日米経済対話、外国為替及び外国貿易法の改正、対北朝鮮対策等について

2017.4.19

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
本日は、外国為替及び外国貿易法、いわゆる外為法の法案審議ということですが、規制法でもありますので、さまざまな角度から議論をさせていただきたいと思います。

それに先立ちまして、昨日、初の日米経済対話が行われまして、世耕大臣はロス商務長官と二度目の会談をされました。

私は、日米の経済連携のさらなる深化は非常に重要と考えておりまして、自由貿易を推進していく観点からは、日本は、アメリカに対してだけではなく、世界に対してオープンな姿勢を見せるべきだと日ごろから考えております。

そこで、質問に先立ちまして、昨日の経済対話及びロス商務長官との会談につきまして、どのような内容であられたのか、今後の展望も含めまして、大臣から御説明をお願いしたいと思います。

○世耕国務大臣 私は経済対話本体には入っておりません。これは麻生副総理とペンス副大統領の間で。ただ、同時にロス商務長官も同行して訪日をされましたので、きのう、私とロス商務長官の間で個別会談の機会を持ちました。一時間ほど予定していたんですが、四十分オーバーするぐらい、非常に中身のある会談だったというふうに思っております。

詳細はなかなか、相手のこともあって御説明しづらいんですけれども、前の二月の首脳会談で安倍総理とトランプ大統領の間で合意をしている、日米でこれから新しい貿易・投資ルールをつくっていこう、そして、そのルールを、アジアを初めとする地域にしっかりと広めていこうというのが首脳会談の合意でありました。今回のロス長官との会談は、その延長上で、では具体的にどうしていくのかということについて、かなりいい話し合いができたというふうに思っております。

今回のロス商務長官と私の間で合意できた内容を、これからしばらく事務的に、といっても、相手がまだ事務方がほとんど承認されていない状況なんですが、相手の人事も待ちながら、今後事務方で少し詰めさせて、そしてまた、機会を見て私とロス長官で再会談をして、その進捗を確認するという形で進めていけたらなというふうに思っております。

いわゆる何か二国間で個別の物品について議論をするというような形には、全くきのうの私とロス長官の間ではなっておりません。首脳会談で合意された貿易・投資のルールという範囲の中でいい議論ができたというふうに考えております。

○高木(美)委員 また今後の進展も、日本に有利になりますように、大変だと思いますが、ぜひともよろしくお願いいたします。
近年、日本の国際化が進展しつつあるというのはもう誰もが実感していることだと思いますが、二〇一五年末の対内直接投資残高の対GDP比を見ますと、日本が四・九%であるのに対して、他の先進諸国は軒並み三〇%以上というふうになっております。こうした状況を踏まえると、日本の国際化の水準はまだまだ低い、まだまだ可能性があると言わざるを得ません。

したがいまして、外国企業や外国人が活躍しやすい環境整備等を通じて、今後ともさらなる国際化を推進していくことが重要であると考えております。先ほども白須賀議員から、日本が子や孫が食べていくためにというお話がありましたが、全く同感でございます。

ただ、一方で、大臣が提案理由説明で言及されていたように、先端的な民生技術の軍事転用についての懸念であるとか、また、アジアにおける国際関係の緊張の高まり等を考えますと、こうした国際化の推進と安全保障上機微な技術の流出懸念というのは、表裏一体にあると思われます。また、核実験、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の動きについても強い懸念を持たざるを得ません。

こうした背景から、機微技術の管理等を強化すべく外為法を改正するということですが、規制の強化については、その実効性や規制を受ける側の負担等を踏まえまして、丁寧に議論すべきものと考えます。このような観点から幾つか質問をさせていただきたいと思います。

まず、一般的に、規制強化を行いましても、規制を受ける側がその規制を必要とする背景をしっかりと認識をしていく、理解をしておく、これがなければ、規制による効果を十分に上げることはできないと思います。外為法による規制は、法の目的に「国際社会の平和及び安全の維持」と掲げられておりますが、日々刻々と変化する国際情勢の変化に対応したものであり、特に、安全保障と貿易管理の関係についてしっかりと対応することが求められております。

