経済連携、福島原発の廃炉・汚染水対策、事業承継等について

2017.3.8

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
まず大臣にお伺いをしてまいりたいと思っております。
一昨日の夜、アメリカのロス商務長官との電話会談が行われたと伺っております。来週にも訪米され、直接会談が行われる、その調整中であるというお話でございますが、今後の自由貿易を進める経済連携をどのように進めていくかについて、我が国の方向性につきましては、各国から注視の的でございます。

昨日もデンマークの国会議員団が見えまして、浮島委員長と御一緒にお会いをいたしました。そこでもやはり、早く日EU・EPA、これをやりましょう、日本からもうんと圧力をかけてください、こういうお話もあり、また、先般はカナダの方たちがお見えになりまして、早速にカナダは、もうTPPがだめなんだから、とにかくバイの交渉をやりましょう、そういうふうになるのかという、ここは日本の方向性を探るようなそうしたお話で、すぐにお見えになったわけでございます。

これにつきましても、今、多くの議論があるところですが、世耕大臣の所信表明演説をお聞きしておりますと、日EU・EPA、また質の高いRCEP実現など、複線的にさまざまなものを駆使しながら全てやっていく、同時進行で取り組んでいく、もちろんTPPも諦めていない、こういうふうに受けとめさせていただきました。

今後どのように経済連携を進めていかれるのか、また、アメリカに対してどのような姿勢で臨まれるのか、恐らく具体的なお考えもあられると思いますので、大臣の御見解を伺っておきたいと思います。

○世耕国務大臣 今、やはり世界では内向きの保護主義的な風潮というのが非常に強まっている中で、日本は、この国の性格からいっても、自由貿易というのがやはり国家のよって立つ根本的なところだというふうに思っておりまして、我々は、この自由で公正な市場をしっかりと世界に広げていく、これを目標に頑張っていかなければいけないというふうに思っています。

TPPについては、残念ながら、アメリカはトランプ政権のもとでは離脱ということを表明されているわけでありますけれども、でも、一方で、この十二カ国があれだけの難しい交渉を通して合意ができたということは非常に大きい。特に、二十一世紀型の新たなルールを、単にこの関税交渉だけではなくて新たな貿易ルールを入れることができたということは非常に大きいと思っております。通関手続の問題ですとかデジタル貿易、知財、こういったことが中身に入ったというのは、これは大きな成果だというふうに思っています。

先日の安倍総理とトランプ大統領の首脳会談でも、日本が引き続きこういった地域の自由貿易の枠組みの旗振り役を務めていくということについては、トランプ大統領もそこは了承というか、認識をされているわけでありまして、日本は引き続きしっかりとやっていきたいと思います。

今御指摘の、まず日EU・EPAでありますけれども、これはできるだけ早期の大枠合意を目指していきたいというふうに思います。ちょっと思っていたよりも若干スケジュールはおくれていますけれども、論点はかなり絞り込まれておりますので、精力的に交渉を進めていきたいというふうに思っています。

もう一つ重要なのは、やはりRCEPであります。これも、TPPと同じような質の高いルールも含む協定にしていかなければいけません。ただ、一部の国の中には、早く妥結をしよう、内容はどうでもいいとは言いませんが、低いレベルで早く妥結をしようというような動きが出ておりますので、ここは今、日本が前面に立って、質の高い、ルールも含めた合意内容にしようということで、先週も神戸で交渉官会合が一週間ずっと行われました。

私も今、関係閣僚に精力的に、各国に働きかけています。この間も、フィリピンの担当大臣がお見えになったとき、会談をやりました。ゆうべも、きのうもマレーシア、シンガポールの閣僚と会談をいたしました。四月には、ASEANの経済閣僚を全部お招きして、じっくり日本でも議論をしていきたいと思います。

あと、米国との関係であります。これは日米で経済対話というのを行っていくことになりました。麻生副総理とペンス副大統領を中心に行われるわけであります。これは、二国間というスタイルはとっておりますけれども、できればここで、日米がまさに日米でなきゃできないようなレベルの高いルールの議論を特に進めていって、そして、この日米で合意したルール、これをアジア太平洋地域へ逆に広げていく、マルチの自由貿易の一つの根幹にしていくというような取り組みができないだろうか、私はそういう考え方で、日米、臨んでいきたいと思います。

