「共通番号制度関連法案(マイナンバー法案)」について

2013.3.22

○高木美智代君 公明党の高木美智代です。

 ただいま提案がありました四法案につきまして、公明党を代表して質問いたします。(拍手)

 超高齢社会の進展と厳しい国家財政の中で、我が国の社会保障制度を持続的で安定した制度へと再構築するためには、社会保障の給付と負担を明らかにしつつ、国民の理解と納得を得ながら改革を進めることが重要であります。

 番号制度については、これまでもさまざまな形で導入が検討されましたが、実現されずに今日に至っております。もっと早く導入されていれば、この間に生じた年金記録問題は防げたのではないか、その対策費、総額約三千六百億円は不要だったのではないか、また、生活保護などの不正受給問題も、ある程度は回避することができたのではないかと考えます。

 このたびの法案は、昨年民主党が提出したマイナンバー法案に対し、自民、民主、公明党の実務者による協議を踏まえ、国民の視点に立って、よりわかりやすく、より安全、安心な制度へとするため、公明党の主張も盛り込まれた形で修正され、改めて関連四法案が提出されました。

 この法律によって導入される番号制度は、各人に割り当てた個人番号をベースとして、確定申告などの所得情報と社会保障の保険料や給付などの情報をひもづけするものであり、今後の我が国の基本的な社会基盤となるものです。

 次の三点について、その実現を可能とすることが期待されます。

 第一に、公平な社会の実現です。

 複数の機関に存在する個人の情報を名寄せすることが可能となり、所得把握の正確性が増すことによって、個人の所得と給付の透明性が向上し、必要な人に必要な支援を届ける仕組みの実現が期待されます。

 第二に、効率的な行政の実現です。

 申請手続の際に求められる課税証明書や住民票などの添付書類の提出が簡素化され、ワンストップサービス化が進み、国民の利便性の向上が期待されます。

 第三に、効率的な政策の実現です。

 関連行政機関の情報連携により、精度の高い政策の立案、策定が可能となります。

 以上の観点から、私は、番号制度の導入は必要不可欠と考えます。

 以下、具体的に伺います。

 まず、個人番号カードについてです。

 国民一人一人のもとに個人番号を掲載した通知カードが届き、市町村長に申請することにより、正式な個人番号カードが発行されます。

 個人番号カードの交付方法について、三党での議論の結果、通知のための仮カードを発行するとともに、通知カードも、免許証などとあわせて提示すれば、個人番号カードと同様に本人確認ができることとしました。

 そこで、通知カードと個人番号カードの利用範囲にどのような違いがあるのか、答弁を求めます。

 また、国民にとって利用機会と必要性が少なければ、住民基本台帳カード同様、普及しないのではないかと懸念されますが、個人番号カードを取得し、利用するメリットについて、甘利大臣の見解を求めます。

 個人番号の利用範囲について伺います。

 法律によって規定された事務手続以外での利用を規制しておりますが、一方で、民間利用に門戸を開くことが国民の利便性に資するとの意見があります。

 例えば、個人の医療情報が対象範囲になれば、三次救急から在宅への情報伝達がスムーズになることや、がん登録などにより蓄積されたデータの活用が医療のイノベーションにつながる可能性も指摘されています。

 しかしながら、プライバシー保護等の面から懸念する意見もあることから、あくまでも国民の理解を得ながら進めていくべきであり、着実かつ堅実に制度を構築すべきと考えます。甘利大臣の見解を伺います。

 個人情報保護に関して伺います。

 意図しない個人情報の漏えいにより、プライバシーが侵害されたり、成り済まし被害が発生したりするのではないかとの懸念が寄せられています。

 公明党は、個人情報保護が図られなければ制度の利用に対する信頼と安心が得られないことから、番号制度を進めるとともに、車の両輪として、我が国の個人情報保護体制の構築に道筋をつけるべきと主張し、附則においてその趣旨を盛り込みました。

 我が国には行政から独立した個人情報保護委員会がなく、EUからは個人情報保護後進国と見られている現状があります。

 そこで、特定個人情報保護委員会を、公正取引委員会等と同じく、内閣府設置法に基づいた独立性の高い三条委員会として設置し、個人番号に関連した個人情報の取り扱いに関する監視、監督などを行うこととしました。

