「消費税引き上げ」「子育て新システム」について

2012.5.23

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

総理は、消費税の引き上げに政治生命をかけると何度もおっしゃっておりますが、国民の生活実感はそれとはほど遠いところにあるというのが私の実感でございます。置き去りになっているのではないか。

私が先日お会いした中年の女性の方は、つい先日、十八年勤めた会社をやめました。液晶ビジョンの企業が海外移転になり、その下請の仕事をしていらして、企業が倒産寸前になったので、悪いと思ってやめました。でも、国はどういう経済対策をやってくれているんですか、消費税を引き上げることですか、こんな厳しい経済の状況で、仕事がない、若者の雇用もない、民主党は、消費税は上げないと言って政権交代したのではないですかと、私に怒りをぶつけておっしゃっていました。

今の現場は、円高、デフレ、電力不足、そして電気料金の値上げ、雇用といった問題による悲鳴があふれているというのが状況と思います。

そういう中で、総理は、去る十一日、母校船橋高校での同窓会の挨拶の中で、社会保障と税の一体改革に関連して、社会保障費が一兆円ずつ膨らむという現状をエベレストを使って説明されました。一万円札を平積みにしていくと高さは一万メートルになり、エベレストよりも高い、一万円札は重さ一グラムだが、一兆円集めたら百トンになり、とても持てない、このようにおっしゃったそうですが、総理の表現をかりれば、今般の消費税増税はその十三倍になるわけです。このような例え話で済ませていいのか。そんな高さや重さで軽々に説明することではないと思います。

大きな、それだけの負担を国民の皆様にお願いすることの意味を総理はおわかりなのでしょうか。国民の生活実感がわかっていらっしゃらないのではないか。私は、先ほども、油のにおい、そして町のにおい、また企業の苦しみ、そうしたお声がありましたけれども、全く、そのようなにおい、また庶民の実感が官邸での総理の実感とかけ離れていると思います。国民の皆様に重い負担を課すことの意味を総理はおわかりなのでしょうか。

○野田内閣総理大臣 消費税引き上げだけに政治生命をかけているんじゃありません。

消費税の引き上げというのは、社会保障との一体改革の一環の中で、給付の部分と負担の部分、世代間の公平を図っていこう、特にその負担の部分は、現役世代中心では、これはもうずっと長続きしない。

そうすると、基幹税というのは、法人税、所得税、消費税があります。でも、所得税は、これはまさに現役世代中心です。法人税は、これは国際競争力との問題、関連があります。全ての世代が、社会保障というのはどなたもどこかでサービスを受けなければいけないものでありますので、全ての世代で支え合おう、そういう趣旨で御負担をお願いすることですので、これは、消費税引き上げのために、それだけのために私が鬼のようになっているんじゃなくて、社会保障という国民生活に直結した部分を充実、安定化させるために必要な措置としてお訴えをしているということはぜひ御理解をいただきたいと思います。

○高木(美)委員 私がなぜそのようなことを申し上げるかというと、三月三十日の総理の記者会見です。総理は財政の危機ばかり訴えていらっしゃいました。社会保障の危機が国民に伝わったかというと、ほとんど伝わっていない。そういう中で、肩車の話であるとか、また社会保障と税といいながら、むしろこうした社会保障の充実についての危機感が聞こえない。

ですから、国民の皆様は今、これからどうなるのか、どこまで行けば断崖絶壁なのか、そこを踏みとどまるために何がどこまで必要なのか、こうした説明をきちんとしてもらいたい。その上での、国民の皆様にお願いするかどうか、その話ではないかと私は思います。

ですから、官邸にいらして、その庶民の声が聞こえないんじゃないか、実感がわからないんじゃないかということは、私はむしろ、総理がそうした中に飛び込んでいって、そこで何人かの方をきちんと説得されればいいではありませんか。そうした例もほとんど聞こえない。むしろ、官邸にいて、財政の危機に洗脳されて、今総理は引き上げの鬼とおっしゃいましたけれども、私は引き上げの亡者ときょうは申し上げるつもりでおりました。そのようなぐらいに、国民の生活実感が、悲鳴が聞こえていないのではないか。

総理、もう一度、いかがですか。

○野田内閣総理大臣 私は庶民出身で、そこから政治家になりました。庶民感覚からかけ離れているとは思いません。確かに生活は、地元を離れて、今、官邸です、公邸に住んでいます。だけれども、その生活は基本的に変わっておりません。そして、私の応援団も特定の大きな力を持った人たちじゃありません。一人一人のまさに有為の、志を持ってお支えをいただいている人ばかりであって、これはみんな庶民です。そこからかけ離れた、その人たちを不幸にする、そんな政策実現をしようとは毛頭思っておりません。そこはぜひ御理解をいただきたいと思います。

○高木(美)委員 私がなぜこういう話を申し上げるかというと、先ほど申し上げたような電力不足の問題、また一時期は原油高でした、そうした一つ一つに対して、官邸が、また政治がきちんと応えてこなかったからです。

そこで、やはり一番現場で苦しんでいる方たちが、政治が遠い、しかも、そこのところは民主党政権だけではなく、自民党も、公明党も、国会にいる人たちは何を自分たちのためにやってくれているのかと。この怒りが、マグマが今大きくたまり始めている、またその怒りが今爆発寸前である、こういう実感をしております。

総理の今の御答弁はよくわかります。しかし、今、時々刻々と変わる皆様の苦しみ、悲しみ、ここを真っ正面から受けとめていこうという姿勢がなかったら、どんなに説明を尽くしても人には届かない、このように指摘をさせていただきたいと思います。