大臣にお伺いいたしますが、前回の外為法改正から八年、この間に国際環境はどのように変化し、今回の外為法の改正内容はこうした国際環境の変化にどのように対応したものになっているのでしょうか。お伺いします。

○世耕国務大臣 前回の外為法を改正して以来八年がたちまして、技術動向とか安全保障環境とか、あるいは、新興国が非常に国際的な投資をふやしているというような環境変化が起こってきております。また、国際的な商取引もかなり複雑化をして、ブローカーとかダミー企業が関与するようなケースも出てきているということであります。

具体的には、まず技術の環境変化ですけれども、技術革新が進んだということと、あと、途上国も新興国もかなり工業化が進んだということになっておりまして、今までだと先進国しか買わなかったような技術ですとか製品、例えば炭素繊維などの新素材ですとか、あるいは情報通信技術ですとか、精密加工に必要な機械ですとか、こういったものを買うようなケースがふえてきておりまして、この民生技術が軍事的に転用される、そういう懸念が全世界に広がっていっているという状況であります。

また、安保環境も非常に変化をしておりまして、今、喫緊の課題となっております、北朝鮮による核・ミサイル開発ですとか、あるいは南シナ海での緊張の増大などによって、アジアの安保環境が非常に厳しさを増しているわけであります。二〇一二年には、実はヨーロッパ地域の軍事支出をアジア地域の軍事支出の方が上回るというような状況、これは大きな変化だと思いますが、そういうふうに緊張も高まってきているわけであります。

先ほど申し上げましたように、新興国はかなり国際的な投資をふやしておりまして、二〇一五年現在で、ストックベースでいくと二割、フローベースでいくと三割が新興国による国際投資という形になっているわけでありまして、投資の環境も大きく変化をしてきています。そういう中で、アメリカ、ドイツなどの先進国では、安全保障の観点から、新興国からの直接投資に対して中止命令が出されるというようなケースも出てきているわけであります。

こういう中で、しかし、先ほど委員御指摘のように、対内直接投資、日本はまだまだふやしていかなきゃいけない、そういうアクセルを踏まなきゃいけない部分もあるわけですが、一方で、安全保障環境の観点から、やはりブレーキももうちょっと強いものが必要だということで、今回、法改正という判断をさせていただいたわけであります。

今回の改正案の中では、まず、輸出入、技術取引規制について、違反を行った法人に対する十億円の重科を創設するなど、罰則を大幅に強化いたしました。

また、輸出入に係る制裁の実効性を強化するために、輸出入の違反者に対する行政制裁について、別法人を利用した制裁逃れに対応するための制度を創設したり、あるいは、北朝鮮との輸出入禁止措置など、我が国独自の経済制裁に違反した場合の行政制裁措置の期間を一年から三年に延長するなどの措置を講じさせていただいています。

また、対内直接投資についても、違法投資に対して株式売却命令を事後的に命令ができるというような、規制強化の措置も講じさせていただきました。

こういうことを使って、機微技術の管理の抜本的な強化を、この国際化の環境の中でしっかりと行っていきたいというふうに思っております。

○高木(美)委員 丁寧な御説明をいただきました。
その中で、私が日ごろから注視しておりますのは、世界の対外直接投資の構造が大きく変化し、新興国の存在感が増しているという、ここをずっと注目しております。

新興国の企業は、当然のことながら、先進国企業の先端技術を手にする、それを目的に企業買収に積極的に動いているということを認識しておりまして、我が国企業の先端技術が軍事転用されてしまうという懸念は常につきまとっております。

