がん対策、認知症施策、新オレンジプラン、若年性認知症について

2018.3.16

○竹内真二君 公明党の竹内真二です。

予算委員会で初の一般質問となります。よろしくお願い申し上げます。

質問の本題に入る前に、財務省による決裁文書の書換え問題について触れさせていただきます。

今月二日に報道がなされ、今日で二週間、書換えという言語道断の事実が判明し、今なお、誰の指示か、なぜやったのか、これで本当に全部なのかといった国民の間で疑念も今なおくすぶっております。これまで、財務省理財局の一部職員により書換えが行われ、国会での答弁が誤解を受けないようにという説明がなされていますけれども、しかし、国民の間では、やはり本当に理財局の一部だけでこれだけというものをやったのかというような疑念も払拭されておりません。やはりここは、一刻も早く真相を解明せよとの国民の厳しい声、そして一方で、山積する国民生活の課題にもしっかり取り組めと、こういう国民の思いをしっかりと政治が受け止めていかなければならないと考えております。

そこで、麻生財務大臣に書換え問題の早期全容解明にリーダーシップを発揮していただき、国民の信頼回復に全力を挙げていただきたい、このことを強く申し上げまして、本来の質問に入らせていただきます。
   
〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕

本日は、国民の健康という観点から、我が党が力を入れておりますがん対策、認知症施策の二点について政府の取組を伺いたいと思います。

初めにがん対策です。

昨年十月に第三期がん対策推進基本計画が策定されましたが、その重点分野の一つががん医療の充実です。この中にあるゲノム医療は、患者の遺伝子情報、ゲノムを解析することで最善のがん治療を選択できるようにしようという試みであります。この最先端のがん医療により、がん患者の治療効果が上がり、副作用も減らすことができる、医療費の抑制にもつながる、こうした効果があると期待をされております。

しかし、同時に、忘れてはならないことは、がん対策基本法の立法の趣旨が、日本のがん対策の遅れた分野をカバーするとして、診断時からの緩和ケアの推進、放射線治療、化学療法の推進、そしてさらには医療者の育成であるとか、がん検診受診率の向上ということであったことです。

そこで、厚生労働省に伺いますが、今後本格化する我が国のがんゲノム医療の現状と来年度予算案を含めた政府の対応、そしてがん対策基本法の目指してきた緩和ケアや放射線治療、化学療法の推進などについてどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。

一人一人のゲノム情報に基づきまして個人に最適化したがん診療を行うがんゲノム医療につきましては、昨年十月に策定した第三期のがん対策推進基本計画におきましても基本計画の三本の柱のうちのがん医療の充実に位置付けまして、現在、提供体制の構築や患者が安心して治療を受けられる環境の整備などを進めているところでございます。

平成三十年度予算案におきましては、がんゲノム医療に関連する予算といたしまして四十九・一億円を計上しております。そのうち、がんゲノム医療中核拠点病院機能強化事業といたしまして三・三億円を計上しており、がんゲノム医療を牽引する高度な機能を有するとして指定をした十一の中核病院を中心に、今後、がんゲノム医療の提供体制の整備などに取り組むこととしております。

また、緩和ケアや放射線治療、化学療法につきましても、第三期の基本計画に基づきまして、一つは、緩和ケアにつきましては、平成三十年四月より緩和ケア研修会の対象者をがんなどの診療に携わる医師など以外の医療従事者にも拡大をすること、また、放射線治療につきましては、引き続き標準的な治療の提供体制の均てん化を進めるとともに、粒子線治療などといった高度な放射線治療につきまして都道府県を越えた連携体制の整備を検討をすること、またさらに、化学療法につきましては、専門的な医師や薬剤師、看護師などの人材育成や適正配置に努めることとしております。

引き続きまして、こうしたがん医療提供体制の充実などを通じて、がん対策の推進に取り組んでまいる所存でございます。

○竹内真二君 高木副大臣、ありがとうございます。

がん対策でもう一点、がん教育についてお聞きします。

改正がん対策基本法では、がんに関する教育の推進の条文も新たに加えられ、中学校、高校の学習指導要領にがんに関する記述も盛り込まれました。こうしたことから、児童生徒に対するがん教育が進むことが期待をされております。