おとといの夜、ロス商務長官と初めて電話で会談をいたしました。非常に経済のことをよくわかっていらっしゃる方でありますし、もちろん、ASEANの重要性とかマルチの枠組みの重要性ということも認識をされていると私は感じました。国会のお許しがいただければ、できるだけ早くワシントンを訪問して、ロス商務長官ともそういった議論をぜひさせていただきたいと思っております。

○高木(美)委員 トランプ大統領もビジネスマンのトップの方ですので、恐らく、こうした経済産業の分野がどのように折り合っていくのか、そこは一番重要なところと思いますので、ぜひとも成功を心からお祈りいたします。よろしくお願いいたします。

東日本大震災から間もなく六年になります。復興、特に廃炉に向けましては、きょう高木副大臣に御出席いただいておりますが、我が党から赤羽前副大臣、また高木陽介副大臣、土曜も日曜もなく、懸命に、精力的に取り組んでこられた御奮闘に対しまして、改めて心から敬意を表するものでございます。

二月二十日、公明党の経済産業部会といたしまして、一年ぶりに福島第一原発の視察に行ってまいりました。毎年、長い廃炉への道のりでございますので、今後もともに歩んでいくという決意で引き続き取り組ませていただきたいと思っております。

印象ですが、昨年に比べまして、自然光が差す、明るい新事務本館ができ上がりまして、一瞬、私は、スウェーデンの新庁舎かと思うような、本当に、明るい中で皆様が談笑されている姿を見ながら、もう胸がいっぱいでございました。軽装備で動けるエリアもふえまして、労働環境は一段と整備が進んでいると思っております。

二号機と同じ構造を持つ五号機の中に入りました。ちょうど撮影された、発表された直後でございましたので、ロボットがどのような経路で進んだのか、また、細い棒の先にカメラを設置して撮影されたその模様であるとか、そのときの放射線量が計測位置のわずかな違いでどのように変化をしたのか、こうしたことも詳細に説明を受けました。

一方で、マスコミ報道では、ロボットの投入については失敗だったとする論調が大半ですが、ある専門家は、これまで推定するしかなかった二号機の内部の状態が見えたのは今後の廃炉作業工程で大きな進展だとのコメントを寄せております。現場の方たちの感想も同様でございました。

一号機から三号機の圧力容器底部であるとか格納容器は安定的に冷却されていることも確認をいたしました。
また、汚染水対策も、凍土壁の整備を初め、着実に進んでいるという印象を受けております。

このように、現地に立ちますと、廃炉に向けて一歩ずつ前進していると考えるわけですが、現在のこの廃炉に向けての進捗状況等につきまして、高木副大臣の御見解を伺いたいと思います。

○高木副大臣 温かいお言葉、ありがとうございます。
私も、経産副大臣に就任してから二年半の間に、福島に二百二十日以上入らさせていただいております。その中で、第一原発そのものにも二、三カ月に一度は中に入りながら、この廃炉・汚染水の進捗を確認してまいりました。

そういった中で、この福島第一原発の廃炉・汚染水対策というのは四十年かかると言われておりますけれども、私も、スコットランドのハンターストンという、廃炉をしている原発を見に行ったときに、イギリスでは八十年かけて廃炉すると。そこから考えますと、かなり野心的な廃炉の取り組みだと考えておりますが、これは世界で前例のない困難な取り組みでございますので、中長期ロードマップに基づいて、迅速さのみを追い求めるのではなくて、リスクの低減を最重視した考えのもとで、安全かつ着実に進めていかなければいけないと考えています。

リスクは現在三つございまして、一つ目のリスクは、使用済みの核燃料がプールに存在している。二つ目のリスクは、いわゆる溶け落ちた燃料デブリ。これは、圧力容器内の中、またはそれを飛び出して、格納容器内の中でしっかりと隔離されている。三つ目のリスクが汚染水でございます。

この一つ目の使用済み核燃料は、もう既に四号機ではプールから全て取り出して、キャスクの中に隔離をしている。三号機においても、建屋の瓦れきを取り除きまして、その後、今現在は、取り出すための機器の設置に入っております。そういった状況がまず使用済み核燃料。