例えば、この委員会でも何度も議論されておりますが、今まさに東芝の半導体事業の売却先として海外企業の名前が挙がっているわけでございまして、言うまでもなく、東芝には、コンピューター、スマートフォンなどの記憶装置や、すぐれたレーダー技術など、保有するデータも含めて、ここは、我が国産業や安全保障を支える重要な技術を持つ、いわば基幹産業の一つであると言っても過言ではないのが東芝であると思っております。

大臣の今の御説明では、アメリカなどでは、安全保障の観点から、新興国企業からの直接投資に対して中止命令が出されたというケースもあるという御答弁をいただきました。

日本では、外国資本に買収されることを想定した技術流出を防ぐためのルール整備がおくれているのではないかという指摘も実は受けておりまして、その意味では、今回の外為法の改正は、外国企業が日本企業を買収するための直接投資を適切に規制できるようにするための措置を盛り込んだものであるわけですが、具体的にどのようにして技術流出を阻止することができるのか。そして、東芝の事案もあるわけですから、この改正法案はできるだけ早く施行させる必要があると思いますが、大臣のお考えをお伺いします。

○世耕国務大臣 現在の外為法でも、外国投資家による日本企業の株式などの取得に対しては事前届け出義務があって、そして、それが出てきた場合に、国の安全を損なうおそれがあるか否かの観点から、かなり厳格な審査を行っています。

この審査において、安保上重要な技術の流出のおそれがあるかどうかも含めて、かなりしっかりとした確認を行っておりまして、国の安全を損なうなどの事態を生じるおそれがある投資に対しては、投資内容の変更または中止の勧告や命令を行うことができるというふうになっています。

私も大臣になってからいろいろレクを受けましたが、思ったよりかなり厳格にやっているという感じであります。

ただ、やはりこれでもまだ足りないところがありますので、今回の改正によって、規制の対象外でありました、まず、外国投資家間の非上場株式について事前届け出義務の対象とするということ。あるいは、外国人投資家が、技術流出防止措置を講じるなど、その届け出の中にいろいろな、こうやりますから大丈夫ですよということを書いてもらうんですね。それをちゃんと届け出てもらって、それを確認して、まあこれならいいかという判断をする場合もあるわけですが、それをちゃんと遵守しなかった場合、遵守するように強制力を持った命令を行うことができるようにするという意味で、さらにこの規制の効力を高めるということがあるわけでありまして、この改正によって、日本の投資規制においても、諸外国と同様に、投資の内容を迅速に遵守させることができるようになるというふうに考えております。
 
この法律は、別に何か個別のことを想定してつくった法律ではないわけですけれども、施行の時期については、議員の御指摘のとおり、今いろいろな動きもあるわけですから、できる限り早く施行することが望ましいというふうに考えております。この衆議院においても、早く審議入りもしていただきました。ぜひこの改正法案を御審議いただいて、経産省としては、できるだけ早く成立をさせていただくことを期待させていただいておりますし、成立させていただいた後は、できる限り早く施行するべく、事務方に早期施行に向けた準備を進めさせたいというふうに考えております。

○高木(美)委員 ありがとうございます。力強い御答弁をいただきました。
大臣、この後、参議院本会議と伺っておりますので、どうぞここで御退席いただければと思います。ありがとうございました。

次に、対北朝鮮措置に関係する質問につきまして伺いたいと思います。

先ほど大臣から、核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対して、我が国の制裁をより実効的なものとするために、輸出入禁止に違反した者に対する行政制裁措置を強化したという御説明をいただきました。

北朝鮮に対しましては、日本は、独自規制として全貨物の輸出入禁止措置を講じるなど、国連安保理決議よりもさらに踏み込んだ対応をしてきているのは確かですし、私はそれは当然必要な対応だと考えております。

しかしながら、幾らそこでこうした措置をとったとしても、先日、金正男氏の事件で明らかになったとおり、東南アジアの国々など、北朝鮮と経済関係を持つ国が多くあります。その中で日本だけがしっかりと輸出管理をしていても、ほかの国が機微技術を北朝鮮に出してしまうのでは、技術流出阻止の実効性は担保されず、北朝鮮の脅威は拭い切れないと考えます。

