マイナンバー制度の適切な取扱い等に関する各省庁の広報対応等について

2015.5.15

○高木(美)委員 おはようございます。公明党の高木美智代でございます。

私は、マイナンバーについてまず質問をさせていただきます。

マイナンバーは、大きな可能性を持っている制度でございます。内閣委員会の委員派遣ということで、一昨年、デンマーク、スウェーデン、またエストニア、ドイツを訪問させていただきまして、その感を強くいたしました。

我が国におきます超高齢社会に対応した国民の利便性の向上、また公平公正な社会保障、またデータに基づいた正確な政策の実現、さらには手を差し伸べるべき人に適切な支援策を講じることができる、こういう内容でございますが、恐らく、日本における大きな潜在力を持っている、また可能性を持っているのは、このマイナンバー制度であると思っております。行革、成長戦略、また財政再建、社会保障改革など、我が国の課題解決に大きな役割を果たす重要な社会基盤であると思っております。

また、マイポータルではプッシュ型のサービスが可能になりますので、申請するという主義から、むしろ国民にサービスする政治への転換ということも可能性としてあり得るかと思っております。

ただ、これにつきましては、利活用と個人情報保護は車の両輪でございまして、我が党も、かねてよりそのような姿勢で、個人情報保護委員会の設置を提案、推進もさせていただき、ここまで参りました。いずれにしても、国民の理解を得つつ、利活用を進めていくということが肝要であろうかと思います。まずは、マイナンバー制度の円滑な導入に向けまして、全力を挙げるべきと考えております。

制度の広報につきましては、これまでも委員会で、多くの委員から、政府を挙げてきめ細やかな広報を行う必要がある、急ぐようにという指摘がございました。

例えば、文部科学省におきましては、学校教育の現場で子供たちに対して、また中小企業庁においては、中小規模事業者に対して、また厚生労働省においては、所管の医療、介護等の団体はもとより、障害者、高齢者などの情報弱者に対して、またさらには総務省においては、地方公共団体のみならず、地域の消防団とか自治会とか町会とか、そういう地域コミュニティーに対して、それぞれ適切な取り扱い等について理解、対応してもらえるよう、具体的かつ積極的な対応を行っていただく必要があると考えております。

それぞれの省庁における対応状況を簡潔に御答弁をいただきたいと思います。

○伯井政府参考人 お答えいたします。

学校教育におきましては、社会保障や租税などについて社会科、公民科において指導することとしておりまして、その際、マイナンバー制度の意義や仕組みについても関連づけて取り扱うということが考えられるわけでございます。

文部科学省といたしましては、関係府省と連携しつつ、各学校においてこの制度について適切な指導が行われますよう、担当する教科の指導主事を集めた全国的な会議が夏にも行われますので、そうした場を通じまして本制度の周知にしっかりと努めていきたいというふうに考えております。

○佐藤政府参考人 お答えを申し上げます。

中小企業庁といたしましては、本年三月に、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会に対して、会員企業に対するマイナンバー制度周知にかかわる協力を要請したところでございます。

ちなみに、日本商工会議所の方には、本省の方からさせていただきました。

さらに、経済産業省関係の八百十七の団体に、所管課室等を通じて協力要請を実施したところでございます。

また、四月には、内閣官房と経済産業省が連携し、中小企業関連団体を初めとする経済産業省所管団体に対する説明会を開催し、マイナンバー制度の導入に伴う業務フローの変更や情報システム改修等についての説明を実施したところであります。

今後も、全国三百八十五万の中小企業、小規模事業者にマイナンバー制度の理解を得るべく、引き続き、内閣官房と連携し、適切な広報に努めてまいりたいと考えております。

○安藤政府参考人 お答え申し上げます。

厚生労働省といたしましても、マイナンバー制度の周知、広報を積極的に行っていくことは、制度の円滑な施行に向けて非常に重要と考えてございます。

このため、先月、所管の団体等、大体三百弱ございますけれども、そういった団体に対しまして、マイナンバー制度の周知、広報に対する協力依頼を行ってございます。この団体の中には、御指摘のございました障害者の団体等も含まれてございます。

