「被災地復興支援・東電賠償問題」について

2012.7.26

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 震災の発生から今月二十二日で五百日となりました。最優先すべきは被災者の生活支援であるわけでございますが、本当に戻れるのか、また、いつ戻れるのか、見通しを示すことが重要かと思います。また、インフラ整備や産業再生など課題は山積しております。大臣も命がけでやるとおっしゃったわけでございますので、課題はまだまだございますが、一つ一つ結果を出していただきたいと思います。

 さて七月二十日、経産省が避難指示区域の見直しに伴う賠償基準の考え方を発表いたしました。約五百日でようやく発表をされた。政府の対応はやはりスピード感に欠けているという、この批判は免れないと思っております。

 関係自治体からは、一定の評価の声が聞かれる一方で、不安の声もございます。町全体の財物を全損扱いにするよう要望してきたので大変に不満である、これは楢葉町の町長、また、大熊町からは、築四十八年以上の建物は新築価格の二割の賠償となることに、古く小さな家に住んでいる人は生活再建できるのか、もっと上げるべきだ、こうしたお声、また、ある方からは、別の場所に家を建てたいが、この基準では不可能、こうしたお声があります。協議の中では、関係自治体側から、山間部の古い住宅に住む高齢世帯の賠償額が低額にとどまるということについて配慮を求める意見があったと聞いております。基準には反映されておりません。

 政府は、基準の一部の論点について、自治体も今後も議論を継続するとしていますが、弱い立場の住民に細かな配慮が必要だと思っております。特に山間部では、この地域だったら高齢になられても自給自足をしながらお元気で暮らしていけるのにという、こういう方たちが今後どのようになっていくのか、このことにつきまして、これは牧野副大臣の答弁を求めます。

○牧野副大臣 先生の御質問にお答えをさせていただきます。

 古い住宅の賠償額が低額にとどまることに配慮が必要との要望を自治体からいただいたことから、賠償基準の考え方において、築年数が相当程度経過した建物について適切な賠償額を確保する仕組みをつくったところであります。

 具体的には、建物を償却していく際の残存価値は原則どおり二〇%とはしながらも、もととなる単価については、固定資産税評価額をもとにするのではなく、最新の建築着工統計による平均単価を用いる方法も選択できることとするなど、古い建物でも一定の賠償額となるよう仕組みを設けているところであります。

 また、築年数が四十八年以上経過した建物の居住部分については、最低賠償単価というものを適用することとしているところであります。

○高木(美)委員 こうした地域は百年住宅のようなものも多くあるところでございますので、さらに今後の配慮をお願いしたいと思います。

 平野大臣、もしこのことで何か御答弁ありましたら、お願いいたします。

○平野(達)国務大臣 東電が賠償基準を発表する前の政府の基本的な考え方、これにつきましては、政府と、特に資源エネルギー庁ですが、関係自治体がかなりきめ細かく、丁寧に丁寧に何回も何回も議論してまとめ上げました。

 しかし、個別の状況に対応するにはやはりどうしても対応し切れない部分がありますが、こういった部分につきましては、これから説明会の中で個々の事情も聞きながら、また、見直すべきところは見直すという姿勢で臨むということになっております。

 いずれ、被災者の立場に立った賠償ということが非常に基本でございますから、そういう姿勢で臨むように、復興庁もしっかりと後押しをしてまいりたいというふうに考えております。

○高木(美)委員 ぜひよろしくお願いいたします。その姿勢で臨んで、現実に改善できますようにお願いしたいと思います。

 続きまして、賠償手続に対応する東電側の体制整備ですが、この対象世帯は最大で約六万四千世帯に上ると見られておりますが、今、福島の担当は千二百人と言われております。固定資産税評価額から各世帯の賠償額を割り出す膨大な作業がありまして、もう既に社員からもため息が漏れているということも聞いております。そこにこの財物賠償が始まるわけでございまして、私は、こういう業務の全てを東電に丸投げするのではなくて、政府と県が知恵を出し合って、いかに円滑な支払い体制を整えるのか、これが今後の焦点と思います。