デブリについても、これは今、高木美智代委員からもお話がありましたように、二号機にロボットを投入しました。
実は、二年前に既に一号機にロボットを投入しまして、過酷な原発の事故というのは、皆様も御存じのようにチェルノブイリとそしてまたスリーマイルがございますが、チェルノブイリの場合には、原子炉本体が爆破してしまいましたので、石棺状態になっている。一方、スリーマイルは、デブリを取り出しましたけれども、これは、ロボットを初めて投入したのは、六年半かかりました。一方で、福島の場合には、あれだけの過酷な事故、瓦れきもある中で、四年半でまず第一号のロボットを投入している。そういった部分では、世界と比肩しても、かなり進捗しているというふうに考えても結構だと思います。

その上で、二号機の調査をさせていただきまして、途中でとまりましたけれども、初めてこの格納容器内の状況というのがわかりましたので、今後、それを分析しながら、さらに次のロボットを開発してまいりますし、今月中には一号機に、これは蛇型、サソリ型というロボットがございますが、一号機は蛇型で前回入れて、今度はワカサギ釣り型といいまして、そこから今度は糸のようにカメラを垂らして水中を見る、こういう形をとって、順次、この現状をはっきりと把握をしながら廃炉に向けて取り組んでまいりたいと思います。

一方、汚染水対策、三つ目のリスクでございますが、これは、サブドレーン、地下水バイパスということでくみ上げてまいりますし、海側の遮水壁はもう既にできておりますので、港湾内にはこの汚染水は流れ込んでおりません。

一方で、凍土壁でございますけれども、昨年の十月に海側は完璧に凍結をいたしました。そのことによりまして、この凍土壁の海側の部分でございますが、日量四百トンだったくみ上げ量が約百二、三十トン、三分の一まで減っているという、遮水効果が明らかに出ているという状況でございます。

現在、山側の凍土壁をつくっているんですが、九七%凍結が済んでおりまして、残る部分を原子力規制委員会の認可をいただいた上で凍結を始めますので、そこを最後、規制委員会の方と調整をしている。こういう形で、最終的には早期に凍結をしてまいりたいと思います。

こういった状況下の中で、やはりしっかりと安全にこの作業を進めていくということで、国が前面に立って取り組んでまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 ありがとうございました。
印象としましては、やはりタンクの数が大変ふえている。九百本というお話で、大体つくるのに一本当たり約一億円、しかも、これが一週間に一本ずつふえていく。中にはトリチウムですから、諸外国はほとんどそれをそのまま海水に流しているというところが多いわけですけれども、風評被害、漁協の方たちとの交渉もあられると思いますが、恐らくこれは、千ぐらいに達する段階では何らかの対策をとらなければいけないと思いますので、ぜひともその検討もお願いをしたいと思います。

先ほどスウェーデンのお話がありましたが、昨年夏、調査議員団としてドイツのグライフスバルト原子力発電所に行かせていただきました。ドイツ統一後にソ連型のこの原発は安全基準を満たさないということで廃炉が決定されまして、一九九五年から作業が続いております。担当者の方が、全ての作業が終わるのは二一〇〇年ごろになるだろうと。やはり百年がかりなんですね。福島も急いではいけません、時間をかけるべきです、特に元素の半減期とか減衰期とか、それをよく見て、特にコバルト60、事を急げば作業員のリスクが増します、時間をかけてください、このようにおっしゃっていたことが忘れられません。

したがって、一Fにおきましても、まず全容を解明していただく、その上でどのような廃炉への道筋を考えていくのか、ぜひともこの言葉も参考にしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

ただ、一方で、廃炉が進まなければいつまでも風評被害にさらされるという現地の方たちのお声もあります。この廃炉は、先ほど申し上げましたように、長い道のりの作業でございます。それだけに、広報のあり方が重要だと思っております。国際的にも、これ以上不要な風評被害をつくらないよう、広報体制の整備を求めたいと思います。