引き続き、関係省庁と連携をいたしまして、取り組みを推進してまいりたいと考えてございます。

○時澤政府参考人 総務省といたしましては、地方団体を通じまして、地域の経済、税、社会保障その他の関係業界団体や、自治会、婦人会、学校等の地域コミュニティーに対して、説明会の実施、幅広く周知、広報を展開していただくよう、地方団体に要請をしているところでございます。

また、現在、関係省庁とともに全都道府県を回りまして、マイナンバー制度に関する説明会を行っておりまして、地方団体に対しまして制度についての幅広い周知を改めて要請しております。

また、今後、地域コミュニティーへのさらなる周知のために、消防団や自治会のほか、行政相談委員に対しましても周知を行い、国民からの制度に関する相談にも対応していくよう要請するなど、よりきめ細かく広報活動を行っていくこととしておるところです。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

きょうは、代表的な省庁にお越しいただきました。

例えば、重ねて文科省におきましては、やはりお子さん一人一人までマイナンバーが振られるわけですので、そういう社会基盤を使いこなすのもこうしたお子さんたち、未来世代になります。また、学校から帰って親御さんたちに教える効果も大きいというのは、今までさまざまな、環境また放射能教育等々、影響が大きいところでございます。

小学校低学年、高学年、中学、高校、大学そして専門学校など、世代に応じたパンフレットとかDVDを作成するなど、IT室と文科省とでぜひともしっかり連携していただきまして、どちらがつくるとかどうするとかというところも、ぜひ省庁の縦割りを踏み越えていただいて、ぜひとも周知徹底、強く要請をしたいと思いますが、文科省、いかがでしょうか。

○伯井政府参考人 御指摘を踏まえまして、専門的な知見を有する関係府省ともしっかり連携をしながら、文科省といたしましては、教育的な観点、子供の発達段階から助言をしたり、協力したりということが十分対応可能でございますので、しっかりと関係府省と連携しながら進めてまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 それで、西村副大臣にお願いなんですが、また、これは個人情報保護と両輪でございますので山口大臣にもお願いなのですが、やはりこれは政府を挙げて、各府省においても広報の取り組みを加速させるために、やはりもう一回これは総理から各大臣に対して指示をしていただくなどして、各府省の関係団体等を通じた国民への、また事業者への直接的な周知、広報を積極的に行っていく必要があるかと思います。

この夏が一つの大きな山だと私は思っておりまして、ここで、聞いたことがないとか、内容を余り知らないとか、そういう国民の方たちの数をもうぜひともこれは減らして、また、できればもうゼロに持っていって、聞いたことはある、来ることも知っている、こういうところまで持っていくべきかと考えております。

ぜひとも、そこを積極的に推し進めていただきたいと思いますが、政府の認識、いかがでしょうか。

○西村(康)副大臣 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。

今、各省も取り組んでおりますし、私ども内閣府としても、全ての国民、全ての事業者に関係する制度でございますので、御理解をいただくべく、三月にはテレビCMや、それから新聞広告なども活用して、第一弾の集中的な広報を実施いたしました。説明会も随時開いているところでございます。

また、三月初めの副大臣会議で、私から各省の副大臣に対して、もう一段、所管団体、関係業界への働きかけを依頼したところでございますし、それを受けて、各省から各関係業界団体への通知の発出などをしていただいていると思います。

今後、今いただいた御指摘も含めて、制度の周知の状況などをもう一度確認しながら、多様なメディアを通じて、わかりやすい資料の充実を図りながら、関係省庁とも連携して、政府を挙げたマイナンバーの周知の広報を積極的に展開してまいりたいと思います。