 避難者支援の停滞は一刻たりとも許されないというのは、私ども共有している課題でございます。賠償手続の円滑化を図るための体制強化につきまして、政府の見解を求めます。

○牧野副大臣 お答えをさせていただきます。

 財物を含む避難指示区域の見直しに伴う賠償につきましては、今後の被害者の方々の生活再建に密接にかかわるものであることから、国としても、適切かつ迅速に賠償が進むよう万全を期すこととしております。

 二十四日に東京電力が公表した基準は、財物を初め多くの損害項目について包括的に定めており、その内容も多岐にわたることから、円滑な賠償を促進していくためには、被害者の方や関係自治体に的確に賠償基準を理解していただくことが重要と考えております。このため、国としても、積極的に議会や住民説明会に出席し、丁寧に賠償基準の説明を行っていくこととしております。

 引き続き、先生の御懸念がないよう一生懸命努力していきたい、そういうふうに思っております。

○高木(美)委員 東電の人員の拡充とか、あと、またそれから、政府と県と力を合わせてそれをどう支えていくかとか、そうした体制整備につきましては、これはどうされるんでしょうか。

○牧野副大臣 政府も責任を持って指導体制をつくりながら、東電をしっかりこれからも指導して、いろいろな問題が迅速に解決するように努力をしていきたいと思っております。

○高木(美)委員 副大臣、それは答弁になっていません。

 平野大臣、お願いいたします。

○平野(達)国務大臣 まず、今回、全体の賠償の考え方を被災者一人一人にしっかりと理解していただくということが基本だと思います。これにつきましては、政府と東電、常に二人三脚で現地を回りながら、しっかりとした説明をしたいというふうに思っております。

 その上で、あと、いろいろな申請書を出していただくことになりますけれども、こういった実動の部分につきましては、これはやはり何といっても東電さんにやっていただくことになるわけですが、一方で、固定資産税の評価額をどうするかということにつきましては、関係自治体も今いろいろな準備を進めております。そういった部分については、政府としても、関係自治体との連携をとりながら、できることはしっかりやっていくということで臨んでいきたいというふうに思っております。

○高木(美)委員 東電側の方は、全国のようですが、財物賠償が始まるということで、一万人の人員を確保するという話もありました。しかし、被災した方たちから見れば、要するに、いわゆる加害者側が、そこが賠償のさまざまな手続をすること自体おかしいじゃないかという、この声はずっと根強くある声です。

 ですので、今大臣が二人三脚というお話をされましたけれども、私は、やはりそれはしっかり目に見える形でされなければなりませんし、また、こうした説明につきましても、東電がぱっと行って、そして集会をやって説明して終わり、そういう形ではなく、きめ細かな相談体制をどのように整備していくのか、もう少しまたきめ細かく進めていただきたいと思います。

 次に、福島の復興再生基本方針につきまして、これが七月十三日に閣議決定をされました。

 既にこの委員会でも質問があったかと思いますが、この基本方針は、政府が福島の復興再生のために講ずる施策の根幹をなすものということで、四百以上の多岐にわたる施策が網羅されまして、百ページを超えるものになりました。閣議決定直前まで福島県と復興庁の間で激しい折衝が行われまして、特に重要事項については知事から直接野田総理や平野復興大臣に対して繰り返し求められたというふうに聞いておりまして、おおむね福島県の要望が盛り込まれたと聞いております。

 今後は、基本方針に盛り込まれた各施策につきまして、国が確実にそれを具現化することが重要であると思います。平野大臣は今後の道筋をどのように描いていらっしゃるのか、伺います。

○平野(達)国務大臣 今委員からも御紹介ございましたけれども、基本方針につきましては、福島県、関係市町村等の意見をできる限り丁寧にお聞きしながら策定を進めまして、先日、閣議決定をしました。

