますと、最高裁の平成十二年の判決ではこのように言っております。「国家公務員の労働基本権の制約に対する代償措置がその本来の機能を果たしていなかったということができないことは、原判示のとおりである」。

この原判示といいますのは、平成七年の東京高等裁判所の判決でございまして、それも引用いたしますと、「政府は、人事院勧告を尊重するという基本方針を堅持し、将来もこの方針を変更する考えはなかったものであるが、昭和五十七年当時の国の財政は、」ちょっと省略いたしますと、「未曾有の危機的な状況にあったため、やむを得ない極めて異例の措置として同年度に限って人事院勧告の不実施を決定したのであって、これをもって違法不当なものとすることはできず、」「公務員の争議行為等を制約することに見合う代償措置が画餅に等しいと見られる事態が生じたということはできない」、こういうふうな判示がございます。

こういう判決の趣旨に照らして考えますと、仮に、人事院勧告がそのとおり実効を上げるように努力が尽くされましたけれども、その勧告が実施されないという結果になった場合、そのときには、その制度が本来の機能を営んでいないとは言えないというふうに考えまして、それが憲法の趣意に適合しないものであるというふうに断定をすることはできないのではないかというふうに考えております。

○高木(美)委員 今の長官の解釈、例えば昭和五十七年のときの話につきましては、要するに未曾有の状況にあったために、結局、上げるという人勧についてそれを凍結する、もちろん人事院の勧告を最大限尊重する、こういう姿勢があっての、上げるというものを凍結したというのはそのとおりだと思うんですが、今回は、下げるという人事院の勧告です。

あわせまして、そこにありますのは、給与につきまして三年間削減をしていく、それが今出ている臨時特例法案です。憲法からいきますと、代償措置ということで、国家公務員法の第二十八条の第二項には「人事院は、毎年、少なくとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて」云々、「報告しなければならない。」と。これは年一回というふうにあるわけですから、本来は、三年まとめてではなくて、毎年毎年、そういう法にすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○梶田政府参考人 お答えいたします。

今お話ございましたように、五十七年の人事院勧告、それから今回の給与勧告は、中身、状況が違っておるということはそのとおりでございます。

ただ、今、国家公務員の給与につきましては、極めて危機的な状況になっておる国の財政というものがありまして、これに対処するための臨時、異例の措置として減額の臨時特例法案を出しておるところでございまして、これも同時に審議をお願いしておるところでございます。

特例法案は、御承知のとおり、今回の人事院勧告における給与の引き下げを大幅に上回る引き下げを行うというようなことを内容としておるところでございますし、今の財政状況にかんがみまして、単年度ではなくて複数年度にわたって下げるというのは御指摘のとおりでございます。

毎年人事院勧告が出てくる、それにつきまして政府としてどのように対応するかということにつきましては、私の立場からお答えするのはどうかと思いますけれども、それは、そのときの状況に応じまして、政府として勧告を受けてどうするかということは検討していくことになるんだろうというふうに思っております。

○高木(美)委員 ということは、国家公務員法に「人事院は、毎年、少くとも一回、」このようにあるのであるから、本来であれば毎年毎年削減の法案を出すべきだと私は考えますが、長官はその必要はないという御答弁でいらっしゃるんでしょうか。

○梶田政府参考人 今回の特例法案は、複数年度にわたる削減を考えて提出しておる法案でございます。

今申し上げましたように、毎年人事院の勧告が出ますれば、その勧告を踏まえて、全体をどういうふうに取り扱うかということが検討されるのではなかろうか、こういうふうに考えるところでございます。

○高木(美)委員 全く、今の長官の御答弁、よくわかりません。法律にのっとって職務を執行するのが内閣であるわけです。これが憲法に基づく内閣の行き方であるわけであって、それがあるからこそ、人事院が労働基本権の代償機能を果たす、こういう構造になっているわけです。それに対して、毎年一回とあるものに対して、次また出されたらそのときにまた検討するかどうかは私の範疇ではないというのは、私は長官の見解としてとても承服しかねます。

これにつきましては、もう時間になりましたので、また引き続き議論をさせていただきたいと思います。川端大臣には、申しわけありません、本当に一時間恐縮でございます。

ありがとうございました。

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