したがいまして、東南アジアなどの国においてもしっかりとした輸出管理が行われることが必要であるわけですが、このような問題に対してどのように対応していくのか、井原政務官にお伺いします。

○井原大臣政務官 お答えを申し上げます。
まず、今回の法律、外為法と言われておりますが、外国為替及び外国貿易法という名前でございまして、これは実は、投資というお金と貿易という技術とか物というのが一体的に管理される法律ということでありますが、意外とこの法律は、主な国ではドイツと日本でしかありません。このそれぞれの物やお金の流れについて情報共有をするという管理体制がしっかりとれているのが我が国でありまして、この法律のおかげということになります。

しかし、先生のおっしゃるとおり、この管理は国際的に行ってこそ効果があるということでありまして、東南アジア等の国々が軍事転用可能な貨物等の製造拠点や迂回輸出先となっておりまして、北朝鮮等の懸念国等に流出することが大きな脅威となっているところでございます。

日本はアジアの中でいち早くこのような管理体制を構築した国でもございまして、この懸念の高まる中、これまでに培ってきた輸出管理の経験を東南アジア等の国々とぜひ共有を行いまして、アジアにおける強固な輸出管理体制の構築に貢献することは非常に重要と考えております。

具体的な取り組みでありますが、毎年四つから五つの国に、政府間によるアドバイスとか、あるいは現地産業界への普及啓発活動を行っております。また、二十四年間にわたりまして、アジアでは最大規模となるアジア輸出管理セミナーというのを開催いたしております。

さらに、平成二十八年度からは、輸出管理制度の構築を具体的に検討している国の政府を対象に、我が国の専門家を派遣する事業も開始しており、今後、こうした取り組みをさらに強化をしてまいりたいと考えております。

○高木(美)委員 よくわかりましたが、厳格な輸出管理を実現していくためにはやはり運用が重要でございますので、ぜひともさらなる取り組みをお願いしたいと思います。

また、近年では、民生技術が軍事技術に応用されるスピンオン、今までは副産物のスピンオフの方でしたが、スピンオンが主流となってきておりまして、管理すべき技術の裾野が広がっております。

先ほど来お話あります炭素繊維は、ゴルフクラブのシャフトとかテニスラケットにも使われている一方で、戦闘機やミサイルにも利用が可能な最も機微性の高い技術でございます。また、炭素繊維のような汎用性の高い材料は、海外に輸出されてから用途が決まるといったケースもありまして、一度海外で保管されて売られる、いわゆるストックセールのような取引も行われております。

そこで、実務について伺いたいのですが、こうした炭素繊維のストックセールのような場合、輸出許可の審査はどのように行われているのでしょうか。

○飯田政府参考人 お答えいたします。
炭素繊維のような機微な貨物の輸出に当たっては、原則は、最終需要者、最終的にこの貨物を使用する事業者、それから、その最終的な用途、それから、具体的にどのような形で使っていくかという計画が明らかになっているということを確認した上でその輸出を認めるというのが原則でございます。

ただ、今委員御指摘のとおり、海外でストックセールを行うというような事業の実態もございまして、ここを考慮いたしまして、国際的な輸出管理レジーム、ワッセナー・アレンジメントのような国際的なレジーム全てに参加しているなど、輸出管理を厳格に行っている国に輸出する場合には、そのエンドユーザー、エンドユースが最終的に確定していない段階におきましても、厳格に炭素繊維を管理、保管することを条件として輸出を許可する場合がございます。

ただ、これも先ほどの原則に立ち返りまして、もし仮に懸念用途に使用されるおそれがある場合には、改めて個別に輸出許可申請をすることを事業者に求めまして、問題のないことを確認してから輸出を許可する、こうした運用をしております。

