障害者雇用に関する雇用数の不適切計上問題について

2018.11.21

○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
本日は、五人の参考人の皆様、貴重な御意見、また御提言を賜りまして、心から御礼を申し上げます。

今回の障害者雇用に関する雇用数の不適切計上問題につきましては、私もこの十数年間、特に阿部参考人、また藤井参考人、御一緒に障害者政策をるる進めてきた一人といたしまして、特に国連障害者権利条約の批准までともにかち取った、そういう一人といたしまして、非常に私も、怒りそしてまた落胆、また、私自身も途中、副大臣を経験させていただいておりましたので、自責の念を強く感じているところでございます。ただ、ここを私はむしろばねにしながら、ここから、国においても、また地方自治体においても、障害者にどのような道を開いていくことができるのか、それぞれがまさに活躍できる、そうした共生社会をつくるための大きな一歩にしていきたいという思いでおります。

そこで、具体的に、時間も限られておりますので、伺ってまいりたいと思います。

まず、阿部参考人、そして藤井参考人にお伺いをしたいのですが、今回、検証委員会が、ずさんな実例、慣行が継続してきた背景として、国の行政機関における障害者雇用の促進を実効あらしめようとする基本認識の欠如と法の理念に対する意識の低さ、何度も指摘をしております。

私は、この障害者雇用に対する意識の低さは、とりもなおさず障害者に対する意識の低さではないか、このように受けとめております。これをどのように今後改善をしていけばいいのか、そのお考えを伺いたいと思います。

○阿部参考人 高木委員御指摘のとおりだと思います。
それで、やはり大事なことは、先ほどもお話ししましたけれども、障害者権利条約のもとに、障害者差別解消法、そして雇用促進法、ただし、雇用促進法が公務部門に該当しないという問題は大きな問題だと思っていますけれども、それをもとに各省庁が、平成二十八年四月から、対応要領、そして関係する機関に、事業者に対してガイドラインを出したというような内容の中で、心のバリアフリー、障害理解というのがすごく大事なことだと思います。

そして、その折にも検討いただきましたけれども、障害理解をしていただくためには、やはり、障害がある当事者の声もとても大事だと思います。

障害理解というのは、障害があって困ること、不便なことの理解にとどまらず、どのような配慮があれば不便なこと、困ることが少なくなるかというようなことをお示しして、具体的に過重な負担になる場合はほとんど少ないんだと思いますけれども、そのようなことで支援が当たり前に行われる社会をつくっていく、その基本的な、根本的なことでございますし、研修などに、また障害当事者、障害があって働いている人の声をお聞きいただきながら、更によりよい雇用環境をつくっていただく必要があるのではないのかなと思います。

これまでのことをしっかりと振り返って反省していただくとともに、これからどうするかということで、心のバリアフリー、障害理解の大切さ、これをお伝えいただくことが大切だと思いますし、それに、私たち障害当事者団体も、また障害がある方も、喜んで協力することだと思います。

以上です。ありがとうございます。

○藤井参考人 大変大事な御質問だったと思います。
差別の反対というのは、平等という答えと、もう一個あります。差別の反対は無関心。実は、これこそが厄介なんですね。

私は、今度のこの障害者雇用の問題というのは、将来もし各部署に障害者が仕事についてもらえば、接することが一番の、この関心ということを、除去していく、あるいは軽減していく方法だと思います。したがって、各部署、各課に障害者が多く入ってくるということ自体が非常に有効じゃないか。

と同時に、今も阿部さんがおっしゃったように、やはり、この政策を決定する過程において障害当事者団体の代表が加わっていくということ。と同時に、私は、きょう各政党いらっしゃいますけれども、できるだけ当事者と懇談会等を持ってもらう。どうしても障害者というのは不利益が集中します。ぜひ、そういう点で、そういうこともやっていく。

公務部門の職員に関しては、できれば一歩出て、何か形として障害者と接するような、あるいは障害者関係の社会支援施設等を訪問したり、何か新しい手当てを講じないと、なかなか意識だけでは弱いというふうに私は思っています。ここもぜひみんなで考え、私たちもまた提案していきたいと思っています。

以上でございます。

○高木(美)委員 ありがとうございました。
次に、有村参考人、そして栗原参考人に伺いたいと思います。
先ほど、これから人材のとり合いが、国、地方自治体、それと民間企業と起こり始めるのではないかという御懸念がございました。現実、私のところにも、国の試験を受験したいのだがという問合せが既に来ております。そういうことを考えますと、先ほど来、特に身体障害の方については高齢化等が懸念をされている、やはり、精神、知的、当然発達障害も含めまして、精神障害の方たちの雇用をどのように進めていくかということは、国、地方自治体のみならず、民間企業におかれても非常に重要なテーマであると伺いました。ただ、やはり、これのノウハウというのがまだ確立されていないのではないかということもあります。