○高木(美)委員 ぜひ各省庁に、きょうは国交省とか農水省とか大きな役所は来ていただいていませんが、やはり担当者をしっかり置いていただく。これは、例えば今、西村副大臣がおっしゃった担当の副大臣、また担当の行政の方の責任者という、この両方をしっかりと置いていただいて、やはりこれは総合的に、今どこまで進んでいるのか、進捗状況を各省が確認しながら進めていきませんと、副大臣の会合で言ったからといって、では進んでいるかというと、なかなかその実感が伝わってこないので、きょうは応援団のつもりで申し上げておりますので、ぜひ総理からも一言そのような形で進めていくようにと。

これが失敗したら、私は、余りにこの痛手は、もう立ち直れないほどの、我が国にとってはもうこれはラストチャンスですので、そこの危機感を持っております。

風評被害とかデマ宣伝とか、または誤解とか、そういうことが走る前に、きちんと国民の皆様に本来の趣旨が伝えられますように、ぜひとも取り組みをお願いしたいと思います。

大臣、いかがでしょうか。

○山口国務大臣 大変ありがたい御指摘また御激励をいただきました。おっしゃるとおりだろうと思います。

とりわけ、まだまだマイナンバーの周知徹底が、世論調査を見ても図られておらないというふうなことで、マイナンバーの直接の担当は甘利大臣でありますが、当然私も、ある意味、車の両輪の個人情報保護法の改正ということで、しっかり周知徹底をすべく、また、総理の方にもお話もしてみたいと思います。

○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

国民にひとしくマイナンバーによって恩恵が届くようにするには、情報弱者への代理人制度のあり方など、早急に詳細を検討していただく必要があると思います。施設が代行できるという答弁もいただいておりますが、マイナンバーカードの申請時だけではなくて、その後、マイポータルも含めた利活用とか、総合的な今後の展開を視野に入れますと、在宅の障害者、単身高齢者、認知症の方とか、あらゆるケースに対応できる制度設計をしておくべきかと考えます。

厚生労働省または内閣府の共生社会担当、さらには、成年後見制度を所管している法務省、こうした関係省庁と協議を進めていただきまして、その結論に基づいて、協力をして周知徹底をそれぞれ一人一人に届くように図るべきだと考えておりますが、対応につきまして見解を伺います。

○向井政府参考人 お答えいたします。

マイナンバー法では、法定代理人でなく、任意代理人による手続を広く容認しているところでございますが、代理人を利用する場合におきます具体的な手続につきましては、関係府省と協議の上、さまざまな広報チャンネルを使って、必要とする者に周知できるよう努めてまいりたいと考えております。

任意代理人を利用する場合として、例えば、施設に入っておられる高齢者の代理をその福祉施設の信用できる方が行うとか、成年後見制度を利用されていない方の代理を自分の子供が行うというふうなことも考えられます。

これらにつきましては、制度上もう既にできることになっておりますけれども、具体的にどういうふうに進めていくかにつきまして、関係省庁と早急に協議してまいりたいというふうに考えております。

○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

次に、今までマイナンバーがないということも一つの理由ですが、例えば、消えた年金問題への対応にどのくらいの経費がかかってきたのか。

また、医療保険のオンラインでの資格確認の仕組みができれば、医療費の請求間違いも減りますし、医療機関や保険者の事務の効率化に資するというメリットも生じます。現在、医療保険の請求間違いが何件あって、どのくらいの金額なのか、それぞれ数字でお答えいただきたいと思います。

○樽見政府参考人 まず、年金記録問題への対応に要した経費ということでお答え申し上げます。

平成十九年度から平成二十五年度までの実績と二十六年度予算額の合計でございますけれども、約四千億円でございます。

○吉田(学)政府参考人 医療保険の関係についてお答えをいたします。

被用者保険の審査支払いを行っております社会保険診療報酬支払基金が保険者に対してレセプトを請求した後に資格関係の請求誤り、例えば、資格喪失後の受診であったり、記号、番号が誤っていたというような場合のものにつきましては、平成二十五年度において、件数は約二百四十七万件、それに係る金額は約四百三億円でございます。