これから、一体改革関連七法案の中でも私が最も重要だと考えております子ども・子育て新システム法案について伺いたいと思います。

次世代をどう育てていくかは国家の重要事項であり、日本の将来を決定づける話だからでございます。待機児童問題など、その解決も喫緊の課題でございます。しかしながら、そのためにまず国民の皆様に重い負担もお願いしなければならない。そのことについて、総理の決意のほどをお聞かせください。

○野田内閣総理大臣 先ほど申し上げたところで、社会保障の安定化と充実のために消費税の引き上げを国民の皆様にお願いいたします。その中で、高木委員が一番関心のある、まさに人生の前半の社会保障にかかわる子育ての部分、ここは充実の分野として位置づけさせていただいております。

これまでは、社会保障の中でも、いわゆる高齢者三経費、こちらに消費税を充当するということは予算総則で定めておりました。しかし、社会保障を持続可能なものにするためには、負担の面で現役世代中心のものから変えていくということだけではなくて、給付の面でも、高齢者の給付、これも安定性がなければいけないと思いますが、それ以上に、子育ての部分、人生前半の部分にスポットライトを当てて若い人たちも社会保障の恩恵を実感できるようにする、こういうことを改革の柱に掲げている。

その中に、この後は厚労大臣中心に御説明があると思いますが、子ども・子育て新システムを位置づけているということでございますので、この分野については高木先生もずっと取り組んでこられたことでございますので、きょうは、具体的なやりとりの中で理解が深まればというふうに思います。

○高木(美)委員 今、総理はできる限りこの後は厚労大臣にというお話がありましたが、実は民主党政権になられて少子化担当大臣は九人目でいらっしゃいます。くるくるかわっていらっしゃる。

私は、そういう意味では、大事な次の世代をどうしていくか、国を支える大事な若者また子供たちの育成については、やはり総理がリーダーシップをとって進めていかれるべき課題であると思っております。総理の決意のほども伺いながら、また内容についても総理がどのようにお考えなのか伺わせていただきながら、できる限り総理とやりとりをさせていただきたいと思っております。

まず、この新システム導入につきまして、そもそも整備のおくれていた保育サービスにつきまして、親の働き方にかかわらず必要な方全てが保育を受けられるよう、その質を確保しながら量の拡大を図っていくという保育制度改革の検討につきましては、自公政権時代からスタートをしたところでございます。

平成二十一年二月、政権交代の直前ですが、社会保障審議会少子化対策特別部会の第一次報告がまとまりまして、いよいよ専門委員会での細部の検討、そして法案づくりという段階で政権交代となりました。したがって、具体的な法整備は民主党政権に委ねられたわけでございます。ようやく関連法案が提出をされました。

という経緯から、よく、自公政権がやってきた、自公政権のときにつくったのと中身はほとんど同じというふうにおっしゃいますが、二十一年二月の第一次報告は、保育を中心に議論の中間的な取りまとめ、あくまでも中間的な取りまとめという位置づけであって、自公では議論していないということを私はあえて申し上げさせていただきたいと思います。

この法案の中身は、賛否両論あります。関係者からさまざまな課題や意見が寄せられております。団体も、議論が真っ二つです。また、保育の分野以外でもさまざまな課題もある。そういう中で、安心して子供を産み育てられる総合的な環境整備に国を挙げて取り組む必要もあります。

私は、もともと、この子育て支援は、一つは経済的負担の軽減、二つ目にはワーク・ライフ・バランスなどの子育てしやすい環境整備、この二つが車の両輪ということで、どちらか片方欠けても前にうまく進まない、これは我が党もずっと主張してきたことでございます。特に、非正規労働がふえている現在につきましては、両親の雇用というこの支援も、今必要なときと思います。このように、バランスが大事ということです。

公明党は、結党以来、未来の宝である子供たちのために、その支援の充実に取り組んでまいりました。

少し紹介をさせていただきたいと思いますが、一つは、経済的負担の軽減といたしまして、教科書の無償配付を実施しましたのは昭和四十四年のことになります。また、児童手当につきましては、昭和四十七年に創設をし、以来、拡充をしてまいりました。きょうは、あえて子ども手当のことは申しません。乳幼児医療費の軽減、また、出産育児一時金の拡充、これも四十二万円まで拡充をし、また、妊婦健診の公費助成を拡大して、十四回まで基礎健診部分につきましては無償にいたしました。また、奨学金の拡充などです。挙げれば枚挙にいとまがありません。

また、子育てしやすい環境整備につきましても、育児・介護休業制度の拡充、今、育休も一年までになりました。また、育休が明けて支給されていたその育休手当を途中に欲しいというお声をいただきまして、休業中に受け取れるというふうにも変えさせていただきました。今また、パパ・ママ育休プラスという制度も始まっております。放課後児童クラブ、地域子育て支援拠点、安心こども基金の創設、また、児童虐待防止法や次世代育成支援対策推進法等々、バランスよくやってきたわけでございます。

しかしながら、まず、今回の法案は、最初に申し上げた、さまざまな育児、そしてまた保育、教育といった内容はありますが、ワーク・ライフ・バランスが入っていないというふうに私は認識をしております。これにつきましては、後でまた申し述べたいと思います。

この保育、幼児教育につきましては、今厳しい課題が多くございます。ここに今取り組んで、若い世代に少しでも安心していただかなければならないと思います。限られた財源の中で、何を優先して、どこから始めるかということですけれども、大事なことは、どこまでも子供たちの幸福のために、そして利用者の視点に立って、この新システム導入の可否を検討してまいりたいと思っております。