がん教育の目標は、がんを正しく理解する、命の大切さへの認識を深めるということにあります。そのために、教師による授業と医師やがん経験者ら外部講師による授業、この二つが車の両輪となって行われなければなりません。衆議院の代表質問でも、我が党の井上幹事長が、医師等の外部講師の活用によるがん教育の全国展開にも取り組むべきと訴え、答弁で安倍総理も、医師等の活用と明言をされております。

一方で、学校教育の現場では、自治体によっては教師による授業のみにとどまっていたり、外部講師もがん経験者のみであったりと、その対応はばらばらであるのが今実態であります。

そこで、林文部科学大臣に伺います。

がん教育における外部講師の医師の活用ということに関して、文部科学省として、厚生労働省とも連携をしていただいて、各自治体にもう少し方向性を明示すべきではないでしょうか。そのためにも、現場の課題を集約、分析し、スムーズに展開を図っていくために、従来、がん教育を牽引してきたがん教育検討会を開催して、がん教育実践者や現場の方々から意見を伺っていくということこそが重要であると思いますけれども、我が党幹事長の質問や総理答弁も踏まえ、林大臣の積極的な答弁をお願いいたします。

○国務大臣(林芳正君) がん教育につきましては、平成二十四年の六月に閣議決定をされました第二期がん対策推進基本計画におきまして、五年以内に、学校での教育の在り方も含めまして、健康教育全体の中でがん教育をどのようにするべきか検討し、検討結果に基づく教育活動の実施を目標とすると、こういうふうにされておるところでございまして、これを踏まえて文科省では、平成二十六年度に有識者で構成されたがん教育の在り方に関する検討会を設置いたしまして、がん教育の定義や目標など学校におけるがん教育の基本的な考え方や、今お話のありました外部講師の確保、さらには教材の作成など、今後の検討課題について報告を既に取りまとめております。

この検討会での議論を踏まえまして、今度は、平成二十七年度から二十八年度にかけて、外部講師の活用に関するガイドライン、それから、がん教育に関する教材、これを作成しまして、さらに平成二十九年度には、その教材の教師用指導参考資料、これを作成してきたところでございます。

昨年十月に第三期がん対策推進基本計画が策定されておりますが、ここには、国は、全国での実施状況を把握した上で、地域の実情に応じて、外部講師の活用体制を整備し、がん教育の充実に努めると、こういうふうにされたことも踏まえまして、今御指摘のありましたがん教育の在り方に関する検討の場の設置、これも含めて、どのようにきめ細かく現場の御意見を伺うべきか検討し、引き続きがん教育の充実に努めてまいりたいと思っております。

○竹内真二君 この外部講師の医師の活用ということと、それから検討会の開催、非常に重要な視点でありますので、是非重ねてお願い申し上げます。

林大臣への質問は以上ですので、どうぞ退席いただいても結構でございます。

○理事(宇都隆史君) 林文部科学大臣は御退室いただいて結構でございます。

○竹内真二君 次に、認知症施策についてです。

人生百年時代とも言われる中で、認知症は、家族が発症するところまで含めると、誰もが直面する可能性のある問題と言えます。

我が国における認知症の人の数は、二〇一二年時点で四百六十二万人と推計され、高齢者の約七人に一人が認知症とも言われております。そして、二〇二五年には認知症の人は約七百万人を突破し、高齢者の約五人に一人を占めると予想されております。さらに、認知症になる可能性が高い軽度認知障害、MCIの人、いわゆる予備軍とも言われますが、その存在を含めて考えれば、認知症施策の展開はまさに待ったなしという状況となっております。

そこで、認知症施策を効果的に進めるに当たっては、認知症の人の数を正しく把握するとともに、まず予備軍の方々への予防、それから認知症が発症したばかりのこの初期の段階、そして症状が進んだ認知症の人、それぞれの施策を適切に実施していくことが重要であると考えますが、見解をよろしくお願い申し上げます。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。

先生御指摘のとおり、認知症の方の数でございますけれども、平成二十三年度から平成二十四年度に行いました研究事業によりますと、平成二十四年におきまして約四百六十二万人、六十五歳以上人口の約七人に一人と推計されております。また、平成二十六年度に行いました研究事業によりますと、認知症の方の数、二〇二五年には約七百万人、御指摘のとおり六十五歳人口の約五人に一人になると推計されております。また、軽度認知障害の方の数につきましても、平成二十四年におきまして約四百万人と推計されております。