○高木(美)委員 平成二十五年は、この数字が今移行しているということですが、オンライン化ができる前のその数字、平成二十二年の数字もお示しいただけますか。

○吉田(学)政府参考人 二十二年度の同様の数字につきましては、件数において四百十四万件、金額について五百六十二億円でございます。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

マイナンバー制度の導入に係るイニシャルコストは多額でございます。ただ、メリットも大きいと考えております。少なくとも、今後は、こうした無駄は削減可能になるのではないかと考えております。

冒頭に申し上げたようなマイナンバー制度の効果を考えますと、政府は、こういったマイナンバー制度の導入効果について、専門的に試算した上で、費用対効果を広く国民に示していくべきと考えます。いかがでしょうか。

○西村(康)副大臣 御指摘のとおり、マイナンバー制度は、より公平な、公正な社会保障制度、あるいは税制の基盤となるものでありますし、行政の効率化、そしてまた国民の利便性の向上にも、実現する基盤として導入されるものでございます。

その利活用によってさまざまメリットが期待されるところでありまして、そのメリットに関する民間の試算によれば、年間数兆円の導入効果があるとも言われておりまして、なかなか定量化が困難な定性的な効果も含めて、マイナンバー制度の導入には十分な費用対効果が見込まれるものと考えております。

政府におきましても、多額の税金を投入して制度導入に必要なシステム開発を行うこともあります、国民に対して費用対効果をしっかりお示しする必要があると考えておりまして、昨年六月には、一定の前提を置いた大まかな試算をお示ししているところであります。

今後、制度やシステムの詳細がより具体的になってきておりますので、より正確で国民にわかりやすい費用対効果の示し方について、専門家とも相談しながら、ぜひ検討を進めたいというふうに思います。

○高木(美)委員 重ねて、向井審議官に伺いますが、このイニシャルコスト、導入に係る経費、当初六千億という話もありましたが、遠藤CIOとかなり、IT室のところでも、向井さんのところでも頑張っていただきまして、かなり削減されていると聞いております。数字をもしお示しいただければ、お願いしたいと思います。

○向井政府参考人 お答えいたします。

総額でおおよそ三千億程度と考えてございます。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

それを考えますと、三千億、導入時のイニシャルコスト、その後の運用等につきましては、また詳細を詰めていただいて提示をしていただきたいと思います。

恐らく、このバランスを考えますと、十分、効果の方がはるかに上回っているということは確認させていただきたいと思いますが、西村副大臣、それでよろしいでしょうか。

○西村(康)副大臣 正確な数字は今の段階では申し上げることはできませんけれども、マイナンバー導入のメリットは投資額を上回るものがあるというふうに思っております。

○高木(美)委員 今回の法案では、特定健診につきまして、マイナンバーをつけて管理できるようになっております。

特定健診は機微な情報ですのでマイナンバーとひもづけするべきではないという御意見、御指摘も出ておりますが、私はむしろ、健康、医療情報を保険者と本人とで共有できる仕組みにすることが、健康、予防や介護予防の推進のためには不可欠だと考えます。そうした観点からも、健診情報にマイナンバーをつけて保険者が管理できるようにすべきと考えます。

今回の改正によりまして、既に保険者が持っている情報について、マイナンバーを利用できるようにすることで、より正確かつ効率的に健診情報を管理できるようになると考えます。そして、将来的には、国民がマイポータルから、保険者が管理している自身の健診情報を閲覧して、自身でチェックして、生涯にわたる健康管理が自分でできる、またそれをかかりつけ医が一緒にチェックしながらアドバイスができるというような、こうした可能性が広がると考えますし、私もぜひそのように進めていきたいと思っております。