そこで、まず、総理にお伺いしたいと思います。

この我が国の子育て支援策につきまして、現状をどのように認識され、今何に取り組むべきとお考えか、お聞きしたいと思います。

○中野委員長 基本的なことのようですから、厚生労働大臣、まず答えて。

足らざるは、また総理にお尋ねください。

○小宮山国務大臣 高木委員、そして御党がこれまで子供たちのためにいろいろと取り組んでこられたことには、心から敬意を表したいと思います。

おっしゃいますように、子ども・子育てを支援するには、経済的な支援、そして今提出させていただいている就学前の居場所をちゃんとするということ、さらにワーク・ライフ・バランス、そして虐待防止とか小児医療など、総合的にパッケージとしてやる必要があるというふうに思っています。

これまでに実現をされているもの、ただ、その中で、今いろいろと働き方が変わったり家族の状況が変わって、新しく、本当に、子供中心に私どももずっと考えてまいりました。その中で、やはり今までのいろいろとやってきたことをシステムとして、全体に、財源を一元化するとか、所管を縦割りでなくするとか、そういう改革が必要だと私どもは思ってやってまいりましたので、子供のことを中心に考えるというところは意見が一致すると思いますし、また、財源をそこに充てるということも御支援いただけると思いますので、ぜひ、論点を詰めながら、よりよい子供たちのための政策を実現したいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。

○野田内閣総理大臣 私も息子が二人います。過去をさかのぼってみると、一番感動的だったのは、一歳になるかならないかくらいのときに、はいはいしていたのに突然立ち上がろうとし始める、その場面でした。おじいちゃん、おばあちゃんが教えるわけでもありません、お父さん、お母さんが教えるわけでもないんだけれども、本能的に子供は立ち上がろう、立ち上がろうと、痛い思いをしても何回も繰り返す。それを見ていて、子供は本来伸びよう、伸びようとしているんだと思いました。ずうっと寝ていた方が楽だという赤ちゃんはいないんです。立ち上がろうとする、伸びようとしている。その伸びよう、伸びようとしている芽を幼児期の早い段階からしっかりとした教育と保育で伸ばしていくということをやることは、私は国として大事だというふうに思います。

そのやり方、方法論はいろいろあるかもしれませんが、残念ながら、先ほどの答弁でも申し上げたとおり、社会保障の対象がどうしても高齢者への給付中心になっておりました。この分野にもっとスポットライトを当てて、現物、現金、両方あるかもしれません、そういう給付をふやしながら子育ての環境整備をしっかりとやっていって、その伸びよう、伸びようとしている芽を幼児期の段階からしっかり受けとめて伸ばしていくということが大事ではないかというふうに思います。

○高木(美)委員 若いお母様、または利用者の方たちの今のその苦しみ、今の悩み、どういうところにあると思われますか、総理は。

○小宮山国務大臣 ずっと党の中でもつくってまいりましたし、このシステムも、ずっと副大臣としてほとんどその議論の場にいましたので、私の方からまずお答えをさせていただきたいと思います。

今の若いお母さんたちは、やはり……(発言する者あり)はい、短くします。子供を実は二人持ちたいと思っている方が非常に多いんですね。けれども、今家族が本当に小さくなって、東京などでは二人を切っているということ。だから、自助が、もちろん自分で育てるのは大事ですが、やはり社会からの手助けということも必要。その中で、都市部では保育園に入りたくても入れない、今度は、地方に行くと、子供が少な過ぎて幼稚園、保育所が単独で成り立たない。

そういう中で、本当は自分の力を生かして働きたいと思っている方がたくさんいらっしゃるのに、子供を預ける場所がない。そういうことに対して、いろいろなニーズに応えられるような仕組みをつくること、それを非常に求めていらっしゃるということは、私も全国を歩いて、いろいろなお子さんたちをお持ちのお母様からもお話を伺って、そのように感じているところです。

○高木(美)委員 これは感じ方なんでしょうけれども、私は、今の総理、大臣の御答弁を伺いながら、ちょっと甘いのではないかなという、そんな実感があります。

押しなべて言うとそういう表現になるかもしれませんけれども、継続就労したい、働きたい、そういう女性を支援するためには、今現状がどうかというと、やはりまず待機児童なんですね。どうしても、育休がとりたいけれども育休もとれない、またそして、行きたい保育所に預けられないから、したがって育休明けといっても困る、そういう話もあります。

また、今、保活という言葉があるんです。保育所に入るために活動する。就活、婚活、今、保活の時代に入りました。そのように、保育所に入るには、今、市町村の審査基準というのがあります。それがポイント制で行われるために、ポイントの実績をつくるために、育休中であっても、わざわざあえて無認可の保育ママさんとかそういうところに預けるんです。そして、実績をつくって、育休明けに間に合うように何とか保育所に入れてもらう、こういうことを今必死で、出産した後もやっているわけです。

そういう中も、保育所に入れないという悲鳴を多く伺っています。御主人が夜勤の方については、昼間家にいるから御主人に見てもらえばいいじゃないか、なかなか区が入っていいというふうに認定してくれなかった、そういう怒りのお声も伺っております。

私は、やはり、そういう中にありまして、今回のこの新システムが果たしてそれだけの疑問に応えられるものなのかどうか、その点もまたこれから説明をさせていただきたいと思います。

先ほど総理は、幼児教育の重要性につきまして、子供の、伸びよう、その力を国が、またさまざまな周りの方たちが支えていくのが重要であるというお話をされました。私は、それは大変大事なポイントであると思っております。

