手記:高木美智代衆院議員

 第113回IPU(列国議会同盟)会議が10月17日から19日まで、約100カ国、550人の国会議員が集い(日本から7人参加)、スイス・ジュネーブで開催された。

 IPUは1889年に設立された世界の議会による国際組織で、各国議員の対話の中心機関として、国際平和と国際協力、議会制民主主義の確立のために活動している。

 今回の会議では、(1)任期満了に伴う議長および副議長選挙(2)大地震やハリケーンなどの自然災害に対する議会の役割――などについて討議され、決議案が採択された。

 私は女性議員の諸会合に出席するとともに、「国籍と無国籍」のテーマで行われたパネルディスカッションを担当し、発言した。

 国籍について米国は、自国で生まれれば米国籍を取得できる生地主義を採用しているが、日本は父母の国籍を基にする血統主義を原則としている。ただし、日本で生まれた子が無国籍にならないように、補完的に生地主義を取り入れ、父母が共に分からない場合や国籍を持たない場合に、日本国籍を持つことができるようにしている。

 しかし、完全に防ぐことはできず、2004年の統計では約1800人が無国籍として登録。理由はさまざまだが、近年では外国人女性が不法滞在中に出産し、届け出ができずにその子が無国籍になるケースが増加している。

 無国籍者は、どの国家からも保護されず、教育・福祉の権利、移動の自由も与えられない。これは基本的人権の問題である。公明党も浜四津敏子代表代行を中心に、沖縄におけるアメラジアンなどの問題に全力で取り組んできた。

 ディスカッションでは、難民や無国籍者の防止と保護に国際社会の一層の努力が必要であるとの認識を共有した。

 また議長選挙では、参加国の投票権が、各国の団長、副団長、女性議員の代表へ1票ずつの計3票(女性が参加していなければ2票)与えられるなど、女性の地位向上に力を入れている印象も強く受けた。

 イタリアとベルギーの2人の議長候補は、全参加者の前で選挙演説を行った後、女性議員だけの会合に出席。候補者に対する質問会では、「性的偏見をなくすために何をするのか」「女性のIPU参加を増やすためにどんな準備があるのか」といった、手厳しい意見を交えた質問が続出。両者からは、「副議長に女性を選出したい」「各国からの報告者は男性女性半々にする」など多くの公約が述べられた。

 投票の結果、イタリアの候補が勝利し、直ちに副議長に女性が選出されたことには目を見張る思いがした。

 日本はグローバル化が進み、人の移動が加速度を増している。個人の人権が優先される時代になりつつある今、国の在り方を再考するときがきていると痛感した次第である。




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