先月、格納容器内へのロボットの投入によりまして溶け落ちた燃料デブリの様子が一部明らかになった際に、五百三十シーベルトという高い放射線量が検出されたと、世界にその数字が一斉に配信されまして、一部海外メディアでは全く違った報道が流れまして、その結果、日本旅行をとめるとか、さまざまな誤解が走ったために、大きな影響が生じることとなったわけでございます。

諸外国にありましては、風評被害により、いまだ農作物の輸入規制を解除していない国々もあります。今後、政府が安心と安全を伝える広報をしっかりと行うべきだと考えます。

当然、受け手によりまして、誰が聞くか、避難している方なのか、十二市町村以外の福島県民なのか、福島県以外の人々なのか、海外の方たちなのか、海外によっても温度差があります。それぞれそうした温度差がある中で、どのように広報を行っていくのか、もう一段検討を進める必要があると考えます。

経産省、環境省、厚労省、外務省、農水省、ばらばらの広報体制を政府として一元化して、正確な情報が必要な受け手にきちっと届くように政府を挙げて取り組むべきと考えますが、お考えはいかがでしょうか。

○小糸政府参考人 お答えいたします。
復興庁におきましては、放射線影響に関する情報発信に関係省庁が連携して施策を推進する体制づくりを行っておるところでございます。

先月、二月二十四日に開催をいたしました風評対策タスクフォースにおきましても、あらゆる機会を捉えて、農林水産物の安全性あるいは放射線影響に関する正しい知識、こういったものについて最新の情報を国内外に発信することを復興大臣から各省庁に指示をさせていただいたところでございます。

特に国外向けといたしましては、多言語の情報媒体を活用した政府広報、あるいは外国要人、外国プレス、在京大使館に対する情報発信などにより、国外における理解の促進に努めてまいりたいというふうに考えております。

今後とも、情報発信を強化すべく、新聞、テレビ、インターネットなど、国内、国外、それぞれの受け手に応じた訴求効果の高い媒体を活用するなどにより、政府一体となって風評の払拭に努めてまいりたい、このように考えております。

○高木(美)委員 ここは、例えば中国は放射線ということに対して知識が余りおありにならないですよね、特に国民の皆様の間には。また、韓国もぴりぴりとしながら、まだ日本の輸入規制を続けている。

それぞれの国の状況によっても、ここもやはり温度差が違うわけですから、それぞれの国の状況に応じて、説明が必要なところ、大使館に直接行くべきところ、そうしたところをきめ細やかにこれからさらに進めていきませんと、せっかく進めているところが、福島全体が、また東日本全体が、日本が危ないみたいな、そんな報道が走ったものですから、これをしっかりと教訓にしていただきながら、そうしたことを本当に力を合わせてやっていただきたいと思うんですが、現地で苦労されている高木副大臣、いかがでしょうか。

○高木副大臣 今御指摘のとおりだと思います。
やはり、誰に対してどういう広報をするかということをしっかりと考えていかなければいけない。そのためには、それぞれの部署がそれぞれやるのではなくて、やはり情報を一元化しながらやっていくような広報体制も今後検討してまいりたいと思います。

その上で、これまで、オンサイトとオフサイト、双方の効果的な情報発信ということで、やはり映像が一番わかりやすいということで、海外向けと国内向けの動画をそれぞれ作製してまいりました。特に、外国の要人と会ったときにはそれをお渡しして、見ていただいて、福島の現状はこうです、こういったことで、最新の国内向けの動画も三・一一に向けて、近日、近いうちに発表してまいりたいと思います。

また、官邸と連携をいたしまして作製をしました海外向けの短編動画ということで、九十秒の動画を、これはネットで三十二万回再生されておりまして、さらには、今後、四月からですが、JALとANAの国際線にその九十秒動画をずっと流すように、また、成田と羽田にも流すような体制をつくりまして、やはりいろいろな形で広報として発信をしてまいりたい、このように考えております。