これはある識者の方ですが、幼児教育は小学校以降の教育の基礎を形成するものである、今の子供の遊びや生活の充実の中から将来に向けての芽生えを育てる、小学校教育を先取りして早期教育を行うのではなく、幼児期にふさわしい教育を行うところで、その中に小学校に向けての力を伸ばしていく芽生えが育っていくのである。まさに、子供が育つのを支援していく、こういう姿勢が大事で、前に立ちはだかって引っ張り上げる、そういうものではないと私は思います。あくまでも教育の目的は子供の幸福のためにある、これが大事だと思っております。

そこで、まず、認定こども園の評価と課題につきまして伺わせていただきます。

今ありましたように、この子ども・子育て、大事な課題であるということで、今、第一歩として、各国は幼児教育に戦略的、重点的に取り組んでおります。

我々は自公政権時代、就学前の子供に幼児教育、保育を提供する機能を持つ認定こども園をつくりまして、地域の実情に応じた子育て支援の充実を図ってまいりました。四月現在で九百十一カ所。しかも、その中身を、利用されている保護者の方たちの八割が評価をされまして、約九割がそれをさらに推進してほしい、このようにアンケートで答えていらっしゃいます。

まず、総理は、認定こども園についてどのように評価され、その課題についてどのように認識されていますでしょうか。

○岡田国務大臣 認定こども園、私も先般、ある認定こども園にお邪魔をして子供たちと遊んで、その後、経営者の皆さんのお話も聞いたわけです。今九百十一ぐらいまでふえてきたということで、非常に有効な試みだというふうに思います。保護者の評価も高い。

ただ、経営者の方がこう言われました。今の制度のもとでは、子供たちに幼稚園と保育園、この子は幼稚園、この子は保育園ということでそれぞれ決まっていて、そして、必要な補助金を求めるときにも教育委員会と市町村ということで分かれる、そういう意味では非常に手間がかかる部分がある、そういうところをもう少し合理的にできないか、そういうお話をいただいたところでございます。

私は、方向性は非常に正しい方向だというふうに思いますが、そういった、より改良するという観点で、我々は総合こども園ということをお願いしているところでございます。

○高木(美)委員 この検証につきまして、二十一年に行われました。そこでは、一つは財政支援がついていけなかったこと、もう一つは、今、岡田大臣がおっしゃった、文科、厚労という省庁の壁を取り払えなかったという、この二つが大きな課題であったと伺っております。

そこで、まず、今も認定こども園の事業者の方からというお話ありましたが、私も何カ所か認定こども園に視察も参りました。そこでやはり成功している例は、もう御自分たちで現場で、文化の融合と言いながら、文科、厚労の壁を取り払って、そしてその地域ならではの行き方をしている、ここが成功しているというふうに思います。

ところが、まず一つ、この財政支援について、これは総理にお伺いさせていただきます。

まず、この検証の課題の一つの予算につきまして、総理は、この新システムにつきまして、先般、五月十日の本会議におきまして答弁をされました。もともと約一兆円必要というふうにおっしゃっていらっしゃいます。消費税から七千億、残りの三千億をどうするのか、こうした質問に対しまして、「今後、さまざまな政策の見直しを行う中で、さらに財源確保について検討を行っていくことにしており、政府として、財源確保のため、最大限努力をしてまいりたいと考えております。」。「最大限努力」です。どういうめどを総理はお持ちなんでしょうか。

もともと、こども園給付、今回新たに提案されておりますけれども、これまでのシステムは、さまざまな補助金がいろいろなところから入ってきています。したがって、これから給付の目安もどういうふうになっていくのか、高いところに張りついていくのか、それとも給付が低い方になってしまうのか、ここすらもまだめどが立っていない。これも財源確保次第という話になってしまうのでは、私は、この新システム、入り口から議論もとても成り立たない、そのように思うわけでございます。どのように確保されるおつもりでしょうか。

○岡田国務大臣 実は、この答弁、私も、自分でもやりながら、何と不十分な答弁かというふうに思っておりました。つまり、具体的なことが何も述べられていないわけで。しかし、七千億という新たな財源がプラスされることは事実であります。それにあとプラス三千億ということになるわけですので、ここはいろいろと協議させていただきながら、具体的にどこからどういう形で持っていくかということのめどをつけさせていただくことは、私は十分可能だというふうに思っております。

ただ、いずれにしても、〇・七兆、七千億というのがプラスアルファであるということは申し上げておきたいと思います。

○野田内閣総理大臣 今の副総理の答弁以上のことはなかなか申し上げるのは困難ですが、七千億はこの社会保障の充実という中で位置づけてしっかりとふやさせていただきますが、残りの三千億については、これからのまさに努力の中で編み出していきたいと考えております。

○高木(美)委員 今おっしゃる三千億が、頭の中で十六・八兆円というのとつい重なってしまいますけれども。

いずれにいたしましても、何をどういう優先順位でやっていくのかということすらはっきりしていない、ざっくりしている。三千億プラスするのであれば、どのような使い道になるのかというところも詰められていないということがよくわかりました。

続きまして、もう一つの課題の、省庁の壁をどう取り払うかという話でございます。

今回、総合こども園ということで、いろいろ類型が立ちました。今般の新システムでは、総合こども園の創設が柱になっていますけれども、当初の、幼保一体化と民主党さんがマニフェストに掲げていた内容とは異なりまして、既存の幼稚園などを残す、ブランド幼稚園は残ってもいいとか、こういう形になりました。しかも、その移行期間も、保育所については、私立は三年、公立は十年。この差は何ですか。ここから不公平感が広がってもいるわけでございます。

しかも、類型も五類型。その内訳は、幼稚園、総合こども園、乳児保育所、そして基準を満たした認可外、また指定を受けない幼稚園。大変複雑になりまして、私は、これは一体化どころか、多元化といいますか、そうした類型になってしまったと思っております。