御指摘のとおり、認知症の発症予防、あるいは認知症の容体に応じて適時適切に切れ目なく医療、介護等が提供されることは極めて重要であるというふうに考えております。

厚生労働省におきましては、基本的には、新オレンジプランに基づきまして体制整備等を推進しております。

具体的にでございますけれども、運動、社会交流、趣味活動など日常生活における取組が認知機能低下の予防につながる可能性が高いということが指摘されておりまして、住民主体の運営によるサロンあるいは体操教室の開催など、通いの場の充実に向けた取組を進めております。

また、医療、介護等の関係者が連携して支援できるような体制づくりが重要と考えておりまして、認知症地域支援推進員あるいは認知症初期集中支援チームといったものの配置を進めるほかに、認知症の方の鑑別診断あるいは相談支援を行います専門的機関であります認知症疾患医療センターの設置などを進めているところでございます。

○竹内真二君 今答弁いただきましたように、この認知症に対する施策というのは大変多くの政策分野にまたがっておりまして、政府も今言われたように新オレンジプランを策定して国家戦略として取り組んでおりますが、公明党は認知症対策推進本部として、当事者や家族、有識者らとの意見交換、そして現場での調査も重ねて、昨年十二月に政府に提言をさせていただいたところです。

提言では、認知症当事者の本人意思を尊重しながら、家族を含めて寄り添う姿勢を重視、従来のお世話型支援から寄り添い型支援への転換を促しております。その上で、認知症施策を政府が総合的に進めるための基本法制定や若年性認知症への対策など、七分野にわたる施策の推進を強く求めております。

そこで、党の提言を踏まえながら政府の対応をお聞きします。

まず、新オレンジプランが昨年七月に改定をされ、二〇二〇年度末までに達成を目指す数値目標が盛り込まれております。しかし、認知症サポーターのように順調に整備が進む項目がある一方で、地域のかかりつけ医に助言する認知症サポート医の養成研修については新たに一万人という目標を掲げておりますけれども、間に合うのか、果たしてと心配をする声も一部に出ております。

さらに、二〇一八年度から全市町村に配置するとしながら、道半ばの項目も二つほどあります。一つは、専門医と医療、介護の専門職とで構成される初期集中支援チームです。二〇一六年度末時点では、これは前の数字ですけれども、市町村への設置は約四〇%という数字でありました。もう一つは、各支援機関の間に立って連携支援や相談業務などを行う地域支援推進員、これも配置している市町村は先ほどの時点で約七〇%にとどまっておりました。

そこで、サポート医の養成研修の見通しはどうか、また、この初期集中支援チームと地域支援推進員の配置は二〇一八年度に間に合うのか、配置が遅れた理由を政府としてどう捉え、地方自治体にどのような支援策を行っているのか、お聞かせください。

○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。

公明党から御提言をいただきまして、心から御礼を申し上げます。

この認知症サポート医につきましては、御指摘のとおり、認知症の国家戦略である新オレンジプランにおきまして、二〇二〇年度末までに一万人の認知症サポート医の養成を目標としておりまして、認知症サポート医研修の総受講者数は二〇一六年度末時点で約六千七百人と、目標に向けまして着実に養成を進めているところでございます。

また、認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員の設置状況につきましては、二〇一七年十二月末時点におきまして、初期集中支援チームが千百五市町村、約六三%、また地域支援推進員は千四百六十二市町村、約八四%となっておりますが、未設置の自治体につきましても確認をしたところ、ほぼ全市町村が二〇一八年、本年四月までに設置する見込みということでございます。

この厚労省の取組といたしましては、初期集中支援チームのチーム医の確保が困難との要望を踏まえまして、その要件の緩和措置を行ってきたほか、財政支援といたしまして、初期集中支援チーム員などが受講する研修費用や、都道府県におきまして未設置の市町村を支援するための会議開催の費用への支援などの実施、またさらには情報提供といたしまして全国の取組事例の共有など、設置の推進を図ってきたところでございます。

四月以降は、設置された初期集中支援チームなどの活動がより円滑に進むための事業費を平成三十年度予算に計上しておりまして、引き続き、認知症の方やその御家族が地域において安心して暮らし続けられるよう、自治体の取組を支援してまいりたいと考えております。