ともあれ、これまで以上に安全で、自己コントロールのもとで管理できるようになるというメリットがむしろあると考えておりますけれども、特定健診の情報をマイナンバーの利用範囲に加えることとした趣旨と、マイナンバーで管理しても安全性は確保されることを、丁寧に厚生労働省に説明をお願いしたいと思います。

○吉田(学)政府参考人 お答えいたします。

趣旨と安全性についてのお尋ねをいただきました。

医療保険者におきましては、レセプトや特定健診データなどを活用いたしましたデータヘルスを推進しておりますけれども、生涯を通じた予防、健康づくりを進めるためには、個人が転職や結婚等により保険者を異動した場合でも、特定健診等の情報が円滑に引き継がれることが重要だというふうに思っております。

現在でも、個人の同意を前提として医療保険者間で特定健診等の情報の受け渡しができるようになってございますけれども、具体的な実施手順などが明確になっていないとか、あるいは、保険者は保険者ごとの被保険者番号で特定健診等の情報を管理しておりますので、受け渡す健診情報の検索が容易でないなどの課題がございます。

このため、厚生労働省といたしましては、現在進めております医療保険制度改革の中で、特定健診等の情報の受け渡しの方法等を明確化することとあわせまして、保険者間での特定健診情報の受け渡しが円滑に行われるよう、今回のマイナンバー法の改正により、保険者がマイナンバーを使って特定健診等の情報を管理できるように提案させていただいております。

保険者は、現在の法規定でも、保険給付の支給あるいは保険料の徴収などの事務においてマイナンバーを活用、利用することができますけれども、特定健診等の情報の管理も、こうした保険者が行う事務の一環でもあります。マイナンバーの活用は法の趣旨にも合致しているというふうに考えてございます。

また、特定健診等の情報の受け渡しは、今後とも個人の同意を前提としております。その上で、特定健診等の情報の管理をマイナンバーで行うことによりまして、目的外で使用された場合にはマイナンバー法に基づく罰則が科されることなどを踏まえますと、特定健診等の情報の安全性は確保されているというふうに考えます。

さらに、利用に当たりまして、マイナンバー法における特定個人情報の保護措置として、法の罰則、あるいは特定個人情報保護委員会の監視、監督の対象となるということになろうかと思います。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

健康保険組合などは民間ですよね。ですので、こうした特定個人情報に位置づけられることによって、先ほど監視、監督の対象下に置かれるというお話がありましたが、マイナンバーにしっかり位置づけられることによって、むしろ規制が厳しくなるというふうに受けとめてよろしいのかどうか。いかがですか。

○吉田(学)政府参考人 御指摘いただきましたとおり、今回の措置により、個人のプライバシー保護について、あるいは個人情報の取り扱いよりも重い規制が適用されるということになろうと思います。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

マイナンバー制度の導入メリットとしまして、税務署において、課税資料の名寄せが正確かつ効率的に行われるようになります。より公平公正な税務執行が可能になるわけですが、来年一月から、一月一日からスタートということになりますと、恐らく最初の対象になるのは、学生の方たちが多くやっていらっしゃる郵便配達、年賀状配達のアルバイト、ここから早速マイナンバーが適用されるというのがスタートかと思います。また、こういうことから、勤労学生の所得もより正確に把握できるようになります。

しかしながら、こういうことになりますと、これはある大学教授からの要請でございますが、マイナンバーの導入によって、学費や授業料を自分で捻出している苦学生が懸命に稼いだアルバイト代も確実に把握される、高所得者の所得、資産の把握は大変難しいのに対して、苦学生の所得は簡単にわかってしまう、そのために親の扶養控除から外れて負担がふえたりすることを心配している、何らかの対応が必要ではないか、こういう御要請を受けました。

所得税には、これも財務省から伺った話ですが、働きながら学業を続ける人の生活実態に配慮するために、勤労学生控除という制度が既にあります。しかし、その適用を受けている人は少ないと聞いております。少ないのは、そもそもこういう勤労学生控除という制度があることが余り知られていないからではないかと思います。