しかも、この所轄官庁は、文科省と厚労省に加えまして内閣府が加わり、三元行政となります。

先ほど岡田大臣おっしゃったように、文科、厚労が入り組んだ認定こども園のときも、それを必死で整理をしながら、例えばキャベツを一つ買った、これは文科省分、厚労省分、どういうふうに経理をしていくか、そこから始まったのが認定こども園の状況でございました。ですから、ここがきちんと一元化できなければ、今までの、利用者の方たちがいいとおっしゃっている認定こども園、しかしながらまだまだこうした課題がある、そこのところ、全く課題を残したまま総合こども園、これは私はあり得ないと思っております。

したがいまして、そもそも民主党は、子ども家庭省ということを提案していらしたわけでございます。将来の一元化に向けたその方向性もよく見えません。我が国の保育また幼児教育はどうあるべきかという政府のビジョン、そして改革への決意が伝わってきません。このままでは、むしろ、こうした消費税を引き上げたいためにこの子ども・子育てをこの際のせて、そして、これであればどの党も賛成するだろうから、こういう意図があったと言われても、それは否定し切れないと私は思ってしまいます。

なぜこのような中途半端な形になったのか、お伺いをしたいと思います。これは、総理、御答弁をお願いいたします。総理が責任でございます。

○中野委員長 立ち上がっていますので、小宮山厚生労働大臣。(高木(美)委員「いやいや、立ち上がっていらしても、これは総理の責任です」と呼ぶ)後ほど、総理。

○小宮山国務大臣 総理に後で答えていただきますが、この制度をつくったのは私でございますので、私からまず答えさせていただきたいと思います。

子ども家庭省は将来つくりたいと思っています。省庁再編に先駆けてつくりたいと思っています。

ただ、現在つくれない中で、内閣府の中に本部をつくって、そこでなるべくインセンティブをかけて総合こども園になっていただきたいと思いますが、そこと、あと、経過の間、それからまたその後も一部残る幼稚園、保育所の厚労省、文科省の担当者も併任をかけますので、所管は必ずこれは一元化をされます。その中で、先ほどおっしゃった認定こども園の二元行政というところは解消されますので、これは、認定こども園の経験も十分ワーキングチームで伺って、そこの課題を解消するということも大きな狙いの中でやっておりますので、今、認定こども園をやっていらっしゃる方からは大変評価をされている仕組みでございます。

そういう形の中で、当面何元化もするように見えますけれども、将来は総合こども園になるべく統合していくように、御負担いただく消費税で、そこの配置基準とか職員の処遇とか、それから今、幼稚園も七五%預かり保育をしている、そこに対してしっかりと財政支援をするとか、なるべく多くのところでやっていただけるようにいたしますので、そういう意味では、地域でニーズ調査をして、ちゃんと受け皿をつくるという意味で、今までよりも、どこの地域の子供たちにとってもよい仕組みができると思っています。

○野田内閣総理大臣 認定こども園を基本的には私どもは評価をしているということ、これは前提であります。

先ほどの副総理のお話もあったとおり、これは、事業者の皆さん、あるいは利用されている保護者の皆さんの評価が高いと思います。その上で、二重行政の問題とか、あるいは財政支援の問題等の課題もありますので、そういうものを解消させながら発展をさせていきたいというのが総合こども園の考え方です。

内容については厚労大臣からございましたが、総合こども園を含むこの新システムの議論というのは一昨年の六月からやってまいりました。一昨年の六月から一年半、三十五回にわたって、ワーキングチームをつくって、いろいろな関係者の皆さんの声を集めて、そしてこういう形の新システムをつくったわけですので、先ほど委員から、消費税引き上げのために何となく便宜的に使っているんじゃないかということではなくて、この一年半の、まさにこれからの子ども・子育てをどうするかという丁寧な議論を踏まえているということは、これは御理解いただきたいと思います。

○高木(美)委員 申しわけありません、丁寧な議論とおっしゃる割には雑な仕上がりになっていると申し上げさせていただきます。

ですから、賛否両論真っ二つなんですよ、総理。例えば、ここはいいとおっしゃっても、ほかのところはだめ、また、同じ団体でも、半分はいい、こっちはだめ、もう本当にいろいろなんです。しかも、その中身もまだはっきり詰まっていない、よくわからないということから、皆さんは本当に不安を抱えていらっしゃいます。先日私が伺った認定こども園の方たちも同じ状況でございました。しかも、多くの注文もいただきました。

私は、この認定こども園、先ほど来、一元化ということを申し上げてまいりましたけれども、文科、厚労の、この行政の一元化というのは、例えば、認定こども園の延長に総合こども園がある、だったら、認定こども園のまんま、今の欠点をそのまま全部克服をして進めていってもいいはずでございますし、そう考えますと、これは最終的にはどこに決着をつけていくか、それぞれ私たちも今、我が党として検討をさせていただいているところでございます。

いずれにしても、この行政の一元化というのは不可欠です。子供たちのためにどうしていくのか。したがって、私は、あえてきょう総理に提案をさせていただきますが、二年をめどに子供行政のあり方を検証しまして、その結果を踏まえて、省庁再編を含めて新たな体制について検討することも必要ではないかと思います。

現場には、三年、十年で移れ。三年と言われたところはたまらないです。どうせやるんだったら、全部一緒に三年、これが普通だと思います。したがって、下はそういうふうに、現場ではいろいろな年限を課しながら移れとおっしゃる、でも上はばらばら。それでは一体化とはとても言えない、国の責任を果たしているとは言えないと思います。