○竹内真二君 設置見込みということで安心いたしました。よろしくお願いいたします。

次に、党の提言でも柱の一つとしております若年性認知症の問題です。

六十五歳未満で発症した場合に若年性認知症としていますが、その数は全国で約三・八万人に上ります、推計ですけれどもね。推計の基となったこの調査から約十年が経過し、新たに若年性認知症の全国実態調査が行われると聞いております。正確な実態の把握というのは施策の実施に不可欠でありますから、しっかりと調査が進められることをお願いしたいと思います。

この若年性認知症については、初期症状というものが認知症特有のものではなくてなかなか診断しにくいことや、本人や周囲が何らかの異常に気付いたとしても受診が遅れがちになるといった特徴があります。また、その多くは現役世代が発症することから、生活費、子供の教育費など経済的な負担が大きく、支援を受けながら仕事との両立が課題となっています。

そこでお聞きしますが、全国実態調査の見通し、そして、この若年性認知症の人の視点に立った施策をどう進めていくか。特に、御本人や御家族のワンストップ窓口として全国に配置するとしている若年性認知症支援コーディネーターについて、公明党は都道府県ごとの設置では負担が大きいので設置を政令指定都市に拡充すべきではないかと提言していますが、この点についての見解もお願いいたします。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。

若年性認知症の数でございますが、御指摘のとおり、平成二十一年におきまして約三万八千人と推計されておりますけれども、今年度から全国の若年性認知症の有病率や生活実態を把握するための調査を、三か年の調査を実施いたしております。

具体的にでございますけれども、今年度は、一次調査といたしまして、全国十地域の医療機関、介護施設に対しまして協力を依頼しまして、若年性認知症の方の有無に関する調査を行ったところでございます。来年度以降でございますが、さらに、御協力いただける御本人や家族等に対しまして、医学的な情報や生活状況、サービスの利用状況等の調査を行うことといたしております。

若年性認知症の方に対する施策、就労面、経済面、社会参加など、様々な課題を先生御指摘のとおり抱えております。新オレンジプランでは、若年性認知症の施策の強化を柱の一つとして掲げております。

具体的にでございますけれども、現在、四十三都道府県に設置されております若年性認知症支援コーディネーターが中心となりまして、若年性認知症の方やその家族に対する相談支援、それから医療、福祉、就労等の関係機関のネットワークの構築などを行っております。

先生御指摘の指定都市までの拡充でございますけれども、平成三十年度予算案におきまして、この配置に係る費用助成の対象を指定都市まで拡充することといたしておりまして、引き続き、当事者や家族の声など幅広く伺いながら、若年性認知症の方に対する支援を推進してまいりたいというふうに考えております。

○竹内真二君 次に、認知症と診断された直後の対応について、相当本人にはショックが大きいわけですけれども、すぐになかなか施設には入れない、相談できる人もいないと、非常に空白期間というのが生まれていると言われるんですね。この空白期間に診断を受けた方が必要とする支援や情報にいかにつながっていくか、これ大事なんですけれども、この若年性認知症を含めて、この御本人に役立つガイドブックの作成、これによって支援すべきと考えておりますけれども、加藤厚生労働大臣の見解をお聞かせください。

○国務大臣(加藤勝信君) 初期の認知症の方については、必ずしも介護が必要な状態にないということもございます。

診断直後の対応において、本人に必要な今後の生活に関する様々なサポートがこれ十分行われていない、こういう声も聞かせていただいているわけでありまして、厚生労働省においては、平成二十七年に策定をいたしました新オレンジプランに基づき、認知症と診断された後の早期支援に対する体制整備を推進しておりまして、今委員から御指摘もありました認知症地域支援推進員や認知症初期集中支援チームの全市町村への設置を進める中で、認知症の方や家族からの相談対応、あるいは複数の専門職による訪問支援、こういったことにもまず取り組んでいきたいと思っておりますし、今御指摘のガイドブックについては、昨年十二月、公明党からの御提言の中にも盛り込まれております。診断直後の不安を軽減するため、多様な主体による地域のサポート体制を紹介する、こういった中身などを内容とした小冊子、これを今年度末までに作成をし、活用を図っていきたいと思っております。

いずれにしても、こうした取組を通じて、認知症の方御自身、またそれを支える家族の皆さん方が住み慣れた地域の中で仕事もしながらまた暮らし続けていける、こうした社会の実現に向けてしっかりと取り組ませていただきたいと思います。

○竹内真二君 小冊子の発行という答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 
(以下、略)

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