 当然のことながら、この施策が確実に実行されるということをしっかり復興庁はフォローアップしていかなければなりませんし、避難解除等区域復興再生計画の策定等によりまして、これらの施策の今後の工程も明らかにしていくことも大事だというふうに思っております。

 いずれ、これまでの基本方針の中についての策定に当たりましては、かなり深い議論をやっておりますので、これが単に議論に終わることのないように、しっかり施策の実行に努めていただくとともに、復興庁はそれをしっかりフォローアップしてまいりたいというふうに考えております。

○高木(美)委員 今大臣の御答弁にありました工程、ロードマップ、これをお示しになるおつもりはないんでしょうか。全てというわけにはいかないかもしれませんが、可能な大枠でも構いませんので、やはりこうした工程表をはっきりと提示していただくべきと考えますが、いかがでしょうか。

○平野(達)国務大臣 工程表を明らかにして実施することが必要だというものについては、できるだけその工程表は明らかにしていくということで臨みたいと思います。

 先ほど申しましたように、避難解除区域の復興計画等々につきましては、これは工程表をしっかり示しながらやらなくちゃいけませんので、こういったところについては明確に示していきたいというふうに思っております。

○高木(美)委員 また一方で、これも委員会で質問があられたかと思いますが、福島県が強く求めていました、ふくしま産業復興企業立地補助金でございます。今までも何度も質問を、大臣また経産省も受けられていたと思います。

 この基金の積み増しにつきましては明記されませんでした。復興の補助金は、まさに産業の再生、そしてまた福島の復興の柱になる不可欠の制度であると福島も強くおっしゃっていらっしゃいまして、この制度の内容については、事前に国と協議し、国との合意のもとで構築してきたと聞いております。

 現時点におきまして、既に約一千億円の予算不足が生じておりまして、その後も各方面から申請相談が寄せられております。基本方針には、福島県と引き続き協議するとありますが、基金の積み増しを確実かつ速やかに実施すべきと考えます。

 わざわざ、支援のためにそこに企業を立地したい、こういう希望があるわけですから、それに対して、やはり、仕事をつくる意味からも、ここは予算措置がされるべきと思います。私は、補正予算でこれが組まれるのであれば、当然組むことになると思いますが、対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○平野(達)国務大臣 立地補助金につきましては、一千六百億の使い道につきまして、改めて関係企業等との精査を今やっております。まずはこの動きをしっかり見たいというふうに思います。

 それから、今回の基本方針では協議という言葉を使いました。協議ということは、もう委員も御承知のとおり、国と県が対等な立場に立って、どちらが上、下ということではなくて、対等な立場に立って協議をするということでございまして、文字どおり、この協議を続けたいというふうに思っております。

 一方で、関係市町村からはかなり強い口調で、この立地補助金等につきましてはさらに増額を求められております。そのことも十分承知しております。しかし、近隣の県との均衡等々という問題もございまして、そういったことも視野に入れながら、しかし、やはり福島県の特殊事情を十分に頭に入れながら、この協議を進めてまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 福島の特殊事情、今大臣おっしゃっていらっしゃいましたが、やはり、もう仕事がない、そこで、賠償金が入ってもそれがパチンコに流れたり居酒屋に流れたり、いろいろな精神的な、そうしたどうしても晴れない状況からそのようなところに走る方も多くいらっしゃいます。そこにやはり、どうしてもここは、私は仕事をつくるということが全て先決であると思っておりまして、ただいま協議というお話がございましたけれども、まず、今のところを精査しているとおっしゃいますが、そこはしっかり同時並行で進めていただきたいと思います。

 近隣とのバランスはあるかもしれませんが、風評被害ということは、これはまさに福島特有のものでございますので、ここは、大臣、頑張っていただきまして、私どももしっかりと後押しをさせていただきますので、ぜひこの積み増し、積極的にお願いしたいことを再度求めさせていただきたいと思います。