したがいまして、この検証をしっかり行いまして検討をしていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。

○岡田国務大臣 委員の御心配もよくわかります。ですから、これはまずしっかり検証をする必要があると思います。しかし、それを二年も三年もかけて検証するということではなくて、やはり、この法案を今御提案して、審議していただいているわけですから、まずそこでしっかり御審議いただき、そして、我々も誠意を持って御説明をさらに重ねさせていただきますので、この法案が採決されるまでにそういった作業をぜひ終えさせていただきたい。

もちろん、それで解決のできない問題が出てくれば、それはそのときにまた協議させていただきたいと思いますが、現場、なるべく混乱がないようにというふうに思っておりますので、やはり今のような、省庁、文科省と厚労省ということで二本立てになっているという状況を早く改善する必要はありますので、ぜひそこは協議をしていただきたいというふうに思います。

○高木(美)委員 済みません。総理に明快な答弁を求めます。

この子供行政のあり方について、二年をめどに、省庁再編を含めて新たな体制をおつくりになるおつもりがおありかどうか、その検討を開始されるかどうか、はっきりとお答えをお願いいたします。

○野田内閣総理大臣 今回提出をしている法案については、さっき申し上げたとおり、約一年半かけて多くのいろいろな方の御意見を集約しながら出した法案でございますので、その法案を踏まえて、検証的にチェックをしていただいて御議論していただくことが大事だと思います。

その上で、例えば組織の問題、体制の問題等については、これは引き続き協議する場面はあると思いますので、御提起については真摯に受けとめたいと思います。

○高木(美)委員 それは、済みません、大事なことですので、やるということで、総理、よろしいんですね。

○野田内閣総理大臣 子ども家庭省というのは、もともと私どもの主張として申し上げておりました。ただ、これは、子ども家庭省だけつくるんじゃなくて、全体の省庁再編の議論もあると思いますので、そういう包括的な視点の中での検討を進めさせていただきたいと思います。

○高木(美)委員 今おっしゃった総理の御答弁では、何年先になるかわかりません。それはむしろ今着手しなければ、恐らく、これからまた政権もどうなるかわかりません。

したがいまして、やはりこれだけの法案をお出しになるのであれば、また、それぞれの今やっていらっしゃる事業者の方たちに移行するということをお願いされるのであれば、国としてもちゃんと一元化をします、そのためにちゃんと検討を始めます、ここが一番の大もとではないかと思いますけれども、総理、これはきちんとやっていただきたいと思います。

もう一度、いかがですか。

○岡田国務大臣 私、行革担当で、今、行革についてのいろいろな構想を練っているところです。その中で、省庁についても見直しを考えているところでございます。

これはそう何年もかける話ではなくて、議論をしているところですが、そういう中で、子ども家庭省、まあ、子供の問題というのは国にとって非常に基本的な、重要な問題ですから、我々も従来から子ども家庭省をつくるということをうたっているわけですし、そこはそういう方向性を持ってしっかり議論していきたいというふうに思います。

○高木(美)委員 新システムの導入が待機児童の解消につながるのかということを伺わせていただきます。

利用者の方の不安のお声は大きいものがあります。この新システムになりますと、利用者にとってどう変わるかといいますと、市町村にまず利用を申し込みます。市町村がそのお子さんについての支給認定を行います。それをもって、利用者は受け入れてくれる施設を探すわけです。そして、その施設と直接契約を結ぶ、これが状況となっております。

しかし、今回の制度改正における最大の変更点の一つは、今までも議論になっておりますが、児童福祉法第二十四条の市町村の実施義務を外す、そして責務になるということでございます。

若い方たちからも多くのお声をいただいておりますが、それでは産後間もないときから子供を入所させる保育所を探さなければいけないのか、そこで受け入れてもらえなければ、自分でまた次々と行かなきゃいけないのか、生まれたての赤ちゃんを抱えてどうするのか、もう悲鳴です。また、障害を持つお子さんが必要なケアを受けられる施設に本当に入れるのか、また、こども園の類型がばらばらだけれども、どうやって施設を選んでいいか本当に不安だ、こうした不安、疑問は多くあります。

まず、待機児童数の把握ですけれども、これも、市町村の実施義務があるので、今まではほぼできておりました、そこで面倒を見るという形で抱えるわけですから。でも、これが今後できなくなるのではないかということを一番私も心配をしております。いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 今回、市町村が潜在的なものも含めてニーズ調査をいたします。そのニーズを調査して、それだけの計画をつくって仕組みをつくるという責務をかけます。

今回、児童福祉法の二十四条、これは今まで保育に欠ける子を対象にしていましたけれども、今回は必要な子をみんなということなので、仕組みを変えます。でも、そこは市町村に責務をかけますので、それで、保護者の方が走り回らなくていいように情報を提供し、また、必要な場合にはあっせんもいたしますし、虐待などがある場合には、そこにちゃんと要請もかけるというような仕組みもちゃんとしているところでございます。

先ほど委員がおっしゃったように、今までは、必要があってもキャパシティーを超えたときにはそこを受け付けない、そういう裁量の行政が行われてきたということがありますが、今回、市町村が主体になって、みずから調査をして受け皿をつくりますので、そのことによって待機児が一つ解消する。

それから、この後御議論になると思いますが、指定できちんとした基準を満たしたところはNPOとか株式会社も入るので、参入するところが多くなって、そこでまた待機児を受け取る施設がふえるということ、また、総合こども園の中で、幼稚園は三割あきがございますので、インセンティブをかけてそこで受け取ってもらうということ、また、小規模な保育、家庭的保育もその基準を満たせば財政支援をいたしますので、いろいろな意味で今までより待機児童は確実に解消できると考えています。

