「福島復興再生特別措置法案の修正案」について(答弁)

2012.3.7

○石田(祝)委員 公明党の石田祝稔です。

 きょうは、この特措法の最後の質疑になろうかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 この特措法につきましては、やはり私たちの立場では、政府原案では不十分である、こういうことで、民主、自民、公明、三党が中心になりまして修正をいたしました。二十項目の修正、また、条文の追加が八条文、そして、章立ても第七章を一章つけ加えた、こういうことで取り組みをいたしまして、百点満点を福島の皆さんからいただけるかどうか、これは私も少々自信がありませんけれども、少なくとも、現時点においては御期待にある程度お応えをできたのではないか、このように思っております。

 修正につきまして大臣や提案者にお伺いをいたしたいんですが、その前に、きょうは厚生労働大臣に来ていただいておりますので、厚生労働省の施策について一点だけ、確認、また改善のお願いをいたしたいと思います。

 第三次補正に入った事業復興型雇用創出助成金、これが、十一月二十一日の第三次補正の成立、そこのところからしか対象にならない、こういうことでございまして、それで、これは二月十四日の新聞でありますけれども、この新聞の記事では、とにかく努力をして早く事業を再開した、その前は二十五人の従業員は一度解雇したけれども、七月から一部再雇用、また、新規を含めて従業員十五人で事業を始めたと。しかし、早くやったがゆえに、第三次補正で事業復興型雇用創出事業、その対象にはなりませんよ、こういうことなんですね。

 そうすると、その企業の方からしたら、とにかく雇用しなくちゃならぬ、一日も早く雇用を復活させようと頑張ってやったところ、俺たちは損したのかと。損という言葉は当てはまらないかもしれませんけれども、早くやってよかったというんじゃなくて、もうちょっとおくらせた方がよかったのかと、こういうことにもなるのではないか。

 そういうことで、これは私が今新聞で拝見している方だけではないのではないか。とにかく地元の雇用を守ろう、一人でも多くの方に働いてもらおう、そう努力をしたことが、かえってその後の政策と整合性がとれなくなってきている。

 このことについて、大臣、私は何とかさかのぼって適用するとか何か考えられないかということで御質問をいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 御指摘いただきました事業復興型雇用創出事業ですけれども、これは、助成金を支給することによって事業者がその被災者を雇い入れるということを促すために、被災者が安定的な仕事を得られるためにという目的でつくったものでございます。

 ですから、雇い入れの後に助成金を支給しても新たに被災者を雇い入れることを促すことにならないということで、いつも委員の御指摘はお聞きできるものは精いっぱい聞かせていただいているんですが、この点はちょっと、目的からして、さかのぼることはなかなか難しいと考えています。

 今、被災三県で職を探していらっしゃる方がおよそ十四万人に上りまして、御承知のように、もうこれからは仕事に結びつけるということで、雇用保険の受給ということも特例措置も終了いたしましたので、今失業されている方の雇用の場を確保するということが何より優先すべき課題だと考えています。

 この事業復興型雇用創出事業などで五万人程度の安定雇用を創出する見込みで、限りある予算の中で、今後事業の再開、開始をしていただけるように支援を行う、そういう事業所の背中を押したいという思いでございます。

 ぜひ、早急に雇用の場を求めている方に一人でも多くというこの趣旨を御理解いただきたいと思います。

 そして、これまでに既に被災された方を雇い入れた場合の支援としては、もう既に、新規に雇い入れた事業主に、被用者に支払われた賃金の一部として支給する被災者雇用開発助成金ですとか、それから、被災者を雇い入れたり再雇用して職業訓練を行う中小企業事業主に、成長分野等人材育成支援事業ということで訓練費用の一部として支給をするといったようなことを、十一月二十一日より前に雇い入れられた方については、こうした施策がございますので、これをぜひ御活用いただきたいというふうに考えます。

○石田(祝)委員 第三次補正のこの一千五百十億、ほかの政策と合わせてですけれども、事業復興型雇用創出事業、十一月二十日以降じゃなきゃだめだ、私が申し上げたように、七月に努力をしてやった方についてはこれは適用はされない。一次補正で、五月二日以降の雇い入れで、被災者雇用開発助成金とおっしゃるのは確かにございますけれども、私が見ると、これは一年間なんですね。それで、事業復興型の方は三年間でしょう。だからこれは、金額もそうなんですけれども、一つは、新しく雇っていただけることも大事、そして、雇っている人を雇い続けるということも大事なんですね。

 ですから、一次補正のときに一年間でスタートしたんだけれども、早くやっていただいた方、一年ではなくて、では、この一年間というところを、三年に平仄を合わせるように延ばすことはこれは考えられないんですか。いかがですか。

○小宮山国務大臣 なかなか、限られた財源の中で今すぐはいと言うわけにはまいりませんけれども、せっかくの御指摘でございますので、検討はさせていただきたいと思います。

