民間事業者による登記に必要な書類を生成できる事業、外国人人材の活用、成年後見制度などについて

2019.2.27

○高木(美)分科員 公明党の高木美智代でございます。
山下大臣には、初めて質問をさせていただきます。朝早くから夜遅くまで、大変にお疲れさまでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

まず、去る二月二十四日開催されました司法書士制度推進議員連盟総会、この際も議論になりましたが、昨年八月一日、法務省に対して、産業競争力強化法に基づいて、経済産業省から、民間事業者による、登記に必要な情報書類を簡単に生成できる事業についての照会がありました。それに対して法務省は、昨年、平成三十年八月二十三日付で回答をされております。その回答につきまして質問をさせていただきたいと思います。

まず、経産省が照会を求めた事業といいますのは、民間事業者が新しい事業として、本社移転登記に必要な書類の生成に関して顧客をサポートするサービス開発を検討している。

まず一点目は、ウエブサイトを通じて、ウエブ上の質問に対し利用者が順次回答をする、よくある形です。その結果により、必要な書類の一覧を表示する。そして最後に、依頼するというボタンをクリックすれば、入力してきた情報をもとに、自動的に本社移転登記の書類として生成をする。二つ目に、その書類を代行印刷し、必要額の収入印紙を同封して利用者に送付する。こういう事業でございます。

利用者は、それを受け取って、内容を確認し、押印した上で、地元の法務局に提出をします。事業者が徴収するのは印刷と送付に関する手数料、消費税、こういう内容なのですが、これに対して法務省の回答は、今申し上げたこの一、二の事業は、株式会社の本店移転の登記に必要となる登記申請書、印鑑届け書等を利用者が登記所に提出するためだけに作成する場合に限定されており、個別の事案において利用者からの依頼に基づき個別具体的なアドバイスをするようなものでない限りにおいて、確認の求めのあった法令の条項との関係においては、一及び二の事業は全部実施可能である、このように回答をされています。

実は、司法書士会連合会としては、この回答は、確認を求める対象となる法令を所管するという立場から、とても認めることはできない、照会者から提示された事実のみを前提として、その時点における見解を示したものとはいえ、認めることはできないとしております。

その司法書士会連合会の主張としましては、回答において、個別の事案において利用者からの依頼に基づき個別具体的なアドバイスをするようなものでない限りにおいてとされてはいますけれども、言うまでもなく、登記相談、登記申請書類の起案、作成をすれば直ちに司法書士法違反となるのは当然ではないかと。当該事業は、利用者の判断で回答させるとされているが、申請書の作成に向けた誘導があり、事業者から個別具体的なアドバイスがされている状態と実質的には同様であり、司法書士法違反に当たると考える。本回答の再考を含め、当該事業者の事業活動の監視、また、同業他社に対する調査の徹底並びに非違行為に対する司法書士法違反による告発等を含む厳格な対応を求める。このような主張が司法書士会連合会の主張でございます。私も全くそのとおりだと考えております。

法務省はどのように対応されるのか、答弁を求めます。

○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の、経済産業大臣からの確認の求めに対しまして、法務省の方で平成三十年八月二十三日付で回答したわけでございますが、この回答は、まず一般論として、事業者がウエブ上に本店の移転の登記の申請をするのに必要な一定の入力フォームを用意し、その上で、利用者が自己の判断に基づき、その入力フォームに用意された項目に一定の事項を入力して登記申請書を作成するという作成支援行為や、その際に一般的な法解釈を踏まえたQアンドAを用意すること自体は、司法書士法違反には該当しないとしております。

他方で、個別具体的な事案に応じて、入力内容についての相談を受け、入力内容を具体的に教示する行為は、司法書士法第三条第一項第五号の事務に該当するおそれがあるとした上で、商業登記の申請書に添付すべき書面は、株式会社の機関設計等に応じて異なるのが一般的であり、個別具体的な事案に応じて必要となる添付書面やその内容について相談を受けることは、司法書士法に違反するおそれがある旨を明らかにしているところでございます。

その上で、委員御指摘のとおり、結論として、本件の事業は、株式会社の本店移転の登記、つまりそういった特定の登記に必要となる登記申請書、印鑑届け書等を利用者が登記所に提出するためだけに作成する場合に限定されていること、こういったことを前提として確認した上で、さらに、個別の事案において利用者からの依頼に基づき個別具体的なアドバイスをするようなものでない限りにおいてとの条件を付して、司法書士法との関係で、実施可能であるとしたものでございます。