○高木(美)委員 できれば副大臣級とか、ちょっとそういうところでもう一回見直ししていただいて検討していただくということをお願いしたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○世耕国務大臣 御指摘、本当にそのとおりだと思います。
官邸の副大臣会議なんかでは、高木副大臣から従来から重要性を訴えていただいていますし、各省でいろいろな用意をしているツールをお互い共有して活用して、今の短編動画なんかは非常にできがいいですから、これをぜひ皆さんに御活用いただくことは非常に重要だと思いますし、廃炉も含めて原子力関係の広報というのは、私はこれから、ちょっと余りやっちゃいけないみたいな感じになっていましたけれども、少し前へ出て、わかりやすくやっていくということは重要だなというふうに思っておりまして、今、省内でも少し検討をしているところでございます。

○高木(美)委員 風評被害の防止、よろしくお願いいたします。
続きまして、中小企業、小規模事業者の事業承継問題について伺います。

今後、二〇二〇年には数十万人の団塊の世代の経営者が平均引退年齢に差しかかります。この数年が重要でありまして、待ったなしの課題でございます。現在、中小企業政策審議会におきまして、事業承継及び中小企業への支援体制について見直しの議論が行われていると伺っております。

日本政策金融公庫総合研究所のインターネット調査によりますと、親族外承継が六割を超えていますが、六十歳以上の経営者のうち約半数が廃業を予定している、特に、個人事業者で七割が自分の代で事業をやめるつもりとしている、廃業の理由として後継者難を挙げる企業が約三割を占めている、そうした調査でございます。

そこで、三月三日、公明党の経済産業部会で東京都事業引継ぎ支援センターを視察してまいりました。センターでは、平成二十三年開設以来、きめ細やかな無料相談に応じておりまして、後継者不在のMアンドA支援に実績を上げてきております。
五年間の相談実績、これは東京におきましてですが、五年間の相談実績二千六百二十七社、そのうちMアンドAの成立は百十三件、要するに、セカンドオピニオンとして、公正中立な機関なので、本当のところを聞きたいとか、こういう質問も多くあるようでございます。全国におきましては、相談実績約一万四千社、MアンドAは五百五十件と伺っておりまして、既に全国も、各都道府県、こうした引継ぎ支援センターが設置されていると伺っております。
ただ、潜在的なニーズ、また、これからの爆発的に伸びていくニーズを考えますと、一層の取り組みの強化が重要かと思います。人材の確保とセンターの拡充が急務と考えております。

また、事業承継が進まない背景として、経営者が外部に相談しづらいという事情があるとか、また、仕事が人生という方にとっては、承継するということは自分の人生が終わってしまう、そういう思いもあられるとか、さまざまな状況を伺っておりますが、いずれにしても、事業承継の手前で行う潜在的な支援を必要とするこうした対象者の方たちの啓発とか掘り起こし、また、事業承継の後の支援まで一貫して行うような体制の確立が急務であると考えております。

政府は、こうした危機的な状況に対しましてどのように取り組むおつもりか、答弁を求めます。

○世耕国務大臣 事業承継、本当に重要なテーマだと思います。特に、六十歳を超えた経営者の方で、もう事業承継の準備をちゃんとやっているという人はまだ半数に満ちません。八十を超えた方でも半数に満たない。これはいろいろ思いもあるんだろうとは思いますけれども。ですから、後継者の選定も含めて事業承継の準備をしっかり進めてもらうということは喫緊の課題だと思っていまして、政策総動員してやっていきたいと思います。

具体的には、今御指摘の事業引継ぎ支援センターというところ、まず、ここの体制を大幅に拡充しました。今年度予算で、今までは十二億円でしたけれども、今年度は十七億円に拡充をして、体制が弱い地域に、この支援センター、しっかりとネットワークを張りめぐらせていくということをやりたいと思います。

また、なかなか見ず知らずの人に相談しにくいということがありますから、身近な相談相手とも言える、例えば同業組合とか、地域の商工会、商工会議所、そういったところに事業承継ネットワークを構築していきたいというふうに思っておりまして、これも二十九年度予算で二・五億円ほど措置をさせていただいております。

また、なかなか言いにくい方には、自分で診断してくださいということで、診断シートという仕組みを入れていまして、それで自分でチェックして、これはまずいなという自覚を持ってもらうというようなこともやっておりまして、その結果をまた先ほどの事業引継ぎ支援センターへ取り次いでいくというようなこともやらせていただいています。