苦学生が不公平感を抱いたり、また、そこで混乱を生じることなく安心して学業を続けることができるようにする観点から、こうした制度の周知を幅広く丁寧に行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○藤田政府参考人 お答えいたします。

所得税法におきましては、働きながら学業を続ける方の実態等を考慮するという観点から、御指摘の勤労学生控除が設けられております。給与所得等を有する学生のうち、合計所得金額が六十五万円以下、かつ、合計所得金額のうち給与所得以外の所得が十万円以下である勤労学生については、二十七万円の所得控除が認められております。

勤労学生控除の制度については、納税者の方や源泉徴収義務者に対しまして、国税庁ホームページや各種パンフレットの配布などにより、その広報、周知に努めているところでございます。

議員御指摘のとおり、勤労学生にとって大事な制度でございますので、給与等の支払いのある事業者に対し、関係民間団体の協力もいただきながら、さらなる広報、周知に努めてまいりたいと存じます。

○高木(美)委員 今財務省の御答弁にありましたが、六十五万以下のいわゆる給与所得、そこから始まるというお話ですが、そうすると、もとの所得は百三十万ぐらい、そこから控除が、百三十万以下であればこの控除の対象になると考えていいんでしょうか。

○藤田政府参考人 お答えいたします。

例えば、勤労学生のうち、給与収入等の金額が百三十万円以下であり、他の所得がない方であれば、勤労学生控除の適用を受けるということになります。

○高木(美)委員 それで、文科省、伯井さんにお願いなんですが、こういう恐らく学生の方たちがほとんど知らない制度についても、今回、先ほどマイナンバーの周知徹底のときに、大学生、そしてまた専門学校等、また、高校生ももしかしたらアルバイトをここまで頑張っている方もいらっしゃるかもしれません。また、そうしなければ学業が成り立たないという高校生もいるかもしれません。

もちろん、奨学金を進めていくのは、私ども、これまでもやってきましたし、やる決意でおりますが、このような非課税がほとんどの奨学金の制度プラス、この百三十万という、ここにつきまして、ぜひとも文科省から、マイナンバーの周知徹底とあわせてお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○伯井政府参考人 御指摘を踏まえまして、国税庁とも連携しながら対応してまいりたいと思います。

○高木(美)委員 どうぞよろしくお願いいたします。

続きまして、個人情報保護法の改正案に移らせていただきます。

これまでの法案審議における政府からの説明によりますと、匿名加工情報につきましては、特定の個人を識別することができず、かつ、復元することができないものであるということですが、この復元することができないという要件について、これから個人情報保護委員会が設置されましたら、そこの規則の中で決められるものかもしれませんが、これまで個人情報保護法上、規定がなかったものです。実際に匿名加工情報を利活用したいと考えている事業者にとって、判断が難しいものと考えられます。

この復元することができないというのはどのような意味か、お伺いいたします。先日も、参考人の説明の中で、社会的通念上復元できない、その範囲である、詳しくは個人情報保護委員会の規則にまつべきだ、このようなお話もございましたが、答弁を求めます。

○向井政府参考人 お答えいたします。

復元できないようにするとは、匿名加工情報が、通常、人の技術力等能力をもって作成のもととなった個人情報を復元しようとしても当該個人情報に戻ることのないような状態にあることをいい、どのような手法によって復元を試みたとしても本人を識別できないといった、技術的側面から全ての可能性を排除するまで求めるものではございません。

どのような加工を施せばこの状態になるかを、今後、個人情報保護委員会が規則等でその基準を定めることとしておりますが、例えば、作成のもととなる個人情報と個別に関連づけられているID等の識別子を削除すること、それから、匿名加工情報データベース等に含まれる複数者間のデータ値を入れかえること、あるいは一定のノイズを付加すること等の一般的な手法を定めることを想定してございます。