法務省といたしましては、このように、今回の回答により、実施が許容される事業の範囲はただいま申し上げました条件を満たす場合に限られるものと回答しているところでございまして、仮に個別の事業者においてこの範囲を超える事業を実施した場合には、司法書士法第三条第一項所定の事務を司法書士でない者が行ったものとして、厳格に対処する必要があるものと認識しております。

法務省としては、サービス内容や宣伝広告の内容を含めたこのような事業活動の実態を注視し、司法書士法等に抵触することがないかどうかを見きわめた上で、違法な行為を認知した場合には、関係機関及び関係団体と協力しつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。

○高木(美)分科員 局長、適切に対処というのは、どういうことになるんでしょうか。
しかも、先ほどお話あった、こうしたサービス内容、そしてまた宣伝広告内容、こうしたものを実態を把握しながら、抵触するかどうかしっかりと見た上で対処するというお話ですけれども、現実に、この事業者は、申請書の作成というところを、生成と言葉をつくりかえている、しかも、プリントアウトして押印すれば申請書が作成されるというふうにしておりまして、巧妙に司法書士法違反とならないようなやり方をしております。

また、事業者はホームページ上で何と言っているかというと、グレーゾーン解消制度により、当社のウエブサービスが司法書士法違反でないことが確認されました、こういう見出しで、法務省から、当該事業は司法書士法第三条第二項第二号の司法書士の独占業務に該当せず、司法書士又は司法書士法人でなくても事業を行うことができる旨の回答を受けました、このようにはっきりと書き込んでおります。これははっきりと対処をしていただくべきと考えます。

また、こうした事業者に対して、法務省の回答にある、確認の求めのあった法令の条項との関係においては、全部実施可能である、こういう法務省の回答の書きぶりというのは、余りに法務省に警戒心がなさ過ぎるのではないかと私は言わざるを得ないと思っております。

既に、この司法書士会連合会におきましては、各地で、こうした誤解が走る、したがって撤回すべきである、こういう決議が今始まっていると聞いております。

撤回するとか、さらなる見解をはっきりと出すとか、急いで何らかの対応をしていただきたいと考えております。

翻って、先ほど来、これは個別のアドバイスには当たらないというお話がありましたけれども、ホームページ上で誘導しながらだんだんその選択肢を狭めていく、こういう行為をどう見ていくかというところにも関すると思うのですが、私は、それはまさにアドバイスに当たるのではないかと思います。個別の、御自分たちの情報を入力していく、それを最後にまとめる形で、これを依頼しますかというボタンをクリックしていく、こういうやり方というのは、まさに司法書士法の違反ではないかと考えます。急ぎ対応をする必要があると思いますけれども、いかがですか。

○小野瀬政府参考人 お答えいたします。

委員の方からも、いろいろと宣伝のあり方等々についての御指摘がございました。

先ほど申し上げましたとおり、こういった事業のサービス内容、あるいはその宣伝広告の内容も含めて、そういったような実態をしっかりと注視して、司法書士法等に抵触することがないかどうか見きわめて対応してまいりたいと思っております。

○高木(美)分科員 これは八月二十三日に回答が出されています。
企業というのは、スピードが速いんです。これがずっと広がっていって、しまったと思ったときには、もうこれは世の中の常識になってしまっている。しかも、そこで司法書士法違反の常識が通るということは、私は、これは法務省として何としても避けるべきであると考えております。

大臣、今のお話を聞かれまして、いかがでしょうか。

○山下国務大臣 お答えいたします。
先ほどのお問合せの件に関しましては、法務省としては、実施が許される事業の範囲というのを限定的に回答しているというふうに考えておりまして、この範囲を超える事業を実施した場合には司法書士法三条一項に違反する、したがって、厳格に対処する必要があるものと認識しておるところでございます。

したがって、法務省としては、サービス内容や宣伝広告の内容を含めた事業活動の実態、これを今後しっかり注視してまいります。そして、司法書士法等に抵触することがないかどうか見きわめた上で、違法な行為ということで認知した場合には、関係機関や関係団体と協力しつつ、しっかり対処してまいりたいと考えております。

○高木(美)分科員 私は、もう既に誤解といいますか、法務省が意図した回答、そこの条件付のところが全部飛ばされて、実態上できるという結論に宣伝をされているわけです。明らかにそうした宣伝のあり方自体、法務省として対応すべき事柄であると考えております。 
したがいまして、重ねて何らかの見解を示されるとかということが、あくまでもこうしたただし書きというのが重要なのだという、また、どういうことが司法書士法違反に当たるのか、もう少し詳しく法務省としておまとめいただきまして、見解を出される必要があるのではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

(以下、略)

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