 また、附則の検討規定において、法施行後一年をめどに、個人情報全般にわたる個人情報保護委員会へと発展させる道筋を明記いたしました。この附則規定を実効あらしめるために、早急に個人情報保護法制の見直しについて政府において検討を開始すべきと考えます。

 今後の取り組みについて、総理の答弁を求めます。

 番号制度導入については、国民の皆様に広く正確に知っていただくことが重要であることから、政府としての積極的な広報宣伝活動が不可欠です。

 また、公明党の主張により、番号の利用に関して、国民の情報リテラシー、活用能力向上に資する取り組みを推進すること、さらに、情報端末を使えない高齢者や障害者などいわゆる情報弱者の方々に対する配慮について必要な措置を講ずることを盛り込みました。

 それぞれ、具体的にどのような取り組みを行うのか、甘利大臣の答弁を求めます。

 災害時の対応について伺います。

 被災者生活再建支援金の支給に関する事務等に利用することなどが想定されますが、そのほか、防災に関する事務については、地方公共団体が条例で定めることが可能とされており、その活用法について自治体の裁量が尊重されております。

 行政サービスを向上させるためにも、自治体向けに、先行事例や導入支援策の情報提供が重要と考えますが、新藤総務大臣の見解を伺います。

 また、我が党が推進してきた被災者支援システムとの関係性についてもお答えください。

 今回の番号制度において、国と自治体を合わせたトータルでの費用対効果についてどのような試算をされているのか、甘利大臣の答弁を求めます。

 次に、内閣情報通信政策監、いわゆる政府CIOについて伺います。

 先般、特許庁のシステム調達では五十五億円に上る無駄が指摘され、各省庁でも同様の事例が散見されます。我が国のIT調達の問題点は、政府内に技術評価できるIT人材が圧倒的に不足していることに起因しています。システム開発、運用、維持に関するトータルマネジメントによるITガバナンスの向上、調達の透明性を高めることが急務です。

 政府CIOには、民間の企業感覚で監視、監督を実施していただくことで、財政の無駄の削減にも効果を発揮すると期待しております。

 また、地方自治体からは、政府CIOに対し、相談、情報提供などの協力が求められています。

 政府CIOの役割について、総理の見解を伺います。

 現在、地方自治体には、主要な法改正のたびにシステム改修が求められており、管理・改修費の負担について軽減策が必要です。地方公共団体情報システム機構を設置し、関係事務を処理するとしていますが、システムを接続するための中間サーバーなどの管理、改修も含め、自治体の負担を軽減する方策をどのようにお考えでしょうか。

 また、今後、自治体クラウドの積極的な導入やシステムの標準化を推進すべきと考えます。既に、神奈川県では、十四の自治体が共同でクラウド技術を導入することにより、関連経費の三〇%程度、約十五億円の経費削減につながったとの例があります。

 新藤総務大臣の見解と決意を伺います。

 住民基本台帳法の制定から約半世紀が経過します。このたびの番号制度が、新しい時代の新しい社会基盤として広く国民に浸透し、国民の理解と納得を得るためにも、関連法案の早期成立と同制度の着実な実施を図るべきであると訴え、私の質問とさせていただきます。(拍手)

    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高木美智代議員にお答えいたします。

 個人情報保護法制の見直しについてのお尋ねがありました。

 個人情報保護法制につきましては、消費者委員会での議論や国際的動向等も見ながら、引き続き、しっかりとした検討を進めてまいります。

 政府CIOの役割についてのお尋ねがありました。

 今回御審議いただく法案において、いわゆる政府CIOを内閣情報通信政策監として法的に位置づけることとしており、これが、政府全体の電子行政の推進等を担う司令塔として、政府のIT調達を民間企業の感覚でチェックすることにより、IT調達の透明性を高めるとともに、財政の無駄削減に貢献することとなっております。

 また、同法案において、地方公共団体への協力については、地方公共団体から協力の求めがあったときに、IT調達に関する情報提供などの協力を行うこととしております。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣甘利明君登壇〕