○石田(祝)委員 補正予算が一次から三次、基本的には三次までで復興ということだったと思いますけれども、こういうふうに順次やられて、それなりにいろいろな被災地の方々の御意見を受けて充実はしていることは私は間違いないと思うんですね。

 しかし、この人たちからすると、とにかく苦しい中を借金も抱えて、早く雇用しなくちゃいけないということでせっかく雇用した自分たちが、非常に政府の応援としては少ない、後の人の方が大きい、これはちょっとやるせないな、こういう気持ちも私はわからないではないんですね。

 ですから、ここのところ、私は今提案を含めて申し上げましたけれども、ぜひ、そういう気持ちにも応えていただけるように御検討をお願いをいたしたいと思います。

 それでは、厚生労働大臣は結構でございます。この法案の政府原案また修正について、大臣また提出者にお伺いをいたしたいと思います。

 まず、この第一条、これは何人かからもお話がありましたけれども、私たちは、国の責任を入れるべきではないか、このことが政府原案にはない、こういうことで、協議の結果、国の社会的責任、こういうことを入れました。

 これにつきまして提出者にまずお伺いしたいんですが、どういう趣旨でこれは入れることに、とにかく野党また民主党の御協力もいただいて、御理解もいただいて入ったわけでありますけれども、その趣旨をお伺いしたいと思います。その後に大臣から、国の社会的責任、こういうものを入れたことについてお伺いをいたしたいと思います。

○高木(美)委員 お答えいたします。

 まず初めに、このたび、この修正案が三党を中心とした協議で速やかにまとまりまして、また、我が党でも七月からPTを立ち上げ、行政の方、また県、市町村議員ともに多くの御意見を伺いながら盛り込んできた内容がほとんどその中に盛り込まれましたことに私は安堵をいたしております。関係者の皆様にまず心から感謝を申し上げるものでございます。

 御質問につきましては、国にこれまで原子力政策を推進してきた社会的な責任があるのは事実であり、今般の原子力災害による深刻かつ多大な被害を受けた福島の復興再生につきまして、国がそのような社会的責任を踏まえて可能な限り最大限の措置を講ずるのは当然のことであるというのが趣旨でございます。

 提出者といたしましては、原賠法による法的な賠償責任を負う東京電力とともに、国も、このような社会的責任を踏まえて、本法に基づく諸施策を迅速かつ確実に実施すべきであり、それによって一日も早い福島の復興再生が図られるよう、今後とも、国会審議等を通じて見守り、推進してまいりたいと考えております。

○平野(達)国務大臣 政府案におきましては、福島の復興再生は国が責任を持って推進すべきとの考え方に立ちまして、国は、原子力災害からの福島の復興及び再生に関する施策を総合的に策定し、継続的かつ迅速に実施する責務を有するとの規定を盛り込んでおります。

 当該規定は、これまで原子力政策を推進してきた国の社会的責任を認識した上で、それに基づく今後の責務として条文上盛り込んだものでありますけれども、修正案においては、この認識を一層明確にしていただいたものと考えております。

○石田(祝)委員 私は、この国の社会的責任というのを入れるときに思い出すことは、大分前になりますけれども、被爆者援護法という法律を、私たちが政権になる前、自民、社民、さきがけのときになさったんです。

 そのときに、私たちは、国の責任を入れるべきだ、こういうことを強く申し上げたんですが、残念ながらそれは入りませんで、国の責任において施策を実行する、こういう趣旨に変わったんですね。国がやる仕事は国が責任を持ってやるのが当たり前で、被爆者援護法ができる遠因となったものについて、国の責任ということをはっきりさすべきじゃなかったか。当時私たちは野党で、当時の自民、社民、さきがけ政権の被爆者援護法、できたことはよかったんですけれども。

 そういう過去の経緯もございまして、国の責任で政策を実行するということではなくて、第一条に、社会的責任、こういうことを明確に書くことに与党も御賛同いただいたことは、私は敬意を表したいな、このように思っております。

 それでは、続きまして提出者にお伺いしたいんですが、第二十六条の健康管理調査の内容に甲状腺がんを例示した、これは何か特別な理由がありますか。

○高木(美)委員 お答えいたします。

 チェルノブイリ原発事故後に明らかになった健康被害といたしまして、放射性沃素の内部被曝による小児の甲状腺がんがあります。福島県においても、子供の健康を長期的に見守るため、十八歳までを対象に、甲状腺検査を既に実施しております。

 今回、子供に対する甲状腺がんに関する検診を健康管理調査の例示として明記することによりまして、甲状腺がん検診が、国の技術的な助言、情報の提供その他の措置の対象となり得ることがより明確になり、福島県が現在行っている甲状腺がん検診の後押しになると考えております。

○石田(祝)委員 最後に、第六十八条に関してお伺いをいたしたいと思います。全ての改正項目をお聞きすることはできませんので、きょうは絞ってお聞きをいたしております。