 次に、避難者の支援につきまして伺いたいと思います。

 福島県によりますと、避難先が広範囲に及んで、避難の形態もさまざまですので、避難者の実態の把握が困難である、また、避難が長期化する中でニーズも多様化をしている。それらに対応したきめ細かな支援が求められているわけですが、行政による取り組みのほかに、民間団体、NPO等と連携協力した対応が必要かと思います。

 政府として、そのような対応につきまして、どのようにされるのか、内容を伺います。

○平野(達)国務大臣 政府では、全国の市区町村の協力を得まして、避難者等々の数を定期的に把握しております。被災者の孤立防止を初めとして、仮設住宅における心のケアやコミュニティーづくり支援など、全国各地のNPO等々に大いに御活躍をいただいているというふうに認識をしております。

 委員御指摘のとおり、これは福島県に限らず、全ての被災者、避難者ということでございますけれども、復興への取り組みに当たりましては、行政機関、企業、NPOなど多様な担い手の連携が重要でございまして、このため、多様な担い手が連携して復興に当たるために参考となる復興ロードマップを作成しまして、NPO等に説明をさせていただいております。

 あわせて、多様な担い手による連携事例を募集しておりまして、これから連携による復興に取り組む方々に活用をいただく予定でございます。

 また、NPOなど民間支援団体の自主性を尊重しつつ、その活動を円滑にするため、情報提供や連絡調整の体制強化等を行ってきております。

 今後とも、NPO等が活動を円滑に進めるために必要な情報の提供や連絡調整などの支援に努めてまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 時間が迫ってまいりましたので、最後に一問、お願いしたいと思います。

 今の大臣の御答弁に重ねまして、福島県以外の自主避難者の方たち、こちらへのケアも再度目配りをお願いしたいと思います。早急な対応をよろしくお願いいたします。

 最後の質問は、携帯電話の通話料金の特例措置でございます。

 実は、きょう、松崎副大臣、お越しいただいておりますが、仮設、借り上げ住宅への避難者の大半は携帯電話で連絡をし合っております。この料金がかさんでいる、だんだん電話をかけなくなってしまう、心のケアのためにも携帯電話料金の避難者割引などの対策を行ってほしい、こうした強い要望があります。これにどのような対応が可能なのか、答弁を求めます。前向きにお願いいたします。

○松崎副大臣 高木委員にお答えをさせていただきます。

 三・一一から一年四カ月がたっておりまして、被災者の方々にとりまして、心の触れ合い、これが本当に大切でございまして、そのために携帯電話は重要な手段となっていると思います。

 携帯電話の利用者料金は、昭和六十年に許可制、そして平成八年に届け出制、平成十五年に原則、規制の廃止ということになっておりまして、事業者の判断に委ねておるということであります。

 そこで、携帯電話の利用者料金の割引措置は、三・一一以降、公益的な要請と経営への影響を判断しながら、各事業者はその経営判断に基づいてやってまいっております。

 そういう中で、今まで被災者に対しては、具体的には、サービス利用ができなかった契約者を対象として、基本料金の減免、料金プランの変更による通話料金の減額、災害救助法適用地域の契約者を対象とした支払い期間の延長等やってまいりました。ただ、通話料金そのものは被災者向けの減免は行っていないのが現状であります。

 しかし、そのような声があることは私たちからも事業者にはしっかり伝えまして、総務省としては、公益的な要請を踏まえた電話事業者の取り組みを今後見守っていくということで、余り前向きなということではないんですが、お許しをいただきたいと思います。

○高木(美)委員 やはり予想したとおり、全く前に進まない、足踏みをしている答弁でございました。

 副大臣、再三再四、ぜひとも事業者にはお声をかけていただきまして、当然、最後は事業者の判断ということでございますけれども、そこに何ができるか、利用する方たちにどういう恩典を与えられるか、そこをぜひ総務省で知恵を絞っていただきまして、事業者の方たちともぜひ協議をしていただきたいと思います。

 また、これにつきましては、本当に根強い長い大きな声があります。そのことを重ねて申し添えさせていただきたいと思います。

 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。

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