○国務大臣(甘利明君) 高木議員からは、四問の御質問をいただきました。

 まず、通知カードと個人番号カードの利用範囲の違いと、個人番号カード取得のメリットについてお尋ねがありました。

 通知カードは、市町村長が個人番号を本人に通知する際に発行し、また、個人番号カードは、本人からの申請により、通知カードと引きかえに交付されるものであり、どちらのカードにも、住所、氏名などの情報とともに、個人番号が記載されております。

 個人番号カードには顔写真がついているため、個人番号カード一枚で本人確認と個人番号の確認を行うことができますが、通知カードには顔写真がついていないために、本人確認や個人番号の確認を行う際には、免許証など、顔写真つきの本人確認書類と併用していただく必要があります。

 また、個人番号カードは、ICチップの空き領域を活用して利用することも可能とされておりまして、利便性の向上に資するものと考えられます。

 次に、個人番号の利用範囲の拡大についてお尋ねがありました。

 個人番号の利用範囲につきましては、民間でも幅広く利用できるようにすることが国民の利便性に資するものとの御意見がある一方で、プライバシー保護等の面から、幅広く利用することを懸念する御意見もあることから、まずは、社会保障分野、税分野などに利用範囲を限定しております。

 番号法の附則におきましては、法施行後三年をめどとして、個人番号の利用範囲等の拡大に関して、法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときには、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずることとしております。

 将来的な、個人番号の幅広い行政分野や民間での利用につきましては、この法律の規定に基づき、国民の理解を得つつ、適切に対応してまいります。

 次に、国民の情報リテラシー向上の取り組み及び情報弱者に対する配慮についてのお尋ねがありました。

 国民一人一人の情報リテラシーの資質を向上させることは重要であると考えておりまして、教育活動、広報活動等を通じて、番号制度の利用に関する国民の理解を深めるとともに、関係機関と連携をしまして、国民の情報リテラシーの向上に向けた取り組みを推進してまいります。

 また、情報弱者への対応につきましては、公的機関にインターネット端末を設置し、住民が利用できるような環境整備を図るとともに、任意代理人によるマイポータルへのアクセスを可能とするなど、適切に対応してまいります。

 最後に、制度導入の費用対効果についてのお尋ねであります。

 社会保障・税番号制度の導入に係る費用として、現時点で、新規にシステム開発を要する個人番号の付番関係システムや情報提供ネットワークシステムの構築等に約三百五十億円を見込んでいるほか、地方自治体など、個人番号を取り扱うそれぞれの機関において既存システムの整備が必要となることから、総額で二千億から三千億程度を見込んでおります。

 一方、番号制度の効果の多くは定性的な効果であり、数値化が難しいところでありますが、複数の民間団体が行った試算によりますと、一定の前提条件のもとで、いずれも導入費用を容易に回収できる効果が見込まれております。

 以上です。(拍手)

    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕

○国務大臣(新藤義孝君) 高木美智代議員から、三点のお尋ねをいただいております。

 まず、災害時の対応に関連して、被災者支援のためのシステムについてお尋ねがありました。

 議員御指摘の被災者支援システムの導入は、地方公共団体が円滑に被災者支援業務を実施するために有効な先行事例であると認識をしております。

 総務省としては、災害時の支援手続の迅速かつ的確な処理と国民の負担軽減を図るため、被災者支援のための情報システムの活用などの先行事例やその導入支援策について、積極的に情報提供し、さらなる普及に取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、地方公共団体における番号制度に係る関係情報システムの整備についてのお尋ねでございます。

 地方公共団体における関係情報システムの整備に当たっては、ガイドラインの提示などを行うとともに、情報提供ネットワークシステムと接続する各地方公共団体に設置予定のサーバーのソフトウエアについて、国において一括開発することとしております。

 総務省といたしましては、番号制度の導入に係る自治体の負担の軽減は重要な課題である、このように認識をしております。より効率的な整備の方策について検討してまいります。

 最後に、自治体クラウドの推進についてのお尋ねでございます。

 自治体クラウドは、クラウド技術の導入による情報システムの標準化及び住民サービスの向上を図ることを目的としており、番号制度の効率的な導入の観点からも、有効な取り組みと認識しております。

 総務省といたしましては、複数の地方公共団体が共同でクラウドに移行する取り組みに対して地方財政措置を講ずるなど、全国展開に向けた取り組みを推進しております。また、こうした取り組みを今後とも加速してまいりたいと存じます。(拍手)

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