○高木(美)委員 まず、先ほどお話ありました需要の把握、もう市町村はできないと言っています。特に、待機児童が多くて、それでどうやってニーズの調査をするんですか。例えば、保育所をその地域につくれば、今、結婚される若い方たちは切実な問題ですから、きょうも若い女性の公務員の方たちが働いていらっしゃいますけれども、切実ですから、どこに住めばどういう保育所を用意できる、もう結婚するときから、住む場所を決めるときから選んでその地域に行かれるんです。それくらいにしなければ継続就労なんかできない、これが今の厳しい現状です。

したがって、この潜在的な需要の把握なんというのは、つくれば、また移転をしていらっしゃいます。そしてまた、その方たちも面倒を見る。ですから、今、つくってもつくっても、どこまでやっていいかわからないというのが市町村の状況なんです。

ですから、この需要調査、しかもこの計画は五年、私は五年なんというのはとんでもない話だと思っておりまして、市町村からは、本当にこれは無駄じゃないか、もうやめてもらいたい、そういう強いお声をいただいております。

また、待機児童のいないところの市町村からも、こういう計画は本当に必要なのか、自分たちのところはもう満ち足りている、それなのにまた支給認定を全員を相手にやるのか、そしてまた計画までつくるのか、やめてもらいたい、今、人員削減で窓口は大変なんだ、四月だけの事業でも、それでもいろいろな方に臨時雇用で来ていただいてやっと賄っている、そういう状況なのに、果たしてそういう現状をわかってそういうことをやっているのか、こういうお話でございます。

したがいまして、いろいろまた御答弁はあられるところだと思いますけれども、私は、こういう現場の声を伺いますと、まずこの潜在需要をきちんと把握すること自体、至難のわざであると思います。その入り口が崩れれば、そこの市町村は、では、どうしていけばいいのか、全く現場と合わない話ではないかなと私は思います。

したがいまして、市町村の実施義務については、私はこれは外すべきではないと考えている一人でございます。

もう一つ確認をさせていただきたいんですが、保護者の就労状況、疾病などによって保育が必要な子供、これを私は、必要な子供に変えることは必要だとずっと考えておりました。そのお子さんたちは市町村が抱えて面倒を見てきたわけです。障害を持つお子さんたちが、果たしてこの新システムになって、こうした直接契約のシステムになって、必要なケアを受けることができなくなるのではないか。

当然、拒否する正当な理由ということも法文の中に書かれております。中身を聞きましたら、正当な理由というのは、一つは定員が既にオーバーしている、そしてまた専門的な職員であるとか施設がない、こうした場合には断ることができる。でも、そのお子さんたちはほかのどこに行けばいいのか、一番困っていらっしゃるそうした方たちが路頭に迷うだけではないのか、こうした懸念を強く持つからでございます。

総理、今のやりとりを聞かれていて、どのようにお思いでしょうか。

○小宮山国務大臣 そういう特別なニーズのある子供につきましては、これは市町村の方が情報を提供し、あっせんをする、さらに必要度の高い方は要請をしてちゃんと受け入れてもらう、そういうようなこともとろうとしておりますので、そういう意味では、そうした皆さんがそういう特別な事情のあるお子さんを抱えてあちこち回らなければいけないという仕組みにはならないようにしたいというふうに思っています。

○高木(美)委員 今でも厳しい現状であるということをあえて申し上げさせていただきます。

次に、保育士の処遇改善について伺わせていただきたいと思います。

まず、これも総理にお伺いしたいんですが、保育の質というのは何をもって確保をされるおつもりでしょうか。実は、今回の新システムのさまざまな議論の中で、また今回の法案の中で、質についての、例えば保育と幼児教育と、質の高い両方を提供するとは書かれておりますけれども、では、質はどうやって担保をしていくのか、その具体的な中身のところが見えません。そこはどのようにお考えでしょうか。

○小宮山国務大臣 保育の質を上げるためには、今回、消費税をお願いができれば、そこで量と質と両方と思っておりますので、かなり施設の数がふえれば、見ていただく方もしっかり確保しなければいけない。そういう意味で、処遇を改善すること、さらに、キャリアアップできるように研修などの機会を持つこと、そういうためには、今、資格を持っても実際になられていない潜在保育士さんというのがたくさんいらっしゃるので、そういう方たちがなれるようにすることですとか、今回は、五年間に限ってですけれども、認可保育所でやっていらした方も試験が受けられるようにするなど、その間口を広げることと処遇の改善、キャリアアップということにしっかり取り組みたいと思っています。

○高木(美)委員 私も今回の法案の中で唯一これは絶対入れなければいけないと思ったのは、地域型保育の位置づけでございます。恐らく、ここのところはそれほど異論のないところではないかと思います。我が党もずっとこの政策を打ち、保育ママであるとか、また、この中には放課後児童とかさまざまなものが入れられておりますけれども、これも推進をしてまいりました。

ただ、それをやるには保育士が足りません。しかも、その足りない原因というのは、一つは平均賃金にあります。

これをごらんいただきたいんですが、保育士、平均給与額二十二・〇万円と書いてあるのですが、実は、ここの中にはさまざまな手当が入っています。基本給、職務手当それから精皆勤手当、家族手当、全部含まれて二十二・〇万円。これは、下をごらんいただきたいんですが、福祉施設の介護員、ヘルパー、この方たちとほとんど変わりません。