○高木(美)委員 恐らく、こうしたことは審査官の方々の日々の規制の運用によって防がれているというふうに思っております。

輸出管理の実務が非常に厳格に行われているということですが、他方で、これだけ厳格な輸出管理をしている実態を考えると、今度は、規制を受ける側、特に技術を持つ中小企業がどこまでこうしたことを理解されているのかという点が気になるわけでございます。

私も今、ずっと中小企業の視察を重ねておりますけれども、日本には、世界じゅうでその企業でしかつくれないようなすぐれた技術を持つ中小企業がたくさんあります。そうした高度な技術の中には、輸出管理規制の対象になっているものもあると思います。しかし、経営者の方たちは、自社の技術がどれだけ重要で、どれだけすばらしいのか、機微なものなのか、これを理解されていない方もいらっしゃるかと思います。日本の技術が軍事転用されることで、我が国の安全保障が脅かされるだけではなく、世界の安全保障に悪影響を与えるようなことは絶対にあってはなりませんし、そうしたことは経営者の方たちは考えているわけではないと思っております。

そこで、長年、中小企業政策に携わってこられた高木副大臣にお伺いいたします。

こうした輸出管理に関して、中小企業の方々によく理解をしていただき、取り組みを進めてもらうために、経済産業省としてどのように支援をされているんでしょうか。

○高木副大臣 ただいま委員御指摘のとおり、中小企業の方々に安全保障貿易に対する認識を高めていただくことは大変重要であると認識をしております。

その上で、経済産業省としては、全国各地で年間百回程度の安全保障貿易管理に関する説明会などを開催しておりまして、安全保障貿易管理をわかりやすく説明しているパンフレットの配布など、さまざまな普及啓発活動を行っております。特に、説明会の一部は各地の商工会議所やジェトロが主催するなど、輸出などを検討する中小企業にも規制の内容や必要な取り組みが十分に周知がされるよう工夫をしております。

また、こうした取り組みによりまして、多くの企業では安全保障貿易管理に関する自主管理内部規程が策定されるなど、理解が進んでおりまして、一定の輸出管理体制構築も進んでおります。

今後、中小企業を主な対象とした説明会をさらに充実させていくとともに、法令遵守のアドバイスを行うための企業訪問などを行うことを通じまして、この輸出管理の一層の徹底を図ってまいりたい、このように考えております。

○高木(美)委員 大変重要な取り組みだと思います。どういう場合にそうした軍事転用される危険性があるのか。どういう業種なのか。業種もいろいろあろうかと思いますけれども、ただ、そうした業種でなくても、持っている技術が転用の懸念がある、そうした技術に対する認識、そしてまた、先ほどお話がありましたこうした内部規程のあり方等々を含めまして、今後とも徹底をお願いしたいと思います。

さて、その次に気になりますのは、今度は中小企業。今、事業承継が大きなテーマになっておりまして、そのための施策、どうすることがいいのか。金融機関が伴走するなどさまざまな施策が今後必要になるわけでございますが、外国資本がすぐれた技術を持つ中小企業を買収して、技術が流出するようなことはないのかという懸念でございます。

中小企業の場合、どんなにすぐれた技術を持っていても、景気などの影響で経営が行き詰まることがあります。私もそうした相談に何件も乗ってまいりまして、経産省につなげながら、そこで、こういう融資があります、また、こういう機器を購入することのためにこうした補助金がある等、ちょっとやっていただくだけで、その次、大きな経営効果を生んでいく。そして今、見事に飛躍している、こういう企業もよく存じ上げているわけですが、このように経営が行き詰まってしまってからでは、外国資本が買収しようとアプローチをかけている、それを断ってしまうと中小企業はそのまま倒産するしかなくなるという事例も見受けられます。

また、外国の事業者が買収を図る場合に、団塊の世代の中小企業の経営者が引退するタイミングを待っている。こうした、実に中小企業の弱みにつけ込むような戦略的買収も予想されるわけでございまして、こうした中小企業の経営実態を踏まえますと、外為法による対内直接投資の規制だけでは十分に技術を守ることができないのではないか、また、そうしたこともあるのではないかと思います。