また、御指摘のように、承継後の支援というのも重要でありますので、事業承継補助金というのを、二十九年度、創設をさせていただいて、二億円ほどの予算を今、予算案の中に入れさせていただいています。

こういうふうに、いろいろな施策を使って、まず経営者に自覚をしてもらって、事業承継の準備にかかってもらうことが重要だと考えております。

○高木(美)委員 この事業承継それから中小企業の支援のあり方につきましては、我が党からもまた提案をさせていただくつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。

最後に、ITにつきまして質問させていただきます。

第四次産業革命の時代におきましては、やはりIoT、今私たちはソサエティー五・〇と言っておりますが、IoT、ビッグデータ等の大量のデータを保有し、そうした情報を効果的に組み合わせ、分析することで、新たな付加価値が創出されます。また、あわせてイノベーションが生まれるわけでございまして、IT戦争の、IT戦争とIT業界は言っておりますが、その成功要件は、一つは膨大なデータを集める。二つ目にその処理能力、これはデータセンターなどバックアップする仕組みも必要というお話です。また、三つ目にIT人材ということでございますが、そこで、議員立法で官民データ活用推進基本法を成立させ、施行されたところでございます。

アメリカ初め海外では、データのそうした時代の変化を捉えた企業が出てきておりまして、グーグル、アマゾン、アップルなど、データ集中が起きております。既に日本のビジネスITデータの半分は海外クラウドに依存しております。ただ、日本からはこうした企業はまだ出てきていないというのが現状でございます。

一方、中期的には、これから、自動運転、ロボット、AI等の技術の進展によりましてデータの流通量が爆発的に増大していきます。これを全て海外に持っていくというのではなくて、国内でもその処理を実施することが重要と考えております。
特に、我が国で守るべき農業の関係とか健康・医療データとか、また自動運転などのデータは、私はこれは国内に置くべきだと考えておりますし、その峻別も、どのデータはクラウド、どのデータは日本に置く、こうした峻別も求められる段階に入っていると考えております。

こうした状況を踏まえまして、我が国におきましても、国内のデータ流通のルール整備や、データセンター業を含めたデータビジネスに対する支援を充実させていくべきと考えますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

○世耕国務大臣 御指摘のとおり、これから、第四次産業革命のIoTですとかAI、これの成否を握るのは、やはりデータの量、ビッグデータをどれだけきちっと流通させていくかというところがポイントだと思っています。
 今御指摘のようなグーグルとかアマゾン、アップル、これは消費者のビッグデータをだあっと集めているわけです。日本はなかなかもうここでは対抗するのは今からでは難しいと思います。

ただ、日本にもいいビッグデータがあるわけです。一つは、例えば、日本は国民皆保険であります。レセプトデータという形で診療の基本的データがある程度電子化をされている。これをうまく使えばビッグデータになってくる。あるいは、ものづくり、オートメーション、ロボット化というのが進んでいます。ここでとれるデータ、これをビッグデータとして扱っていくとおもしろいことになるかもしれないということで、チャンスはまだ幾つもあるというふうに思っています。

ただ、どうしても個人情報保護との関係、あるいは、個別の社が自分のところの企業のデータを出すのはちょっと怖い、嫌だというような動きがありますので、そういったところをクリアするために、データ流通の環境整備というのも重要だと思っています。

個人情報保護との関係とか、あるいは、業界内でルールをつくっていって他社へ漏えいというようなことにはならないような仕組みとか、そういったことをしっかりやっていくことが重要だと思います。

あと、国際的な枠組みも非常に重要でありまして、やはりアメリカはどちらかというと自由なんですね。やってみて問題が起こったら、それで、そういうところからグーグルとかが出てきている。ヨーロッパは逆に個人情報は非常に厳格でありまして、日本がせっかく個人情報保護法ができているにもかかわらず、まだ日本の仕組みが十分理解されていないということがあって、日欧の間のデータ流通の協定はできていないという状況です。これも非常にゆゆしき問題なので、できるだけ交渉を加速していきたい。

いろいろな形でビッグデータ、しっかりと取り組んでまいりたいと思っています。

○高木(美)委員 申し上げましたデータセンターを含むそうした人たちへのまたバックアップも今後どのように進めていくのか、ぜひとも御検討をお願いしたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。

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