さらに、これらの手法により実際にどのような加工を具体的に行うのかにつきましては、それぞれのサービスの特性、あるいは、取り扱う個人情報、匿名加工情報の内容に応じ、個人情報保護指針等による事業の実態を踏まえた自主的なルールに委ねることとしており、これらにおいて例示等が示されるものと考えております。

○高木(美)委員 参考人から御意見を伺ったときに、名簿事業者については早急に実態調査を行ってほしいという御意見が多くありました。名簿事業者と一口に言いましても、その範囲自体、またその実態が整理されておらず、また、現行法上も主務大臣が明確に定まっていないなどの指摘があります。政府内で担当する部局も不明確な状況と承知しております。

必要な規制のあり方を考えるためにも、まず、対象を整理した上で、実態調査が必要と考えますが、山口大臣の所見を伺います。

○山口国務大臣 昨年発覚をしました個人情報の大量漏えい事案、これを契機に、個人情報が本人の知らないうちに複数のいわゆる名簿事業者を介在して転々と流通をすることに対して、国民の皆さん方の不安が特に今高まってきておるというふうに思うわけです。このために、個人情報の流通経路とか、あるいは適法に流通したものであるかを迅速に把握できるように、トレーサビリティーの確保の観点から、第三者提供に係る記録の作成等、あるいは第三者提供を受ける際の確認等を個人情報取扱事業者の義務として新たに導入することにしております。

これは、いわゆる名簿事業者への対応を意識しておるものでございますが、今回の措置の実施による効果も踏まえながら、御指摘の実態調査の実施につきましては、どのような事業を行う者が対象になるか、これはもういろいろあるものですから、ここら辺のことも含めて、政府部内で関係省庁と相談をしながら検討してまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 ぜひともよろしくお願い申し上げます。

この名簿屋対策の一環として盛り込まれたトレーサビリティー確保のための記録作成義務について確認をしたいと思います。

これまでの委員会における質疑におきまして、事業者にとって不必要に重い負担がかかるのではないかという問題意識が共有されております。

参考人からは、負担を回避するためには、対象を個人情報データベース等とすべきではないかという御意見もいただいております。本人同意があっても記録をとる、保存することとされていますが、それに伴う過度な負担が懸念されるところです。そのような対応を求めているのはほかの国にあるかと質問したところ、どうも日本だけではないかという参考人の答えもありました。

事業者の不安を取り除くためにどのような対応をされるのか、その点についてまず伺いたいと思いますが、ずっと個人情報データベース等にするのか個人データにするのかというさまざまな議論もあり、この際、丁寧に向井審議官から説明をお願いしたいと思います。

○向井政府参考人 お答えいたします。

記録作成等の義務の対象を個人情報データベース等でなく個人データとしておりますのは、現在のインターネット社会におきましては、漏えいした個人情報が瞬時に広範囲に拡散してしまうおそれも高く、たとえ一人分の個人データであっても保護する必要があるということで、現行法も、基本的に保護対象を個人データとしております。

また、個人情報データベース等に該当しないような形にして不正に流出させる脱法行為を防止し、トレーサビリティーを確保する必要もあると思います。

一方で、個人情報データベース等に仮にしたとしても、事業者の負担が、個人データとすることと比べてそれほど変わらないのではないかというふうに考えられることもございます。

一方で、先生御指摘のとおり、日常的に大量の個人データの第三者提供を行う事業者、あるいは、提供先や提供の年月日に関する記録を特別に作成しなければならないとした場合の負担に対する配慮については十分認識しているところでございます。

例えば、記録事項について、関連会社に対して同一の事案について複数回にわたって個人情報を送付したり、同一の会社との間で反復継続して個人情報を提供したりするような場合には、一定の期間内に特定の事業者との間でどのような個人データを移転させたかを包括的に記載されるものとし、個々のやりとりに関する詳細な記録までは求めないとすることや、記録の作成方法について、記録すべき事項が、ログやIPアドレス等、一定の情報を分析したり、複数の情報を照合したりすることによって明らかになる場合には、その状態を保存しておけば足りることとすることを含めまして、事業者の意見も丁寧に聴取しながら検討させていただきたいと考えております。