精神障害、また知的障害も含めまして、こうした見えない障害、これを持つ方たちに対する雇用促進についてのお考えを伺いたいと思います。

○有村参考人 特に見えない障害の二つの障害については非常に難しいというのは先ほども述べさせていただきました。

もう一つ、知的障害だから、精神障害だからといって一くくりでその特性を言えるものではございません。一人一人の個人の個性を見て仕事をつくり出していく必要がございます。その人にとっては何ができるのかというところに合わせて仕事を改変させていく必要がございます。ですから、重要なことは、今の仕事の形をそのまま維持するのではなく、仕事の形を障害者にどう合わせて組みかえるかというところをやっていく必要があります。これには決まったパターンがあるわけではなく、ここが難しいんですけれども、その辺の柔軟性。

それから、もう一つ重要な点としましては、特に精神障害者の場合は、時系列での変化がありますので、ここをサポートする専門のスタッフ、支援体制、これがぜひとも必要になってきます。この支援体制を持たないまま進めると、やはり離職というところにつながりますので、ここが必要になってくると思っております。

私の方の意見は以上でございます。

○栗原参考人 人材のとり合いというお話が今出ました。
ある国立の大学の先生とちょっとお話をしましたらば、推薦してほしいと、推薦というのは、障害を持たれた方を推薦してほしいというような、ある役所の方からそういうお話があるという話と、もう一つ、手帳は持っていない、しかし学習障害とかそういうような多動性障害を持たれた方、そういう方の就職のために、これは余り言うと問題になるかもわからぬですが、その本人に手帳をというようなお話もしたこともありますというようなお話も伺いました。

ただ、今、有村参考人のお話のとおり、やはり、個々によってみんな違うわけですね。ですから、同じパターンでの仕事なんてまず無理だと思うんです。ですから、その人その人に合った仕事というのを、入ってからは、やはりそういうような個々に合った仕事をしていただく、又はつくり出すしかないというふうに私も思っております。

以上でございます。

○高木(美)委員 私も、さまざまな企業、また作業所、事業所等を視察もさせていただきまして、そのどこに伺っても、今お話あった、その人に合った仕事を切り出すしかないという、もうまさにそれぞれに合った形で仕事をつくっていらっしゃる、しかも、それを障害者の方たちが誇りを持って説明をしてくださる、その光景にずっと接してまいりまして、本当に難しいんですけれども、それがどういう経緯でそう至ったか、そこまで本人が誇りを持って語れるようになったかという、その中のところを、やはりこれはオープンにしていただく必要もあるのではないかと思います。

そうしませんと、一人の人に合ったという形でも、それはやはりジョブコーチしかわからないというような形ではなかなか進まないかなという思いもありますので、ぜひとも、またそうした事例の収集等につきましてはお力をいただきたいと思っております。

むしろ、こうした事例集をしっかりと横展開をしていく段階に入ったと思っております。また、これを強く厚労省にも求めて、進めていきたいと思います。

もう時間も参りましたので、最後に、地方自治体の取組をどう進めていくかというところが大きな課題でございます。特に、教育委員会、全て、三千八百九人の地方自治体の数に対しまして、二千三百五十九人というこの不足数、ここをどうクリアしていくかというところもあります。これについての地方自治体の取組を促す方策につきまして、これは、阿部参考人と、それから三橋参考人に伺いたいと思います。

○三橋参考人 教員を希望する障害者の人は積極的に教員として採用してもらうというのは当然ですけれども、なかなか数の上では、数を満たすところにはいかないと思います。

その上で、教員だけが教育委員会の職員じゃないんですね。いろいろ、学校には現場に仕事があります。私の友達も、長いこと、学校の用務員さんというのかな、いろいろ作業する、そういう仕事をしていました。ですから、もう少し幅を広く見れば、教育委員会で障害者の働く場所というのはたくさんあると思いますね。

ですけれども、それにはやはり、今の仕事の中に誰かを、誰かのかわりに障害者を雇うとかという発想ではなかなか進まないと思いますので、新しい仕事をつくるという観点で、例えば、用務員さんなんかも減らしていますよね。それを新たにもう一度配置をして、それでいろいろな仕事をやってもらうというようなことを通じて障害者の人をたくさん雇っていけるんじゃないかと思います。

私が勤めていた千葉県でも、やはり教育委員会だけはどうしてもいまだに未達成という状態ですね。

○高木(美)委員 本日は、大変貴重な御意見、ありがとうございました。本日の皆様から伺いました御意見につきまして、また実現に向けて頑張ってまいりたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

(以下、略)

ページ上部へ戻る