そこで重要になるのが、すぐれた技術を持つ中小企業が外国資本に頼らざるを得なくなる前にいかにして支援をしていくか、ここが重要でございまして、高木副大臣に再びお伺いいたしますが、経産省はこうした中小企業に対してどのように対応していくのでしょうか。

○高木副大臣 ただいま委員御指摘いただきましたように、すぐれた技術を持つ中小企業であっても、景気の状況などにより厳しい経営環境に置かれて、外部からの支援が得られなければ事業を継続できない、また、外国資本の買収を受けなければ倒産をしてしまって、結果として技術そのものが失われるという事態が生じることがあり得ると思います。

そこで、外為法の対内直接投資規制の前段階、早目早目の状況把握をして対応することが重要になってくると思います。日ごろから、すぐれた技術につきましては、どの企業がどのようにかかわっているか、また、関係する企業の経営状況などを把握していくことにより、外国企業に買収されなければ倒産という状況となる前にさまざまな支援策を紹介したり、取引先による支援につなげるといった対応が可能になると考えております。

このため、経産省としては、我が国の産業競争力上重要な技術で安全保障に資する技術、いわゆる重要技術につきまして、技術の最新動向も踏まえまして、どの重要技術をどの企業が保有しているか、また、どのような用途に用いられているかなど、実態の把握を進めております。

また、すぐれた技術が次世代に引き継がれていくという円滑な事業承継に向けた準備を促すための支援、また、財務状況が悪化している中小企業に対する経営改善また事業再生支援を行っております。

例えば、事業承継につきましては、委員御存じのように、平成二十九年度から、商工会、商工会議所、また、金融機関、同業種組合などから構成される事業承継ネットワークを都道府県ごとに順次構築いたしまして、その構成員の方々から経営者の方々に対しまして、事業承継診断の実施などにより、潜在的な事業承継ニーズを掘り起こしていただき、適切な支援機関につないでいただくようにしています。

また、後継者不在の中小企業に対しましても、全国に事業引継ぎ支援センターを設置しまして、MアンドAなどの後継者マッチングの支援を行うなどの支援を実施しているところでございます。

また、経営改善、事業再生につきましては、税理士や中小企業診断士などの認定支援機関を活用した中小企業の経営改善計画策定への支援、また、中小企業再生支援協議会による中小企業の個別状況に応じた相談対応や、専門家による再生計画の策定支援、債権者である金融機関との調整などの支援などを行っております。

いずれにしても、機微な技術の問題だけではなくて、中小企業全体をしっかり支えていくということが最も重要であると思いますので、今申し上げましたそれぞれの施策を十二分に生かしながら、そして、この貿易の問題に関しましても、しっかりと守っていけるように、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

○高木(美)委員 大変力強い御答弁をいただきました。
今、公明党におきましても、中小企業活性化対策本部並びに経済産業部会でヒアリングそしてまた視察等を繰り返しておりまして、提言を近々出したいと思っております。

中小企業支援について、今お話しありました、メニューは出そろっておりますが、ここをどのように組み合わせながら、また、どのパーツを強化しながら、また、新たな提案も加えながら前に進めていくことが、外国企業に買収されないためにも必要であると思っております。

ただ、貿易管理の制度と中小企業支援策の両方を持っているのは経済産業省でございますので、ぜひ、経済産業省のイニシアチブに今後期待をしていきたいと思っております。

日本が国際化を進めていくことはもちろん重要ですが、適切な技術管理とのバランスをとることが、日本だけではなく、世界にとっても重要と思います。先ほど大臣の御答弁にありましたとおり、こうした観点を踏まえまして、今回の外為法の改正が実効性ある規制となりますように、そしてまた、本法案が速やかに成立され、施行されますように、私どもも力を合わせて頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

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