しかし、この保育士という数字の中には、公立保育所、私立保育所、それから認可外、こういうところの細かいデータというのは、実はまだ私はいただいておりません。ぜひこれを出していただきたいと重ねてお願いをするものですが、恐らく、公立保育所は公務員ですので、平均給与も高いものが当然あると思います。しかし、恐らく認可外においては低い給与かと思います。それを全部ならして二十二万円ですから、この状況がいかに厳しいかということをぜひ私はお知りいただきたいと思うんです。

有資格者であるにもかかわらず、全職種の三十二・四万円、この平均以下の賃金で働かざるを得ない。これも、平均賃金はまだ数字的には介護と並ぶ数字ですが、実は、パートになりますと本当に低いです。これは、全職種平均では時給九百八十八円、保育では九百八十二円です。これが幼稚園になりますと九百九十九円という状況でございますが、ほとんど変わりません。

したがいまして、これは、新システムがどうなるかにかかわらず、介護士と同様、保育士の処遇改善、大至急やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 それは、今回の消費税を増税した中で処遇改善にも取り組みたいと思っていますので、そこは全力を挙げてやりたいと思います。

一つ訂正させていただきたいんですが、先ほど、認可外の人たちの受験資格五年と申しましたが、これは五年という期限をつけておりません。今年度からできるようになる。五年というのは、今、若い方は両方の免許を持っていますけれども、片方しか持っていない方がもう一方の幼稚園の教諭あるいは保育士の免状を取るのを五年に限って認めるということで、とにかく幅を広げていきたいということは思っております。

○高木(美)委員 恐らく、七千億の中にはこの数字は入っていなかったと思います。ですので、消費税が引き上げられた暁には処遇改善できるという保証は何もないと思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山国務大臣 キャリアアップとか研修ということは七千億の中に入れていると思います。質を改善するためには私も必ずここは上げなきゃいけないと思っておりますので、先ほどの財源確保ということも含めまして、そこは全力を挙げて財源を確保していくようにしたいと思います。

○高木(美)委員 済みません、役所からいただいた紙の中で、約〇・三兆円、ここは、職員配置基準の改善を初めとする保育等の質の改善のための費用。ですから、当然、質の改善として想定されている体制強化とか、それからまたさまざまな研修であるとか、こうしたことは盛り込まれておりますけれども、いずれにしても、七千億の中の三千億、この中に処遇改善、給与を引き上げるということは入っていないと思います。

もし入っているのでしたら、明快な答弁をお願いしたいと思います。また、入っているとおっしゃるのであれば、どの程度引き上げるおつもりなのか、数字をはっきりとお示しください。

○小宮山国務大臣 これは先ほど申し上げたように、その七千億プラス三千億の一兆を超える予算を確保する中に項目として盛り込んでございまして、職員の定着、確保を図るために、キャリアアップの仕組みとあわせた処遇の改善の仕組みを入れるということをこの中に入れてございますので、先ほど私が答弁したとおり、先ほど総理、副総理もお話をしたように、全力を挙げてその財源を確保して処遇改善に取り組みたいと思います。

○高木(美)委員 保育士の不足は本当にこれから深刻になります。恐らく、企業等が参入主体とか、これも撤退規制とか、もっともっと基準を考えていかなければいけないと思っておりますが、需給見込みでは、平成二十六年度末四十万九千人必要、二十九年度では四十六万人が必要と推計されております。ところが、この二十九年度末、今から五年後になりますけれども、七万四千人が不足するという状況です。

当然、処遇が低ければ、給与が低ければ入ってこれないわけです。本来は、若者の雇用とか、またそうした支援という話であれば当然こうした、若者が今担ってくれている介護とかそれからまた保育とか、こうしたところにもっときちんと基金を積んで処遇改善を図るとか、こうしたことが私は急務ではないかと思います。

これだけの多くの方たち、先ほど大臣からはキャリアパスのモデルを提示するとか、能力の高い経験豊かな保育士の支援を通じて保育の質を充実させたいとか、そうしたお話がございましたけれども、人材の確保がなかったら、新システムで地域型保育まで大きく位置づけするといっても、絵に描いた餅になってしまうではありませんか。

これが入り口なんです。ですから、この人材の確保、総力を挙げてお願いしたいと思います。またこれは後日質問をさせていただきますので、しっかりと、総理、リーダーシップをおとりいただきまして、ぜひとも若者の支援、これが入り口です、どうぞよろしくお願いいたします。

そこで、最後の質問になるかと思います。

先ほど来さまざまな、今後の国会運営のお話がございました。私も、先ほど来、自民党の議員の方たちと総理とのやりとりを伺わせていただきながら、今こうして消費税引き上げの議論、社会保障と税の一体改革につきまして議論をさせていただいておりますが、当然、来週、小沢さんに会われる。民主党の中の反対派をどこまで説得できるか、説得できないなら採決もしないのか、こうした御質問に対して、採決はすると総理は明言をされました。

では、その採決につきましては、例えば継続にして次の国会の成立も容認するという、そこまでの幅を持ってのお考えなのかどうなのか、総理の率直な見解をお伺いしたいと思います。

○野田内閣総理大臣 大事な法案として提出をしているわけです。政府として提出をしている法案は、政府・与党一体となって成立を期すというのが基本です。成立を期すという意味は、まさに、採決を通して、御賛成いただく方が多いという状況をこの国会中につくるということであります。

○高木(美)委員 国民の皆様からいただいているお声を冒頭に御紹介させていただきましたが、もう皆様からは、民主党は、やると言ったことはやらない、やらないと言ったことはやる、早くちゃんともとの選挙に戻して、総選挙を早くやって、そこから落ちついた議論をしてもらいたいと。もう圧倒的なお声でございます。

改めて早期の総選挙を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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