 修正の前には、予算の範囲内で財政措置を講ずることができる、こういう表現が多かったんですけれども、この予算の範囲内というのをとって、財政措置を講ずるものとすると、ある意味でいえば、財政措置に対する関与を明確にできたのではないかと私は思いますが、この六十八条の一項の、国から県の基金への財政上の措置、これについて、大臣また提出者にお伺いをいたしたいと思います。

○平野(達)国務大臣 まず、財政上の措置についてでございますけれども、今、福島県民健康管理基金、福島県において造成されておりますけれども、これまで国は、健康管理事業を実施するための資金や除染のための資金を拠出してきております。

 今般の修正案が成立した際には、まずこれに基づきまして、この基金の状況についてフォローアップをするとともに、その状況を踏まえまして、必要となる資金の拠出を行うこととなると考えております。

○高木(美)委員 健康管理調査その他、原子力災害から子供を初めとする住民の健康を守るために福島県が設けた基金は、福島の住民の健康を守るために大変重要な役割を果たすものであり、十分な規模を保つ必要があるのは言うまでもありません。

 そこで、この基金の十分な規模を確保するため、新たに第六十八条を設け、その第一項におきまして、福島県が設けた基金に対して国が必要な財政上の措置を講ずべきことを規定したところでございます。

 具体的には、国が基金に対して補助金を出すなど、一定の金銭を拠出することを想定しております。

○石田(祝)委員 続きまして、第二項についてお伺いをいたしたいと思います。

 第二項は、これはもともとなかった項目でございまして、新たに挿入をした。これは、修正協議の中で、どうしてもこれは必要である、こういうことで入れることになりました。「福島県は、子どもをはじめとする住民が安心して暮らすことのできる生活環境の実現のための事業を行うときは、前項の福島県が設置する基金を活用することができる。」こういうことであります。

 大臣、お伺いをいたしたいと思いますが、これは、福島県が自分で判断をして健康に関して行う事業、これについて、政府がこういう事業はだめだよと言うことはないということでよろしいんですか。よろしいんですねと言った方がいいね。

○平野(達)国務大臣 まずは、今の基金、かなりの額を積んでおります、これをきちっと実施されること、この状況をしっかりフォローして見ていくことがまず大事だというふうに思っています。

 その上で、基金の状況を見ながら、国がその段階で必要だということであれば、また財源のために必要な予算の手当てをする、こういうことをしっかりやっていくことが大事だというふうに思っております。

○石田(祝)委員 私がお聞きしたのはそういうことじゃなくて、福島県が、要するに子供たちに帰ってきてもらいたい、たくさんの方が県外に出られているから帰ってほしい、そのために、健康で心配はないよと、いろいろな事業をやりたい。その事業に対して、これは国から見てなかなかオール・ジャパンでできない政策だなと思っても、福島県が判断をして基金を使うことに関して、大臣また政府が、だめだ、そういうことに使っちゃいけない、こういうことはないですねということを聞いているわけです。

○平野(達)国務大臣 基本的には、福島県の意思、地域の意思ということを尊重するのが基本だというふうに思います。

 ただ、今回、お金をどのような形で出すか、どのような使い方をするか、それによってやはり医療の根幹、制度にかかわる問題もあるねということで、福島といろいろ協議を重ねてきた経緯もございます。

 こういったことも踏まえて、いずれ、基本的にはやはりできるだけ福島県の意思を尊重する、この姿勢だけは国として持ち続けなければならないというふうに思っております。

○石田(祝)委員 九九%ぐらい、私の言っていることに御理解いただいたような気もいたしますが。

 最後に、時間もありませんので、ここのところ、どういう趣旨でこういう文言になったのか、当初はもうちょっと違っていたと思いますけれども、提出者のお気持ちをお述べいただきたいなと思います。

○高木(美)委員 第六十八条第二項の趣旨は、福島県が設ける基金について、その対象を拡大して、子供を初めとする住民が安心して暮らすことができる生活環境の実現のための事業にも活用できることを明記したものでございます。

 この事業といたしましては、例えば、住民が将来にわたって安心して暮らすためには、充実した医療を受ける機会を確保することが重要でございます。多くの子供たちが放射能被害の不安から県外流出しているという現状を踏まえれば、十八歳未満の子供たちについての医療費の助成なども含まれると考えております。

 そのほかにも、例えば、子供たちに、簡易線量計、ガラスバッジ、フィルムバッジ等の配付であるとか、ふくしまっ子体験活動、長期の休暇に放射線量の低い地域で思いっ切り運動するような活動、そしてまた公園、通学路の除染であるとか、恐らく、県がやりたい事業は多様なものが多くあるかと思います。

 しかしながら、私は、まず、子供たちが安心してここで暮らすためには、やはり十八歳未満の子供たちに対して、今、長期避難される方もいらっしゃいますし、また、福島にとどまって、この不安、恐怖と闘いながらそこで子育てをされているお母様またお子さん、そうした方たちに対する何らかの支援ということを考えますと、十八歳未満の子供たちについての医療費の助成というのは、国としてもしっかりと支援をすべきと考えます。

○石田(祝)委員 ありがとうございました。

 終わります。

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