○高木(美)委員 向井審議官、今おっしゃった個々の細かい記録は求めないというお話ですが、それはどういう場合に該当するのか、もう少し詳しくお願いできますか。

○向井政府参考人 お答えいたします。

一定の個人情報を同一社との間で複数回行うような場合に、一度一度それぞれの情報を記録するのではなくて、いつからいつまでの間に何回ぐらいこういう情報をやりとりしたというふうな記録で間に合うということでございます。

○高木(美)委員 わかりました。

では、もう一つちょっと問題提起、関連します。今度は、第三者提供をする側についての疑念について確認したいと思います。

たしか寺田参考人とのやりとりの中でも、例えば、SNSやフェイスブックなど、第三者提供をした場合、本人同意があるにもかかわらず記録を残さなければならないのか、果たしてそれが必要なのか、こうした問題提起もありました。

参考人のお一人と、終了後、懇談した際には、規則を定める際に除外規定を設けて、そういう個々の細かいことについては、特段の権利侵害に当たらない場合は除くということを規則に盛り込んでいただくことも対応としてあり得るのではないかという示唆をいただいたところです。

具体的な対応をどのようにされるのか、今度は提供する側についても答弁を求めます。

○向井政府参考人 御指摘の場合、例えば本人がフェイスブック等にアップする場合に、基本的に大体そのまま載るようになってございますので、そういう、載るものを本人が全てコントロールできるようなものについては、そもそも提供に当たるのかという問題もあろうかと思います。

実際に、そのような場合に、例えば本人、あるいはフェイスブック等の、そういうSNSを運用している会社に全てそれを義務づけるのはやや無理があると考えられますので、それらにつきましては基本的に必要のない方向で検討してまいりたいと思っております。

○高木(美)委員 わかりました。ありがとうございます。

最後に、大臣に伺います。

個人情報保護法は、民間、行政機関、独立行政法人、この三者のほかに、各自治体がそれぞれの条例を定めております。いわゆる二千個問題と言われるものですが、規制やまた手続の内容に複数のパターンが存在しているというのが我が国の状況で、これがかえって利活用も、また保護も複雑化しているという状況があります。

これを解消するための第一歩として、条例の実態把握や条例の見直しに関する相談受け付け体制、自治体からの相談をしっかりと受け付けて、どこまでが上乗せ、横出しできるのか等々、定める必要があるのではないかと思います。

こういうことにつきまして、政府のどこが今後対応していくのか、また、これは不可欠な体制整備かと思いますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。

○山口国務大臣 先生御指摘のとおり、各自治体が保有をする個人情報の取り扱いにつきましては、今回、改正を行う民間事業者を対象とする個人情報保護法よりも先に、各自治体において、それぞれ条例を整備し始めておったというふうな歴史的な経緯もありまして、その内容に複数のパターンが存在をするというふうなことでございます。

しかし、現在、このように、さまざまな内容の条例が存在をしておりますが、例えばビッグデータ時代における医療情報の活用という観点からは、民間の病院の情報なのか、自治体の運営する病院の情報なのかを区別することなく利活用できることが望ましいというふうな指摘もあるものと認識をしておりまして、必要な措置を検討することが求められておると考えております。

いずれにしても、このような歴史的経緯とか、医療情報を初めとするデータの利活用ニーズ等を踏まえながら、委員御指摘の条例の実態把握、そして自治体からの条例の見直しに関する相談受け付け体制のあり方につきましては、これは条例ですから総務省とも深く関係するものですから、そこら辺と相談をしながら、適切に対応してまいりたいと思います。

○高木(美)委員 ありがとうございました。

以上で終わります。

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